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かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄 - (2012/09/04 (火) 10:04:09) のソース

//大量に文章を削除するタイプの編集をする際は、一度意見箱に来てください。
//↑削除した編集者はここをよーく読みたまえ。
*かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄
【かまいたちのよる2 かんごくじまのわらべうた】
|ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000065V6P)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|チュンソフト|~|
|発売日|2002年7月18日|~|
|定価|6800円|~|
|分類|&bold(){賛否両論判定}|~|
|ポイント|メインシナリオの構造が前作から大きく変化&br()エログロ描写注意|~|
|>|>|CENTER:''[[チュンソフトサウンドノベルシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1087.html]]''|

**概要
SFCで大ヒットしたサウンドノベル『[[かまいたちの夜>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/41.html]]』の、8年ぶりの新作。~
ただし単なる続編でも全く別の世界でもなく、「前作を劇中劇(ゲーム中ゲーム)としたパラレルワールド」という、極めて特殊な位置付けの作品となっている。

**評価点
-ハードがPS2になったことで、SFCだった前作と比べて表現力が格段に向上した。
--登場人物がシルエットなのは前作同様だが、のっぺりとした「影」だった前作とは違いクリスタル状のポリゴンとなり、前作では限られたシーンでしか使われなかったキャラクターのアニメーションが随所で挿入されるようになった。それでいて、容姿はプレイヤーの想像する余地が残されている。
--人物とは逆に、背景はよりリアルな実写になった。中でも、打ち寄せる波や風に揺れる樹木といった動きのある背景ムービーは、ループの継ぎ目がわからないほど自然なものに。
-○○篇と分類されるシナリオの筋は全11本(内2本は短編)と、ボリュームが大幅に増した。
--本作では1本のシナリオにおけるトゥルーエンド以外の結末を、その内容の良し悪しに関わらず「バッドエンド」と呼ぶ。それらを全て合わせたエンディングの数は100を超え、ボリューム増の一端を担っている。

**前作との比較における問題点
-『1』の設定はあくまで「&bold(){『2』の登場人物達をモデルにして作られたゲーム}」の話とされたため、キャラや背景設定などは前作から大幅に変更されている場合がある(その場にはいなかった事にされたキャラまでいる)。この点は前作に愛着を持っていたファンに違和感を生じさせ、賛否が分かれた。

-本作の謳い文句と実際のゲーム内容にズレがある。
#region(※ネタバレ 閲覧注意)
-パッケージ裏では「連続殺人を止められるのはあなたしかいない」とあるが、実際は、トゥルーエンドである「完」に繋がるルートで3人の被害者が出る展開を''変える事はできない''。
--前作と違って、犯人当てを失敗したルートでも更なる殺人は起こらない。プレイヤーの介入で展開が左右される構造になっていない事に、拍子抜けしたファンは多い。
--最初の殺人が起こった直後に犯人を当てて以降の事件を防いだり、最初の殺人を防いで犠牲者を出さずに終わらせる結末も用意されてはいる。ただし事件の全貌が明らかにならないためバッドエンド扱い。
//--パッケージ裏では「連続殺人を止められるのはあなたしかいない」とあるが、実際はトゥルーエンド「完」に繋がる「犯人選択・入力場面」に行き着くまで''3人は必ず殺される''。止めたくても止めようがない。そして、犯人当て失敗以降の展開に変化がない(前作では入力失敗後、更に被害者が増えていった)。この点、前作と大きく異なる部分である。
//---この犯人入力、入力を間違えても再入力が可能、入力直前に事件解決のヒントとなる部分のみを再読できる、推理説明時の選択肢が分かりやすい、など、前作に比べて難易度はかなり低下しているが、殺人を絶対に止められないのは、やはり理不尽。
#endregion

大前提である設定からして前作の存在を否定しているようであったり、前作のような能動的なミステリーとは異なるゲーム内容であったりといった部分に、裏切られたと感じた人は多かった。~
また、本作ではメインであるミステリーシナリオ以外にも、追加選択肢やサブシナリオが前作以上に大量に用意されているが、これも前作とは赴きの異なる内容だった。~
//「いろいろと問題のある内容だった」という書き方に少し御幣があったので直した。

-前作のサブシナリオはどちらかというと雰囲気や設定で恐怖感をあおるシナリオなどが多かったが、今作はグロに虫に電波にと、読み手に生理的嫌悪感・不快感を与えるスプラッタ系の表現を含むものが多い。
--ネタバレを回避して、内容に触れると「飛び散る血飛沫、砕け散る肉、這いずり回る大量の蟲」と言ったところ。「怖い話ではなく嫌な話だ」という意見も少なくなかった。
--また、トゥルーエンドに救いの無いものが多く、鬱要素も多分に含む。主人公・ヒロインとて例外ではない。
--恒例の「ピンクの栞」で解放される「ちょっとHなシナリオ」も、今回は映像面の描写が直接的で露骨。はっちゃけたコメディかつハッピーエンドの笑えるシナリオで、陰惨な内容が多い今作における息抜きのようなものだが、その露骨さは下品と受け取る人もいると思われる。

