自分用SSまとめ
朋也「軽音部? うんたん?」 4/26 月
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meteor089
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朋也「軽音部? うんたん?」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:17:29.56:1qYNd8dxO
4/26 月
唯「岡崎くんたち、きのう、りっちゃんと遊んだんだってね」
朋也「ああ、そうだけど…」
なんでこいつが知っているんだろう。
唯「りっちゃんから写メ来たんだよねぇ…ほら」
疑問に思っていると、平沢が携帯の液晶画面を見せてくれた。
そこに映し出されているのは、あのぬいぐるみだった。
そこに映し出されているのは、あのぬいぐるみだった。
唯「これ、春原くんに取ってもらったんだよね?」
唯「りっちゃん、すごく気に入ってるみたい」
唯「待ち受け画面にしてるんだってさ」
朋也「へぇ…」
人に報告したくなるくらいなら、相当嬉しかったんだろう。
あの後、いつものように春原と軽口を叩き合って別れていたのに。
それでも、家に帰って一旦落ち着けば、ぬいぐるみをその手に上機嫌となれたのだ。
一緒に遊んだ半日も、そう無駄ではなかったようだ。
あの後、いつものように春原と軽口を叩き合って別れていたのに。
それでも、家に帰って一旦落ち着けば、ぬいぐるみをその手に上機嫌となれたのだ。
一緒に遊んだ半日も、そう無駄ではなかったようだ。
唯「でもさぁ、私も呼んでくれればよかったのに。暇だったんだよ、きのう」
憂「お姉ちゃん、結局一歩も外に出なかったもんね」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:17:50.62:cUBlBpOS0
唯「そうだよぉ、引きこもり歴丸一日になっちゃったよ。これから続く引きこもり人生の初日だよ」
朋也「でも、ゲーセンだぞ? おまえ、ゲームとかするのか」
唯「う~ん…しないかなぁ…」
朋也「じゃあ、意味ないじゃん。結局、来ても暇なままだろ」
唯「そんなことないよ。応援とかしたりさ…」
唯「あ、ほら、あの、負けたら怒って台叩くのとかやってみたいし」
朋也「それはギャラリーがやることじゃないからな…」
憂「お姉ちゃんは、モグラ叩きとか得意なんじゃない?」
唯「へ? なんで?」
憂「こう、リズムに乗って、えいっ、えいっ、ってするのとか好きそうだし」
唯「そうだね、うんたん♪ うんたん♪ って、カスタネットに似てるしね」
そうだろうか…まずジャンルからして違う気がする。
憂「そんな感じだよ。お姉ちゃん、やっぱりモグラ叩きの才能あるよっ」
全肯定だった。
やっぱりこの子も平沢の血筋なのか…。
やっぱりこの子も平沢の血筋なのか…。
唯「えへへ、ありがと」
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:19:01.11:1qYNd8dxO
姉もそれを真に受けている…。
恐るべき一族だった。
恐るべき一族だった。
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がらり。
ドアを開け、教室に入る。
春原「やぁ、おはよう」
すぐに寄ってきたのは、妙に元気な金髪の男だった。
春原「一緒に登校してきてるって、やっぱマジだったんだね」
春原「仲いいじゃん、おふたりさん」
朋也「いや、つーかおまえ、なんで朝からいるんだよ」
朋也「きのうは昼まで寝てたいとか言ってたくせによ」
春原「ん? べっつにぃ…」
唯「でも、偉いよ、春原くん。その調子でこれからも頑張ってねっ」
春原「ああ、そうだねぇ…」
男子生徒「おっ、春原、岡崎。おまえら、バスケ部と試合して勝ったんだって?」
男子生徒「けっこう噂になってるぞ」
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:19:23.15:cUBlBpOS0
春原「まぁねっ! 楽勝だったよっ!」
男子生徒「すげぇな。ただのヤンキーじゃなかったのか」
春原「たりまえじゃんっ。超一流スポルツメンよ、僕?」
自慢げに語り出していた。
朋也(まぁ、そんなことだろうと思ったけど…)
あまりにも露骨過ぎて、こっちが恥ずかしくなってくる。
唯「う~ん、私も自慢したくなってきたっ」
朋也「やめとけ…」
―――――――――――――――――――――
………。
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昼。
和「あなたたち、一昨日は大活躍だったんですってね」
春原「そうっすよ、もうボッコボコに…」
和「………」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:19:51.17:QfkttWQJ0
やっと、うんたんktkr
