理解と破壊のプレリュード ◆yX/9K6uV4E






――――太陽に背を向けるんだ、逆光で僕が見えない。 太陽に背を向けるんだ、逆光で君が見えない







     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇







夕日の眩い光が窓から差し込んで、わたし達を赤く染めている。
もう直ぐ、日が沈んで夜になる。
普段なら、夕食の時間なのに、わたし――小日向美穂は食欲がわかない。
原因はこんな殺し合いに巻き込まれたから……?
それともこんな今の状況だから?


「あの、美穂さん……」
「…………何?」


強く返事をするつもりは無かったけど、何故か刺々しくなってしまう。
そしたら、目の前の子――高森藍子は、困ったように、それでも笑っていた。
えへへと笑って、彼女自身がいれた珈琲を口にしていた。
わたしも、黙って入れてくれた珈琲を飲む。
二人きりで、重たい中、私達は珈琲を飲んでいる。

どうして私と彼女が二人きりになったかというと。
茜さんとネネちゃんが夕食を作るといって。
わたし達も手伝うと言ったら。


ネネちゃんが、二人で待っていて。
そう言ったから。
わたしも藍子ちゃんも戸惑ったように視線を泳がしたけど。
ネネちゃんは譲らずに、こうなってしまった。

『二人で何か話していて』

彼女が言ったその言葉が、本心だと思う。
ぶつかりあった私達に対して、彼女の気遣いなんだと思う。
少しでも分かり合えるようにと。
けれど、そんなの、難しいよ。
今、何を話すかさえ、戸惑うというのに。

「歌鈴ちゃんはやっぱりそちらでもドジしてました?」
「……えっ?」

予想外の名前に、わたしは少しどきりとする。
それはわたしにとっても親友の名前だ。
まさかこんなタイミングで、この人から聞かれると思わなかった。

「え、ええ……まあ」
「やっぱり……安心したような、していいのか」

彼女はやっぱり苦笑いを浮かべながら。
でもそれはスプーン一杯の喜びをこめたような笑い方で。
歌鈴ちゃんをにくからず大切に思ってるからなのだろう。

「でも精一杯、一生懸命でした?」
「それはもう」
「なら、よかった、歌鈴ちゃんらしい」

まるで懐かしむように、彼女の名前を、高森藍子は言う。
知り合いだったのは、歌鈴ちゃん自身が言っていた。

「歌鈴ちゃんとは……?」
「私から下積みの頃から、一緒にでかけたりして、仲良かったんです……楽しかったな」
「そうなんですか……」
「最も……最近は私が忙しくなりすぎて、時間が作れなくなちゃったけど」

ちょっと寂しいですねと彼女が笑って、また珈琲を口にした。
わたしもそれに釣られるように温かい珈琲を飲み込んだ。
そして、少し気になって

「あの……歌鈴ちゃんって、昔はどうだったんです?」

彼女に、親友の事を、色々聞きたくなったんです。
そしたら彼女は少し考えながら、それでも懐かしそうに笑って。

「そうですねぇ……あんまり変わってないかも」
「なの?」
「うん、ドジで、それでも一生懸命で」
「へぇー変わらないなぁ」
「そうそう、下着を付け忘れた事があったり」
「……えぇ?……それは……酷いドジだなぁ」

気がつけば、彼女と話がそれなりに盛り上がり始めていました。
共通の友人から自然と話が広がっていて。
彼女はやっぱり嬉しそうに話を続けるんです。
だから、わたしはそれに釣られて、言葉をつむぐ。
こんな状況なのに、言葉が途切れない。
何故か笑顔になっていきそうで。

「温かいお茶と冷たいお茶を間違えるのよくあって」
「今もやってますよ」
「やっぱり……変わらないなぁ」

ふわっとした気持ちになる気がする。
なんだろう、なんなんだろう。
凄く嫌なはずなのに。

何処か心地よい。


「歌鈴ちゃん何かを言おうとしてよく噛むんだけど……」

これが、彼女が持つアイドルなのだろうか。
彼女の力なんだろうか。
不思議な空間でした。

「そう、よく噛む」
「挨拶とか、こう言うよね」


二人して、にっこり笑って。



「「ほんじゅちゅ」」


あの子の笑顔を思いながら、一緒に言ったんです。
そして、わたし達は笑えていました。
わたしも笑っていたと思います。

ゆるっとした、ふんわりした、けど、何処か優しい空間でした。
剣呑だった空気が穏やかに包まれていくような気がして。
この子が持ちゆるモノで、そっと傍に寄り添う感じなのかな。
それにわたしは嫌な感じがしなくて。

