夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

みえるひと

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
 人は死んだら、どこに行くんだろう。




 とある殺人事件の被害者となった少女の告別式が、日光の下にて執り行われていた。
 その会場を遠巻きに眺める一人の男の名は、石川。犯行を未然に防げず、真犯人も白日の下に晒せなかった警察官の一人である。
 石川の目が映し出すのは、日差しに作り出される陽炎の揺らぎ。すすり泣く遺族達の姿。警察の無力の象徴。

「無垢な命が奪われたことを悔い悼む、その心掛けは尊いものであると思うよ。マスター」

 そして傍らから語りかけるのは、褐色の肌を晒す白装束の男。
 悠然とした態度を見せる彼は、その盲いた両目ゆえに石川の浮かべる表情を視認することが出来ない。
 されど視覚以外の感覚が鋭敏となったセイバーならば、石川が男に向ける感情がどのようなものかなど理解しているのだろう。
 その感情、敵意をして尚、セイバーは表情を崩さない。

「だからこそ、悪も同じく討たれた事実まで君は悔いるべきでない。君の手で捕らえられなかったなどというのは、問題の本質ではないからね」

 淡々と、男は石川の敗北を突き付ける。そして、それを敗北であるとは述べない。
 特に責め立てることなく、男はただ柔和に石川に語りかけていた。

 彼の名はセイバー。またの名を、東仙要と言った。





 冬木の地で催される魔の儀式、聖杯戦争。
 偶然にも、その参加者としての資格を得た一人の男がいた。
 男には、確かに願いがあった。
 自分の職を奪った上司が憎い。行き場の無い自分を見捨てた家族や恋人が恨めしい。明日の行方も知れない自分など気にも留めない、道行く人々のへらへらした笑顔が腹立だしい。
 何をやっても上手くいかせてくれない今の世界が、自分に優しく暖かいものに変わればいいのに。
 浅慮極まる男の願望だが、それさえも聖杯は拾い上げ、ランサーの通名を持つ女の英霊を宛がった。

 女を従者として男が取った行動は、何のことは無いただの強盗殺人である。英霊の実力を試してみたいというそれなりの戦略眼もあったが、むしろ強大な力に物を言わせての鬱屈の発散と言った方が的確だろう。
 ただ欲望を満たすだけの行為であっても、ランサーは速やかに実行し男を喜ばせた。彼女が男を見つめる目に混ざっていた嘲りの色に気付いた際の苛立ちも、彼女の働きを見れば晴れるというものだ。
 ともかく、犯行の舞台となったマンションの一室は血液で彩られ、一組の主従が立ち去った後の室内には身体を無残に抉られた少女の亡骸が残された。
 少女の栗色の瞳は、絶望に見開かれたまま滲んでいた。

 殺害された少女は、真面目さが取り柄のクラスでも人気の子であったという。
 友人からの評判も良かった彼女は、しかしこれきり誰かと笑いあうことも叶わず、限りなく広がる筈だった未来も閉ざされ、無念のまま短い生涯を終えることとなった。
 尤も、男には少女の半生になど興味は無かった。思うことがあるとすれば、彼女の交友関係から足が付く心配は無さそうだという安堵だけだ。
 思い付く限りの証拠の隠滅は済ませた。この街にも警察がいるようだが、どうせ男まで辿り着くまい。万が一辿り着いたとしても、ランサーがいれば返り討ちに出来るだろう。
 男の完全なる勝利である。
 こうして次々と段階を踏んでいけば、どんな強奪も叶う筈。そう、いずれ聖杯とやらも。
 満たされたちっぽけな物欲は、僅かに芽生えかけた罪悪感を容易く踏み潰し、着実に肥大化しようとしていた。

