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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • つながり(前編)

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

つながり(前編)

最終更新:2010年03月26日 19:46

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だれでも歓迎! 編集

つながり(前編) ◆T4jDXqBeas



それは一つの始まりを告げるもの。
希望か、それとも光明を騙るより昏い深淵か。
殺戮に灼かれる者達が手にした一筋の、糸。
思いと。
想いと。
重しを繋ぐ。

     *  *  *

朝が近い。
空が少しずつ白くなり始める時間。
放送まではあと一時間足らずといったところ。
レベッカ宮本とトマは幾ばくかの仮眠を終えて、動き始めていた。
トマは出立の準備、レベッカはシェルターで待機する予定だった。
しかし二人は、一つの部屋に篭り顔を見合わせていた。
その表情に緊張と、僅かな希望を浮かべて。

「ほんと危うく忘れるところだった。そうだよな、ここは記録が有るだけじゃなかったんだ」
「そうですね。結構時間が経ちましたし、人も入れ替わってるはずです」
レベッカとトマは頷きあって、受話器を取った。
シェルター通信管轄室の、短縮ダイヤルが登録された電話機だ。
夕方の放送前後、トマはここから電話をかけて島西端の工場や南東の病院と通話した。
それから半日近くが経過した。
折りしも雨の夜は終わり、放送が近づいている。
皆、落ち着いた場所で休息を取り放送を待ち受けているはずの時間だ。
今なら空振りだった場所にも誰か来ている可能性が有る。
二人は島の各地に電話ネットワークを張り巡らせる事にしたのだ。

工場は、後回しにした。
レベッカの気分である。
「E-8の救いの塔──繋がらないな。
 B-7のタワーは禁止エリアだから無しだ。
 B-3の廃病院──やっぱり繋がらない。
 ここら辺、もしかしたら電話機が壊れてるのかもしれない」
「電話機が、ですか?」
「全部そうだとは思わないけど、廃病院とかありえるんじゃないかな。
 それからD-4の学校とF-3の城は……あー……」
レベッカは困ったような苦笑いを浮かべた。
「どうしたんですか?」
「トマ、パスだ」
そう言ってレベッカは受話器を押し付けた。
困惑するトマ。
「ベッキーさん?」
「なんていうか、知り合いが居るかもしれないんだよ、その辺」
その二つはレベッカがレミリアを引き付け、アルルゥとレックスと分かれた場所に近い。
とはいえ必ずしも彼らが居るとは限らない。
限らないのだが……なんとなく、居る、予感がした。
単なる直感だが、妙に当たりそーな気がしてならないのだ。
ほら、吸血鬼のカン。

「知り合いが居るなら良いじゃないですか」
「いや、そうなんだけどさ。多分、私は死んだと思ってるだろうし」
「じゃあ生きてるって伝えてあげましょうよ」
「だけど私はこんなになっちゃったし」
「仲間なんでしょう。だいじょうぶ、きっと受け入れてくれますよ!」
「ああ、それもすごく有るんだけどさー、なんてゆーか……」
レベッカはたははと気恥ずかしげに笑った。
「だってカッコがつかないし」

もし電話の向こうにレックス達が居たら、レベッカはなんと言えばいいのだろう。
無事だったか?
こっちは大丈夫だから気にするな?
吸血鬼にされたけど私は元気です?
あれだけかっこつけて別れておいてなんともないとは言いにくいし、
実際になんともなくはないのだが、なんとも有ると言って心配させたくもない。

「どんな顔して話せば良いのかわかんないんだよ。電話だけど」
というわけでパスだと受話器を押し付ける。
トマは仕方なくそれを受け取った。
「わかりました。でもベッキーさんの方が信用してもらえそうだったら代わってくださいよ」

トマは短縮ダイヤルを試していく。
D-4の学校──繋がらない。
F-3の城────。

『もしもし』

少女の声が、受話器の向こうから返ってきた。
トマの顔がほころび、後ろで聞いているレベッカの顔の方が引き締まる。
「もしもし、ぼくはトマといいます。朝早くからすみませんが、一つ情報交換でもしませんか?」
『……仲間と、相談してからでいいですか?』
「はい、もちろんです。そういえばあなたのお名前はなんですか?
 言いにくかったら偽名でも構いません」
『わたしの名前は、』
一瞬の。
迷いではなく何かを確かめるため、そんな間の後に。
『ヤムィヤムィです』
はっきりとした発音が返った。

横で参加者名簿を広げていたレベッカは、すぐさまヤムィヤムィという名前が無い事に気がついた。
(偽名か)
そう思った矢先、補足が続く。
『名簿には無い名前だけど偽名というわけじゃありません。
 それが、わたしの新しい名前だから』
「新しい名前?」
『はい。アルルゥさんに頂いた名前です』
聞いていたレベッカが、戸惑った。

困惑、というわけではない。
困る以前に、予想外の話に首を捻ったのだ。
(一体何があったんだ?)