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:20:44.49:1qYNd8dxO
春原「あ、いや…」
春原「…そうだよ、すげぇかましてやったんだよ」
和「勝敗は聞いてたんだけどね。あとひとり、助っ人がいたことも」
和「あの非合法組織から人材が派遣されるなんて、ちょっと驚いたけど」
キョンのことだろう。
しかし…
しかし…
朋也「非合法?」
和「ええ。SOS団といって、学校側から正式に認可されていないクラブがあるの」
和「そこの構成員よ。知らなかったの?」
朋也「いや、俺はよく知らないけど」
春原「なにしてるかよくわかんない、変な奴らなんだよね」
和「そうね。詳しい実態はつかめていないんだけど…」
和「普段は、ボードゲームに興じたり、イベントを企画したりしているらしいわ」
和「まぁ、言ってみれば、唯たち軽音部のような空気を持った集団ね」
律「あんな過激な奴らと一緒にするなよなぁ」
和「過激なのは団長の涼宮さんひとりだけで、後は比較的まともでしょ?」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:21:26.10:cUBlBpOS0
律「まぁ…確かに、キョンの奴は普通だったけど…」
律「あ、でも、あんな部活入ってるし、このふたりとも友達だし、やっぱ変かも…」
春原「どういう意味だよっ」
和「友達?」
春原「ん? ああ、僕と岡崎の友達だよ、キョンは」
和「へぇ…興味深い人付き合いしてるのね、あなたたち」
朋也「そうか?」
和「そうよ。だって、この学校では特異とされる存在同士が交わっているんですもの」
和「それも、あなたたちふたりを起点にしてね」
和「そこになにか、物語めいたものを感じるわ」
朋也「そういうもんか…」
言われても、自分ではあまりピンとこない。
律「しっかし、和も大変だよなぁ、こうも問題児が多くてさ」
律「もしかして、歴代で一番大変な生徒会長になったんじゃないのか」
和「かもしれないわね。でも…おもしろい人間がそろった年代だとも思うの」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:22:49.40:1qYNd8dxO
和「あんたたち軽音部も含めてね」
澪「え、ええ? 私たちもか?」
和「ええ。だから、同じ学校、同じ学年にいられたこと、誇らしく思うわ」
澪「誇りなんて、そんな…」
唯「和ちゃん、シブイこと言うね」
和「そう?」
唯「うん。なんか、この次会う時は、一人称が『俺゛』になってそうなくらいだよ」
和「今のどうやって発音したの…」
こうして俺たちと普通に会話している真鍋だが…
それも、表の顔で、裏ではいつも高度な政治戦を繰り広げているのだ。
おもしろい人間…そうは言うが、こいつ自身も強烈な個性を持っていると、俺は思う。
それも、表の顔で、裏ではいつも高度な政治戦を繰り広げているのだ。
おもしろい人間…そうは言うが、こいつ自身も強烈な個性を持っていると、俺は思う。
―――――――――――――――――――――
………。
―――――――――――――――――――――
放課後。軽音部部室に訪れ、茶を飲み始める。
唯「今日は私からもみんなにプレゼントがあります」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:23:28.84:cUBlBpOS0
唯「さぁ、受け取るがよい、皆の衆」
鞄を逆さにして、上下に振った。
中から大量に何かが落ちてくる。
中から大量に何かが落ちてくる。
澪「…ウメボシ太郎?」
律「なぁんだよ、これはっ」
唯「ウメボシ太郎」
律「いや、見りゃわかるよ。そうじゃなくて、量のこと言ってんのっ」
唯「いやぁ、実は、ウメボシ太郎が食べたくなる衝動に襲われちゃってさぁ」
唯「それで、いっぱい買ったんだけど、二個食べたら飽きちゃったんだよね」
唯「あんなに渇望してたのにさ…」
梓「すごい次元の衝動買いですね…」
唯「でもそういうことってあるよね?」
律「まぁ、あるけどさぁ…ここまではねぇよ」
澪「いや、おまえもけっこうひどいぞ」
澪「中学の時、修学旅行先で木刀三本も買ってたじゃないか」
澪「それで、旅行中ずっと私に試し切りしてきたけどさ…」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:25:35.32:1qYNd8dxO
澪「帰ってから一度も触ってるとこみたことないぞ」
律「う…よく覚えてるな、そんなこと…」
梓「律先輩、典型的な中学生だったんですね」
律「う、うっさい」
春原「はは、そんなもん買ったって、荷物がかさむだけじゃん」
春原「普通、自宅に送ってもらうだろ」
律「って、おまえも買ったんかい…」
春原「い、いや…一般論を言っただけさ」
絶対にこいつは経験者だ。
唯「でもさ、ムギちゃんの衝動買いってすごそうだよね」
紬「そんなことないよ」
とはいえ、高級料理店にふらっと立ち寄るくらいはしそうなのだが…
紬「たまに、M&Aするくらいだから」
企業買収だった!
