255:ある少年兵の窮地 :2009/01/15(木) 00:45:23 ID:FzsJUzDf
ルカです…。かなりピンチです。何がヤバイって、飛行訓練中に墜ちました。
…新天地の惑星を飛行中、乱気流に吹雪のセットに巻き込まれたわけです。で、ホワイトアウトまで起こって山腹に突っ込んでしまいました
どうにかコックピットが潰される前にベイルアウト(緊急脱出)こそできましたが、高度が低かったせいで安全な姿勢で着地できず…脚も折れてます
これでは自力で動けそうにありません…挙句に無線も使えない状況です
ははっ…。…新型のジャマー(電子妨害装置)なんて積まなきゃよかった
しかしコレ、安全係数を高く取りすぎましたね…。バルキリーが墜ちたのに作動しつづけるなんて…。救助、見つけてくれるかな?
以前墜ちたときは別の船団付近でしたから、待ったとはいえ数時間単位でしたが、今回は果たして助かるんでしょうかね?
……マズイですね。雹まで降ってきました…。数時間以内に来てくれないと、本気で命に関わります
…新天地の惑星を飛行中、乱気流に吹雪のセットに巻き込まれたわけです。で、ホワイトアウトまで起こって山腹に突っ込んでしまいました
どうにかコックピットが潰される前にベイルアウト(緊急脱出)こそできましたが、高度が低かったせいで安全な姿勢で着地できず…脚も折れてます
これでは自力で動けそうにありません…挙句に無線も使えない状況です
ははっ…。…新型のジャマー(電子妨害装置)なんて積まなきゃよかった
しかしコレ、安全係数を高く取りすぎましたね…。バルキリーが墜ちたのに作動しつづけるなんて…。救助、見つけてくれるかな?
以前墜ちたときは別の船団付近でしたから、待ったとはいえ数時間単位でしたが、今回は果たして助かるんでしょうかね?
……マズイですね。雹まで降ってきました…。数時間以内に来てくれないと、本気で命に関わります
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久し振りの長期休暇真っ最中に、S.M.Sの緊急召集命令…
下らない内容だったらサボってやると毒づいていたんだが、内容に目を通している内に血の気がドンドン引いてくる
俺たち、スカル小隊だけで片付かない話だぞ!?それ以上にあの馬鹿、何でよりにもよってあの空域を飛びやがったんだ!?
下らない内容だったらサボってやると毒づいていたんだが、内容に目を通している内に血の気がドンドン引いてくる
俺たち、スカル小隊だけで片付かない話だぞ!?それ以上にあの馬鹿、何でよりにもよってあの空域を飛びやがったんだ!?
「ルカが墜ちただと!?」
俺が到着した時には、ブリッジクルーはほぼ揃っている。あとはアルト、クランのパイロット二人か?
「ええ、おそらく。訓練中の1404時から連絡がとれず、機影の反応も消えたわ」
キャシーは既に現場地域の地図を広げている。…等高線が幾重にも描かれた急峻な地形。コレは厄介だ
「マズイな…。確かアイツの訓練、新型ジャマーのテストも兼ねてたぞ。…最悪、無線やレーダーは一切使えずに目視で探すしかない」
やがて、俺と同じくEX-ギアを着込んだアルトもやってくる
「オズマ隊長、俺も出ます!!」
ともかく人海戦術で当たるしかない。スカル小隊、ピクシー小隊だけでなく統合軍にも応援要請を頼まないと…
「アルトも気をつけろ!あの地域は乱気流が起こりやすい。しかも現地は吹雪だ!!多分、ルカもあれで墜ちた!!
それ以上に、地形データに記載ミスがある可能性もある。高度にも気を配れ!!」
「了解!!」
直ぐに飛び立った俺たちだったが、墜落現場まで片道7時間…。もう、ほとんど時間が残されていない
俺が到着した時には、ブリッジクルーはほぼ揃っている。あとはアルト、クランのパイロット二人か?