謎だ。
『あまり詳しい話をしてみんなに迷惑をかけるのもイヤだから。
 続きは少し待ってください』
「はい、わかりました」
言葉を交わすトマにも何が何だかわからない。
とにかくわからない事だけはわかった。
「それじゃ少し後で電話を掛けます。それで良いですか?」
『はい』
城との電話はアポイントメントを取り付けて、一旦終わった。

「ヤムィヤムィか。一体何者なんだろうな」
「ベッキーさんにも心当たり無いんですか?」
「ああ。てゆーかなんでアルルゥに名前もらったんだかさっぱりだ。
 聞いた感じ仲間って複数居るみたいだし、アルルゥもそこに居るみたいだけどさ」
「レックスさんとアルルゥさんですか?」
「多分なー。カンは当たったみたいだ」
頭を捻ってもやっぱりなんだかわからない。

「気を取り直して、今の内に次に行ってみましょう」
「ああ。次は、工場か」
少し後回しにした工場に行き当たる。
「“白”さんはまだ居るでしょうか」
「…………さあな」
レベッカは想像している。
彼女の正体が何者であるかを。
それはもしかして、高町なのはが絶望し暴走しているのではないかという事を。

不味い流れになったら無理にでも電話を代わろう。
そう思うレベッカの前でしばらく呼び出し音が鳴った後、向こう側の受話器が上がった。
しかしそこから聞こえてきた声は、以前の電話相手の声ではなかった。
『えーっと、これでいいのかな』
聞き知らぬ少年の声だ。
それからもう一つ、トマにとって聞き覚えのある声がした。
『リンクさんもう繋がってますよー?』
「ルビーさん!?」
カレイドルビーの声がした。

『ああ、トマさんですか。こんばんは。いえ、そろそろおはようございますでしょうか? お元気ですかー?』
「ルビーさんは無事だったんですね! あの、アリサさんは?」
腰を浮かし身を乗り出して問いかけるトマ。
『大丈夫です、アリサさんもぐっすりとお休み中ですよ♪』
その答えにほっと息が抜けた。
浮かした腰をぐったりと椅子に戻して呟きをもらす。
「ああ、よかった……」
八神はやてと共に転移してから消息の知れなかったアリサとカレイドルビーの生存を確認できた。
放送で呼ばれる事が無いと判った。
それだけでもトマにとって心の底が安堵する話だった。

気を取り直して問いかける。
「夕方に別れたと思ったらすぐに……はやてさんが死んで。一体、何が有ったんですか?」
『それは……』

返事は濁る。
それはとても良くない事が有ったという意味だ。
レベッカが横から受話器を奪い取った。
「ちょっと代わるぞ」
『え? あなた誰ですか?』
「数時間前からのトマの仲間だ。レベッカ宮本だ、ベッキーでいいよ。
 一つだけ、要点だけ確認したいんだ」
『要点ですか?』
「ああ」
レベッカ宮本はカレイドルビーに問いかけた。

「高町なのははどうなった?」

その言葉にトマはアリサ達が何処へ飛んだのかを思い出した。
一緒に居たアリサ達の心配で頭がいっぱいになり、そこまで考えが回らなかったのだ。
「そ、そうです、なのはさんも怪我とかしてるんじゃ」
『大丈夫です』
きっぱりとした返事があった。
レベッカは軽く息を呑んだ。

『確かに色々有りましたが、もう大丈夫です。安心してください。
 何が有ったかはもースペクタルに次ぐ大スペクタルでアンビリバボーなミステイクのサスペンスから
 メランコリーなトラジディードラマにスイッチしたと思わせて突如主題歌が流れ出し
 インパクト溢れる全米が泣いたクライマックスへと盛り上がって余韻を味わうスタッフロール中です!』
「……あー、大体わかった」


「わかるんですか今の!?」
「まあ、なんとなくなー」
なんともないふりをして笑みを浮かべる。
だいたい、わかった。
カレイドルビーの言葉はそう難しいものでもなかった。
カタカナ語を乱用し煙に巻いているだけで、内容はこの上なくストレートなのだ。
(『スペクタクルに次ぐ大スペクタクルでアンビリバボーなミステイクのサスペンスから
 メランコリーなトラジディードラマにスイッチしたと思わせて突如主題歌が流れ出し
 インパクト溢れる全米が泣いたクライマックスへと盛り上がって余韻を味わうスタッフロール中です!』か。
 多分、そのまんまなんだろうな)

スペクタクルに次ぐ大スペクタクル──要するに物凄く派手な、多分戦闘があって。
アンビリバボーなミステイクのサスペンス──信じられない事故により惨劇が起きて。
メランコリーなトラジディードラマ──トレンディー(流行)ではなく憂鬱なトラジディー(悲劇)ドラマになった。
と思わせて突如主題歌が流れ出し──ここだけは意味不明。まさかほんとに歌で解決したわけでもないだろう。
インパクト溢れる全米が泣いたクライマックスへと盛り上がって──愛と絆と力技で強引に解決して。
余韻を味わうスタッフロール中──なんとかなった。

それが高町なのはに流れた物語だという。
もしかするとレベッカの想像は半分ほど当たっていたのかもしれない。
高町なのはは殺し合いに乗っていたのかもしれない。
だけどもう大丈夫。
ルビーの言う現状はそういう事だった。