 しかし、事がそう都合良く進む訳も無い。
 男の前に一人の警察官が現れたのは、犯行から一日と数刻ほど経った頃であった。
 石川と名乗ったその警察官は男に言い放った。お前がやったんだろう、と。
 男にとって全くの寝耳に水であった。真相が暴かれるにしても、これは早すぎる。適当なことを言っているだけではないかと考えるも、石川の男を射抜く視線に込められた確信の感情を見れば撤回せざるを得なかった。
 こうして自らの所業を糾弾された状況で、動揺を抱いたまま男が選択したのは言い逃れでは無く口封じ。せっかく手に入れた武力に物を言わせる形で、ランサーに石川の排除を求めた。
 短絡的な選択ではあるが、所詮それが男の器だったと言うべきなのだろう。
 当然ながら、ただの人間でしかない石川には英霊に太刀打ちするなど不可能。腹に食らったランサーの初撃で壁へと蹴り飛ばされ、激痛に動きを鈍らせる。
 接近したランサーが自慢の槍を男へと振り下ろそうとするのを見て、男は二度目の白星を確信した。
 ある種の全能感に身を震わせながら、あとはただ石川の死を見守るだけであった。


――君の正義は、ここで潰えるべきではない。

 石川の首に振り下ろされた槍は、あと数センチメートルまで肉薄した辺りで停止した。代わりに、ランサーの胸が長刀で貫かれていた。
 自らの身に何が起こったか、ランサーがそれを完全に把握するよりも前に長刀は抜き取られ、ランサーの肉体は鮮血を噴き出しながら地面に崩れ落ちた。
 代わりにその場に立っていたのは、長刀の持ち主である白装束の男。既に死したランサーをちらりと一瞥したきり、白装束は男へと顔を向けた。
 ただ呆気に取られたままの男と石川であったが、現状の把握を終えるのは男の方が早かった。自らの身に最大の危機が及んだ土壇場になってて、男は最早無意味な優秀さを発揮した。
 俺の意思じゃなかった。許してくれ。これからは心を入れ替える。
 自己保身の言葉をつらつらと頭に浮かべ、その中で最適解と思われるものを選び出す。しかし、声となることは叶わない。
 男の首が、瞬きする間に刎ね飛ばされていたのだから。

――此度の聖杯戦争にはセイバーのクラスで現界した。共に正義を成そう、我がマスターよ。

 意識が消失するまでの残された数秒間の間で男が聞いたのは、白装束が石川に語りかける声。
 男の目が捉えた最期の光景は、呆けた表情の石川に白装束が片手を差し出す様。
 そして、石川の左手の甲で放たれる赤い輝き。




 失われた二人の命がこの街でどのような意味を持つのか、マスターは考えてみたか?

「……当たり前だ。そんなことを聞くってことは、お前には何か考えがあるのか」

 ああ。まず、あの被害者となった少女の魂魄は感知できなかった。ランサーのマスターだった男も同じだ。
 魂魄は死神の魂葬によって尸魂界に導かれるまでは、『整』……君達の言葉を借りれば『幽霊』として現世に留まる筈。かつて死神であった私の常識に、この街の在り方は反している。
 故に少なくとも、此処は現世ではないのだろう。『幽霊』が存在していないからね。
 死を迎えた魂は何処にも往けず本当の意味で消滅する、在り方としては尸魂界に近いと考えるべきだ。

「それが、どうだっていうんだ」

 ここから考えられる有力な可能性の一つは、街の住人が一種の幻のようなものだというものだ。
 あの少女も本当に死んだわけではない。人の命が失われたように見せかけているだけ。言わば只の『作り物』だ。
 あそこにいる人々も、家族を喪い悲しむ者という役割を演じているだけ。
 こう考えれば、君は何を悔いる必要も無いのだろう。悪が事を成したとは言え、命を奪われた者がいるわけではないから。

「いや、その理屈はおかしい。あのマスターだった……お前が殺した男はどうなる? 俺と同じ状況で此処に呼び出されたなら、奴は本当の意味で死んだ筈だ。だとしたら、あの男に殺された少女もまた同じだった可能性もあるんじゃないのか?」