「ええ、おそらく。訓練中の1404時から連絡がとれず、機影の反応も消えたわ」
キャシーは既に現場地域の地図を広げている。…等高線が幾重にも描かれた急峻な地形。コレは厄介だ
「マズイな…。確かアイツの訓練、新型ジャマーのテストも兼ねてたぞ。…最悪、無線やレーダーは一切使えずに目視で探すしかない」
やがて、俺と同じくEX-ギアを着込んだアルトもやってくる
「オズマ隊長、俺も出ます!!」
ともかく人海戦術で当たるしかない。スカル小隊、ピクシー小隊だけでなく統合軍にも応援要請を頼まないと…
「アルトも気をつけろ!あの地域は乱気流が起こりやすい。しかも現地は吹雪だ!!多分、ルカもあれで墜ちた!!
それ以上に、地形データに記載ミスがある可能性もある。高度にも気を配れ!!」
「了解!!」
直ぐに飛び立った俺たちだったが、墜落現場まで片道7時間…。もう、ほとんど時間が残されていない
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墜ちてから18時間…。寒いです。ひたすら寒い……
なにより、もう流石に意識を保つのが辛いです…。ミシェル先輩、そろそろそちらに行くかもしれません
…そうだ。EX-ギアにはボイスレコーダー機能があった筈です。…せめて逝く前に、遺言でも残す事にしますか
なにより、もう流石に意識を保つのが辛いです…。ミシェル先輩、そろそろそちらに行くかもしれません
…そうだ。EX-ギアにはボイスレコーダー機能があった筈です。…せめて逝く前に、遺言でも残す事にしますか
「こちらS.M.Sスカル小隊所属、ルカ・アンジェローニ少尉
もしこのレコーダーを発見されたなら、S.M.Sまで届けて頂ければ幸いです。僕の最後のメッセージをこのレコーダーに残しますから…
オズマ隊長。キャシー中尉とお幸せに…。クラン大尉。アルト先輩に喰べられないよう、気をつけて下さい。オペレーターの皆さん、とりあえずお元気で…
ランカさんにシェリルさん。…天国に行っても、貴女達の歌声が届くと信じています。ですので、新曲楽しみにしています
アルト先輩…。僕のPCのHDの完全消去、よろしくお願い致します。出来る限り、ファイルの中身を覗かないで下さい。…あと、もげちまえ(ぼそ)
ブレラさん。いい加減、世間の一般常識を覚えて下さい。ミシェル先輩の遺産は誇張表現がかなり多いので、ウソをウソと見抜ける眼力を…
もしこのレコーダーを発見されたなら、S.M.Sまで届けて頂ければ幸いです。僕の最後のメッセージをこのレコーダーに残しますから…
オズマ隊長。キャシー中尉とお幸せに…。クラン大尉。アルト先輩に喰べられないよう、気をつけて下さい。オペレーターの皆さん、とりあえずお元気で…
ランカさんにシェリルさん。…天国に行っても、貴女達の歌声が届くと信じています。ですので、新曲楽しみにしています
アルト先輩…。僕のPCのHDの完全消去、よろしくお願い致します。出来る限り、ファイルの中身を覗かないで下さい。…あと、もげちまえ(ぼそ)
ブレラさん。いい加減、世間の一般常識を覚えて下さい。ミシェル先輩の遺産は誇張表現がかなり多いので、ウソをウソと見抜ける眼力を…
最後にナナセさん…。僕は、貴女を愛していました。好きでした。貴女を抱きしめたかった……。……あと童貞捨てたかった…(ぼそ)」
…とりあえず、言いたいことは全て言い残しました。心残りがないといえばウソになりますが、僕はきっとここまでです
飛行機が近くを飛んでいるような音もしていますが、もう目を開けている気力もありません
飛行機が近くを飛んでいるような音もしていますが、もう目を開けている気力もありません
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ルカくんが救出されて、2日経ちました。緊急入院して昏睡状態こそ続いていますが、辛うじて命には別状がないそうです
ただ、彼の身体も相当に疲弊しているそうです…。普段はふっくらした頬も、少しこけていますし
…彼も死を覚悟するほどの窮地に居た訳ですから、仕方ないことかもしれませんが
