マクロスFRONTIERでエロパロ まとめwiki

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
602 名無しさん@ピンキー sage 2008/05/27(火) 23:32:10 ID:Np8SzWjc
え、終わりでいい? 終っちゃうの? 続きないの?

では、投下祭りに参加いたしたく急遽。
ミハクラ+アルシェリ。ルカ視点。


603 いちゃいちゃ競争、あるいはルカ・アンジェローニの憂鬱 sage 2008/05/27(火) 23:33:58 ID:Np8SzWjc

「ミシェル、つかまえたっ!」
 ミシェル先輩を突如小さな怪獣が襲いました。
 会社では見慣れた光景だったけれど、休日の学校ではありえないものだったので、ぽかんとしてしまいました。
 背後からの襲撃で大きくバランスを崩したミシェル先輩でしたが、そこはさすがというべきでしょうか、すぐに態勢を立て直しました。
「クランっ!? なんでっ!?」
「なんでもっ」
 先輩が肩車する格好になり、クラン大尉はいつものようにミシェル先輩に噛みつきます。
 食べてしまいたくなるくらいかわいい、なんて思ってるんじゃないでしょうかね。
 ごちそうさまです。大きいサイズで想像すると、ちょっと殺意が湧きます。小さくてありがとう、大尉。
 そして、お客様は一人ではありませんでした。
 いえ、既に我が校の生徒なので厳密にはお客様ではないわけですが、休日の学校にわざわざやってくるのはそんなにはいないもので。
「だーれだっ」
 アルト先輩の顔を覆って、んふふっ、と隠す気もない笑い方。
「シェリル!?」
 銀河の妖精という言葉の持つ実に幅広い意味を皆に思い知らせつつあるシェリル・ノーム嬢です。
 アルト先輩は女顔のくせになぜもてるんでしょう。僕とあまり変わらないじゃないですか。
「あったりー。ご褒美あげるわ」
 ほっぺにキスときましたか。ごちそうさまです。
 高嶺の花過ぎて、あんまりうらやましいとも思えません。偶像ってすてきだね。
「なんでお前ら!?」
 アルト先輩が頬を赤くして叫びます。
「アルトがいないかなあって、あなたの会社に行ってみたのよね。
 そしたら、彼女が三人で学校だって教えてくれて。一緒に来たのよ。
 でもびっくりしちゃった。マイクローン化するとこうなっちゃうのね」
 それは大尉だけの超特異体質ですけどね。
「チャンスがあれば来てみたかったんだ。ミシェルはここでいつも勉強してるんだろ」
 大尉は感慨深げにあたりを見渡します。
 そして、まっすぐに僕の方を見上げました。
 EXギアを付けて、空を飛んでいた僕の方を。
 あ、目が合った。くるんくるんのかわいい目で大尉は言いました。
「私もあれやりたい!」
「お前はダメ! 絶対ダメ!」
 ゼントラーディの力は通常人に比べて強いものです。
 しかも大尉はマイクローン状態だと中身もかなり子供です。
 大変危ないのでミシェル先輩が止めるのは当たり前といえましょう。
 けど止められた大尉は大きな眼に涙を滲ませて訴えます。
「やりたい」
 くっ、また始まった。
「手組んで胸の前で抱えるみたいに丸作って」
 一つ溜息をついて、ミシェル先輩はクラン大尉にそう指示しました。
 ミシェル先輩はなんだかんだと小さい大尉には甘いんです。
 大きい大尉はミシェル先輩に甘いんですけどね。
 クラン大尉が言われたとおりにすると、ミシェル先輩がその輪の中を潜ります。
 よっこらせ、なんて声をかけて小さな大尉の身体を持ち上げました。
「絶対に離すなよ。ゼントラーディが頑丈って言ったって、限度があるんだからな」
 言わずもがなのことを今更注意する先輩に、
「うんっ!」
クラン大尉はよいお返事です。
 ほっぺすりすりとかしちゃって、超仲良しです。割れてしまえメガネ。
 それを見ていたシェリルさんも、きっと同じことを考えたと思います。
「アルト」
 何とも底知れない声でアルト先輩の腕を捉えました。
「あ・た・し・も」
 アルト先輩が怒鳴ります。
「お前はもう自分で飛べるだろ!」
 アルト先輩ひどい。
 そうなったら、どうなるか決まってるじゃないですか。先輩が地上にいちゃ意味ないんですから。
「僕のサムソンは絶対に渡しませんからっ!」
 先手を打って、僕は上から叫びます。
 アルト先輩が裏切りやがったな、ルカ、って顔です。
 それは僕の台詞です。僕のサムソンがどんな目に遭ったと思ってるんですか。
「私をエスコートできるんだから、光栄に思いなさい」
 シェリルさんは先輩のアクションを待っています。なんて女王様。
「はいはい」
 アルト先輩が首を差し出すと、シェリルさんが腕を絡ませ、先輩は荷物を抱きあげるように彼女を抱きあげました。
 あ、下にいたらパンツ見えたかも。
 シェリルさんは今日もかわいいワンピースです。ちょうちょのようです。
 こんなかわいいシェリル・ノームにここまでありがたみを覚えないなんて、アルト先輩のほかにはクラン大尉以外実は眼中にないミシェル先輩くらいじゃないでしょうか。
 僕はシェリルさんとアルト先輩とすれ違うように地上に戻りました。
 二組ともふわふわひらひら飛んでいて、一時間くらい戻ってきませんでした。ふんっだ。