実を言うとレベッカの中にはそれを聞いても不安が残る。
偽名を使い自らを隠し偽る事もした彼女が、ほんとうの心を曝している保障など無い。
しかしそれは、親友であるアリサですら見抜けない物だろうか?
「そこだけ判れば十分だ。何が有ったのかは判らないし、失ったものは……大きい、けど。
 トマ、大丈夫だよ。
 きっと、生きてる二人は大丈夫なんだ」
レベッカは大丈夫だろうと判断した。

「そう、ですか」
一方のトマも別の意味で釈然としない様子ではあった。
八神はやてが。
アリサと共に転移した仲間がどうして死んでしまったのかは、判らないままである。
それを無かった事にするなんてできない。
だけど、きっと大丈夫だというならそれを信じる事しかできない。
トマと彼女達の間には10kmの距離があるのだから。
『ヘルメスドライブは盗られてしまいまして。こちらから会いに戻る事はできません。
 登録はアリサさんになってますから、悪用される心配も有りませんけどね』
今は、それを受け入れるほかになかった。

「それじゃ情報交換といこう」
傷心のトマを置いて、レベッカは話を進めた。
考えればトマだって何が起きたか少しは気づくかもしれないが、他に考えるべきこともいっぱいある。
悩む時間で進んでしまえ。
乱暴な結論だけれど、決して間違ってはいないはずだ。
「そうだな、まずは大事な事から。
 私たちはテレパシーとか念話……念波みたいなので情報を送れる奴を探してるんだけど、心当たり有るか?」
『念話ですかー。リンクさん使えます?』
『そういうのを受け取るだけならともかく、送るのは無理だ』
『なるほど。まあなのはさんやインデックスさんが起きたら聞いてみましょう』
『呼んだー?』
受話器の向こうで新しい声がした。

『インデックス!? ダメだよ、寝てなきゃ』
『うん、まだ大分熱っぽいかも。でもでも、超能力ならともかく魔術なら私の専門分野なんだから聞いてくれなきゃ』
『そうですねところでその手に持ったパンはなんでしょう?』
『しょ、食事は体力を消耗してる時こそ欠かしちゃいけないんだよっ、神様に感謝して食べることで気持ちも落ち着いてね』
『なるほど、つまり夜中に小腹が空いて目を覚ましパンを食べていたら私達が居ない事に気づいて捜しに来たと』
なんだか愉快な会話が聞こえてくる。

『それで念話だよね。念話、テレパティアはギリシア由来の言葉で「遠く離れた感受性」の意味で、
 魔術にも念話の類は幾つかあるし、私が知っているものでも出来なくもないと思うけど、
 魔術において精神により語りかけるっていうのは主に精霊など高次の存在との交信や神からの啓示が一般的で……』
「手っ取り早くできるかできないか、無理ならできそうな奴を教えてくれー」
『私には無理だよ。私は魔術を使えないもん。
 私がその場で指導すれば一回なら使えうるけど、よっぽどの事が無いとさせられないからね』
「それを電話越しに教えてもらうんじゃ無理なのか?」
『詠唱だけじゃなく動作や手順を含めてちょっとでも間違えると神経を焼ききられて最悪体が弾けるんだけど……』
「はうはう今の無しー」
物騒な方法だった。

『ねえ、どうして念話が使える人を探してるの?』
「それはもちろん、むぐっ」
「あー、ちょっとタンマだ」
レベッカは答えようとしたトマの口を押さえた。
不満と混乱を顔に浮かべるトマの前でペンを素早く走らせる。
『電話の会話は録音までされてるんだぞ』
トマはハッとなった。

首輪を解除するために念話が必要だ。
だがそれを電話で口に出しても大丈夫だろうか?
レベッカとトマはその危険を考えて、核心的な部分は筆談で行うようにしたのだ。
最初の頃は口に出していたのだから今更かもしれないが、最初の頃が何らかの幸運な偶然だった可能性もありえる。
今から考えれば、Q-Beeが殺害されるなどジェダ側もハプニングがあった時間帯だ。
何かが起きていた可能性は十分にありえる。
増してや電話の会話はわざわざ別に録音までされているのだ、危険すぎるにも程がある。
首輪の中のP-Beeによる監視が管理部分でザルっぽいとしても、こちらだけ聞かれる可能性も無いとはいえない。
首輪を解除する為ですなどとストレートに答えるのは危険すぎるだろう。
トマは判ったと頷いて、言葉を選んで囁いた。

「トリエラさんの宿題です。ようやく解法が一つ判ったんですよ!」
『本当ですか!? なるほど判りました、こちらでも捜しましょう』
『ルビー?』
『後で説明します、インデックスさん』

幸い、この電話先にはカレイドルビーという通訳が居た。
首輪解除か脱出法か、どちらの解法かまでは伝えていないがそこまで問題は無いだろう。
自力で理解できるかもしれないし、そもそも首輪解除は十分に準備が整ってから一斉に行った方が対策を取られず効果的だ。
例えば、島の逆端の彼女達とすら団結できるほど事態が進行してからでも大差は無いように思われた。

