かずみという名前以外自分の事が全く思い出せない魔法が使える少女。
気付いた時にはトランクの中に
全裸で詰め込まれていた。
その後、自分のことを知っている
御崎海香と
牧カオルに再会し、彼女たちを含めた魔法少女チーム
「プレイアデス聖団」と共に記憶を無くしたまま
魔女と戦うことになる。なぜか同じ魔法少女であるユウリから命を狙われているが…
性格は天真爛漫で人懐っこい。食いしん坊で、「食べ物を粗末に扱ったやつは本当の悪人」という考えを持っている。
また、料理が非常に上手く、聖団のメンバーに料理を振る舞うことも。海香とカオルによると、3人とも帰国子女で両親は海外勤務のため、現在は3人で海香の家で暮らしているとのこと。
なお、第1話ではロングヘアーだったが、第2話以降はショートカットにしている。
pixivのイラストでも双方の髪型が描かれている。
実は魔法少女ではなく
魔法が使える少女とわざわざ表記したのは理由がある。詳しくは下記の、かずみの正体を参照。
彼女の"願い事"
かずみの問いに対して海香とカオルは「内容は聞かされてはいない」と答えた。
だが、かずみの記憶を海香が見せた時、「祖母の意識をはっきりとさせる」という願いを聖団全員が聞かされている事が語られる。
これによるこの時の二人の答えは嘘であった思われた。だが13話で二人は確かに願いの内容は聞いていない事が判明した。
ソウルジェムの色は不明、シンボルマークは渦巻き、変身前・変身後共に位置は両耳に付けた鈴型のイヤリング。
戦闘スタイル
武器は十字架の形をした杖。杖を使った格闘戦を行うほか杖から光線を放つ必殺技「リーミティ・エステールニ」を使用する。
3話でのプレイアデス聖団とのチーム戦では聖団のメンバーが魔女の動きを封じ、最後にかずみがリーミティ・エステールニで止めを刺すという戦術を使っていた。
また、第1話では爆弾を安全なものに変える魔法を使用している。
直感的に嘘を見抜ける能力、「悪魔の実」に対する(
グリーフシードには働かない)高い感受性、「悪魔の実」に対する耐性など能力面でも謎が多い。
かずみの能力の謎
謎が多い主人公かずみ、彼女の謎は話数が進む程にどんどん深まっている。
まずは彼女の能力についてであるが、魔法の性質は
ジュゥべえ曰く「破戒/破戒」。
ニコの「再生成」とは相反する力であり、同時に使用すると対消滅を起こす。
8話ではこの性質を利用し双樹姉妹の「ピッチ・ジェネラーティ」に対抗していた。
かずみは両耳に鈴を付けているが、この両鈴は1話から見ていると役割が違うことが分かる。
左右の鈴を比べて見ると分かるように、「右耳の鈴は変身や戦いに関する時に鳴る」「左耳の鈴は記憶に関する時に鳴る」描写になっていることが大まかに見てとれる。かずみの記憶も左鈴の中に収められている可能性があり、右鈴はソウルジェムに関連している可能性があり、今後もこの両鈴の描写には目を配る必要性がある。
なお、この鈴のピアスはサキが海外出張中の父親に頼んで探してきたもらったプレゼント。出所から考えてこのような能力を持っているはずはなく、ましてやかずみのソウルジェムであるはずがない。しかしこのピアスに特別な能力があることは疑いようがなく、ましてやソウルジェムであることは間違いない。
双樹ルカもこのピアスを見てソウルジェムと確かに発言している。
一体いつ変わったのかは現時点では謎である。
彼女の能力である疑惑の「物質変化」能力についても述べる。この能力が備わっている可能性がある場面は2つ。(1)1話の爆弾を花火に変えた場面
(2)6話の魔女あいりの中から人間状態のあいり(ユウリ様)を抜き出したような場面。
6話では魔女あいりの中から人間状態のあいりを引きずり出したが、意識は魔女のまま?(イル・トリアンゴロを発動しようとした)であり台詞も全て魔女文字で発していた。
両場面ともかずみが「別の物に変われ」「元の魔法少女に戻す」と変化を願う発言しておりこの両者はかずみの能力によって変化、または戻された可能性がある。
6話にて身体を変化させたのも「物質変化」の応用であると思われる。
この状態では手足が獣のような形態に変化し爪が巨大化する他、歯(牙)も魔女あいりの触手を食い千切れる程に強化される。
また、食い付いた触手を経由して魔女あいりの形態を変化させた事から「接触さえしていれば能力の使用に制限はない」とも取れる。
とらのあな2巻初回特典において、
飛鳥ユウリを魔法少女へと導いたのも(記憶喪失前の)彼女である事が明かされた。
そして、その時に伴っていた妖精はジュゥべえではなく「白いネコのような妖精」である。
彼女の真実の姿がどのような物であるにせよ、物語の謎そのものに「彼女の過去」が関わっているのは間違いない…と、思われていた。
かずみの正体 「マレフィカファルス」
マレフィカファルス = Marefica・Farceとは、
マレフィカ : Marefica = ラテン語、魔女
ファレス : Farce = 仏語、肉や魚・野菜などの中に別の食材を詰めた料理
第13話「マレフィカファルス」にて判明した衝撃の事実。
プレイアデス聖団には
和紗ミチルという魔法少女がいた。