 明日に続け




 僕忘れられたのかなあと思う頃、四人が帰ってきました。
 どうやらどこかで降りて、そこから歩いて戻ってきたようです。
「明日は筋肉痛だな」
「これしきで音を上げるとは……十周の刑」
 屋上で僕に聞こえてきた第一声はそれでした。
「なんでだよ! 俺のは重いんだよ! お前のと違って!」
「俺んだって重い! 見た目とは違って!」
 先輩達に、女の子二人の鉄拳制裁が加えられました。
 イケメン面が乱れておりますのでしばらくお待ちください。
「お腹空いた!」
「そうね、あたしも。学食開いてたわよね、行きましょ」
 アルト先輩とミシェル先輩は視線を交わし、やれやれと肩をすくめ、気の早い女の子たちの後に続きました。
「お前も行くか?」
 アルト先輩が僕に振り返ります。
 ……僕だってお腹空いたんですけど。
 も、帰っちゃおかな、部屋でナナセさんの立体アイコラ作りたいな、とか考えたのを我慢して待ってたんですけど。
「おごってやるよ」
 懐具合に困ってなんてないのに、ミシェル先輩の甘い言葉にほだされてしまったのが間違いだったわけですよ。

 普段は生徒たちでごった返す学食も、休日の今日は比較的静かで5人分の席も楽々取れました。
 でも今日は取れない方がよかったなあ、とひしひし感じました。
「そう睨むなよ。ほかの奴らが近寄れないだろ」
「だって、シャワーも浴びてないんだもの。近寄られるの嫌だわ」
「飯の後にシャワー? 普通逆だろ。俺はシャワーが先がいい」
「とか言いつつアルトはちゃんと付き合ってくれるのよねー」
「うるさい!」
 まず左手で向かい合ってるのは、出会ってしばらく、お互いを意識し始めて日が浅く、見てるこちらがこっぱずかしい二人。
「ん、んまい!」
「だろ。これもうまいぞ」
「ほんとだ。ミシェルはいつもこんなうまいものを食べているのか」
「学費の元は取らないと」
 右手で向かい合っているのは、幼馴染なものだから程度が全然わかってないでナチュラルにいちゃつく二人。
 アルト先輩とミシェル先輩の間に座って正面に誰もいないのが僕。
 テーブルの幅が狭いから、一人の方が使いやすし、風が涼しいよ。
「んー、運動の後のご飯はおいしーい」
「運動したのは俺」
「いいじゃない。ほら、分けてあげるから」
「いらない」
「はい、あーん」
 フォークに刺さった肉がこちら方面に運ばれてきます。
 そこでどうして、口を開けてしまうんでしょうかねアルト先輩は。
 遠巻きのギャラリーの悲鳴が耳に痛いです。
 あ、ちょっと右が静かです。何やらクラン大尉がシェリルさんの方を見ています。
「ミシェル」
 やな予感。
「何?」
「やる」
 大尉がフォークに刺さったムニエルをミシェル先輩に差し出しました。
「要らないよ。俺はいつも食べてるから、クランが食べればいい」
 小さい大尉限定で女心を解さない人だなあ。
「子供は食わんと成長しないぞ!」
「はいはいっと。俺、デザートとってくる」
 ミシェル先輩は、クラン大尉の頭をわしゃわしゃと撫でて、席を立ちました。
 あーんを強制するふり、嫌がるふり、というプレイにいそしんでいたシェリルさんもデザートがまだだったことに気付いたようです。
「あたしもケーキ!」
 我に返ったアルト先輩が、こほんと咳払いをしました。
「太るぞ」
「デザートは別腹よ。それにステージで消費するからいいの!」
 シェリルさんがアルト先輩の頭を肘で小突きつつ、通り過ぎました。
 やがて別々に戻ってきたミシェル先輩とシェリルさんのお皿には、ケーキが一つずつしか載っていませんでした。
 僕の分に期待などしていません。ええ、はなから期待してませんとも。
 でも、相手の分がないのは意外でした。クラン大尉もそんな気配です。
 アルト先輩はあまり甘いものが好きではなかったかな。
「アルトも食べる?」
 シェリルさんが皿ごと押しやってくれるのに、首を振ります。
「いいから食べなさいよ。疲れたんでしょ」
 いちごショートケーキがかわいそうなくらい大きくちぎったアルト先輩でしたが、実際に口に運ぶと、端っこだけを口に入れて、微妙な顔になりました。
「甘……」
「何よその顔。あたしは甘いのが好きなの。要らないならよこしなさい」
 アルト先輩は、素直にフォークに刺さったままのケーキの残骸ごと、皿をシェリルさんに返しました。
 シェリルさんはご不満です。額に青筋が見えるようです。
 あーこれは。
「逆がやりたいみたいですよ、シェリルさんは」
 仕方なく、口添えをしてあげると、アルト先輩はフォークとシェリル先輩を何度も見比べて、結局お姫様のご要望に従うことを選びました。
「ノーコメントなのアルト?」
「言えるか! 恥ずかしいことさせやがって!」
 嫌がりつつやるなら最初からノリノリでやられる方がまだましなんですけどね。見てる方的に。
 あ、また右が静かです。
「ミシェル、私にもよこせ」
「ほい」
 ミシェル先輩のチョコレートケーキは、クラン大尉にとってははるか上空に差し出されました。
 わざとに決まっています。またプレイかよ。
「ぐぬぬぬぬっ」
 椅子からジャンプしても届かず、届きそうところでまで高度を下げておいて、今度はミシェル先輩はフォークを速やかに手元に回収し、一口堪能します。
 おっと、業を煮やした大尉がテーブルに乗り出した。
 フォークにかじりつくかと思いきや……直接、ミシェル先輩の襟をひっつかみ、唇をなめとりました。
 なんかいろいろ嫌になってきました。
 さすがにアルト先輩とシェリルさんも目が点です。
「ん、うまい」
 クラン大尉のご満悦な表情とともに、唇が離れます。
 ミシェル先輩が大きく息を吸い込みました。
「そこまでして食いたいのか。普段、何を食べてるんだ? クラン!? それにテーブルに乗るな!」
 あの……? 全然問題が違いますよ、ミシェル先輩……

