マクロスFRONTIERでエロパロ まとめwiki

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macrossf-eparo

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475 名無しさん@ピンキー sage 2008/05/23(金) 00:50:36 ID:BkPuqKah
あんまり間を開けずに済みません。
何が起きるとも限らないので、書き上げたものは最速放映前に投下いたしたく。

クラン←ミハエル×通りすがりの女

人として軸がぶれている気がするミハエル注意。
地の文でミハエルとミシェルが混在するのは……お許しくだされ。





 ゼントラーディは人類と出会うまでクローン技術で増えてきた。
 愛し合うことを知らなかった彼らの血が混じっているからなのか、ゼントラーディの血の混じったミハエルもどうしても困るということはあまりない。
 だけど、好きな女の子と抱き合いたい、手に入れたいというのはまた別で。
「ミシェルミシェルミシェルっ!」
 飛びついてくるちっちゃい彼女を受け止めて抱きあげれば彼女の足が床からはるかに浮きあがり、そのまま突入させると、顔が腰のあたりに来る。
 座った状態で自分の上に座らせても腕の中に収まってしまう彼女を、全力で抱き潰して嫌がられるのもまた一興ではあるが、時々むしょうに普通がうらやましい。
 たとえばこういうときだ。
 まさに今。人目も憚らずに抱き合うカップルが目の前にいるこんなとき。
 邪魔だ。かといって自分が動くのもしゃくだし、目をそらすのもしゃくだ。
 男は仕立ての良いスーツ姿の勤め人風、女は派手な美人で背が高く、背筋がすっと伸びている。
 二人さえいれば何も要らないなら、結構なことだ。
 と、女が薄目を開けた。何をするかと思えば男の首の後ろに回した腕にはめた、時計を見ている。
 俄然おもしろくなった。お持ち帰りの脈はなさそうだ。
 ミハエルと女の目が合う。女は一つ目を瞬かせ、ミハエルにウインクを返すと、男の胸を押しやった。
 ちょっとした愁嘆場の後、女はミハエルの方に向き直った。
 眼鏡でわざと視力を落とした目には、肌と髪の色が似ているだけで、似ているように見えたのだ。




 休日のホテルには空き室は休憩でしか見つからなかった。
 鍵を閉めるやすぐに口づけすると、女の喉が鳴った。酒の味がする。
「ね、シャワーとか……」
 もう一度深く口づけて、強引に黙らせる。
 声は似ているのだ。女としては低めの声。でも喋り方が違う。
 クランはもっと媚びのない、そっけない喋り方をする。
 そういうところが好きだ。もっとも、好きではないところなんてないけれど。
「好きだよ」
 主語を飲み込んだ言葉に、女の力が抜ける。
 落ちるのが簡単すぎて、いつものこととはいえ、ミハエルにはつまらない。
 クランなら、きっともっと抵抗する。
 女の身体を抱きあげて、ベッドに運ぶ。
 首元に口づけて、上着を剥いで、ストッキングを脱がす。
 女の身体をいじりながら、うっとりして目を瞑ったのを見計らって、右手で袖だたみにして、化粧台の前の椅子に放り投げた。
 女は思ったとおり割といい身体をしていた。
 クランのように綺麗な肌。
 クランほどでなくても、大きな胸。
 クランのように、贅肉の少ないライン。
 でもこれはクランじゃない。
 ただ肉が少ないだけで、クランほど筋肉が締まってないし、手が違う。
 ミハエルの手を捉え、そのまま服を脱がして下着の中に押し入ってきた手は、ケアされてマニキュアの塗られた女のものだ。
 それでもサービスしてもらえば反応してしまえるのが男の悲しい性だ。
「ミシェルって呼んで」
 口からモノを取り出して、女が呟いた。
「んぅ、ミシェル?」
「そう」
 後ろを向かせて、髪をかき分け、項に顔を埋めた。
 小さい頃、おんぶしてもらうとミハエルの顔の近くで髪の束が揺れていて、思わず引っ張って怒られた。
 それに似た光景がずっと見られると思っていたのに。
「ミシェル、だめ」
 こういうときの声なんて、同じ年齢同じサイズでは絶対に聞けないから、重ねるのは容易い。
「ミシェルっ」
 クラン。幼馴染のクラン。
「ミシェル、や、ねえもう」
 いつか追いつけるはずだった。いつまでも追いつけない。むしょうに焦るときがある。
「だめいっちゃう」
 今は兄妹で済むけれど、追いかけっこすら似合わなくなる日が来るのだ。
「ミシェ…ル……っ」
 放出するときにクランの名前を呼ばなかったかは、自信がない。
 門限があるからと、とろけたままの女を残して、ミハエルは部屋を出た。



 巨人サイズの身体の使い方というのは、人間サイズには感覚的に理解できないところも多いらしく、クランは仕事の後にはクァドランのチェックをすることにしている。
 今日も格納庫で作業を続けていると、ミシェルが入ってきた。もう深夜だ。
「おかえり。門限ぎりぎりだぞ。程々にしておけよ」
「なあ、クラン」
 よぼよぼと、といっていい足取りで、ミシェルがただいまとも言わずに横づけにした作業台のタラップを上がってくる。
「お前は最低だ、って言って」
 わけがわからない。
「はぁ? 何言ってんだ。お前は最低じゃないぞ」
 ミシェルが更に肩を落とす。
「だめだ。余計自己嫌悪に駆られた」
「何かあったのか」
 クァドランの中から、作業台のミシェルに顔を寄せる。
 ミシェルの唇がかすかに何か呟いたようだったが、巨人状態では吐息よりも小さくて意味のある音には取れなかった。
「おやすみ。クラン」
 クランの耳たぶにキスをして、ミシェルがタラップを降りていく。
 その後姿を、クランはなんとはなしに眺めた。
 小さい頃に比べれば、大きくなった。
 大きくならないでいてくれれば少なくともマイクローン状態ではつり合いが取れたのにと我ながら無茶な思いが掠める。
 ゼントラーディは人類と出会うまでクローン技術で増えてきた。
 愛し合うことを知らなかった彼らの子孫だからなのか、クランにもどうしても困るということはない。
 だけど、好きな男と抱き合いたい、抱いてほしいというのはまた別なのだった。
「私とて、寂しくないわけではないのだぞ」
 クランが呟いた言葉はがらんとした格納庫に響いた。


 終わり
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