 そうだ。私もそこが気になっていた。
 数百数千の人間の中でマスターのように記憶を取り戻した、夢から覚めた者だけが聖杯戦争の参加者たり得る。
 問題は、聖杯戦争におけるマスターとマスターでない者の区別は可能だが、マスターでない者が『最初から作り物である』か『未だ本物になっていないだけ』か、私達サーヴァントにも区別はつかないことだ。
 だからこそ、私達はもう一つの可能性を考えなければならない。
 この街に舞台装置として置かれたとされる『作り物』には『本物』が紛れているが、その人数が極少数とは限らない。
 数割に及ぶのかもしれないし、極端な見方をすれば全員がマスターと同じように元いた世界から呼び出されたのかもしれない。
 魂魄だけも同然の存在に作り変えられて、擬似的な尸魂界と化したこの冬木の街にね。
 故に、街の住人は『本物』に見せかけた『作り物』と見なすべきではない。『作り物』に見せかけた『本物』と見るべきだ。
 私達は、安易に他者の命を『作り物』であると楽観視するべきではない。全てが『本物』である可能性を常に頭に置くのが適当だ。

「だとしたら、俺に悔いるなというのは筋違いだろう。何人も死んだんだぞ。あいつのせいで、そして、お前のせいでな」

 君は、あのランサーのマスターだった男もまた死ぬべきではなかったと言いたいのだろう?
 それは誤りだよ。
 命を無為に奪うことは、平和を乱す唾棄すべき所業だ。だからこそ、非道に手を染めた者には決して屈してはならない。
 力を振るい命を摘み取ることは恐れを抱くべき行為だ。しかし討つに値すべき敵と相対した時に限れば、私達の行いは正義だ。

「……だから、あの男を殺すのは正しかったと? 詭弁だ」

 マスター。秩序の遵守が必要だという考えには私も心から共感する。
 しかし、マスターが今ここで警察官としての役割を果たすことに何の意味がある?
 この街で罪を犯したを捕らえたところで、君の帰るべき世界に何の益も齎しはしない。それどころか、その者を逃さないためと言って、永遠にこの箱庭の中に身を置かなければならなくなる。
 何より、悪に相応しき裁きを下さず、赦しといって安寧を約束する……今のマスターが守ろうとしている秩序は善かもしれない。だが悪の前に折れた時点で、悪だ。
 守るべきものを守れず、悪に相応の裁きを与えられない規範を守ったところで、それは真に世界を救うことにはならない。
 聖杯戦争の地に呼ばれたなら、与えられた仮初の役割を果たすのは決して本懐ではない。マスターの為すべき使命は、聖杯戦争での勝利以外に無いのだよ。

「お前は、俺に人殺しの手伝いをしろと言うのか」

 今のマスターは、マスター自身に縛り付けられているようなものだ。
 正義を志すなら、世界を一度作り変えるべきだ。君を縛る法を変え、悪に屈する君自身を変えければならない。

「……セイバー」

 改めて申し上げよう。共に往こう、マスター。私達の歩む道こそが正義だ。





 俺はこれまで、違法な手段で事件を解決してきた刑事を何人も見てきた。
 そういう連中の殆どが自滅している。
 一線を越えるごとに心が蝕まれていって、気が付いたらこっち側に戻れなくなっているんだ。
 ……お前はあっち側の人間になるなよ。




 友愛として差し出されたセイバーの右手を、石川は握らない。
 その代わり、石川の右手はセイバーの胸倉を乱暴に、力の限り掴み上げた。

「誰がお前の同類になるか……!」

 石川の憤怒が露わにされるのを肌で感じながら、しかしセイバーは動じない。
 その見透かしたような態度にまた怒りを抱いた石川は、左手の甲をセイバーの眼前に突き付ける。
 宿した赤の光を受け止めることの出来ない双眸であることなど、石川には関係無かった。