 おめでとうございます、今日からあなたはロリコンです。


 シャワー編へと続け



 食事の後はシャワータイムです。
 ほかに人もいず、独占です。
 ビバ男だけの時間! いちゃいちゃを見なくて済むってすばらしいね!
 ところが髪を濡らすか濡らさないかのうちに誰か入ってきました。
「ミシェルー」
 クラン大尉です。三人して、反射的に頭を下げました。足は隠せないのが残念です。
「何入ってきてんだ!?」
 さすがのミシェル先輩も呆れ声です。
「なんとか部とやらがおおぜいで入ってきて……なんでこどもがいるのーとかかわいーとかどこの子ーとかうるさい……」
 そういえば、コートの方に人が動いていたような。女子の運動部が活動していたようですね。
 ぺたぺたと足音がして、まっすぐにミシェル先輩のボックスに入りました。
 足だけでもわかるもんなんだなあ。
「ふっ、ミシェルもだいぶ成長したな」
「どこ見て言ってんだっ!? 戻れ」
 ほんとどこ見て言ってんだ。
「よいではないか。つい何年か前までは、一緒に入ってただろう」
 その話、くわしくお願いします。
「ガキの頃の話をいつまでも……」
 ミシェル先輩の何年か前っていつなんだろう。
「だめなら隣に入れてもらおうかな」
 えっ!? なんで僕!? 一人で浴びれば?
 ってああそうか。蛇口の位置が高くて手が届かないんですね……
「わかった。いていい」
 反応早っ。
「服は持ってきた。荷物はシェリルが自分のと一緒に持ってきてくれるって」
 シェリルさんも止めてくださいよ。
 僕はなんかもうアホらしいので、はやく出てしまおうと思いました。
 シャンプーつけたとこでなければとっとと出てしまえたんですが。
 僕の髪は少し癖っ毛だからか、半端に洗うと後がひどいことになるのです。
「くすぐったいだろ。追い出すぞクラン!」
 髪を洗いながら隣に目をやると、間仕切りにクラン大尉のつるぺたな影が映っていて、そこから伸びた青い髪の束がミシェル先輩の身体に絡みついています。
 一部に需要がありそうな光景です。
 ゼントラーディ系の男性は、触手プレイできるのかなあ。ミシェル先輩の髪が動いてるとこは見たことないんですが。
 あ、髪洗ってあげてるっぽい会話がする。ミシェル先輩過保護。
 そんなことをぼーっと考えていると、視線を感じました。
 じっと、クラン大尉が間仕切りの上に手をかけて登って頭だけ出して、こちらを見つめていました。
 髪を下ろした大尉は貴重で……って、きゃー、痴漢。
「ミシェルのと違う……」
「あー? おとなしくしてろよ」
 ミシェル先輩は自分の髪洗うのに夢中で、目が届いていません。
 しっかり管理してください。お願いですから。
「皮が……」
 とんでっけー♪ 僕のプライドー♪
 ミシェル先輩がシャンプーの瓶を放り出して、勢いよくクラン大尉の口をふさぎました。
 大尉がもがもがうめきます。
「なにおふる。みへる」
 くそ、人に言うことをきかせられる超能力とかで、今のこと忘れさせたい!
 オズマ隊長に日頃のクラン大尉とのあれこれとかちくってやりたい!
 バルキリーでバカップル殲滅したい!
「いやまあその、あれだ。すまん」
 あやまらないでくださいミシェル先輩。余計惨めになります。
「……いえ」
 いいもん、いいもん、いつか手術するんだもん。