これが、アイドル、高森藍子という子なのかというのをまざまざと見せ付けられた。


そんな気がしたんです。



「歌鈴ちゃん、元気だと……無事だと……いいな」


彼女がそう呟いて。
私も歌鈴ちゃんのことを考える。
ドジで、でも一生懸命で精一杯な親友。

恋のライバルだった彼女。


会いたい。
あって話をしたい。
何を話せばいいか解らないけど。

でも、高森藍子と話していて、会いたいと思ったから。


今でも気持ちがくすぶり続けているけど。

会いたい。



そして、どうか、無事でいて。




わたしの――――ベストフレンド。






     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇








「二人にして、大丈夫だったかな……?」

ぐつぐつとお湯が沸き立つ音が響いている。
やがて、ぶくぶくと沢山の泡が沸き立つのを、私――栗原ネネはは確認して乾麺を入れた。
お湯ののなかで、解れ、ゆられる麺を見ながら、私は残してきた二人を思う。

「上手くいくといいけれど……」

誰かがいがみ合っているのを見るのは辛い。
そういうのを見ると、まるで自分の心が締め付けられてるように感じてしまう。
とても、苦しい。
まして、誰も悪くないなら余計に。
その誰かが、知り合いなら尚更。

あの時だってそうだった。
あんなに仲良かった、大好きだった両親達がいがみ合って。
それも、私にとって、両親達にとって、大切な人の存在が原因で。
傷つけあってしまった。
その事に妹は苦しんで。

もう、そんなの観たくない。

誰だって、皆、優しい。
誰だって、皆、温かいものを持っている。

そう、あの二人も。

だって本来の美穂ちゃんはあんなに刺々しくないもの。
もっとほんわかした日向で寝ているような、素朴な子だ。
優しく、はにかむ笑顔が似合う子だから。
きっと、藍子さんと相性がいい、はずだから。

仲良くして欲しいなって思う。

それは今の私の迷いとは関係無しに。
関係が無いと、信じたい。
いつまでも決められない私の心と。
そう、私も決めなきゃ。
決めなきゃ、いけない。
水彩の世界に惑い続けるだけじゃ、きっと駄目。


……けれど、本当は、私の決める道はもう私自身が解らない内に、理解しているのかもしれない。
私がどう在りたいかというのは、もう多分きっと。
なら、欲しいのは切欠なのだろう。


私が、私で在り続ける為に。


これは、私が弱いからなのかもしれない。
意思が流されているかもしれない。


けれど、決断しなければならない。




私が、私である為に。




――――後悔だけが残る結果だけには、したくない。



「ネネちゃんー! 野菜炒め終わったよ!」
「あ、こっちも丁度いいころですよ」


別の給湯室で野菜を炒めていた茜さんがフライパンを抱えて戻ってくる。
後ろには人参を咥えているブリュッセルが。
夕食は、野菜一杯のタンメンです。
きっと健康にいいと思う。

「じゃあ、盛り付けるね! 上手く出来てるといいな!」
「ええ、きっと美味しいと思います」


きっと美味しい。
何より温かい。


温かい食べ物は、温かいモノは。



何よりも人の心を解きほぐしてくれるのだから。



だから、美穂ちゃんもそうなるといいなと。



私は願ったんです。






     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇









けれど、その願いは、叶う事が無く。




哀しくも、残酷に。




――――――道明寺歌鈴




呼ばれてしまった名前によって、打ち砕かれてしまったのでした。










     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇








するりと、箸が手から滑り落ちる。
からんと、床に跳ねた音がした。
それでも、なおわたしはまるで彫刻のように、動く事が、出来ませんでした。

やっと野菜を食べて、麺まで辿り着いたというのに。
食欲が一気に失せて。
麺が延びてしまうのを、理解しながらも、わたしはただ固まる事しか、出来なかった。


道明寺歌鈴。
ドジで、おっちょこちょいで。
一生懸命で、精一杯で。
笑顔が、何処までも輝いていて。
素敵な少女で。


わたしの親友で。


いろんな人に愛されて。


それで、それで、それで。




あれ、あれ、あれ?