「頼むぞ。そういえば、おまえインデックスっていうのか」
『そうだよ?』
レベッカはふと思い出していた。
その名前には見覚えがある。
「元の世界でもいいからさ。おまえの名前宛ての電話番号って何か心当たり有るか?」
『電話番号? うーんもしかして、とうまからもらった携帯電話の事?』
「それだっ」
快哉を叫んだ。
「覚えてるならそれの電話番号を教えてくれ。どうやら仲間が持っているみたいなんだ」
『支給されてたんだ。判ったんだよ、それじゃ言うね』
インデックスは10桁の数字をすらすらと口にした。
慌ててトマが番号を書き取り、レベッカが復唱。
インデックスがそれを確認した。
『うん、それで間違いないよ……ケホッ、ケホッ』
電話の向こうから咳が聞こえた。

「お、おい、大丈夫なのか?」
『ほら、やっぱり寝ていた方が良いよ、インデックス』
『うん、お話が終わったらそうするんだよ』
『すまない、そういうわけだからこちらからも手短に行かせてもらうよ』
「ああ、わかった」
そして電話の相手は最初の少年に戻った。

『僕達は人を探しているんだ。出来ればその情報が欲しい』
『といっても夕方までのトマさんの知り合いはアリサさんも知っていますから、どっちかって言うと……』
「私が会って来た奴らか」
夕方以降の情報に加えて、レベッカ宮本の情報を聞きたい。

『ニケは多分、学校の辺りで雨宿りしてるんだと思うけど……』
その言葉で、横で聞いていたトマは思い出す。
そういえば“白”は言っていた、ニケとその仲間達は中央の学校付近を目指しているはずだと。
「そうか、あなた達が“白”さんの言ってた勇者さんの仲間なんですね」
『いや、僕は少し違うよ。インデックスはそうだけどね』
若干の訂正。
とはいえ同じような物なのだろう。
『“白”……っていうのは?』
「あ、放送の少し前頃にもその工場に電話をして情報交換したんです。
 その時に“白”という名前で女の子が出て……名簿から見て白レンという人でしょうか?
 あなた達の仲間じゃないんですか?」
『白レン? いや、それは知らないけど……』
『ああ、いえ、心当たりは有りますよ。仲間です、お気になさらず』
『ルビー? ……そうか、そういう事か』

向こう側でなにやらよく判らない納得があったようだ。
トマは首をかしげるばかりだ。
しかしレベッカは確信する。
やはりトマが電話で話した“白”は高町なのはだったのだろう、と。

「トマ、ちょっと叩くぞー」
レベッカは問答無用で拳骨をいれた。
「いたっ!? な、なにするんですか!!」
「こっちの話だ。まーあんまり気にしなくていいから」
「気にします!」

仕方がない事なのだ。
あの時点のトマにそこまで推測できたはずは無いし、今でも気づいた様子は無い。
あの電話の相手が高町なのはで、トマの言葉が恐らく彼女の心を深く傷つけていた事など判るわけがない。
下手をすればその会話が高町なのはを暴走させた一因かもしれない事なんて。
それらをぶちまけて批判したら、トマは深く思い悩み、心の底から後悔するだろう。
だけど、仕方がない事なのだ。
トマのせいじゃない。
何もかも巡り合わせが悪かったのだ。
だからレベッカはそれ以上何も言おうとはしなかった。
(あー、やだなあ、隠し事って。大人になるってこーゆー事なのかもしれないけど。
 なんか、やだな)
もやもやした思いを押し込めて話を再開する。


「それで、捜してる人ってのは?」
『最優先はヴィータ、紫穂、エヴァの三人だ。
 ヴィータとエヴァは説得したい相手で、紫穂はヴィータと同時に姿を消したらしい』
「……物騒な奴だと考えていいのか?」
『紫穂はそんなこと無いはずらしいんだけど、消えた理由さえわからないんだ。
 今、生きているのかさえ』
「そっか」
『あとさくらって子も捜して欲しいんだけど、これは安全そうだったら一つ伝えておくだけで良い。
 「夕方より少し前に、小狼が君を捜して南西の街に向かったよ」って事だけ』
「わかった。生憎、一人も聞いた事が無いよ」

そう、聞いた事が無い。
午後の森林地帯での激戦の中、レベッカは木之本桜の名前を聞いてすらいないのだ。
茂みから一方的に、集団の中に桜の姿を目撃した。
たまたま一度も名前が出ていない、彼女と仲間との会話を聞いた。
それだけがあの戦いにおけるレベッカと桜の接点だったのだ。
「あ、でももしかして……」
『何か心当たりでもあるの?』
「いや、さ。なんでか知らないけど新しい名前を貰ったっていう奴が居たから、もしかしたらって思ったんだ。
 そういうの、思い当たる節はあるか?」
『新しい名前? よくわからないや。一応聞いておくけど、どんな子でどんな名前なの?』
「真面目で落ち着いた口調だったな。実はちょっと電話で話しただけだから私も詳しく知らないんだけどさ。
 アルルゥから“ヤムィヤムィ”という名前を貰ったと言ってたんだ。あ、アルルゥってのは……」
『“アルルゥ”が“ヤムィヤムィ”と名づけた?』
電話の向こうから、再びインデックスの声がした。