-大量に盛り込まれたバッドエンドは話のバリエーションを広げるものの、展開の前後に脈絡のない場合も多い。その大半はメインシナリオクリア後の追加選択肢によるお遊びなのだが、悪ノリが過ぎたと言うか、人によっては読後感の良くないものもある。
--バリエーションの一環として、ヒロインが主人公を裏切るような行動に出る事がしばしばある。全体のボリュームがあるため割合はそう多くなくとも、悪い意味で印象に残りやすい。
--前作のバッドエンドはそれまでのシナリオの流れと矛盾しない形で描かれることが多かったが、今作のバッドエンドはシナリオの設定そのものが大きく変わってしまう事が多い(ほとんどが矛盾をはらむ超展開)。
---一例として、犯人を自分だと言った場合、前作では激昂した登場人物に殺されるというものだったが、本作では自白したことを褒められ、さらに外に待っていた警察に連行されるというそれまでの流れからはありえない展開になる。

-サブシナリオの1つ「妄想篇」は、それまでのどのグロ・電波展開とも次元の異なる、本作随一の問題児シナリオ。主人公の行動も選択肢の内容も、プレイヤーを完全に置いてけぼりにする。
--どの選択肢を選べばトゥルーエンドに至るのか全くわからない。それ以外の選択肢はほぼバッドエンド一直線、表現の過激さも一層増している。
#region(「妄想篇」のバッドエンド ※ネタバレ グロ・電波 閲覧注意)
-ドアを開けるとそこは血の海。ふと気付くと自分の腹に大穴があいている
-ドアを開けるとそこはまるで冷凍室。部屋には床、壁、天井問わず部屋一面に人が凍りついている
-ドアを開けるとそこは真っ白。その空間にあらゆる言葉があふれ出る
-ドアを開けるとそこは暗闇。その中であらゆる人たちに全身を噛みちぎられる
-いつのまにか自分が昆虫になっている。虫ピンで固定されて失血死
-いつのまにか自分が昆虫になっている。殺虫剤を自ら吸い込んで自殺
-自分の目の前に選択肢が見える。見たくないので目玉を潰す
--これらのバッドエンドをかいくぐっても、最期には前作の設定と絡む哀しく救いようのない結末が待っている。選択肢やバッドエンドは真実を示唆する内容であり、真相を知ることでそれまで理解不能だったシナリオの意味もおぼろげにわかるようになるのだが、知れば知るほど救いの無さが深まるばかり。
#endregion
--ただし、全てのバッドエンドを含んで一つのシナリオになっているなどその完成度は今作でも随一と言え、また、テキストの表示法、背景絵、音楽など、サウンドノベルとしての特性を非常に効果的に活かして本シナリオの狂気的な世界観を作り上げている。良い意味でも悪い意味でも他シナリオと違う前作との深い関わり方もあり、そこに起因する真相の鬱さや内容の電波さから嫌う人も多い半面、構成の巧みさや高い演出力を評価するファンは多い。
//元の「「2は妄想篇のためにある」「妄想篇がメインでよかった」」という言い回しを避けた表現にしました。
**シナリオ上の問題点
#region(主に「わらべ唄(ミステリー)篇」における各種設定、展開の強引な点・矛盾点)
-メインシナリオは「本格ミステリー」と銘打たれているのだが、謎解きや展開が非常に無理矢理で、各所で散々突っ込まれていた。そのためか、『×3』のシナリオはこれらをフォローするかのような内容となっている(それでもフォローし切れていない)。
--50年に一度の大風の日「鎌イタチの夜」にあわせての犯行だったわけだが、50年前とそっくり同じ状況にならなかったら成立しないトリックを使っている。大掛かりな犯行の割りには運任せがすぎる。
--本作の殺人トリックの大筋は、前作で「いくらなんでもそれは無いな」と主人公自身に一蹴されたミスリード選択肢の1つと内容が近いため、反則だろと感じるミステリーファンもいた。
--真犯人の指名の後、犯行に使用された大きなトリックの1つが明かされるが、これも反則級の超テクノロジーが用いられている。

//--前作とはパラレルワールドだとしてキャラ設定をいじっておきながら、前作のキャラ設定を知らない人は犯人がわからないような展開になっている。
//---一応、犯人入力直前に「前作の設定を描写している部分」「その設定と絡む、とある人物の食事シーン」を再読できるが、それでも強引である。
//意見箱の流れからco。犯人を目の前にして改めて名前入力をさせている時点で、一捻りある指名をしなければいけない事は明白だと思う。

//--「この人は他の部屋で殺されて、ここに運ばれたんじゃないか?」「じゃあこの部屋にダイイングメッセージが残ってるかもな」という意味不明な会話。''他の部屋で殺されたのなら、この部屋にメッセージがあるわけない。''

//--''「この窓ははめ殺しだ」と言った直後、その窓の向こうにいた犯人に突き飛ばされる主人公。犯人は念力でも使ったのか!?''
//---ムービーをよく見ると、押し出す手のところだけは割れている。
//ならまあいいか。一時CO。

