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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • Kirsch Maiden

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

Kirsch Maiden

最終更新:2010年02月28日 19:30

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だれでも歓迎! 編集

Kirsch Maiden ◆o.lVkW7N.A



暗黒色の帳に包まれた夜の闇は、全ての参加者に、等しく束の間の静寂を約束する。
頭上に輝く月と星はまるで、この殺し合いの一日目を幸運にも生き残った少年少女たちを祝福するかのようだ。
それは美しい、それこそ声を失って息を呑むほどに煌びやかな満天の星空。
排気ガスとビルのネオンに覆われた現代の都会では決して見ることなど不可能なそれは、
さながら淑女の宝石箱をひっくりかえして床に散りばめたような、眩い光跡を誇っていた。
けれどどれほど麗しかろうが、その夜空に心奪われ見惚れる者など今はいない。
何故なら現在のこの島のどこにも、そんな余裕と感性とを兼ね備えた人物は存在しないからだ。
仮にいるとするならば、恐らくその人間の精神は人並み外れて頑強であるか、或いは――――。


     *     *     *


薄黒い雲が星々を覆い隠したのは、深夜十二時に行われた臨時放送から僅かばかりの時間を経てのことだった。
黒雲はすぐにその質量を増大させると、端々からぽつりぽつりと冷たい雫を落とし始める。
どこか濡れない場所へ、と思う間もなく雨脚は激しさを増し、肩を穿つ水滴はいつしかさくらの身体を濡れ鼠に変えていた。
じっとりと濡れた衣服は肌に張り付き、凛と張り詰めた夜気に晒されてどんどんと体温を奪い取っていく。
寒い、寒い、寒い。身体ががくがくと細かく打ち震え、ぴたりと合わさったままの上下の唇が青紫に変色する。
全身を冷たく水浸しにした彼女は、けれどぴくりとも表情を変化させず、その場に立ち竦んでいた。
身体を動かすのは、億劫であり恐怖だった。
「何かをしよう」とそう思えば、それがどんなに些細なことであれ思考する過程が必要になる。
そして、脳のどこか一部分の機能でも働かせればそれだけで、思い出してしまう。考えてしまう。気付いてしまう。
忘れようと、考えずにいようと、気が付かぬままでいようと必死に努めている「そのこと」を。

――――だから、何もしたくはなかった。
復讐も、反撃も、対抗も、逃走も、そのどれをするのも気が引けた。
さくらは思う。ただ淡々とマリオネットのように、繰り手の引く糸の動くままにしていればいい、と。
いつか持ち主が玩具に飽きてぽいと捨てる頃には、全てが終わっていることだろう。
尤も、子供が玩具を捨てるのは、最早これ以上遊べない状態にまで壊れたときだと相場が決まっているのだが――。

改めてさくらは、今の自分の『所有者』である相手に目を向けた。
視線の先に居るのは、己の半分ほどの身の丈しかない骨董人形の如き少女。
すぅすぅと寝息を立てて眠るその様は、自室のベッドでふかふかな毛布に包まっているかのように安心しきっていた。
ふわふわとした金のカール毛にピンクのリボンを結び付けたその姿は非常に愛らしく、
平時であったならば、すれ違う誰もがその可愛らしさに目を細め、笑みを向けたであろうことが容易に想像できる。

「………………て」

けれどさくらにとって、眼前の少女はその外見そのままの存在ではなかった。
どれほど見た目が愛くるしかろうが、『それ』は決して福音のラッパを吹き鳴らす御使いなどではない。
その瞳に映るのは、周囲の人間が齎す赤き血の色。唇から紡がれるのは、毒々しく彩られた狂気の言葉。
纏う空気は濃密な悪夢で、零れる笑顔は地の果てまで落ちていきそうな恐怖の象徴。
天使などとは到底呼べない。むしろそこから最もかけ離れ、百八十度真逆の場所に位置する存在――――。
それが、傍らで昏々と眠る少女の正体……のはず、だった。

「………………して」

逃げればいいじゃない、と自分の中に潜むもう一人の自分が心の奥底で呆れ果てるように命じる。
今、相手はすやすやと眠りこけているのだ。チャンスだけなら存分にある。
だがそれは、どんなに望もうとも初めから不可能な相談だった。
この指輪がある限り、少女と交わしてしまった契約がある限り、自分はどこにも逃げられない。



