連載 - 首塚-78g - 「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

　…望達の飲み物を買いに行っていた翼達
　自販機のジュースよりは、売店のジュースの方がいいだろうと、そちらでいくつか注文していたのだが

(………ん？)

　ふと、感じた視線
　敵意の篭っているものではないが、一応警戒して、翼はそちらを確認した
　見れば、翼と同じくらいの若者の姿が数人、あって
　翼達の方を見ながら、何やらヒソヒソ囁きあったり、肘で突付き合ったりしている
　何と無く、頬が赤いように見えるが…

(……あー、そうか、虎吉さんがいるから…)

　ちらり
　自分の隣にいる虎吉に視線をやる翼
　……本来は男性である虎吉だが、顔立ちは女性そのものだし
　胸元も改造(？)の結果、見事なナイスバディだし
　ビキニとパレオをまとうその姿は、美女そのものだ
　そちらに、見惚れているのだろうな
　ただそれだけだろうと考えて、翼はそちらへの警戒を解いた
　………別に、男性である事を伝えて、夢を壊す必要もあるまい、知り合いでもないし

　…翼は、気づいていない
　確かに、彼らは虎吉に見惚れていた

　しかし
　虎吉相手、だけ、ではなく

「なぁ、あっちの奴……良くないか？」
「あぁ……なんつーか、少し水に濡れている姿が………いい」
「おい、誰か声かけて来いよ」
「いや、でも相手は明らかに男…」
「だが、それがいい」
「美女か？男か？どっちを選ぶかが問題だ」
「そしてもう一つの問題は、もう一人傍にいる男が酷くカタブツそうだと言う事くらい、か…！」

　と
　明らかに、翼狙いの野郎共がいる事に
　幸い、翼は気づいていなかった為
　彼が声をかけない限り、騒ぎに発展することはないのだった

全てはノリと勢いが悪いといいつつ続かない