もっといい所一杯あるはずなのに。
もっといい所一杯知っているのに。


言葉が、出てこない。

心が、感情が、溢れてきて。


あぁ、ダメ。


ダメ、いい所いって。
彼女の事いって。



彼女がいなくなったとか考えたくないのに。




ぁぁ




「……………………歌鈴ちゃん…………もう………………居ないの?」



搾り出した声は、まるで親友の死を確認するような、呟きでした。
その声に、食卓を共にしていた三人はうつむくばかり。

あぁ…………そうか。
そうなんだ、やっぱり……


………………死んじゃったんだ。


もう、いないんだ。
此処には、この世界には。


二度と、会うことが出来ないんだ。
二度と、お話しすること出来ないんだ。


何処かに行く事も、一緒に笑いあうことも。


もう、二度と。


「……………………っぁ」


声にならない声しかでなくて。
わたしはそのまま、思いっきり立ち上がって。
意味も無く立ち上がって、何か気が晴らせればいいと思って。


でも、なんにも変わらなくて。


わたしはそのまま、へなへなと地面に、崩れ落ちた。




そうして、わたしは顔を手で覆う。



涙は





――――出ませんでした。





………………え?



どうして? ねぇ、どうして?


歌鈴ちゃんが居なくなってしまったのに。
歌鈴ちゃんともう会えなくなってしまうのに。
こんなにも胸が辛いのに。



どうして、わたしは、涙が流せないの?



わたしは、哀しくないの?




そんな、訳が、そんな、筈が………………


涙が溢れてほしいのに。



どうして、どうして。



一滴すら、でないの。



ねぇ、なんで、なんで、わたし、涙が出ないの?
嘘だ、嘘だ、嘘だ。
そんなの、嘘の筈なのに。


この、湧き上がる想いは、何?
哀しみ、哀しみであって欲しい。
けど、何、この胸をじりじりと焦がすモノは。
解らない、解らない、解らないけど。

ううん、解りたくない。解ったら、壊れちゃう。

何か、何か、大切なものが。


ずっと、ずっと積み上げていたものが。


わたしと歌鈴ちゃんで積み上げていたものが。

わたしの想いが、私の夢が。



……夢。


夢は、わたしにとっての、夢って。




…………なに?



それはきっと、あの人に恋したわたしが、アイドルとして何処までも…………




…………恋。




叶わぬと想った、あの初恋。
甘く、切なく、縋っていたい恋。


それが、唐突に、心に巡って。




あぁ………………




わたしは、恋を――――諦められない。





この燃えるような、モノは……恋なのかな。
くすぶっていたものが、また燃え始めるような。



それは、甘美なもので。


でも、叶えられないもので。


なんでって、彼女がいた………………



………………あれ。




それで、歌鈴ちゃんが。



歌鈴ちゃんが、居なくなった。




から、また、心が、騒ぐの?





それは、まるで、わたしが歌鈴ちゃんがいなくなるのを






――――心の底から、望んでいた、というの?



違う。
違う、わたしは、わたしは。
大切な、大切な、友達なんだよ。
私のかけがないない、友人。





――――でも、恋が、続く。 これで終わらない。


違う、違う。
歌鈴ちゃんが居なくなったからって、あの人が振り向く訳が無い。
あの人の傷につけこむのようなこと、わたしが出来るの?
出来るわけがない、だから、望んでいるわけは無い、ありえない。





――――あぁ、でも、私は、縋っている。



叶ってほしいなって。
叶うといいなって。
わたしは、そう、今でも、ずっと、諦められない。




だって、それが、『小日向美穂』なのだから。



いや……いや……



うぁ……ちが……うんです。


恋が、この初恋が。
わたしで、叶って欲しくて。
何処までも、純粋に、そう願い続けて。
諦めたくないから、諦めたくないから。


だから、わたしは……わたしは…………本当は…………



認めたくない。


認めたくないよぉ。



でも、心が、わたし自身が叫ぶ。



そして、悪魔が囁いた声が、続く。




――女の子には『幸せになる権利』があって――――幸せになりたいと願うなら




わたしは、幸せになりたいのかもしれない。
認めてしまったら、楽になるかもしれない。


もしかしたら、あの悪魔は見抜いていたのかな。
だから、囁いたのかな?


初恋をして、強くなった、小日向美穂は、



アイドル『小日向美穂』は。




恋が叶わないと知っていて、なお諦められなかった、わたしは



本当は、親友が――――




――――道明寺歌鈴が居なくなってしまうことを望んでいた?