「…………うして」

ぶるりと身体を震わせて、青くなった唇を前歯できゅっと噛み締める。
全身をぐっしょりと濡らし寒気に肩を抱く自分とは正反対に、雛苺は幸せなまどろみの中にいた。
満面の笑みを浮かべて地面に横たわり、時折「ふみゅー……」と小さな寝言を呟いている。
相違の理由は至極簡単。降りしきる雨は満開の桜の枝に遮られ、少女のもとにはさほど届かない。



――――彼女は『桜』に、守られているのだ。



どれほど雨粒が降り注ごうとも、雛苺の身体が濡れることはない。
水滴は全て、『桜』がクッションになって受け止めているから。
どれほど強風が吹き荒れようとも、雛苺の身体が飛ばされることはない。
疾風は全て、『桜』が盾になって防いでいるから。
だから彼女は傷つかない。自分が起こす出来事の意味合いに、その重さ深さに気付かない。
傍らに立つ『桜』の大樹に保護されて、純真無垢なままの心を保つことが出来る。
少女の頭上に咲く『桜』が、その幹にどれだけの傷を刻まれているか、その花をどれだけ無残に散らしているか、微塵も知らずに。

「…………どうして?」

縦に横にと吹き乱れる雨風にかき消されるのにも構わずに、さくらは同じ言葉を繰り返す。
壊れたオルゴールのように、蓄音機のように。なぞるのはひたすらに一つの旋律だけ。
自問自答、けれど答えは出ない。出ると思っているわけでもない。
ただの無為なお喋り。背中の紐を引っ張ると決まりきった言葉を口にする、昔懐かしい人形のようなもの。
けれど答えを求めていなかったその問いに――――――――、





「……なにが、なの?」





――――――――返答が、あった。

完全に予想外だったその返事に驚いたさくらは、瞬間、なんの言葉も返せずにぴしりと凍りつく。
はっとして声のした方向へ視線を落とし直せば、とろんとした眠そうな瞳の少女がこちらをぼんやりと見据えていた。
紅葉のように小さな掌を口元に当ててふわぁと薄く欠伸をすると、雛苺は両目をこすりこすりして空を見上げる。
「雨、ざぁざぁ降ってるの。うるさくて起きちゃったのよ」
そうして横たえていた身体を起こし、大きく張り出した桜の木陰から一歩外に出た。
降雨の勢いを確認するかのように、手を虚空へそっと伸ばす。
それと同時に、雨に打たれて散った桜の花弁がひらりと風に乗り、雛苺の掌中に舞い落ちる。
一枚、二枚。続々と散下するそれらを嬉しそうに見つめながら、雛苺は尚もさくらに尋ねた。
「……ね、さくら。なにが『どうして』なの?」

その質問に「どうして私なのか」と、そう問い返そうとしたさくらの唇はしかし、勝手に別の言葉を刻んでいた。
それは度し難いほど根本的な、けれどどうしてか非常に気にかかっていた問いだ。



「…………どうして、こんなことするの?」






胸中から離れないその疑問は、喉に刺さった小骨のように時折その存在を主張しては、彼女の全身を痛ませていた。
さくらにとって、この島で最も長い時間を共に過ごしたのは、皮肉にも目の前の少女だ。
恐怖に震え、何も見まいとせず何も聞くまいとしていたとはいえ、彼女の隣にいた時間は確実に存在している。
――――――そして、だからこそ知らぬ間に気付いてしまっていた。
楽しそうに愉しそうに遊びを要求するこの少女が、ほんの時たま酷く寂しそうに瞳を伏せる瞬間があるのを。
長い金色の睫毛をぱさぱさと揺らして視線を落とし、何かをこらえるように唇を噛む痛ましげな表情に。
閉ざしたつもりでいた五感は鋭敏に違和感を感じ取り、さくらの脳へとその事実を伝える。
だからどうしても気になって、こんなにも怖いはずの憎いはずの相手なのに、気付けばさくらはそう尋ねていた。

さくらの言葉に小さく首を傾げた雛苺は、未だ雨の降り続ける空を仰ぎ見た。
滝のように強く降り注ぐ雨が視界を遮り、僅か先ですらろくに見渡せない。
雛苺は雨だれに打たれるのも構わずにぼんやり夜空を見やると、漸くぽつりと口を開き始めた。

「……だって、みんな雛苺を独りにしようとするのよ。
 ジュジュは雛苺を残して死んじゃったし、真紅も雛苺をジャンクにしようとしたの」

訴える語調は次第に弱まり、ひっくひっくと喉をしゃくり上げる声が混じり始める。
頬を伝っている雫は恐らく、先刻から身体を濡らしている雨粒とは違う、もっと塩辛い液体なのだろう。