「俺が、お前を令呪で従わせることも出来ることを忘れていないか?」
「私をこの街の警察に突き出すか? それとも、いっそ自害でもさせるか? マスターがそのような行動を取ったところで、聖杯戦争は何も解決などしない。いや、そもそもこの街の法や組織が英霊相手に機能するかも疑わしい」
「お前……」
「あのランサーと戦い敗れたなら理解しているだろう? 君一人では英霊を倒せない。今の君が憎むべき敵と戦うためには、私の力が必要不可欠だよ」

 やはり表情を崩すことなく、セイバーは淡々と事実のみを告げる。
 目の前の男はセイバー、自らのサーヴァント。石川はマスター、万能の聖杯を巡る闘争の当事者。
 被害者となった少女の死も、殺人犯の死も、ランサーの死も、全ては魔法や超常の産物。
 石川の生きる法の社会の尺度では計り知れない代物。唯人の石川では、到底手に負えない相手。
 とうに理解していた筈の現実を突き付けられ、石川は小さく歯噛みする。
 ゆっくりと、セイバーの衣服を掴んでいた右手を離した。

「……こうして私を討たないことが、何よりの証明だよ。君が私の同志となり得る人間であることの、ね」

 どこか親しげにすら感じる声色に、石川の顔はまた憎悪に歪む。
 この英霊は、自分達の関係が上下関係ではないと確信している。
 石川の守る秩序を嘲笑い、しかし石川本人を見下すどころか寄り添おうとしている。
 その掴みどころの無さを、恐ろしいと感じた。
 放たれるセイバーの言葉は、石川の芯の部分を刺激するかのように次第に雄弁さを宿していく。


「不思議だね。マスターと交わした言葉は少ないのに、私は君に共感を抱いている……本当は、マスターも既に理解しているんじゃないのか? 君が『何か』を望んだために聖杯戦争に招かれた事実。君が『この私』をサーヴァントとして召喚した事実。これらを繋ぎ合わせた時に示される意味を」

 セイバーの甘言が、石川を引き付ける。
 疑問を突き付ける冷徹さが、石川の胸の内で得体の知れない悪寒を齎す。
 誘導するかのような声色が、石川の身体を包み込む。
 ……絡み付かれ、呑み込まれる。
 茫然とセイバーの発する声に耳を傾けていた石川は、雑念を振り払うように自らの脳を揺り起こす。
 紡がれそうとなった言葉を遮るように、石川はセイバーに自らの意思を示した。
 吐き出した声は、セイバーだけでなく己自身にも言い聞かせるためのものでもあった。

「都合のいい妄想に俺を巻き込むな。お前が何と言おうと、俺はお前の言う正義とやらには付き合わない。聖杯なんか求めない。そして、いつかお前も捻じ伏せる。これが答えだ」
「今はそれでも構わない。私は君に従おう。しかし力の恐ろしさを知る君なら、その壁を乗り越え、真に正しき振るい方を見出せると信じているよ。その時、私と君は盟友となる」

 石川の反駁にも、セイバーは何ら不快感を示さない。
 ただ形式的な隷属の意思を示すと共に、セイバーの身体が大気の中へと溶ける。
 石川の前から透けて消えゆくセイバーは、最後に柔らかな笑顔を向けていた。

「待っているよ、マスター。君が境界(ボーダー)を越えられる時を」




 絶対的な悪に勝つには、絶対的な正義になるしかない。
 つまり、コインの裏表になるということです。
 傍から見れば同じ物になるということです。





「済まない」

 一人立ち尽くしていた石川は、ふと小さく呟いた。

「君に報いる結果は出せなかった。でもこれだけは言わせてくれ。もう俺は負けない」

 石川の前には、一人の少女が佇んでいた。
 罪人を赦すかのような暖かな笑みを、その顔に浮かべていた。
 その笑顔が、石川にはまた痛ましく見えてならなかった。

「こんなことを終わらせて、必ず帰る。帰って、俺の――」

 栗色の瞳は、滲んでいた。



【マスター】
石川安吾@BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係

【マスターとしての願い】
聖杯に掛ける願いなど無い――?