 こういうときだけはアルト先輩は空気読めるなあ、ありがたいなあ、と思って感謝の思いを込めて見詰めたらば……
 アルト先輩は入口の方を熱い目で見つめていました。
 前言撤回。シェリルも来ないかなあ、とか思っていやがる。
 いくらシェリルさんが男前でも、それはさすがにやらないと思います。
 クラン大尉みたいにちっちゃくないから、僕らにも見えちゃうし。
 髪下ろしたアルト先輩が向こう行く方が成功率高いです。
「ちょっと男ども!? このあたしを待たせて何やってんの!? さっさと出てきなさいよ!」
 やっぱり。やけくそ気味なシェリルさんの叫びが外から届きました。
 本当はお似合いの年齢なのに子供相手になってしまって気の毒だな、とかミシェル先輩に同情だけしてた僕が馬鹿でした。
 まさかわざと子供っぽくふるまってるわけでもないでしょうけど、幼女と言い張ればすり抜けられる、男女の壁ってのがあるんですね。
「あいつも小さかったらよかったのに……」
 隣からアルト先輩がぼそっと呟くのが確かに聞こえました。
 だめだこいつも。早くなんとかしないとバカップル病にかかってしまいます。
 それとももう手遅れかな。



「こういうところがガキなんだよな……」
 帰り道。ミシェル先輩と手をつないだ先で、クラン大尉があからさまに船を漕ぎ始めました。
「クラン。クーラーン」
 一番先頭を歩いていたミシェル先輩たちは立ち止まり、ミシェル先輩が繋いだ手を揺らします。
 クラン大尉もゆらゆら揺れます。
 運動して、ご飯食べて、お風呂入って、そしたら眠くなっちゃうのか。立ったままって器用だなあ。
「ふふっ。かわいい」
 後ろを歩いていたシェリルさんが、クラン大尉の頬をつつきます。
 つついた勢いのままに、クラン大尉の頭がけっこうな勢いで揺れます。
 なんでしたっけ、こういうおもちゃありましたよね。
「しょうがないな」
 ミシェル先輩がしゃがんで背中を差し出しました。
「悪い。アルト姫。クランおぶらして」
「悪いとか言う前にその呼び方をなんとかしろ」
「悪い。アルト様。おぶらして」
 くっと拳を握りながらも、アルト先輩は、クラン大尉をミシェル先輩の背中に乗せます。
 子供の扱いに慣れてない感じですね。子供って言っても上官なんだから当たり前ですけど。
「おんぶ……」
 シェリルさんが不穏です。見なかったふりをしたい。
「お前、部屋に連れ込むんじゃないだろうな」
「クランが放してくれたらいいんだけどね。クランは早朝にミッション入ってるし、このまま寝かしときたいな。
 うるさかったら悪い」
 クラン大尉の腕がミシェル先輩の首をしっかり押さえてるのが最後尾の僕からも見えます。無意識でしょうか。
「安眠妨害だろ……」
 アルト先輩がげんなりとうめきます。
「あら、じゃあ、あたしが泊まってるホテルに来る? ディナーおいしいわよ」
 アルト先輩の背中が揺らぎました。
 ああっ、少し前に遅い昼食食べたばかりなのに夕食につられているっ!?
 だめです先輩逃げて。超逃げてー。
 ミシェル先輩はドSな外道に見えて良識派なのです。しかも寝泊まりしてるのは会社です。
 万が一くらいしか間違いなんて起こりません。
 でもシェリルさんのホテルになんて付いていったら、食べられちゃうに決まってるじゃないですか。
 少なくとも、一緒のシャワーと何か理由付けてのおんぶは確定だと思います。