『知ってるの、インデックス?』
『ううん、その子のことは知らないんだよ。
 それにあの文明はアステカより文字が少なくてあまり詳しくないけど、でも……』
よく判らない少しの躊躇いの後に、インデックスは言った。
『電話の人、お願いがあるんだよ』
「お願い?」
少し息苦しそうなその声は体調の悪さによるものだろうか。
それとも胸の中で膨れる不安によるものだろうか。
『次に話す時があったら、ヤムィヤムィって子に訊いてみて。
 もしかしてそのアルルゥって子に怨まれるようなことをしていないかどうか』
「どーいう事だ?」
インデックスは胸の奥から湧き上がる不安の理由を、告げた。



会話を手短に切り上げ、トマは再び城への短縮ダイヤルをコールした。
元々アリサとの情報を共有していた上に、盗聴を警戒して首輪関連をぼかした以上、
この二人とリンク達の間で新たに交換すべき情報は殆ど無かった。
詳しい話は後でも良い。
恐らく状況を、残酷にも変化させてしまう放送の後でも良い。
『もしもし』
受話器からヤムィヤムィの声が聞こえた。

「もしもし。仲間達との話し合いはできましたか?」
『うん。今呼んできてもらってる』
「そうですか」
城との電話という事で再び電話手を代わっているトマは、レベッカと目を合わせる。
頷きあって、言った。
「ヤムィヤムィさん。あなたについて、一つ訊いてもいいですか?」
『何ですか?』
インデックスからの問いかけを渡した。

「あなたは、そのアルルゥさんに怨まれるようなことをしてはいませんか?」
『──────っ!』

注意して聞いていたから、息を呑む音まで聞こえた。
レベッカが気づいた“白”の驚愕に似た音が。
まるで心の奥まで踏み込まれたような衝撃が聞こえた。
やはり、そうなのか。

『……どうして、それを』
「あなたの名前です」
インデックスはトマに頼んだ。
怨まれる心当たりがあるかどうかを聞いて、ヤムィヤムィがそれを否定したならただの杞憂だからごめんなさいと伝えてほしい。
だけどもしもヤムィヤムィに心当たりが有るようなら、今から話す情報を伝えてほしいと。
それは一つの知識だった。
「アルルゥと、ヤムィヤムィ。この発音である言語を連想した人が居るんです」
『言語……』
「はい。アイヌ語というそうです。
 その音の連なりの両方に単語として意味がある別の言語が、たまたま有っただけかもしれません。
 その人も当てになる保障は全く無いと言っていました。
 殆ど文字の無い言語は専門分野から外れているとも」
『…………続けて、ください』
インデックスから伝えられた知識。
それは電話から聞こえる声を、僅かに震えさせている。
「アルルゥは特に奇妙な意味ではなかったそうです。
 ただ、ヤムィヤムィの方が人の名前のようではなくて気になったのだとか」
『その、意味は?』
トマは淡々と教えた。
それ以外にどうすれば良いかわからなかった。
「冷たい私、そして冷たい私達、だそうです」
『………………』
そして、静寂が訪れた。

ヤムィヤムィは黙り込んだ。
何処かしら沈鬱な気配まで漂わせて。
想像以上に重苦しい空気を作り出す。
そうして出来た重苦しい空気を乗せて、ヤムィヤムィは訊いた。
『その人は、どうしてその話を?』
トマは伝えた。
「もし本当に心当たりがあるなら、知るべきだと思ったそうです。あなたが生きるために」

これは嫌な想像だが──もしその名前が怨みの名であるとすれば、最悪ヤムィヤムィの命が危ない。
仲間だと思っている者に殺したいほど憎まれているとすれば、生きるためにはそれを知らなければならない。
例えそれが身を引き裂くような真実であったとしても、背中から刺される前に向き合わなければならない。
武器を手に殺しあう為ではなく。
想いが届く事を信じて。

「だから伝えて欲しい。でもただの杞憂だと願っているんだよ、だそうです。
 僕はあなたの事をよく知りませんけど……きっと、そうですよ。ただの偶然に決まってます」
『………………そう、ですか』
根拠の無い希望はむなしく響く。
ひたすら凝縮された懊悩が篭る返答は、素っ気無い。
耐えかねたレベッカが何か言おうとして。
『すみません、電話を代わります』
向こう側の受話器が誰かに手渡された。

『……で話せ…………?…………』
いきなり声が小さくなった。
首を傾げるトマ。
『あ、あの、ベルカナさんそれ口と耳が反対です』
『………………失礼』
交代した相手はどうやら電話に慣れていないらしい。

『聞いての通り、私はベルカナといいます。
 こういう声だけのやり取りは私が長けていますので。そちらは?』
「トマです」
アルルゥとレックスにどう接するか悩んでいるレベッカは、ひとまず名前を出さない。
必要なら、で良い。
(しかしヤムィヤムィにベルカナか。アルルゥとレックスはなんで出ないんだ?)
トマにそれを訊くよう促してみる。
トマは頷き、問いかけた。
「あなた達は三人組なんですか?
 ヤムィヤムィさんには、アルルゥさんから名前を貰ったと聞いたんですけど」
『他に心当たりでもあるのですか?』
「い、いえ、そういうわけでは」
咄嗟に誤魔化すが言葉は濁る。
返ってくる質問に心の準備ができていなかった。
『放送を前にして掛かってきた不審な電話ですから、警戒はしていますわ』
素直に信用していないと言われた。

