ぶるぶると震えてゴーゴー ◆HoYWWMFJdI
「ふー。おなかいっぱいだゾ」
ぽんぽんとお腹を叩く幼稚園児。
「そうね、新作のお菓子は全然無かったけど、なかなか……
ってゆまちゃん何してるの!?」
同じく満足げに銀の髪をかきあげたクロエが見た先には。
黙々とお菓子をランドセルに詰める小さな女の子の姿。
「なにって……食べ物を詰めておかないと。
食事は何よりも大事だってキョーコが言ってたもの」
話しながらも手は休めずにお菓子を入れていくゆま。
「逞しい考えね……そのキョーコって人の教えがしっかり染み付いてる感じだわ。
ま、でもそうよね。
長丁場になりそうだし、補給物資は大切って言うしね。
しんのすけ君、わたし達は飲み物を探しましょ」
「ぶ、ラジャー!!」
勇躍みまつやを漁りまくるしんのすけ。
もしここの店主であるみまつやのおやじが見たら絶叫ものであろう。
「ふーん……ペットボトルは無いみたいね、アルミ缶かビンばっかり。
まあこのランドセルにいれても重くならないからいいんだけど」
(このランドセルを『解析』してみてもいいんだけど……魔力に限りがあるからなあ……)
しんのすけが見つけてきたジュースやお茶を詰めていきながら考えるクロエ。
と、クロエの視線がゆまにぶつかる。
(魔力……供給……。
そういえばゆまちゃんも魔術師なんだっけ。
………………)
「クロ?」
クロエは蒼く澄んだ瞳を見つめ。
ゆまはちょこんと首を傾げる。
(いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
流石にそれは犯罪よ、わたし。
うん。
危なくなった時以外はやめよう。うん)
クロエが頭をふりふりして後ろを向くと、しんのすけがくちびるを尖らしている。
「うっふーん。
ゆまちゃんだけじゃなく、オラにもぶちゅーっとしていいわよ~」
クネクネと気持ち悪く体を踊らすしんのすけ。
「っな!?
っだー!何言ってんの!馬鹿言ってないで、そろそろ出発するわよ!」
「ほーい」
「はーい」
■■■
「この地図の南東……はしっこにある、
『柳洞寺』ってところに行きたいんだけど。
流石に子供の足で行くには遠いわよね……。
何か乗り物でもあればいいんだけど。流石にバスや電車、ってわけにも行かないわよね」
店の前に出て地図を見るクロエ。
すると、ゆまがひょこひょこと服の裾を引っ張る。
「あそこに自転車、置いてあったよ」
「え……?」
ゆまに引っ張られていくと、店の裏に自転車が置いてあった。
所謂ママチャリというやつで、前には大きなカゴ、
後ろには人が座れる荷物置きが付いているタイプだ。
鍵はかかっていないようだ。
「あらホント。よく気が付いたわね、ゆまちゃん」
「えへへー。キョーコが店の中の配置だけじゃなく、
外の配置もしっかり叩きこめって言ってたの」
「そ、そう……」
(なんだろう、深く聞いちゃいけない気がする……)
ふふんと誇らしげなゆまを撫でてあげつつ。
「とは言え、これで3人乗りは厳しそうよね……」
「おおー?これなんだー?」
すると今度はしんのすけが、
ランドセルから棒のついたスケートボードのようなものを取り出している。
板の前に2輪、後ろに1輪タイヤが付いていて、
前にはハンドルとブレーキが、後ろには踏み込みペダルが付いている。
ついてきたメモをクロエが読んでみる。
「えーっと。『ローラースルーGOGO』。
ハンドルはフレームに固定されているので左右の体重移動で進行方向を変えてください。
デッキ後方にはばねの力で戻るペダルが付いており、これを片足で踏んで進むことができます。
だって……ってちょっとしんのすけ君!」
「おおー!シロよりはやーいゾ!」
器用に片足漕ぎでびゅーんとローラースルーGOGOを走らせるしんのすけ。
「はー……まったく。
ゆまちゃん、戻ってくるように言ってくれる?