「部屋は広いし、いいものもあるのよ」
 良識が邪魔をして食いつけないでいるアルト先輩に、シェリルさんは重ねます。
 そんなに付き合いは長くないのに、扱いがうまいです。
「いいもの?」
 アルト先輩がわかりやすいてのもありますけどね。
「熱気バサラの全出撃収録ディスク。グレイスがネットワークから拾って編集したんだけどね」
「行く」
 あ、アルト先輩落ちた。
 でも、これは確かにお宝です。
 バサラはあくまでもミュージシャンで、パイロットとしての腕も卓絶していたのですが、その点からの評価に本人があまり重きをおいていないようで、
パイロットな観点から正式に手に入る映像は少ないのです。
「僕も見……」
 シェリルさんの目がアルト先輩を通り過ぎ、こちらに向きました。
 すいません、何も言いません、ごめんなさい。
「それ見せてもらったら帰るからな」
「どうぞ?」
 アルト先輩……タダより高いものはないんですよ。
 先に言っときますが、脱童貞おめでとうございます。
「あ、ホテルこっちよ」
 交差点に来たところで、シェリルさんがアルト先輩の腕を引っ張りました。
「じゃあ、ここで。ルカはどうするんだ?」
「本屋に寄ってきます」
 ミシェル先輩と一緒に会社に帰るのもな……道中がな……
「じゃな」
「はい、また」
「学校でね」
 しばし見ていると、シェリルさんがアルト先輩の腕に腕を絡めました。
 はー、見てらんないな。
 学校でも会社でも僕らは一緒だから、どちらかでは会えない女の子を優先するのは当然でしょうけど。
「男の友情なんて、もろいもんですね……」
 ただの独りごとだったんですが
『なんで?』
 右の道からミシェル先輩、左の道からアルト先輩が振り向きました。
 ミシェル先輩の顔がクラン大尉の顔にぶつかったらしく、その場に座り込んでしまいます。
 シェリルさんは突然立ち止まったアルト先輩のせいでけつまずいたようで、ご立腹の兆候です。
「なんでもありません」
 僕が返すと、二人ともやけに優しく言いました。
「ま、今度一杯おごってやるよ」
「同じく」
 もう一回、別れの挨拶をして、ミシェル先輩とクラン大尉が、アルト先輩とシェリルさんが、それぞれに仲睦まじく去っていきます。
 僕の声が聞こえてはいるならいいのです。
 今日は一人で、立体アイコラを作ることにしましょう。
 きっと、これまでで最高の作品が作れるような気がするのです。


 おしまい



764 ルカ・アンジェローニの三分間ソーシャル・クラッキング sage 2008/05/31(土) 13:29:54 ID:wPoWwklG
750でシェリルが自分の携帯をルカに渡した時、実は何が起こっていたのか…



(ふふ、シェリルさんの携帯ゲーット)
ルカはノートパソコンと携帯端末を接続しながらほくそ笑んだ。
つぶらな瞳に邪悪な光が宿る。
(ゲームをインストールするついでに、着信と発信履歴のぞいちゃおーっと)
案の定シェリルの携帯はプロテクトが甘く、痕跡を残さずに簡単に突破できた。
(おーっとアルト先輩、けっこうコールしてますね。やるなぁ)



ソーシャル・エンジニアリングとは、人間の心理的な隙や、行動のミスにつけ込んで個人が持つ秘密情報を入手する方法のこと。
ソーシャル・ワークとも呼称される。
(中略)
コンピュータ用語で、コンピュータウイルスやスパイウェアなどを用いない(つまりコンピュータ本体に被害を加えない方法)で、パスワードを入手し不正に侵入(クラッキング)するのが目的。
この意味で使用される場合はソーシャルハッキング、ソーシャルクラッキングとも言う。
(Wikiより)

<終>
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