聖団の中心人物だった彼女は魔女となり、死亡する。ミチルが大好きだった聖団メンバーは彼女の死体に魔女の肉をつめて彼女のクローンを造った。
文字通り、魔女の肉詰め。それがかずみ。彼女は12回の失敗を経て造られた13人目。
全ては嘘だった。
記憶喪失というのも、聖団のメンバーだった事も、魔法少女だった事さえも、なにもかも。
これ自体、心をズタズタにするには十分だったが、知った状況がなおさらマズかった。
その上どんな終わり方をしても
円環の理により、彼女の存在はなかった事にされてしまう結末が待っている。
誰の祈りも、絶望で終わらせないと願った存在が、絶望どころかその祈りさえも消し去る事になるとは皮肉としか言いようがない。
まさに
因果を越えた希望に断たれる絶望であり、それは「
円環の理=人生を十年ちょっとしか過ごしていない少女」の思考など、如何に限界が浅いかを露呈した形とも言える。
言い換えれば、「魔法少女が善き者とは限らず、魔女が悪しき者とは限らない」この作品においては、円環の理による救済システムの価値がいとも簡単にひっくり返ってしまうのだ。
一方を善と決め付けた時、コインの裏表のように他方が悪と看做されるケースはたくさんあろう。
女神まどかとて、その思考=本質が、所詮は自分勝手にしか生きられない人間のそれであることが読み取れる。
実は第1巻収録の2話と3話でかずみのソウルジェムの下からグリーフシードの棘のようなものが生えている事が確認できる。
ハートフルな内容と言われていた第1巻からすでにこの物語の方向性への伏線は存在していた。
なお、マレフィカ・ファルスは正式名称ではなく、里美がミチルならこう言うのではないか?という予想である。そのため、マレフィカ・ファルスという名称は第13話以降登場しておらず、4巻でのおまけページでの説明ではかずみシリーズと名がついていた。
ちなみにこのかずみシリーズ、1人として同じ姿のものは存在せず、描き分けに涙が出そうだったそうな。
その後、里美を殺してしまった事実にショックを受けているところにサキの「君は悪くないんだ、ミチル」という発言に「わたしはミチルじゃない!」と叫んで彼女は逃亡。
その途中で
石島美佐子と出会い、かずみ☆マギカの癒し立花さんのもとにいき、彼のもとに滞在。
1週間経った時、どこで知ったかカオルがミチルの日記を立花さんに預けた。
その日記には、ユウリとミチルの関係。聖団との日々。そして魔法少女がやがて魔女になる真実に、ユウリや聖団を魔法少女になる切っ掛けとなってしまったことへの後悔が書かれていた。
そして日記にはカオルからの手紙が挟まっていた。
手紙には、プレイアデスがただミチルに帰ってきて欲しくて合成魔法少女を生み出したこと、何度も失敗し、かずみを傷つけ、里美が死んだのに聖団が再び蘇生魔法をしようすること、その決定にはかずみがなかったことにすることも含まれていることが書かれていた。
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手紙の内容 |
——でも、かずみとミチルとのことは別の話だ
——あたしたちと一緒に戦い、流した涙は他の誰のものでもない。かずみのものだ
——そしてその命も
——だから逃げろかずみ
——信じてくれなくてもいい
——たとえ仲間と戦うことになったとしても、あたしはかずみを守る
——それがあの雨の中、かずみの涙に答えられなかったあたしのけじめだ
——牧カオルより
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この手紙と日記により、カオルの決意と、聖団がどれほどミチルのこと大切にしていたのかを知ったかずみは涙を流し、ある決意をして聖団と相対する。
4巻以降の戦闘スタイル
聖団メンバー全員の魔力を込めて命を吹き込まれたかずみはオリジナルのミチルの魔法に加え、聖団メンバー全員の魔法が使用することができ武器の杖を聖団の武器に変えることも可能。
魔法は里美以外のものを、武器はみらいのものを使用している。
しかも海香が他人の魔法を盗むことができるため、実質彼女に使用できない魔法はない。
これらの能力を使い、かずみシリーズ相手に生き残り、複数の魔女や
ラスボス(笑)と
外道相手に圧勝する。
余談
魔法少女姿となった際の肌の露出がかなり多い。
マントはあるものの、それ以外背中から腰にかけてほとんど布が無い。
スカートもかなり短く、胸にいたっては細いリボンでギリギリ隠している程度。
『魔法少女まどか☆マギカ』本編、外伝を含めた現時点での全ての魔法少女中でユウリと並んで最も露出度の高い魔法少女である。
なお、当初は魔法少女服が似ているユウリも同じような感じと思われたがコミックス1巻の裏表紙のカラー絵で、肌と思われた部分はピッチリとしたボディースーツだったことが判明したと思われたが、コミックス2巻のおまけページにて天杉氏により「おかしな部分が露出している」ことが発覚。
作者の天杉貴志氏は、コミックス1巻のあとがきで「この露出は私のモチベーション」と述べている。
最終更新:2024年02月19日 08:55