……ルカ君が遺言のつもりで残したボイスレコーダーの内容、オズマさんに聞かせてもらいました
ただ、彼の身体も相当に疲弊しているそうです…。普段はふっくらした頬も、少しこけていますし
…彼も死を覚悟するほどの窮地に居た訳ですから、仕方ないことかもしれませんが
……ルカ君が遺言のつもりで残したボイスレコーダーの内容、オズマさんに聞かせてもらいました
知らなかった…。彼が私の事を好きだったなんて。…そんなルカ君に、酷いお願い事、してたんですね、私。それなのに、嫌な顔一つせず…。
私にとっては、一番仲のいい男の子でした。…ちょっと頼りない年下の男の子でしたが………
でも、本当は優しく、気高く、なにより強い騎士でした。先の戦争でも、フロンティアや私達の為に命を賭けて飛んで…
今なら彼の願い、聞いてあげても良いかも。…ううん、むしろルカ君の事、好きになれそう。…だからルカ君、目を覚ましてよ
「ルカ…くん」
ルカくんの唇に、自分の唇を重ねてみる。…温かい。でも、あと1日遅れていたら彼の命は危なかったと、主治医の方から伺いました
私が目覚めた時、ミシェル君とは、もう逢えなくなっていました。…大切なお友達だったのに。嫌です…。大切な人が居なくなるなんて、嫌なんです
どんどん溢れてくる涙を抑えるためにきつく目を閉じていたところ、温かい感触が頬を包みました
「……ナナセさん?泣いているの、ですか?」
伸ばされた手が、私の頬に触れる。血の通った、温かいルカ君の手
もう、私は彼の胸元に縋って泣く以外のことはできませんでした。…でもこれ、嬉し泣きですから、多めに見てください
私にとっては、一番仲のいい男の子でした。…ちょっと頼りない年下の男の子でしたが………
でも、本当は優しく、気高く、なにより強い騎士でした。先の戦争でも、フロンティアや私達の為に命を賭けて飛んで…
今なら彼の願い、聞いてあげても良いかも。…ううん、むしろルカ君の事、好きになれそう。…だからルカ君、目を覚ましてよ
「ルカ…くん」
ルカくんの唇に、自分の唇を重ねてみる。…温かい。でも、あと1日遅れていたら彼の命は危なかったと、主治医の方から伺いました
私が目覚めた時、ミシェル君とは、もう逢えなくなっていました。…大切なお友達だったのに。嫌です…。大切な人が居なくなるなんて、嫌なんです
どんどん溢れてくる涙を抑えるためにきつく目を閉じていたところ、温かい感触が頬を包みました
「……ナナセさん?泣いているの、ですか?」
伸ばされた手が、私の頬に触れる。血の通った、温かいルカ君の手
もう、私は彼の胸元に縋って泣く以外のことはできませんでした。…でもこれ、嬉し泣きですから、多めに見てください
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え~と、夢でしょうか、これ?唇に柔らかい感触がして、目を開いてみたら眼前にナナセさんが居て…
何だか泣いてたみたいなので、涙を拭ってあげようとしたらむしろ涙の量が増加して、しかも僕の胸元に顔を埋めて…
でも、この胸にかかる心地よい重みと、僕の大好きな髪の香り…。……本当にナナセさんが目の前に居るみたいですね
何だか泣いてたみたいなので、涙を拭ってあげようとしたらむしろ涙の量が増加して、しかも僕の胸元に顔を埋めて…
でも、この胸にかかる心地よい重みと、僕の大好きな髪の香り…。……本当にナナセさんが目の前に居るみたいですね
やがて、泣き止まれたナナセさんが口を開かれます
「ルカ君…。帰ってきてくれて、良かった…」
「…ただいま戻りました、ナナセさん」
…そして沈黙。ナナセさんは何か言いたげに口を開きかけては閉じ、やがて意を決され、僕にある質問を投げかけます
「…ねえ、まだ飛び続けるの?…戦争は終わったのに。こんなに危ない目に遭ったのに…」
確かに空を飛ぶ以上、危険は避けられません。戦争が無くても、訓練中に死者が出ることは別段珍しいことでもありません。
…それでも、僕は………
「……ごめんなさい、ナナセさん。……それはできません。……まだ、コックピットから降りることは出来ません」