【weapon】
警察官が使用可能な範囲での装備

【能力・技能】
  • 刑事
捜査一課の刑事として相応の能力を持つ。しかし基本的に自らの能力を真っ当には行使せず、裏社会に住む人間を活用した違法捜査を常套手段としている。

  • 死者との交信
とある事件で頭部に被弾し、摘出できなかった弾丸を頭部に残したまま生活することとなった石川は、その日から死者と話せるようになった。
脳の未知なる領域が覚醒したのではないかと考えられているが、真偽は不明。
死者との交信における大まかな条件は以下の通りである。
①石川にしか死者の姿は見えない。また死者は一切の物理的干渉をすることが出来ず、石川が相手でも同様である。
②死者の姿を見る上で満たされるべき条件は不明。石川がいくら強く望んでも死者が一向に現れなかったというパターンも少なくない。
③死者の姿が見えなくなる条件の一つは、遺体が荼毘に付される(≒遺体が消失する)ことである。
④結局の所、死者と交信する能力の原理自体は一切不明。そのため仮に石川が冬木の地で死者の姿を見たとしても、死者が魂魄や尸魂界とは異なる概念を有しているためなのか、冬木の地が何らかの特殊な作用を与えたためなのか、そもそも全てが「夢」――度の過ぎた妄想の産物でしかないのか、石川含め誰一人として真相を説明することは出来ない。

【人物背景】
警視庁捜査一課に所属する刑事。階級は巡査部長、年齢は31歳。
ある事件に巻き込まれたことをきっかけとして、死者と交信する能力を得た。
持ち前の正義感と、無念のまま命を落とした者達のために行動する。一方で身勝手な犯罪者に対してはかなり高圧的な態度で臨む。
※「BORDER」は複数のメディアで展開されている作品ですが、今作では2014年放送のテレビドラマ版からの出典とします。

【方針】
聖杯戦争にも殺人にも協力する気は無い。冬木からの脱出方法を探す。
現時点ではセイバーを必要な限りで利用するが、いずれ然るべき形で決着を着ける。




【クラス】
セイバー

【真名】
東仙要@BLEACH

【パラメーター】
筋力:C 耐久:C 敏捷:B 魔力:B 幸運:C 宝具:B

【属性】
混沌・善

【クラススキル】
  • 対魔力:C
魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
Cランクでは魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

  • 騎乗:C
騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせる。
尤も、「瞬歩」と呼ばれる高速歩法が可能である東仙には必要性の薄いスキルではあるが。

【保有スキル】
  • カリスマ:C
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。
かつての九番隊隊長、現虚圏統括官としてこのスキルが付与された。

  • 心眼(真):B(→D)
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
後述する特定の宝具を解放した場合のみ、ランクダウンする。

  • 自己改造:D(→A)
自身の肉体に別の肉体を付属・融合させる。このスキルのランクが高くなればなるほど、正純の英雄からは遠ざかる。
後述する特定の宝具を解放した場合のみ、大幅にランクアップする。

  • 裏切りの死神:B
斬魄刀を携え世界の守護者となった魂魄、死神。彼等へと反旗を翻し、彼等の守る世界の秩序を憎み否定した者が有するスキル。
「属性:秩序」のサーヴァントと対峙した際にパラメーターが上昇する。
……本来ならば、無法者を誰よりも憎む東仙にこそ「属性:混沌」のサーヴァントに対抗するためのスキルが付与されるはずであった。
しかし彼自身が反逆者へと成り下がったため、既にその余地は失われた。