「前の契約者もそうだったの。……雛苺はあのこがとっても大好きだったのに。
 鞄に鍵をかけて『おやすみ』を言って、それから次のゼンマイが巻かれるまで、ずぅっとずぅっと独り」

雛苺の語る昔話は、さくらが考えだにしなかったものだった。
しかしそれが嘘でないことくらいはさくらにも分かったし、同時にどれほど辛い思い出なのかも想像できた。
何も見えない暗闇の中、ひたすらに一人で過ごす時間とはどのようなものだったろう。
やっと射した光はかけがえのない宝物で、だからこそどんな手段を使っても失いたくないと思ってしまったのかもしれない。
さくらは、心臓の辺りが音を立てて軋むのを感じていた。切なくて、苦しくて、悲しくて、痛い。
でも、だからといってこんな方法は間違っている。それだけは絶対の絶対に否定しようのない真実で――――。

「だから……、だから雛苺は、皆で楽しく遊べるようにするの。
 もう、絶対に独りぼっちにならないでいいように」

赤く腫れた目元を手の甲で乱暴にぐしぐしと擦り上げると、雛苺は再び笑顔を形作った。
けれどその笑みが酷い強がりに満ちているように思えたのは、さくらの思い違いではなかっただろう。
最早そこにいたのは狂ったドールではなく、ただの弱虫で泣き虫で寂しがりやな一人の少女だった。
自分でも意識しないうちに、両腕が前へと伸びる。

「……そっか。ひなちゃんも、辛かったんだね」
「さ、くら……?」

突然のことに、わけが分からないと言いたげな表情の雛苺が、戸惑いがちな声をあげる。
その声を聞きながら、さくら自身もまた、自分の行動に理解不能なものを感じていた。
今、彼女の腕の中には雛苺の小さな体があった。
ただでさえ装飾過多なゴシックドレスが、水分を含んでぐっしょりと重さを増している。
濡れて冷たくなった身体同士をぎゅっとくっつけ、微かな体温を二人で分けるようにして、互いに温めあう。
その優しい温度から、雛苺は逃れようとしなかった。
彼女はただされるがまま、母親の膝の上で眠る赤ん坊のように大人しくじっとしていた。
一向に降り止む気配を見せない雨の中、二人の少女はまるで一つの影のように、ぴたりと重なり合っている。
雛苺の両目からぽたりと落ちた熱い雫が、さくらの胸元にじんわりと丸い染みを作った。
陶磁器のように白い頬をふわりと撫でて顔を上げさせると、さくらは雛苺に優しく、けれどきっぱりと告げた。



「……でも、こんなやり方をしてちゃだめだよ」

その声に怯えは感じられない。さくらの視線は、既に前を見据えていた。
それは先刻までの何も映さない虚ろな瞳とはまるで違う、確かな意志の焔を宿した双眸だ。
木之本桜の原動力は、いつだって他人への優しさと思いやりで、それはどんな時でも変わらないはず。
なのに、絶望に固まって一人で勝手に瞳を閉ざして、それでいいわけなんであるはずがない。

「さっきまでは怖いだけだったけど、ひなちゃんが何を考えてたのかやっと少しだけ分かった」

だからさくらは動き始める。
目を開けて、耳を傾け、自分の手足で再び歩き、自分の声で自分の思いを、自分の言葉を使って喋る。
漸く踏み出した再開の一歩目は勿論おっかなびっくりで、
どこをどう行くのが正しい道なのかなんて、己自身にだって少しも分からないけど――――。


「……あのね、ひなちゃん。独りになりたくないのは分かるよ。だって、私もそうだもん。
 でも、そんなふうに無理やり友達を作ろうとしても、それは本当の友達じゃないって、私はそう思う」
「そんなの、雛苺だって分かってるのよ!! ……でも、じゃあ雛苺はどうすればいいの!?
 雛苺は一人ぼっちが怖いの!! 嫌なの!! 遊んでくれるお友達がいないと、雛苺はとってもさみしいの!!!」


肺へと深く息を吸って、吐いて。胸に手をぎゅっと当てて、覚悟を決める。
声を荒げる雛苺に、さくらは躊躇せずその言葉を告げた。
どうしてか、それを口にすることに対して後悔はしないだろうという確信があった。