バジュラとの戦いは終わりましたが、別の脅威がフロンティアに迫らないとは限りません。…だから僕たちは飛ばなければならない
「……そうだよね。……でも、ルカ君に何かあったら悲しむ人が居ること、忘れないで。…私も、その一人だから」
ナ、ナナセさん!!そのお言葉を頂けただけで、死んでも良いです!!…あ、死んだらダメなんでしたね
そんな感動に打ちひしがれている僕に対し、更に言葉を紡がれるナナセさんのお御口
「あと、ルカ君…」
「はい、何でしょうか?」
「……童貞を捨てたいって言ってたけど…やっぱりエッチな事、興味ある?」
「ルカ君…。帰ってきてくれて、良かった…」
「…ただいま戻りました、ナナセさん」
…そして沈黙。ナナセさんは何か言いたげに口を開きかけては閉じ、やがて意を決され、僕にある質問を投げかけます
「…ねえ、まだ飛び続けるの?…戦争は終わったのに。こんなに危ない目に遭ったのに…」
確かに空を飛ぶ以上、危険は避けられません。戦争が無くても、訓練中に死者が出ることは別段珍しいことでもありません。
…それでも、僕は………
「……ごめんなさい、ナナセさん。……それはできません。……まだ、コックピットから降りることは出来ません」
バジュラとの戦いは終わりましたが、別の脅威がフロンティアに迫らないとは限りません。…だから僕たちは飛ばなければならない
「……そうだよね。……でも、ルカ君に何かあったら悲しむ人が居ること、忘れないで。…私も、その一人だから」
ナ、ナナセさん!!そのお言葉を頂けただけで、死んでも良いです!!…あ、死んだらダメなんでしたね
そんな感動に打ちひしがれている僕に対し、更に言葉を紡がれるナナセさんのお御口
「あと、ルカ君…」
「はい、何でしょうか?」
「……童貞を捨てたいって言ってたけど…やっぱりエッチな事、興味ある?」
な、なななななぬを。もとい、何をおっしゃるのですか!?い、言わなきゃよかったですあんな事!!むしろ死んでくれ墜落直後の僕!!!
「…でもね、ルカ君。……あれは、ちょっと私には…無理かな」
「……はい?」
ナナセさんが指差す先、机の上に有るそれは、ブレラさんに貸してた成人向け内容のメディアファイル…
『陵辱監禁調教☆悲鳴が喘ぎ声に変わる瞬間(とき)』
いやあれはお貸ししたのではなく、差し上げたのですが…。ちょっぴり調教という単語が、僕の中でNGワードになっていますし
というかブレラさん!?むしろブレラ!?ワザと!?ワザとですか!?自宅に僕が不在だからってこんな人目のつくところに返しにきますか!?
「………あ、あんなやり方は、ちょっと嫌かな…。…でも、普通のやり方なら、ルカ君が元気になってから…ね」
……え?頬に柔らかい感触?ナナセさん?
…思わず灰になっている僕の脇をすり抜け、少し照れた表情を浮かべたナナセさん。はにかんだ笑顔を僕に向け、帰ってしまわれました
いや違うんです!僕はラブラブな和姦モノが好物なんですっていうか、ナナセさんを泣かせたくないというか……
「…でもね、ルカ君。……あれは、ちょっと私には…無理かな」
「……はい?」
ナナセさんが指差す先、机の上に有るそれは、ブレラさんに貸してた成人向け内容のメディアファイル…
『陵辱監禁調教☆悲鳴が喘ぎ声に変わる瞬間(とき)』
いやあれはお貸ししたのではなく、差し上げたのですが…。ちょっぴり調教という単語が、僕の中でNGワードになっていますし
というかブレラさん!?むしろブレラ!?ワザと!?ワザとですか!?自宅に僕が不在だからってこんな人目のつくところに返しにきますか!?
「………あ、あんなやり方は、ちょっと嫌かな…。…でも、普通のやり方なら、ルカ君が元気になってから…ね」
……え?頬に柔らかい感触?ナナセさん?
…思わず灰になっている僕の脇をすり抜け、少し照れた表情を浮かべたナナセさん。はにかんだ笑顔を僕に向け、帰ってしまわれました
いや違うんです!僕はラブラブな和姦モノが好物なんですっていうか、ナナセさんを泣かせたくないというか……
あれ?…でも何だか脱童貞のフラグが立ってるっぽいです。……コレ、夢オチではないですよね?
<了>