澪「す、すごいな、ムギ…」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:25:59.67:cUBlBpOS0
梓「さすがです…」
唯「M&A? なにそれ」
律「誰かのイニシャル? 二人組ユニット?」
春原「お笑い芸人にそんなのいたよね」
春原「きっと、個人的に呼んで、ネタみせてもらってるんじゃない?」
唯「おおぅ、そうだよ、それだよっ」
律「やるじゃん、春原」
春原「へへっ、まぁね」
アホが三人、ずれまくった結論で盛り上がっていた。
紬「梓ちゃんは、どんな感じなの?」
梓「私ですか…」
唯「あずにゃんは、なんかしそうにないよね」
律「計画とか立ててそうだよな」
梓「はぁ…でも、たまにしますけどね」
唯「え? ほんとに? なに買うの?」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:27:17.39:1qYNd8dxO
梓「えっと…カツオブシ…」
唯「カツオブシ?」
律「カツオブシ?」
律「カツオブシ?」
梓「あう…」
律「猫みたいな奴だな…」
唯「でも、あずにゃんのイメージにぴったりだよ」
律「カツオブシがか?」
唯「猫のほうだよぉ」
梓「み、澪先輩はなにかないんですか?」
澪「私? 私は…」
律「澪は衝動食いだよな。ヤケ食いでリバウンドとか…」
ぽかっ
律「いっつぅ…」
澪「そんな失敗談持ってないっ。いちいち変な情報出してくるなっ」
律「うぅ、わかったよ…。で、おまえはなんなんだ?」
澪「ん、私は、マシュマロとかかな」
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:27:36.34:cUBlBpOS0
梓「へぇ、澪先輩らしい感じがしますね」
律「でもそれってやっぱ、デブる要因になるんじゃ…」
澪「で、デブとかいうなっ」
律「ひぃ、すみましぇん…」
澪「ほんとにもう…」
澪「…あの、岡崎くんは、なにかあったりする?」
朋也「俺か? 俺は、そうだな…」
朋也「たまに甘いものが欲しくなったりするな。そんな時は駄菓子とかたくさん買ってるよ」
澪「へぇ…それって、反動っていうのかな?」
澪「岡崎くん、いつも甘いもの避けて、お茶とおせんべいだしね」
朋也「そうかもしれないな」
紬「甘いものが欲しくなった時は、いつでも言ってきてね。ケーキも、紅茶も用意するから」
朋也「なんか、悪いな、いろいろと…」
紬「ううん、全然よ」
律「春原、あんたはどうせエロ本とか大量に買ってんだろ?」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:28:50.52:1qYNd8dxO
律「衝動買いっつーか、本能買いって感じでさ」
春原「馬鹿にすんなっ! ちゃんと厳選してんだよっ!」
春原「ジャケ買いなんか、素人のすることだねっ」
律「んな主張で胸張るなよ…」
朋也「おまえは、よく俺のジュース買いに走る衝動に駆られてるよな」
春原「パシリじゃねぇよっ!」
律「わははは! やっぱ、あんたオチ要員だわ」
春原「くそぅ…いつの間に定着してんだよ…」
―――――――――――――――――――――
部活も終わり、下校する。
澪「はぁ…結局今日も練習できなかった…」
律「だって めんどくさいんだもの りつを」
澪「相田みつをさん風に言うな」
律「いいじゃん、息抜きも大事だぜ」
澪「抜きすぎだ。それに、再来週にはもう創立者祭があるんだぞ」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:29:31.92:cUBlBpOS0
澪「あんまりだらだらもしてられないだろ」
唯「でも、二週間以上もあるから、まだ大丈夫だよ」
梓「いえ、今のうちからしっかりしてないとダメですっ」
梓「三年生は出し物がないからいいですけど、一、二年生は準備がありますから」
梓「それに、ゴールデンウィークも挟みますし」
唯「えぇ~、でも、あずにゃんだってトークしながら紅茶飲んでたじゃん」