当然かもしれない。
工場にはカレイドルビーが居てお互い疑う必要も無かったけれど、こちらはそうでもない。
トマは小声でレベッカに囁いた。
「レベッカさんが出た方がよくないですか?」
レベッカは少し迷いつつも頷く。
レベッカが吸血鬼と化した事はアルルゥもレックスも知らないはずだ。
この名前には信用がある。
「わかった、そうするよ」
元々城にはレベッカの方が縁深い。
レベッカは電話の前に座り、受話器を受け取った。
話し出す。

「交代する。私はレベッカ。ベッキーで良いや。アルルゥの、仲間だよ」
『………………』
得られたのは予想外の沈黙。
「おい、どうした?」
『幾つか、聞いても良いですか?』
「ああ。いいけど」
奇妙な緊張感。
『まず聞きます。あなたにとってアルルゥは大切な存在ですか?』
「ああ。それは約束するよ。仲間の仲間で、私もあいつを護ろうとした」
『そして死んだと思われた。だけど実は生きていた、と』
「……なんだ、聞いてるんじゃないか」
僅かな拍子抜けと、困惑。
その隙間に。
『では、あなたは人間ですか?』
「それは……っ」
真実が鋭く突き立った。

そして、理解する。
電話の向こうのベルカナという少女は知っている。
レベッカが吸血鬼であることを。

『人間では“なくなった”のですね?』

レベッカは沈黙と共に思考する。
それを知っている者は限られるはずだ。
レミリア本人すら気づいているかわからない。
トマを除けば後は──。
(橋で出会ったあいつか!!)

間違いない。
橋の上で遭遇した少女、明石薫。
放送で呼ばれとっくに死んでいるはずなのに、出現した謎の少女。
彼女が、電話の向こうに立っている。
いや、彼女ではなく彼女の仲間なのかもしれない。
どちらにせよ同じ事だ。
ベルカナはレベッカを敵とみなしている。
『私の情報から見て、あなたはもうどうしようもない程の、敵です』

それは当たり前の話だろう。
彼女と遭遇した時のレベッカは血に餓えていて、血臭を漂わせる彼女に襲い掛かったのだから。
どう考えても血に餓えた吸血鬼として確定されている。

『あなたをアルルゥとレックスに会わせるわけにはいかない。
 いえ、吸血鬼として蘇った事すら教えたくはない。そういう事です』
「あの時とは違うんだ。人を襲わずに得られる血も手に入れたし」
『先ほどの電話の相手ですか?』
「違う! 輸血パックだ」
『ユケツというと』
「治療に使う血をパックに詰めた物だ。病院で手に入れたんだよ」
『それが有る間は、人を襲う事は無いと?』
「ああ。私の体格の血液量の、丸二倍余りは有るからな。
 補充しなくても数日はいけると思っていいんだ」
『腐りませんか?』
「ちゃんと冷たく保存してあるから二日は保つ、はずだっ。
 クーラーボックスの保冷力って一日以上あるし、足りなくなったら補充しに行けば良い」
『それよりも新鮮な血が目の前にあったら?』
「……だいじょーぶだっ」

ちょっぴり迷った。
だけど踏み止まれると信じられた。
何も問題は無いと。

『何にせよしばらく時間をおいて、様子を見させてもらいます』
「……ああ。それ自体は、良いんだ」
それにレベッカも今すぐアルルゥ達に会おうと考えてはいなかった。
今は大丈夫と言っても、血を飲むようになってしまったなんて教えたくない。
だからいきなりは会いたくない。
「生きてはいるけど、事情が有って会いに行けないとでも言っておいてくれ。
 その方が良いとは思ってるんだ。ほんとに」
『ええ。伝えておきますわ』
「それと、電話に出なかったけどアルルゥとレックスは無事なんだろうな?」
『寝ているだけです、ご安心を。そろそろ起きてくるかもしれませんわね』

「あとそれから……明石薫は、そこに居るんだな?」
「え? ベッキーさんそれってどういう事ですか」
「私が橋で出会ったあいつ以外に知らないはずなんだよ。私が、人間じゃなくなったって事は」
『………………』
「本当ですか!? それなら教えてください。薫さんはどうなったんですか?
 まだ、生きているんですか?」
少しだけ間が有った。
そして。
『一つだけ断定しておきます。彼女は放送で呼ばれ、間違いなく死んでいます。
 親切心で言うなら、期待しても呆気ない落胆しか得られないほど確実な事です。
 あなた達にそれ以上を教える義理はありません』
応えた声は、答えではなかった。

どうしてあの橋の上に明石薫が居たのか。
死んだはずの彼女が姿を見せた理由は何なのか。
全てを謎のヴェールに包んだまま、回答を拒否した。
ただ死んだという事だけを教えてきた。
その真偽すらも謎に包んだまま。

「……悪いな、トマ。私のせいで警戒されたみたいだ」
「い、いえ、そもそもベッキーさんが居ないと何もわかりませんでした」

お互いに話し合う事はそこまでだ。
ベルカナがレベッカを信用していない以上、城の方からこれ以上の情報は得られないだろう。
あと出来るのはこちらから提供する事だけだ。
レベッカは、ベルカナをある程度は信用に値すると判断した。
気に食わないとか刺々しくてなんかイヤだという感情は置いておく。