【宝具】
  • 『清虫(すずむし)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大捕捉:1人
斬魄刀の解放の第一段階、始解を行った形態。
超音波のようなものを発して相手を気絶させる。
ただしCランク以上の「対魔力」のスキルを持つ相手には効果が半減する(意識を混濁させるに留まる)。
また、「対魔力」のスキルに拠らずとも本人の精神力次第で持ち堪えることも可能。

  • 『清虫弐式・紅飛蝗(すずむしにしき・べにひこう)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:5人
斬魄刀の解放の第一段階、始解を行った形態。こちらは攻撃用に応用させた型。
巨大な針状に分裂させた刀身を一気に撃ち放つ。

  • 『清虫終式・閻魔蟋蟀(すずむしついしき・えんまこおろぎ)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:50人
斬魄刀の解放の第二段階、卍解を行った形態。
刀の鍔の飾り輪が巨大化・分裂し、力場を発生させて黒いドーム状の空間を作り出す。
この空間内にいる全ての者は、視覚、嗅覚、聴覚、魔力感知能力を完全に遮断される。
例外として斬魄刀本体に触れている者のみ、通常時の感覚を取り戻すことが出来る。本体とは刀身自体も含むため、斬られたり刺されたりした場合でも感覚は元に戻る。
ただしBランク以上の「対魔力」のスキルを持つ相手には効果が半減する(感覚をある程度鈍化させるに留まる)。
また、「直感」や「心眼」のスキルの発動を妨げるものではない。

  • 『清虫百式・狂枷蟋蟀(すずむしひゃくしき・グリジャル・グリージョ)』
ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大捕捉:-
解放時パラメーター⇒筋力A 耐久B+ 敏捷A+ 魔力A 幸運D
破面としての斬魄刀解放、帰刃を行った形態。斬魄刀の能力解放ではなく、虚との融合、真の姿への変化と言う方が相応しい。
全身が黒い体毛で覆われ、四本の腕を持ち、背中には鎖が巻かれた二本の角と昆虫のような四枚の翅が生えた、虫のような姿に変わる。顔も口元を除き、土偶のような仮面で覆われる。
その姿は、率直に言えば醜悪。
パラメーターの変動、保有スキルの一部のランクの変動、虚化時の能力の更なる強化の他、盲目であった視力を回復させる。

【weapon】
  • 斬魄刀
全ての死神の武器となる刀。解放の段階および性質に合わせた宝具へと変化する。

  • 鬼道
死神が身に付けた霊術。相手を直接攻撃する「破道」と、防御・束縛・伝達等を行う「縛道」がある。
それぞれに一番から九十番台まで様々な効果を持つ術が多数存在する。数字が大きい術ほど高度で強力である。

  • 虚化
破面としての姿に変化する。虚閃の放射、超速再生の能力を得られる他、『清虫百式・狂枷蟋蟀』の解放条件として必須である。

【人物背景】
元護廷十三隊九番隊隊長にして、虚圏統括官となった盲目の死神。
秩序を重んじ、絶対的な正義の行使を信条としているが、(狛村左陣の言葉を借りれば)内心では「世界を憎んでいる」。
何らかの共感をしたためか藍染惣右介に従い護廷十三隊に謀反を起こし、死神の対極である虚の側に付いた。
やがて虚化の修得さえも明らかとした東仙は、尸魂界への決戦の中で死神として在るべき姿からかけ離れていく。
ゆえにサーヴァントとしての東仙要は、死神の身を捨てたにも関わらず召喚されたクラスが死神の象徴と言うべきセイバー、秩序無き世界を忌み嫌いながら当人の属性が混沌、などの歪さを抱えた有様である。
……本来ならば、狛村左陣と檜佐木修兵に敗北した後に和解を果たして命を終えたのだが、石川の召喚したサーヴァントとしての東仙要はその記憶を欠落させている。

【サーヴァントとしての願い】
絶対的な正義を成す。その実現手段の一つとして聖杯を手に入れる。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー