夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

ワガママを一つ聞いてくれ

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匿名ユーザー

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―――齢千余年 小生は やっと寂しい気持ちから はなれます
        はかなくとも はかなくとも


■   ■    ■    ■

「万能の願望器『聖杯』に、それを巡る殺し合いか……魔界の王を決める戦いに似てるな」

とうに陽は落ち、人気の無くなった公園のベンチに学生服を着た黒髪の少年、高嶺清麿はいた。

夜空を彩る月は雲で隠れ、見えない。

彼の背後の木の上から微かにペラペラと本のページをめくる音がする。
それ以外の音は無く、とても静かだ。
その音に耳を傾けながら清麿は振り返らずに語りかける。

「セイバー、俺とお前はこれからパートナーになって、その戦いに参加しなきゃいけない
……なら、どうしてもお前に聞いておきたいことがある」
「それはまた如何なることか?」

渋みを帯びた声で問われると、清麿は一瞬の逡巡を見せるが、直に迷いなく口を開いた。

「お前が聖杯に何を願うかを知りたい、それをまず知らなければ、俺はきっと……お前と一緒に戦えない」

願いを叶えるために戦うことは高嶺清麿も否定しない。
彼も「王を決める闘い」では『やさしい王様』になりたいと目指す盟友と共に多くの強敵達と戦い、勝利を掴んだのだから。

しかし、彼が経験した戦いは他者の命を奪う事を前提としたものではなかった。
闘いである以上、死の危険もあり、事実彼も一度死の淵に立つ経験をしたが、
あくまで命を奪う事が目的の闘争では無かった。


「……」

背後のサーヴァントは答えない。
またページをめくる音が公園の唯一の音となる。
その沈黙は清麿に緊張を抱かせるに十分な物だった。

「……俺は、確かに願ったさ、遠い所に行っちまった友達と暮らしてた頃が懐かしい
 あの頃に戻りたいってな、でもそれじゃダメなんだ、他人の命を犠牲にしてまでアイツに――ガッシュに会ってもアイツは決して喜ばない!!」

緊張に耐えかねたのか、それとも先に自分の手札を全て見せる覚悟をしたのか
清麿は沈黙を破り、先ほどよりも熱を帯びた様子で言葉を紡いでいく。

願いが希薄だった故か、少年の神の如き賢は眠りに付き、未だ目覚めない。
その声色は僅かの困惑と強き決意が入り混じっていた。

「……俺は死にたくない、せっかくガッシュにもらった『財産』を無駄にしたくない
大人になれない子どもの我儘だって事は解ってるさ、だがそれを承知で頼む、ここからの脱出に力を貸してくれ、セイバー!」

それは、聖杯を渇望するサーヴァントならば叛意を抱くに十分な危険な発言だっただろう。

静寂を裂くように、一陣の風が吹く。

「成程、それがお前さんが決めた進むべき道か、ならば小生が呼ばれたのも、また必然」
           「!?」

風が止み、
パタンと本を閉じる音がしたかと思うと清麿の眼前に人よりも幾分小さな影が現れる。
その影の主は、二足で立ち、見事に和服を着こなし、キセルを咥えた―――ネコマタ。

「……必然、とはどう言う事だ、セイバー」

自身のサーヴァントの姿に多少面喰いながらも、彼がこれまで出会ってきた魔物の子を想いだし、直に平静に戻り発言の真意を探ろうとした。


「小生も、千年間悔やみ、できることならばやり直しを求めたことがある故
 聖杯に対する願いが無いといえば嘘になります」

その言葉に清麿の体が硬直する。
そんな彼に、サーヴァントは予想外の言霊を放った。

「しかし、この不肖の身にも千年という長き股旅の果てに、
過ごした時間は短くとも全てを託し信じられる友人ができました。
その友人ならば小生が終ぞ叶えられなかった願いも『なんとかなる』そう確信しています」

「なんとか、なる……」

予想外の答えを返されただその言葉を反芻する清麿。
それを見たマタムネは相変わらず落ち着き払った様子で、しかしどこか笑みを浮かべながら語りかける。

「そう、聖杯無くとも、『なんとかなる』なれば――小生残念ながら今は聖杯に対する執着と言う物は持ち合わせておりません」

『なんとかなる』、その言葉は清麿の心にも力を与える、不思議な力を持っていた。

「じゃあ……力を貸してくれるのか?」

「いかにも、この身未だ不肖なれど、小生、お前さんの守を務めま……」

そこまで言葉に出してマタムネはハッと固まる。
そして向き直り、改めて清麿と対峙した。

「や、失礼、ついうっかりしていたものでしたからに」

その刹那再び風がふき、空を覆う雲を払う。

「申し遅れた。小生、平安の世から陰陽に通づる麻倉家に仕えて1000年、猫又のマタムネと申すもの」

     「好きな物はマタタビ、以後お見知り置きを」

「…ああ!よろしく頼む、セイバー、俺のことは清麿って呼んでくれ」

そう答える清麿の声に困惑の色はもう無かった。
彼の心に築かれた財産は、躓いた時も、転んだ時も彼の人生を支えていく。
たとえ聖杯戦争に巻き込まれようと、それだけは変わらない。


―――雲から抜け出た『金色』の月が彼らを笑っていた。


■      ■        ■      ■

千年に一度行われるたった一人の魔界の王を決める闘い。

全ての魂が生まれ、全ての魂が還る場所。グレートスピリッツを巡る戦いシャーマンファイト。


どこか聖杯戦争に似た戦いを経験した両者の契約はこうして果たされた。
これから彼らを待ち受けるモノは苛烈にして凄惨な闘争だ、だが恐れることは無い。
彼らにはそれぞれの友人から譲り受けた強き心の力があるのだから。

■     ■      ■      ■

俺は生きる。生きて皆のいる世界に帰って見せる
『答えを出す者』は今も発動しない、でも『なんとかなる』
セイバーと共になんとかしてみせる。

他にも俺のように巻き込まれた人が居るのなら、その人達もきっと助けてみせる。

聖杯なんかに頼らずお前に会えた時は、ここで起こった事もきっと話すよ。
それだけじゃない、話したいことはまだまだ山ほどあるんだ。
なぁガッシュ、だから、

だから、いつか必ず――――――!!


【クラス】
セイバー

【真名】
マタムネ@シャーマンキング

【パラメーター】
筋力B 耐久C 敏捷B 魔力B 幸運C 宝具C++

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

【保有スキル】
単独行動:A
主人亡き後1000年間現界し続けた逸話からのスキル。
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる。

心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。

陰陽道:B
『超・占事略決』としてまとめられ、千年後の世にも通じる数々の強力な巫術の数々。


【宝具】

『憑依合体』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:マスター 最大捕捉:1
令呪で繋がったマスターをシャーマンに見立て、セイバーがマスターに憑依する宝具。
憑依されたマスターはセイバーの技、能力がトレースされるため戦闘能力が著しく向上する。
通常の憑依とは違い、その間のマスターの意識は保ったままである。
この宝具は魔力の消費自体は少ないが本来シャーマンでもないマスターに憑依するため解除後にマスター精神力をかなり消費し、多用し過ぎるとそのマスターは最悪の場合死に至る。
また、当然マスターが前線で戦うため、危険度も飛躍的に上昇する。

『O.S鬼殺し』
ランク:C++ 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:1
超・占事略決の陰陽術「巫門御霊会」によりキセルを媒介に鬼、悪霊や妖に威力を持つ
巨大な刀「鬼殺し」を生み出し、霊場恐山が生み出した大鬼すら切り伏せる事が可能。
前述の憑依合体時にはマタムネ自身が鬼殺しと化すためオートで発動する。
その際の鬼殺しの強度、サイズなどはマスターの精神力と魔力、イメージ力に依存する。


『超・占事略決 三日月ノ祓』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:1
前述の鬼殺しに同等のランクCまでのスキルの強制解除・無効化の力を篭めるマタムネのとっておきの技。
しかしBランクからのスキルは無効化できず、最高でも2ランク下げるのに留まる。
どれほどランクが下がるかは相手サーヴァントの対魔力による。

【weapon】
熊の爪の首飾り
麻倉葉王が彼に与えた現界用の媒介
膨大な魔力が込められている

キセル
鬼殺し使用時に媒介となる。

【サーヴァントとしての願い】
マスターを信じ、元の世界へ送り届ける。

【人物背景】
麻倉葉王に拾われ、死後も麻倉家に千年間仕え続けたネコマタ
500年前のシャーマンファイトでは鬼に心を喰われ、人を滅ぼそうとした葉王を信じきることができず、その手にかけてしまった。
その後500年その事を悔やみ続けたが、葉王の子孫である麻倉葉に出会い
その彼の許嫁であり、かつての葉王のような境遇に陥っていた恐山アンナを救うため
恐山にて大鬼と戦い、その結果葉にアンナと葉王の事を託す決意をし、大鬼を倒した後成仏した。
今回は英霊として召喚されているため、宝具である憑依合体解除後も成仏せず、再び猫の姿に戻れる


【マスター】
 高嶺清麿@金色のガッシュ!!

【マスターとしての願い】
冬木からの脱出

【weapon】
魔界の王を決める戦いで培った魔力と経験、ついでにしぶとさ。
そしてそのずば抜けた頭脳。

【能力・技能】
「答えを出す者」

全ての問いに過程をすっ飛ばして答えを出す能力。
答えが無い問いだったり、意識が飛んだ時や睡眠時の様な思考できない時には発動できない
聖杯の仕業か、現在は発動が確認できない。

【人物背景】
元ひきこもりのクールな天才中学生(登場人物紹介より)
赤い本を持った子供ガッシュ・ベルと出会い、百人の魔物の子供達の王を決める戦いに参加し、見事優勝した。
原作終了後より参戦。


【方針】
自分のように巻き込まれた人物がいれば協力し、脱出の道を探す。

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