「伝えとく事が三つある。テレパシーとか念話ができる奴を探してくれ、きっと必要になる」
『気に留めてはおきましょうか』

「もう一つ、私は東のシェルターに居る。必要だと思ったら、来てくれ」
『覚えてはおきましょう』

「エヴァ、ヴィータ、紫穂、さくらの四人を西端の工場に居る奴らが捜してる。
 前二人は止めたいとか物騒な話だし、三人目は行方不明らしいけど、四人目は保護したいらしいな」
『そうですか』
「四人目は安全な場所に居るなら一つ伝えるだけで良いみたいだけどな。
 『小狼は君を捜して南西市街地に向かった』だとさ」
「安全な場所で会ったら伝えておきましょう。それで終わりですね?」

「おまけ。A quelque chose malheur est bon」
『それは?』
「フランスの諺だよ。『不幸も何らかの役に立つ』ってな」
『………………』
「前向きに生きる為の努力はしてるよ。死にたくはないし、ダメになりたくもないからな」
『信じるよう善処はしましょうか』
「政治家みたいな物言いだなこんちくしょー。まあいいや。それじゃあ、またなー」

城との電話は、それで終わった。
素っ気無ささえ滲むほどにあっさりと受話器を置いた。
未練も何も無いかのように。

「良いんですか? あれで」
「いーんだよ。別に、悪い奴じゃなさそうだったし」
アルルゥとレックスは新たな仲間に護られて休息を取っている。
今は、それ以上に望むべき事なんてない。
レベッカは、それで良いのだ。
ヤムィヤムィの事はかなり気になるが、それも彼女達の問題だ。
彼女達の間でどうにかなる事を祈るしかない。
逆にトマへと話題を返す。
「で、インデックスからはトリエラの番号を教えてもらえたわけだけどどうする?」
「難しいですね。途中経過くらいは伝えたいところですが」

トリエラはトマに二つの課題を出した。
『首輪』からどうやって逃れるのか。
『島』からどうやって逃げ出すのか。
この双方の課題について、具体的かつ説得力ある方法論を用意すること。
それが、トリエラがトマに協力する為の条件だという。

両方ともかなりの難題だ。
しかし『首輪』についてはようやく取っ掛かりが見えてきた。
もう一つの問題は『島』だ。
そもそもこの『島』は一体何処にあるのだろうか。
「考えてみたら国どころか世界もバラバラなんだよな。無茶な世界だ」
「そうですね。……あれ?」
「どうかしたか?」
「そういえばベッキーさん、さっきの言葉はなんですか?」
「A quelque chose malheur est bon.か? 言った通り、フランス語…………うん?」
「フランス語?」
「そういえば私たち、何語で喋ってるんだ?」
「何語?」

それはもちろん普段使う言葉で、と答えかけて気づく。
トマの世界では日常語について世界中ほぼ統一されている。
しかし違う言語という概念が全く無いわけでもない。
「国どころか世界すら違ったら、同じ言葉を使えるわけがないんだ。
 多分、制限とかで何かした際にジェダと話せるよう全ての言葉が判るようにもして──いや、これもおかしいか。
 私はなんでフランス語を引用できたんだ?」
「お互いの言葉が判るようになってるなら、別の言語を使っても普通に通じるはずですよね」
「ああ。さっきのインデックスが教えてくれた、アイヌ語の名前だって典型的だ。
 自動的に翻訳されてるとしたら、“ヤムィヤムィ”と聞こえるわけがない。
 使われている字の意味に分解して、“冷たい私と冷たい私達”という風に聞こえるはずなんだ」
「でもそうなってはいません」
「他の名前もだな。外国語の単語そのものな名前も、名前として認識できてる」
奇妙な謎だ。
「普段使っていた、それぞれ全く違う日常語だけが統一されてるんだ。
 それぞれの頭の中を一人一人弄って知識を調整……なんて面倒なことされてるわけないよな。
 多分、それぞれは好き勝手別な言葉を喋ってるつもりなのに、意味はちゃんと通じてるんだ」
「それ、自動的な翻訳とは違うんですか?」
「言葉が翻訳されてるんじゃない。多分……いや、これだと文字や電話がダメか。むー?」
「なんですか?」
「あー、いや。実は私たち最初から念話で話してるんじゃないか、なんて思ったんだけどな。
 これなら伝えようとしてる事がなんとなく伝わるわけだし、別の言葉は“別の言葉”という意味が乗るから伝わらない。
 でもこれだと文字や電話が伝わらないし、素直に固有名詞だけ残し他は翻訳されていて、
 別言語を使ったらそこだけ固有名詞として翻訳されずに伝わる都合の良い技術が有ると考えた方が良いか」
「うーん? よくわかりません」
「わかんなくて良いよ、考えすぎたみたいだし」

彼女達が知らないだけで色々な物を都合よく解決させる技術は存在するのだ。
例えばある世界ある未来の超科学、翻訳コンニャクとか。
そういう現物を知らないだけに、レベッカは思う。

(つまり難しい問題を都合よく解決している不思議な技術、か。厄介だよな、そういうの)

