「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-78h

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 ぷかぷか
 ぷかぷかぷか
 うつ伏せ状態で、プールで流されていく葉
 どう見ても水死体です、本当にありがとうございました

 そんな、葉に
 近づく、小さな、小さな、影

 ちゅーちゅー鳴きながら近づく、ハツカネズミ
 名前はノロイ
 とりあえず、愛美の水着を回収し、渡してきた後、プールの中を高速で泳ぎまわる変態の気配を追っていたようなのだが
 その最中、どう見ても水死体状態の葉を発見し、慌てて近づいてきたようだ
 ……近づいても、ハツカネズミに何ができるんだという突っ込みはさておき

 ちゅちゅちゅ、とクロールで近づくノロイ
 …ぷかぷか、水死体状態で、目覚めない葉
 いや、この状態で目覚めたら、逆に危なそうなのだが
 ちゅうちゅう、ノロイは葉の体を、ひとまずひっくり返そうとして……できない
 所詮、ハツカネズミはハツカネズミである
 都市伝説になりかけとは言え、怪力が備わっている訳でもなし、水に浮かぶ人間をひっくり返すなんてできない

 ちゅうちゅうちゅう!!と救助を求めるようにノロイが鳴くが…まぁ、やっぱり、ハツカネズミはハツカネズミである
 そんなに大きな声が出る訳でもない
 そもそも、セイレーンの歌声によって、一般客の姿がない状態、人がほとんどいないのだから、聞き届けられる可能性は低い

 だが
 幸いにも、それを聞き届けた者がいた

「ノロイ?どうしました………っ!?」
「ちゅちゅちゅー!!」

 ヘルーーープ!!
 そう言うように、水死体一歩手前の葉を、ぺちぺち叩いているノロイ
 そのノロイと葉に気付き、プールに入ったのは…大樹
 望の水着を剥いた変態を探している最中だったのだろう、プールサイドを警戒気味に歩いていたのだが、慌ててプールに入ってきた
 ひとまず、葉の体を抱きかかえ、プールサイドに上がる

「……水は、飲んでいない……呼吸も、安定しているようですし、問題ありませんね」
「ちゅちゅ?」
「…………にわかには信じられませんが。どうやら、あの状態でずっと眠っていらしたようです」
「ちゅっちゅー」

 大樹の推察が当たっているのだから困る
 むしろ、眠っていたからこそ、変に水を飲まなかったようだ
 何というミラクル

「…ノロイ、鮫守さん達にこちらに来て頂きますので、それまで、この方を見張っていていただけますか?」
「ちゅ?」
「大丈夫だとは思いますが、何かあっては、大変ですから」

 大樹は、葉の事を知っている
 ……最も、詳しく知っている訳ではない
 ただ、「組織」の一員である事を知っているくらいだ
 …まさか大樹も、「組織」上層部であるNo.0の一人が、自分の同僚をからかいに遊びに、一般下っ端黒服が働いているスペースに来ていたなどと、夢にも思うまい
 と、言うか、そんな事実を知った日には、頭痛と胃痛が加速する

「ちゅちゅっちゅー!」

 ぴ!と
 元気に、大樹の言葉に返事を返すノロイ
 何を言っているのか、大樹には理解不能なのだが、とりあえず、承諾されたと判断する

「ありがとうございます……では、私はあの都市伝説を追いますね」
「ちゅちゅ!」

 プールサイドを歩いていく大樹の後姿を見送るノロイ
 ……その、背中に
 かすかに、般若を思わせる、怒りのオーラが漂っていたのだが
 それは、望を剥いた変態にむけられているものであり、自分に向けられているものではないと判断したノロイは、特に怖がりもせず
 ちゅちゅちゅちゅー、と、プールサイドのビーチベッドで寝かされている葉を見張る仕事に専念するのだった





続くかどうか、一切予測できない


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