//--新キャラの1人・村上は、初登場時に「館の主人から直接電話を貰ってやってきた」と発言するが、''その設定は忘れ去られたらしく''、「主人は男なのか女なのか?」と使用人に詰め寄るシーンがある。
//意見箱の流れからco。

-そもそも今回の事件は、警察が(劇中の)チュンソフトに「我孫子って誰なの?」と聞けばおしまいなんだが。犯人は招待客全員の口を封じるつもりだったのだろうか?
--ちなみに、劇中で「メーカーに問い合わせたが、「外部からの持ち込み企画だったので、詳しいことはわからない」と言われてしまった」というやり取りがある。ゲーム業界はそこまでずさんではない筈だが……?
--「実在の人物を実名でキャラクターとして使用するだけでなく、その細かい行動や性格・背景まで詳細にゲームに取り入れる」という手法を取っているにも関わらず、ほとんどの登場人物が「かまいたちの夜」をよく知らない。幾らなんでもおかしいし、本人の承諾も得ずにそんなことをしては、色々と法的に問題があると思うのだが。

-「底蟲村篇」のエンディングの1つでは、ヒロインも主人公も怪物化する実をまったく食べてもいないのに「まだ発症しないところを見ると…」という謎の一文が出る。
//↑どの部分の文章なのか詳細が不明だが、怪物化現象は「実を食べた人間の体液を摂取する」ことでも感染・発症する。「実をまったく食べなかったが、実を食べたヒロインとキスした」ルート以降のエンディングなら、上記の一文は正しい。文章は残しておくので、どなたか検証出来た方、修正・文章の復帰をお願いします。
//↑「透と真理は幸せに暮らしました、これでいいのかたんたんたん…」ってエンドだよ。真理が実に口を付ける前に取り上げる奴だ。だから真理も最後まで正気を保ったままでいる。でもなぜか「発症しないところを見ると…」という文は出るの。

-「陰陽篇」では、推理をした上で多くの人間が生き残り綺麗に大団円で終わるエンディングが(全ての謎を解いていないためか)バッドエンド扱いにされる。一方、物語として完結するグッドエンドでは大量の死者が出る。
--携帯アプリ版では上記のバッドエンドがグッドエンド扱いに変更された。

#endregion

#co(){
**その他の問題点
-『[[弟切草 蘇生編]]』や『[[街>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/57.html]]』に存在したムービースキップ機能が失われている(そんなに長いムービーは無いが)。
//その『街』で、「マフラーを襟巻きと呼ぶのは死語だ」と書かれていたが、本作ではなぜかマフラーの事を一貫して「襟巻き」と呼んでいる(『×3』でも)。
-前作が売れたことに関する自画自賛ネタが頻繁に登場する。まあ前作が売れたのは事実だし、『[[四八(仮)]]』に比べればよっぽど控え目な自慢ぶりだが。
}
//あまり大きな問題点ではないのでCO

**最後の隠し要素
全エンドを見るとサウンドノベルシリーズ恒例の「金の栞」が出現する。
-これによって追加されるのは、隠しシナリオではない。プレイ中、特定箇所の画像が突然乱れ、気持ちの悪い選択肢が表示される、というもの。
--選択肢を選ぶと、意味深な電波文などなどが表示される不気味な演出が4パターン用意されている。
-出現演出を見ての通りバグを意識したものであり、全エンドを出して『2』のグロ・電波世界に浸りすぎたプレイヤーには非常に効果的なものだが、当然、前作のノリとはあまりにも毛色が違う。
-ちなみに、その文の中で、某宗教の教祖を話題にしている。

#region(参考動画:金の栞の追加選択肢)
SFC版やGBA版のかまいたちでも似たような電波文は登場しているが、こちらは更に強烈。
&nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm2874258)
#endregion

**総括・余談
-本作のメインはグロ・電波もの、陰陽道や民間伝承を題材にした怪奇・伝奇ものであり''前作における本編(ミステリー・犯人当て)はオマケ・前菜''である。メインライターの変更・複数起用も含めて「同じことをやっても仕方ない」という考えからこうなったのだろうが、上記にある通り、前作ファンや「かまいたちの夜=ミステリー」と認識していた(前作の内容・本作の宣伝文句から考えて、当然であろう)プレイヤーからの反応は当然芳しくない。
-一方、怪奇ホラーノベルとして見た場合その出来は悪くないため(人を選ぶものであることに違いはないが)、今作からのファンやこのような内容が好きあるいは平気な人からの評価は決して低いものではない。
--前作と方向性が違う今作に「かまいたちの夜」の名を冠したことが賛否を分けた最大の理由と言え、「かまいたちの夜ではなくそういうホラー作品として出せばよかったのに」などという声も少なくない。
-なお限定版には特典として、同年4月に放送されたTVドラマ版のDVDが附属しているのだが、これもアレな内容で突っ込まれていた(むしろ「2が電波な内容になりますよ」という予告だったのではないかとまで言われた)。
-なお、次作の『[[かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/732.html]]』は、この『2』本編における設定を引き継いだ直接の続編になっている。
//ラブテスター編が真かまいたちの夜の協力プレイで復活した。
//↑記事で全く触れられていないので不要かと思います