ぷかぷか
ぷかぷかぷか
うつ伏せ状態で、プールで流されていく葉
どう見ても水死体です、本当にありがとうございました
ぷかぷかぷか
うつ伏せ状態で、プールで流されていく葉
どう見ても水死体です、本当にありがとうございました
そんな、葉に
近づく、小さな、小さな、影
近づく、小さな、小さな、影
ちゅーちゅー鳴きながら近づく、ハツカネズミ
名前はノロイ
とりあえず、愛美の水着を回収し、渡してきた後、プールの中を高速で泳ぎまわる変態の気配を追っていたようなのだが
その最中、どう見ても水死体状態の葉を発見し、慌てて近づいてきたようだ
……近づいても、ハツカネズミに何ができるんだという突っ込みはさておき
名前はノロイ
とりあえず、愛美の水着を回収し、渡してきた後、プールの中を高速で泳ぎまわる変態の気配を追っていたようなのだが
その最中、どう見ても水死体状態の葉を発見し、慌てて近づいてきたようだ
……近づいても、ハツカネズミに何ができるんだという突っ込みはさておき
ちゅちゅちゅ、とクロールで近づくノロイ
…ぷかぷか、水死体状態で、目覚めない葉
いや、この状態で目覚めたら、逆に危なそうなのだが
ちゅうちゅう、ノロイは葉の体を、ひとまずひっくり返そうとして……できない
所詮、ハツカネズミはハツカネズミである
都市伝説になりかけとは言え、怪力が備わっている訳でもなし、水に浮かぶ人間をひっくり返すなんてできない
…ぷかぷか、水死体状態で、目覚めない葉
いや、この状態で目覚めたら、逆に危なそうなのだが
ちゅうちゅう、ノロイは葉の体を、ひとまずひっくり返そうとして……できない
所詮、ハツカネズミはハツカネズミである
都市伝説になりかけとは言え、怪力が備わっている訳でもなし、水に浮かぶ人間をひっくり返すなんてできない
ちゅうちゅうちゅう!!と救助を求めるようにノロイが鳴くが…まぁ、やっぱり、ハツカネズミはハツカネズミである
そんなに大きな声が出る訳でもない
そもそも、セイレーンの歌声によって、一般客の姿がない状態、人がほとんどいないのだから、聞き届けられる可能性は低い
そんなに大きな声が出る訳でもない
そもそも、セイレーンの歌声によって、一般客の姿がない状態、人がほとんどいないのだから、聞き届けられる可能性は低い
だが
幸いにも、それを聞き届けた者がいた
幸いにも、それを聞き届けた者がいた
「ノロイ?どうしました………っ!?」
「ちゅちゅちゅー!!」
「ちゅちゅちゅー!!」
ヘルーーープ!!
そう言うように、水死体一歩手前の葉を、ぺちぺち叩いているノロイ
そのノロイと葉に気付き、プールに入ったのは…大樹
望の水着を剥いた変態を探している最中だったのだろう、プールサイドを警戒気味に歩いていたのだが、慌ててプールに入ってきた
ひとまず、葉の体を抱きかかえ、プールサイドに上がる
そう言うように、水死体一歩手前の葉を、ぺちぺち叩いているノロイ
そのノロイと葉に気付き、プールに入ったのは…大樹
望の水着を剥いた変態を探している最中だったのだろう、プールサイドを警戒気味に歩いていたのだが、慌ててプールに入ってきた
ひとまず、葉の体を抱きかかえ、プールサイドに上がる
「……水は、飲んでいない……呼吸も、安定しているようですし、問題ありませんね」
「ちゅちゅ?」
「…………にわかには信じられませんが。どうやら、あの状態でずっと眠っていらしたようです」
「ちゅっちゅー」
「ちゅちゅ?」
「…………にわかには信じられませんが。どうやら、あの状態でずっと眠っていらしたようです」
「ちゅっちゅー」
大樹の推察が当たっているのだから困る
むしろ、眠っていたからこそ、変に水を飲まなかったようだ
何というミラクル
むしろ、眠っていたからこそ、変に水を飲まなかったようだ
何というミラクル
「…ノロイ、鮫守さん達にこちらに来て頂きますので、それまで、この方を見張っていていただけますか?」
「ちゅ?」
「大丈夫だとは思いますが、何かあっては、大変ですから」
「ちゅ?」
「大丈夫だとは思いますが、何かあっては、大変ですから」
大樹は、葉の事を知っている
……最も、詳しく知っている訳ではない
ただ、「組織」の一員である事を知っているくらいだ
…まさか大樹も、「組織」上層部であるNo.0の一人が、自分の同僚をからかいに遊びに、一般下っ端黒服が働いているスペースに来ていたなどと、夢にも思うまい
と、言うか、そんな事実を知った日には、頭痛と胃痛が加速する
……最も、詳しく知っている訳ではない
ただ、「組織」の一員である事を知っているくらいだ
…まさか大樹も、「組織」上層部であるNo.0の一人が、自分の同僚をからかいに遊びに、一般下っ端黒服が働いているスペースに来ていたなどと、夢にも思うまい
と、言うか、そんな事実を知った日には、頭痛と胃痛が加速する
「ちゅちゅっちゅー!」
ぴ!と
元気に、大樹の言葉に返事を返すノロイ
何を言っているのか、大樹には理解不能なのだが、とりあえず、承諾されたと判断する
元気に、大樹の言葉に返事を返すノロイ
何を言っているのか、大樹には理解不能なのだが、とりあえず、承諾されたと判断する
「ありがとうございます……では、私はあの都市伝説を追いますね」
「ちゅちゅ!」
「ちゅちゅ!」
プールサイドを歩いていく大樹の後姿を見送るノロイ
……その、背中に
かすかに、般若を思わせる、怒りのオーラが漂っていたのだが
それは、望を剥いた変態にむけられているものであり、自分に向けられているものではないと判断したノロイは、特に怖がりもせず
ちゅちゅちゅちゅー、と、プールサイドのビーチベッドで寝かされている葉を見張る仕事に専念するのだった
……その、背中に
かすかに、般若を思わせる、怒りのオーラが漂っていたのだが
それは、望を剥いた変態にむけられているものであり、自分に向けられているものではないと判断したノロイは、特に怖がりもせず
ちゅちゅちゅちゅー、と、プールサイドのビーチベッドで寝かされている葉を見張る仕事に専念するのだった
続くかどうか、一切予測できない