「……だったら、私が友達になるよ」
「え……?」

ざぁっと吹き荒れる横殴りの豪雨が、二人の間に灰色がかった透明の壁を作っている。
その壁を打ち砕くかのように、すり抜けるかのように、さくらは開いた手を雛苺へと差し出した。
不可解そうに目を見開いてぱちぱちと瞬きをする雛苺が、さくらの掌に腕を伸ばしかけてすぐに引っ込める。
躊躇いがちな視線が、ちらちらと訝るようにさくらを覗き見ていた。
そんな雛苺を、対するさくらは微塵も目を逸らさずにひたすら見つめ続ける。

「私が、友達になってあげる。ひなちゃんのこと、一人にしないって約束するよ。
 ……だから、代わりにひなちゃんも約束して。もう、あんなことしないって。
 あんなふうに誰かを襲ったり…………、殺したりしないって」

その言葉を聞いた瞬間、雛苺が声にならない絶叫を咽喉から溢れさせていた。
先ほど以上に大粒の涙をぼろぼろと零しながら、その腕がおずおずとさくらのそれへと伸ばされる。

「ほんとうにほんとうなの……? さくらは、雛苺とずっといてくれる?」
「……うん、本当。嘘なんかつかないよ」

柔らかな笑顔でそう告げるさくらのもとに雛苺が駆け寄り、彼女の身体にひしと密着した。
二つの掌がそうっと重なり合い、触れ合った場所から、じんわりとした温かさが泉のように湧き上がる。
小さなその身体を抱きかかえていると、まるで本当の妹を慈しんでいるかのような気分になった。


不思議だった。
ほんの少し前までは恐怖の象徴でしかなかった相手を、こんなにも近い場所に招き入れていることが。
あんな言葉をかけて、こんな風に抱き締めて、優しく優しく接している自分の行動が。
それでもさくらは心の最奥で、酷く簡単なその理由を確かに理解していた。
それは単純な、けれど純粋な想い。
それがたとえ誰であろうとも、「誰かが泣くのを見たくない」と、たったそれだけのささやかな願い。




さくらはふわりと唇をほころばせ、無敵の呪文を唱えようとする。
杖がなくても、カードがなくても問題なく使える、さくらを奮い立たせるための何より強い最高の呪文。


「だから心配しないで、ひなちゃん。絶対……、だい、じょう…………」


けれどその呪文を最後まで言いきる前に、さくらの両膝から力がすっと抜けていた。
「あれ……?」と思う間もなく大きく横によろけ、どさりと派手な音を立てて地面に転がり込む。
湿った土がぬかるんだ泥と化し、手や頬をべちゃべちゃと汚らしくよごしている。
何とか立ち上がろうと手足に力を込めるものの、まるで空気が抜けたかのように四肢が言うことを聞いてくれない。
背中を打つ雨の冷たさにどこか心地よさを憶えながら、重いまぶたがゆるゆると閉じていくのを感じていた。
きっともう、自分の身体は限界なのだろう。
ただでさえ積み重なった疲労にプラスして、この豪雨の中で傘も差さずに居続けたことで全身冷え切っている。
頭の芯がぼんやりする感覚は、恐らく発熱によるものだ。
「さくら!! さくらどうしたの!?」
「ひな、ちゃ……」
すぐそばにいるはずの雛苺の声すら、ひどく遠いところで叫んでいるように聞こえる。
さくらはぼうっとしながらもなんとか口を開こうとしたが、その言葉が形になることはなかった。
意識がするりと遠のいていくのを感じたと同時に、ばたりと泥の中へ倒れ付す。

「Nom!! さくら!! さくら、いやぁっっっ!!!」

眠るように静かに気を失ってしまったさくらを、雛苺が必死に抱き起こそうと試みる。
けれど人形の細腕では、どれほど頑張ろうとも焼け石に水でしかない。
玩具のように繊細な雛苺の指が、生気の薄い肌の表面にそっと触れる。
触れた箇所からすぐさま伝わった予想以上の熱さに驚き、愕然とした。
「どうしよう。すごい熱なの…………」
さくらの熱は想像以上に高く、このまま処置を施さなければ命に関わる可能性もあるレベルだった。
勿論雛苺にそこまでの知識はない。けれど「このままでは大変だ」と、そう本能的に感じることくらいは出来る。

「――――――――――――ジャコっ!!」

大急ぎでそう叫ぶと、傍らの人形は音もなく雛苺のもとへと近づき、恭しくお辞儀をするような姿勢で身体を屈めた。
ぐったりとしたさくらを無理やりその背に乗せ、棘を落とした無害な苺轍で落下しないよう入念に括り付ける。
そうして準備を終えると、すぐさま自分自身も背中に飛び乗って、全速力でからくり人形を飛行させる。