ねぇ、泣けないわたしは、




今、どんな表情を――――していますか?




笑って――――――いませんか?











「……いやぁぁああああ!?」




絶叫が、溢れた。
いや、いや、そんな筈が無い。
そんな訳が無い。


わたしは、そんな、事、望んでなんていない。


望んでなんか、いない、そう信じたい。



あぁ、でも、わたしは、今、私が見えない。



……あぁ。
やだ、やだ。
そんなことない。
わたしは、そんな幸せ望んでいない。。




でないと、もう、何もかも。





――――認めたくなってしまう。





「美穂ちゃん、美穂ちゃん! 大丈夫ですか!?」
「……ぇ?」

肩に、優しく置かれる手。
其処には心配そうに此方を見つめる人が。

高森藍子。

彼女が、私を見つめていました。
気丈に、優しそうに。
私だけを見つめていて。

でも。


「貴方は、辛くないの?」


貴方も友達を失ったのに。
どうして、わたしのことだけを心配できるの?
ねぇ、教えて。



「辛いですよ……でも、もっと辛そうにしてる人がいるから」


辛いのだろう。
でも、わたしを思って彼女は感情を押し込める。
強い人だ、本当に。



「どうして」


でも、でも。
どうして、そうやって。
何もかも、感情を。


「そうやって、嘘をつくの? どうして、隠すの?」


覆い隠そうとするの?
ねえ、貴方の思いは何処に在るの?


「何故、認めないの?」


貴方の、その感情を。
貴方の、ありのままの情熱――パッションを。




そうしたら、彼女は、高森藍子は、困ったように笑い。



それでも



「今、こうして立っているのが『私(アイドル)』というものだから……だから、私は、私で在り続ける」



彼女は、あくまでも、『アイドル』だった。





ああ、解った。
この人は、やっぱり、何も妥協すらしていない。
本当に、わたしに、アイドルで居続けて欲しい。
心の底から、今の今まで、そう願っている。
そして、自分自身も何処までもアイドルで居ようとする。
心の底に燃えるモノすら、隠して。


それが、高森藍子という子なんだ。






「そう、ですか」




ああ、やっぱり。
わたし達は、解りあえない。
何処までも、近く、そして、何処までも遠い。




そういう、存在なのかもしれない。



だから、わたしは、彼女を。



『正しい』と思っても、絶対に認めない!





そして、彼女の正しさを支えるものを、奪いたい。
彼女が、彼女が彼女たる理由。
彼女がいつまでも強いのは、



きっと、まだ何も失ってないからよ。



大切な仲間も。大切な恋も。
アイドルで入る理由も。


何も、何も。



だから、わたしは、彼女の支えるものを、奪ってみたい。



そんな、思いに、襲われてしまう。




それは、羨望なのだろうか、妬みなのだろうか。


解らないけど。




――――――純粋な、真っ白なキャンバスほど、汚してみたい






そう、思ったんです。



解り合えないから。
そうかたくなになるほど、


わたしは、彼女の支えるものを、壊してみたい。




それは、殺意とは違うのだろうけど、



とても、激しく燃える、熱い、感情でした。







     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇







少し、美穂ちゃんを休ませる。
そう私達は、判断して。
茜ちゃんに、美穂ちゃんを託し、仮眠室に向かわせました。
暫く仮眠室で茜ちゃんが見守ってくれるそうです。
私――高森藍子は、今、ネネちゃんと向かい合っていました。

「美穂ちゃん……」

ネネちゃんが心配するように、美穂ちゃんの名前を紡ぐ。
実際、彼女の事が心配だ。
歌鈴ちゃんが……死んでしまったから。
でも、私は…………

「藍子さん、お話……というより、お願いがあります」
「……何でしょう?」

ネネさんは少し逡巡し、やがて決意したかのように口を開いた。
その顔は決意したような顔で、私自身も引き締まる思いを感じる。


「貴方が、美穂ちゃんを……救ってあげてください」


それはまた、託されるように。
小日向美穂という子を救ってほしいという願いでした。


「どうして、私が……?」
「それは貴方が何処までもアイドルだから」


『アイドル』
また、私をそう言った。
私がアイドルだという事を信じ、そして

「貴方がどうして、そこまでアイドルで在り続けようとするのか……私の友人を救って、私にその姿を見せてください」


救えたのなら、と彼女はいい。



「私も、貴方が『希望のアイドル』である事を認め、そして望み続けます」



私に、そう言った。
……なんで、そう私に託すのだろう。
あんなにも反発された私を。


「何故、そこまで」
「……正直、私もまだ、迷っています、自分がどう在るべきか、どうすればいいいのか」
「……どう在るべき……」
「でも、もう解っているのだと思います。本当は」