首輪の中に居る人だってそうだ。
なんだかよく判らない無茶苦茶な技術の力技で動いている。
取っ掛かりを見つけたとはいえ逆に言うとそんな段階でしかない。
一つでも仕組みを見落としていれば瓦解するかもしれない。
そしてその一つの有る無しを確かめる時間が残されているのかも判らない。
突き進む他に許されはしないのだ。

「で、どうするトマ。トリエラに電話しとかなくて良いのか?」
「そうですね、電話はしておきたいんですけど……」
トマはちらりと記録装置に目をやる。
朝になれば、この六時間に話された内容が聴けるようになる。
朝の放送までもうそれほど無いだろう。
「出来ればもう少し課題を済ませておきたいです」
「待つか?」
「はい。朝になったら……放送と。それから新しい記録を聞いて、情報を纏めて。
 その後で電話します」

トマにとってトリエラへ電話する目的は単なる情報交換ではない。
課題への進行度合いを見せる事によりトリエラを説得する行為でもあるのだ。
出来れば確実に説得できるだけの情報を揃えてから電話したかった。

「なら、準備でも済ましておこう。トマは外に出るんだろ」
「はい。ベッキーさんは中ですね?」
「ああ。電話交換手って言ったかな、そういうのも必要だろうし。
 ま、放送で考える事もあるけど……ここに居ても出来ることは多い気がしてきた。
 城の奴らも、待ちたいしな」

結局、二人の方針はそういう事になった。
放送は目前に迫っている。
新たな情報も。
何を知り、何に気づき、何を思いつくのだろう。
何をもたらし、何を共有できるのだろう。

二人はまだ、知らない。



【H-5/シェルター地下/2日目/早朝】
【レベッカ宮本@ぱにぽに】
[状態]:吸血鬼化(肉体強化、弱点他)。
[服装]:普段通りの服と白衣姿(服は少し血などで汚れているが、白衣は新品)
[装備]:木刀@銀魂、ヒラリマント@ドラえもん(ボロボロだが一応使える) 、魔導ボード@魔法陣グルグル!
[道具]:支給品一式×2、15歳のシャツ@よつばと!を裂いた布、宇宙服(最小サイズ)@からくりサーカス
     輸血用パック×19、クーラーボックス、保冷剤、野上葵の首輪
[思考]:なんとかなるだろ。なるといいな。なってくれ頼むー。
第一行動方針:放送を聞いたら情報を整理しトリエラに電話。雨と日光を避けるため、基本的にはシェルターで待機する。
第二行動方針:『テレパシー』『念話』の類を使える参加者/使えるようになる支給品、を探す。
        また、『湖の底』を調べ直すために必要な道具も探す(ジーニアスの『海底探検セット』など)
第三行動方針:レミリアを止め、ジェダにぶつける。そのために首輪を外す方法などを模索する。
第四行動方針:もし三宮紫穂に会ったら、野上葵の死体を辱めたことを改めて謝る。
基本行動方針:主催者を打倒して元の世界に帰る。
参加時期:小学校事件が終わった後
[備考]:吸血鬼化したレベッカの特殊能力として、魔力の存在と飛行能力を確認しました。
    トマと時間をかけて情報交換しました。詳しい内容は後続の書き手にお任せします。
    宇宙服を着れば日中の行動が可能になる可能性に思い至りました。まだ真偽の程は分かりません。
    シェルター内の通話記録により、この会場の全ての電話上の会話を聞きました。
    イヴの名前はヤムィヤムィと聞きました。イヴである事は知りません。
    インデックス携帯の電話番号を知りました。

【トマ@魔法陣グルグル】
[状態]:健康
[装備]:麻酔銃(残弾6)@サモンナイト3、アズュール@灼眼のシャナ 
[道具]:基本支給品、ハズレセット(アビシオン人形、割り箸鉄砲、便座カバーなど)、
    参號夷腕坊@るろうに剣心(口のあたりが少し焼けている・修理済み)
    はやて特製チキンカレー入りタッパー、手術道具の一部(のこぎり・メス・のみ等)、ジュジュの首輪
[思考]:トリエラさんを説得しないと……。
第一行動方針:放送を聞いたら情報を整理し、トリエラに電話して説得する。
第二行動方針:外に出て調査遠征予定。『テレパシー』『念話』の類を使える参加者/使えるようになる支給品、を探す。
        また、『湖の底』を調べ直すために必要な道具も探す(ジーニアスの『海底探検セット』など)。
第三行動方針:他の参加者と情報と物の交換を進める。必要ならその場で道具の作成も行う。
第四行動方針:『首輪の解除』『島からの脱出』『能力制限の解除』を考える。そのための情報と物を集める。
第五行動方針:トリエラと再び会いたい。それまでは死ぬわけには行かない。
第六行動方針:どうにかしてベルカナから「明石薫」(ベルカナ)に関するもう少し詳しい話を聞きだしたい。
基本行動方針:アリサとニケたちとの合流。及び、全員が脱出できる方法を探す。
[備考]:「工場」にいる自称“白”の正体は「白レン」だと誤解しています。
    レベッカ宮本と時間をかけて情報交換しました。詳しい内容は後続の書き手にお任せ。
    イヴの名前はヤムィヤムィと聞きました。イヴである事は知りません。
    インデックス携帯の電話番号を知りました。




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