雨で視界の悪い闇の中を縫うようにして飛翔しながら、雛苺は考えていた。
さくらを死なせるわけにはいかない、と。
このまま、彼女を失っていいはずなんて絶対にない、と。
雛苺の契約者で、そのうえ友達になると言ってくれたさくら。
抱き締めてくれた腕は温かかった。頭を寄せた胸元は柔らかかった。
そして何より、雛苺がずっとほしがっていた約束を、彼女はしてくれた。
だから――――――――――。



「さくら、もう少しなのよ。すぐ、あったかいところにつれていってあげるから」



力強い口調でそう告げると、雛苺は再び、目指す建物へと向かって夜空を飛行した。





     *     *     *



雨は未だあがる気配を見せず、周囲は完全なる暗闇に支配されている。
月も星も姿を隠し、まるで世界から光という光が消え去ってしまったかのようだ。
自分の靴の先ですらろくろく確認できないような闇夜の中、
この殺し合いが加速するのか減速するのか、それは誰にも分からぬことだ。
――――――けれど、やまない雨がないように、明けない闇も存在しない。
事実、闇に囚われていた二人の少女の背後には今、綺羅星の如き一筋の光明が見え隠れしている。

それは恐らく、希望の光などと単純に言えるような類のものではないのだろう。
それでもせめて言わせてもらうなら、きっとこの言葉がふさわしい。
――――――――――――『星の力』と。









【F-1/桜の木の上空/2日目/深夜】
【雛苺@ローゼンメイデン】
[状態]:真紅と翠星石のローザミスティカ継承。精神多少安定。
   桜をミーディアムにしたことにより消耗回復&自動回復付加。 落下により多少の怪我?
[服装]:普段通りのベビードール風の衣装。トレードマークの頭の大きなリボンが一部破けている。
[装備]:ジャック・オー・ランタン@からくりサーカス(繰り手もなしに動ける状態)
    ※ジャコの首には真紅と翠星石の首が括りつけてある。
[道具]:基本支給品一式、ぼうし@ちびまる子ちゃん ツーカー錠x5@ドラえもん
    光子朗のノートパソコン@デジモンアドベンチャー、ジュジュのコンパス、リルルの膝から先×2本
[思考]:さくらは絶対に死なせないの!!
第一行動方針:さくらを休ませられる建物の在る場所まで移動する。
第二行動方針:さくらとずっと一緒にいたい。とにかく独りぼっちにはなりたくない。
第三行動方針:さくらとの約束を守る(殺人をやめる)……かはまだ不明。
[備考]:
雛苺は真紅と翠星石のローザミスティカを獲得したため、それぞれの能力を使用できます。
自分の支給品をマトモに確認していません。
『ジャック・オー・ランタン』は、真紅の持っていた「人形に命を吹き込む力」によって 一時的に動ける状態です。
雛苺の『力』を借りて動いているので、この状態は維持するだけでも雛苺の『力』を消耗しますが、現在負担は桜へといきます。
城に誰か強敵(まともに戦うとメンドクサイ相手)がいると思っています。今すぐ戦う気はありません。

【木之本桜@カードキャプターさくら】
[状態]:左腕に矢傷(処置済)、魔力消費(極大) 、疲労(大)、発熱、雛苺のミーディアム
[装備]:マジカントバット@MOTHER2、パワフルグラブ@ゼルダの伝説、
    クロウカード『水』『風』 、リインフォースII@魔法少女リリカルなのはA's
[道具]:基本支給品
[服装]:梨々の普段着
[思考]:……ひな、ちゃん…………。
第一行動方針:雛苺との約束を守りながら、彼女にこれ以上殺人を起こさせないようにしたい。
基本行動方針:雛苺のそばにいてあげる
※魔力があるため、雛苺が戦闘しない限りは持ちこたえられます。
 ただ回復していく分の魔力はほとんど雛苺に持っていかれます。
[リインフォースIIの思考・状態]:
※永沢、レックスを危険人物と認識。梨々の知り合いの情報を聞いている
※魔力不足により、現在使用不能


≪249:拭えぬ過去を振り返り(前編) 時系列順に読む 251:Compare≫
≪249:拭えぬ過去を振り返り(前編) 投下順に読む 251:Compare≫
≪244:ノーザンクロス
≪245:臨時放送、あるいはイレギュラー
雛苺の登場SSを読む 253:星影のワルツ≫
桜の登場SSを読む

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