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  • 朋也「軽音部? うんたん?」 5/3 月 祝日

自分用SSまとめ

朋也「軽音部? うんたん?」 5/3 月 祝日

最終更新:2011年05月09日 17:15

meteor089

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管理者のみ編集可

朋也「軽音部? うんたん?」

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383:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:33:02.25:+UZ/pLeq0


5/3 月 祝日

春原「なぁ、岡崎…」

朋也「なんだよ」

雑誌を読みながら応答する。

春原「ゴールデンウィークだぞ」

朋也「知ってるよ」

春原「じゃあさ、なんかゴールデンなことしようぜっ」

春原「こんなとこでうだうだやってたらもったいねぇよ」

朋也「そうだな、こんな薄汚い部屋なんか、一刻も早く出て行きたいもんな」

春原「そこまでは言ってないだろっ!」

朋也「で、ゴールデンなことって、なんだよ」

春原「そうだなぁ…やっぱ、黄金にちなんだことがいいよね」

春原「埋蔵金掘りに、町に繰り出したりとかさっ」

朋也「どこ掘るつもりなんだよ…」

春原「そりゃ、やっぱ、金脈がありそうなとこだよ」


385:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:34:20.89:jpDSDOMkO


春原「銀行の近くとか、案外よさそうな感じじゃない?」

春原「もしなくても、金庫まで掘り進めば、僕ら大金持ちだぜ?」

朋也「ただの強盗だからな…」

朋也「つーか、金脈って、金の鉱脈のことだぞ。埋蔵金とは関係ない」

春原「あん? そうなの? ま、どうでもいいけど」

朋也「じゃ、言うな」

春原「それよか、おまえはなんかないの」

朋也「ない」

春原「んだよ、素っ気ねぇなぁ…きのうも、なかなか来なかったしさ…」

春原「なにやってたんだよ」

朋也「なんでもいいだろ、別に」

こいつにだけは話したくなかった。
泣き喚かれたりでもしたら面倒だ。

春原「よくねぇよっ! おまえがこなきゃ、僕がひとりになるだろっ」 

春原「きのうは、ずっと貧乏ゆすりでビート刻んでるしかなかったんだからなっ」

朋也「知らねぇよ…」


386:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:34:40.20:+UZ/pLeq0


春原「今日こそは僕と同じ時を過ごしてもらうからなっ!」

朋也「気持ちの悪い言い回しをするな」

春原「だからさぁ、どっか行こうぜ」

朋也「その案が浮かばないからここにいるんだろ」

春原「そうだけどさぁ…」

朋也「大人しく漫画でも読んどけ」

春原「結局それしかないのかよ…あーあ、つまんね…」

コタツの向こう側、春原はばたりと床に倒れこみ、俺の視界から消えた。
ふて寝でもするのかと思ったが、寝転がったままぶつぶつと不満を漏らし続けていた。

春原「なんかおもしろいことないの、岡崎」

朋也(うるせぇな…)