『これ』のテストにちょうどいいわ」
「あ、うん。わかった。」
ゆまは胸につけた『DETECTIVE BOYS』と書かれたバッジを押し。
『しんのすけ、戻ってきて!』
『おお!?バッジがしゃべったゾ。ほっほーい!』
三人の胸には、同じ探偵を模したシルエットのバッジ
『少年探偵団バッジ』が付けられている。
5個セットでゆまのランドセルに入っていたものだ。
ちなみに残りの2個はクロエが預かっている。
そしてもの凄い勢いで戻ってくるしんのすけ。
「こら。さっきみたいな危ない奴がいるんだから、一人になったらダメでしょ」
「……うん、わかったゾ」
セリムの事を思い出したのか、急に神妙に頷く。
「ま、分かればいいわ。
このバッジもちゃんと使えそうだしね。
二人とも、もしもはぐれたらすぐに連絡するのよ」
「ほほーい」
「はーい」
勢いよく手をあげるしんのすけとゆま。
自転車にクロエとゆまが乗り、しんのすけはローラースルーGOGOに乗る。
「できるだけ自転車に乗っていたいから。
んー……。この慧心学園ってとこまで行って、
そこから月峰神社、柳洞寺ってコースかしらね。
―――それじゃ出発進行!!」
「なすのおしんこー!!」
「おー!!」
市街地を順調に飛ばすお姉ちゃんとお子様2人の三人組。
行く手には何が待っているのか―――
【D-4 市街地/一日目 黎明】
【
クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ】
[状態]:健康
[装備]:少年探偵団バッジ@名探偵コナン
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3、自転車(ママチャリ)@現実、
少年探偵団バッジ@名探偵コナン×2、お菓子(たくさん)、飲料水(たくさん)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。
1:イリヤ、美遊との合流の為、柳洞寺に向かう。
2:まずは自転車を有効に使うため慧心学園付近まで移動。
3:しんのすけ、ゆまととりあえず一緒に行動する
4:ゆまちゃんから魔力を供給して貰うのは、大変な状況の時だけよね、うん。
5:本当にアメリカ大統領の息子が居るのかしら?
※参戦時期は少なくともイリヤとの和解以降。
【
野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康
[装備]:少年探偵団バッジ@名探偵コナン
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2、ローラースルーGOGO@ちびまる子ちゃん
お菓子(たくさん)、飲料水(たくさん)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。
1:風間くんとマサオくんを探す。
2:クロちゃん、ゆまちゃんに着いていくゾ。はぐれないようにするゾ。
3:ゆまちゃん、もえPみたいでかっこいいゾ
4:セリムくん……。
※セリムをアメリカ大統領の息子だと思っています。
【千歳ゆま@魔法少女まどか☆マギカシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:少年探偵団バッジ@名探偵コナン
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2
お菓子(たくさん)、飲料水(たくさん)
[思考・行動]
基本方針:キョーコのところに帰る
1:クロ、しんのすけと一緒に行動する。
2:キョーコが褒められて嬉しい。クロがちらちら見てたけどなんだろう?
※本編2巻終了後からの参戦です
【ローラースルーGOGO@ちびまる子ちゃん】
野原しんのすけに支給。
世界のホンダが開発した伝説の乗用玩具。
前二輪、後一輪の計三輪。プラスチックの車輪にソリッドラバータイヤを着け、
チェーンには50ccバイクのエンジンカムチェーンが使われている。
デッキ後方にはばねの力で戻るペダルが付いており、これを片足で踏み、後輪のチェーンで駆動して進む。
幼児でも時速15kmは出せるという昭和の一時代を体現したモンスターマシン。
【少年探偵団バッジ@名探偵コナン】
千歳ゆまに支給。
阿笠博士が開発したバッジ型トランシーバー。
ホームズがパイプを吸ってるお洒落なデザインで、探偵(Detective)少年(BOYs)の頭文字DBが模されている。
5つセットでバッジ同士の通信が可能。
最終更新:2014年03月28日 21:02