希望よ、花開け ◆yX/9K6uV4E
「ははっ、ははっ、やった! やりましたよ! ほら、やっぱり彼女は『希望』だ!」
千川ちひろは、笑って、モニターを指をさす。
楽しそうに、楽しそうに。
誰も死なない、そんな希望に溢れた結末を祝福するように。
「けれど、あの子……なんで自分の歌を歌わなかったの?」
「……私に聞かれても解るわけがないでしょう」
「……あの子にとって、大切な曲であるはずなのに」
千川ちひろは、首を傾げながら、オペレーターに問うけれど、彼女も解るわけがない。
そもそもとして
「どうして、其処まで
高森藍子を『希望』としてみるんです?」
「それは、
十時愛梨が彼女を『希望』としてみている事と同じですよ、そういう『切欠』が、私と彼女にあるんですよ」
「……贔屓しすぎじゃないですか?」
「あら、私は舞台を用意しただけで、最初からこれを期待した訳じゃないですよ……全部彼女が掴み取っただけ」
オペレーターにそう言って、ちひろは笑う。
何も最初から用意したわけではない。
彼女が落ちる選択肢も考えていた。
城ヶ崎美嘉が早く死に、
水本ゆかりが早々に退場したように。
何も、最初から用意されたものではない。
いくつか仕掛けておいた種が連鎖して、そして花が開いただけなのだから。
「その切欠って……?」
「多分そのうち十時さんが話しそうですけどね。この島で、本当に『絶望』した彼女が」
「……『絶望』」
「そして、『希望』も、今、花開き……さて、2つの溜まった仕事を片付けましょう」
ちひろが笑い、モニターが移る。
一つは、ある島に独り居る少女。
「放送後、彼女と藍子ちゃんを話させるので、準備をよろしく」
もう、一つは、警察署にいる希望の花。
「そして、彼女にも、返事を送ってください」
そうやって、物語は続く。
「ねぇ、希望の花。 次は、貴方の信じるもの、仲間から崩されますよ。 さぁ……どう輝くんです? それとも貴方はそこで絶望するの?」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
警察署には、装備を扱う部署がある。
拳銃とか防弾チョッキとか閃光弾とか、それ。
それを厳重に締まってる部屋の鍵を
今、あたしは手に入れた。
ある課の何番目の机にあるって。
そうメッセージが着たから。
後、色々メッセージ着たけど、今は割愛。
そうして、とりあえずあたしは、さ。
力を手に入れたんだ。
藍子はさ、正しい。
凄く、正しい。
そうやって、
小日向美穂を助けた。
凄い、やっぱ藍子はアイドルだ、『希望』だ。
でも、でもさぁ。
あたしは
――――どうしても、その『正しい希望』を選べないんだ。
あたしは、どうしても、どうしても。
フラワーズを皆を、救いたいんだ。
例え、何を捨てても。
それが、それが。
あたしが選んだ。
――――『正しい希望』ってやつなんだ。
だから、きっと近い内に、此処から出て行く。
あたしは、もう、此処にはいれない。
藍子とは、もう、
――――いっしょにいれないよ。
【G-5・警察署 装備課/一日目 真夜中】
【
姫川友紀】
【装備:少年軟式用木製バット】
【所持品:基本支給品一式×1、電動ドライバーとドライバービットセット(プラス、マイナス、ドリル)、彼女が仕入れた装備、防具多数】
【状態:疲労】
【思考・行動】
基本方針:FLOWERSの為に、覚悟を決め、なんだって、する。
0:あたしが選んだ正しい希望なんだから。
1:FLOWERSを、みんなを守る。
※FLOWERSというグループを、高森藍子、
相葉夕美、
矢口美羽と共に組んでいます。四人とも同じPプロデュースです。
※
スーパードライ・ハイのちひろの発言以降に、ちひろが彼女に何か言ってます。
最終更新:2014年01月04日 20:31