梓「あ…う、そ、それは…」
梓「あ、明日からちゃんとするんですっ!」
唯「ムキになっちゃってぇ、かわいいなぁ、もぉ」
中野に抱きつき、頭を撫で始める。
梓「あ…もう、唯先輩は…」
春原「なぁ、岡崎、創立者祭ってなんだっけ」
朋也「文化祭みたいなもんだ」
春原「ふぅん、そうなんだ。初めて知ったよ」
律「マジで言ってんの? あんた、ほんとにうちの生徒かよ」
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:31:23.15:1qYNd8dxO
春原「授業がないってことだけは知ってたよ。単位に関係ないし、ずっとサボってたけどね」
律「ほんとにロクでもない奴だな、おまえは…」
律「でも、今回は来てもらうぞ。またおまえらには機材運んでもらうからな」
春原「あん? やだよ、めんどくせぇ」
律「なに言ってんだよ、部室に入り浸って飲み食いしてるくせに」
律「今後もそうしたいなら、文句言わずに手伝えよな」
春原「ちっ、汚ねぇ取り引き持ちかけやがって」
律「相応の条件だろ。それと、朝からちゃんと来とけよ。文化系クラブの発表は午前中にあるんだからさ」
春原「午前中ぅ? まだ夢の中にいるんだけど」
律「夢遊病者のようになってでも出て来い」
春原「そんなことしたら、なにかの拍子に事故が起こるかもしれないじゃん」
春原「例えば、僕がふらついて、おまえに激突したりとかさ」
春原「それで、おまえが隠し持ってた育毛剤が床に転がりでもしたら、ショックだろ?」
律「最初から持ってないわ、そんなもんっ!」
春原「うそつけ、おまえ、いつも胸ポケットもり上がってるじゃん。入ってんだろ、例の物がさ」
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:32:14.34:cUBlBpOS0
律「ちがうわっ! これは携帯だっての!」
ポケットから取り出してみせる。
春原「そんな型のもん買ってきやがって、偽装に命かけてるね、おまえ」
律「本物の携帯だっつーの!」
折り畳んでいた状態から、ぱかっと開き、ディスプレイを春原に向けた。
春原「あれ、それ…」
律「っ! うわ、しまっ…」
そそくさと畳み直し、ポケットにしまった。
律「………」
ほのかに顔を赤らめて、決まりが悪そうに顔を伏せていた。
澪「ああ、そういえば…」
澪「律、春原くんにもらったぬいぐるみ、待ち受けにしてたんだっけ」
律「うぐ…」
春原「ふぅん、けっこう可愛いとこあるじゃん」
律「な、か、可愛いって、おま…」
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:32:56.66:cUBlBpOS0
唯「あはは、りっちゃん顔真っ赤ぁ~」
律「ゆ、唯、こら…」
紬「あら? ラブが芽生える感じ?」
律「む、ムギまで…」
いつもとは逆の立場で、揶揄される側に回っていた。
自分が的になるのはなれていないのか、しどろもどろだ。
自分が的になるのはなれていないのか、しどろもどろだ。
春原「はは、ムギちゃん、僕、デコはお断りだよ」
律「な、な、なんだとぉ? あたしだってヘタレは願い下げだってのっ!」
春原「ああ? てめぇ、デコのくせに生意気だぞ!」
律「うっせー、ヘタレ!」
春原「ぐぬぬ…」
律「ぐぬぬ…」
律「ぐぬぬ…」
紬「喧嘩するほど仲がいいってね」
澪「はは、そうかも」
春原「んなわけないっ!」
律「んなわけないっ!」
律「んなわけないっ!」
唯「あははっ、息ピッタリだよ」
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 23:34:10.15:cUBlBpOS0
春原「………」
律「………」
春原「けっ…」
律「ふん…」
律「ふん…」
似たような反応をする。
やはり、同系統の人間な気がする。
やはり、同系統の人間な気がする。
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