だからと彼女は私の方を向いて言う。
決意をこめた目で。

「貴方がアイドルというならば、貴方の正しさを見せて。そしたら、私もきっと、同じように信じれる……そんな気がするんです」

ネネちゃんは少し困ったように笑って

「これって逃げでしょうか? 自分自身で決められない私の……逃げ」
「ううん……そんな事無いと思う」
「そう……ですか?」
「迷って、悩んで……それでも、信じるものがあって。だから、きっと貴方はもう、選んでるのだから」

だから、私の役割は



「貴方の決断が、正しいものであったというのを……私が証明しないといけない」




きっとそういう役目なんでしょう。
大丈夫、覚悟は出来ている。



「藍子さん、私……携帯電話を持っています。そして繋がってる人が居ます」
「うん……」
「私が決断できたら、連絡しようと思ってます……それでもいいでしょうか?」
「勿論」


そういったら、ネネちゃんはほっとしたような表情を浮かべる。
逆に、私は、ぎゅっと手を握った。




救わなければならない人を思って。





ねぇ、美穂ちゃん。


貴方はきっと解り合えないと強く思っているのかもしれない。
でも、そんな事は無い。
貴方と話していて、私はそう思えたから。


きっと、私達はとても近い所にいるんだと思う。
望んだものも、今も持っている夢も。
そして……恋も。


だからね、解るんです。



貴方の哀しみを、貴方の苦しみを。



そして、貴方が本当に望んでいるものを。



だから、私は、貴方が苦しんでいる姿を見て、私を改めて拒絶する目を浮かべた時、決めたんです。



貴方を、救ってみせる。



貴方を―――『アイドル』として、救う。





貴方が、きっと解り合えないとかたくなになっているのでしょう。




そんな、貴方を。



壊してみたい。




そんな、貴方と、交わってみたい。





アイドルとして。



何処までも。





だから、私は、





――――諦めない。






【G-5・警察署/一日目 夜】

【高森藍子】
【装備:ブリッツェン?】
【所持品:基本支給品一式×2、爆弾関連?の本x5冊、CDプレイヤー(大量の電池付き)、未確認支給品0~1】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:殺し合いを止めて、皆が『アイドル』でいられるようにする。
1:絶対に、諦めない。
2:美穂を救う。
3:他の希望を持ったアイドルを探す。
4:自分自身の為にも、愛梨ちゃんを止める。
5:爆弾関連の本を、内容が解る人に読んでもらう。

※FLOWERSというグループを、姫川友紀、相葉夕美、矢口美羽と共に組んでいて、リーダーです。四人同じPプロデュースです。
 また、ブリッツェンとある程度の信頼関係を持っているようです。

【栗原ネネ】
【装備:なし】
【所持品:基本支給品一式×1、携帯電話、未確認支給品0~1】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:自分がすべきこと、出来ることの模索。
0:小日向美穂を救って見せて。
1:その後、星輝子へ電話をかける
2:高森藍子と日野茜の進む道を通して、自分自身の道を探っていく。

【日野茜】
【装備:竹箒】
【所持品:基本支給品一式x2、バタフライナイフ、44オートマグ(7/7)、44マグナム弾x14発、キャンディー袋】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:藍子を助けながら、自分らしく行動する!
1:他の希望を持ったアイドルを探す。
2:迷ってる子は、強引にでも引っ張り込む!
3:熱血=ロック!

【小日向美穂】
【装備:防護メット、防刃ベスト】
【所持品:基本支給品一式×1、毒薬の小瓶、草刈鎌】
【状態:健康、憔悴】
【思考・行動】
基本方針:とりあえず、生きてみる?
0:?????????????
1:今の所は、藍子たちと一緒に行動する。
2:藍子に対して、解りえないと確信、藍子の信じるものを、汚してみたい。
3:囁きの通りだったの?


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栗原ネネ
日野茜
小日向美穂

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最終更新:2013年10月11日 14:34