春原「聞いてる?」

朋也「ねぇっての」

春原「なんだよ、つまんねぇ奴だなぁ…」

俺は無視して雑誌を読み続けた。

―――――――――――――――――――――


387:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:36:05.30:jpDSDOMkO


春原「なんか、家族連れが多いねぇ」

朋也「まぁ、大型連休の只中だからな」

町の中、行き交う人たちを品定めするように眺める俺たち。
外出を決めたのは、こいつの愚痴にいい加減耳が耐えられなくなったからだった。

春原「にしても…なかなかヒットしないなぁ…」

春原「岡崎、おまえも可愛い娘見つけたら教えてくれよ」

朋也「ひとりで探せよ」

こいつのナンパの片棒なんて担ぎたくもない。

春原「遠慮すんなって。おまえの好みの娘がいたら、ばっちり協力してやるからさ」

朋也「って、なんだ、俺もやんのかよ」

春原「そりゃ、そうでしょ。なんのためにここまで出てきてんだよ」

朋也「暇つぶしだけど」

春原「僕が女の子ひっかけちゃったら、おまえ、暇になるじゃん」

朋也「まぁ、そうだけどさ…」

春原「な? だからさ、ふたり以上で固まってる女の子たち狙って、協力して落とそうぜ」

朋也「落とすって、んな簡単に言うけどな、失敗すりゃただのピエロだぞ。恥かくリスクが高すぎる」


388:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:36:35.50:+UZ/pLeq0


春原「大丈夫だって。その辺は僕に任せとけよ。巧みな話術で瞬殺してやるからさ」

春原「それに、おまえも女ウケいいツラしてるし、成功率は高いって」

朋也「おまえのトークセンス頼みってところに不安を覚えるんだけどな」

春原「僕を信じろっ! かなりの場数を踏んできた百戦錬磨の手錬なんだぞっ」

朋也「勝率は?」

春原「え゛? ははっ、そりゃ、ぎりぎり判定負けする時もあったさ」

要するに一度も成功したことがないんだろう。

朋也「つーか、おまえ、琴吹はいいのかよ」

春原「ん? それはそれ、これはこれだよ」

朋也「あ、そ」

朋也(はぁ…)

他にやることがあるわけでもなし…ひとりでいるよりはマシかもしれない。

―――――――――――――――――――――

春原「あーあ、なかなかいい娘みつかんないなぁ…」

朋也「お、あの娘なんかいいんじゃないか」


389:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:37:42.46:jpDSDOMkO


春原「え、どこ?」

俺の指さすその先を凝視する春原。

春原「って、なんだよ、ガキじゃん」

朋也「ちょうど親子でそろってるしさ、娘さんを僕にくださいっ、ってやってこいよ」

春原「もうそれ、路上で結納してるだろっ! ナンパしにきてんの、ナンパっ」

朋也「結婚を前提にだろ?」

春原「結婚を前提にナンパって、どんな奴だよっ! 重すぎるだろっ」

朋也「けっこう切羽詰ってそうだったから、そう見えたんだよ」

春原「んながっついてねぇよっ。ったく…もっと真面目にやれよ」

真面目にナンパするのもどうかと思うが。

朋也「わかったよ」

春原「頼むぞ、ほんとに…」

朋也「お、早速みつけたぞ」

春原「どこ?」

朋也「ほら、あそこ」


390:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:38:04.59:+UZ/pLeq0


春原「って、今度はバァさんかよっ!」

朋也「なんだよ、不満か?」

春原「当たり前だろっ!」

朋也「おまえのストライクゾーンがわからん」

春原「せめて、娘って呼べる年齢層に絞ってくれっ」

朋也「そっか。そうだったな。おまえ、ロリコンだもんな」

春原「どんだけ下を想定してんだよっ!?」

春原「ああっもう、おまえが想像する僕の好みじゃなくて、おまえ自身の好みで探してくれっ」

春原「そっちのが間違いなさそうだからな…」

朋也「わぁったよ」

春原「今度こそ頼むぞ…ん?」

人混みに目を向けて、そこで固まる。

春原「おい、岡崎、みてみろよ、あの二人組」

朋也「あん?」

春原が示した先に顔を向ける。
ひとりは、背が小さめで髪がショート。小動物のような雰囲気を持っていた。


391:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:39:13.03:jpDSDOMkO


もうひとりは、黄色いカチューシャとリボンが印象的だった。顔立ちはかなり整っている。

春原「かわいくない?」

朋也「ああ、まぁな」

春原「決まりだね。いくぞ、岡崎っ」

―――――――――――――――――――――

春原「ねぇ、君たち、今、暇?」

進路を塞ぐように相手の正面に立ち、あげくボディタッチまでしていた。

女1「………」

女2「………」

春原「よかったらさ、僕らと遊ばない? 楽しいことしまくろうよ」

春原「朝まで、あ~んなことや、こ~んなことしてさっ、げへへ」

下ネタの追撃。最悪な第一印象を、これでもかというくらいにねじこんでいた。

女1「あんたたち…春原と、岡崎じゃない?」

カチューシャをした、気の強そうな女がそう返してきた。

春原「うん? そうだけど…なに? 僕らって、そんなに有名なの?」


392:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:40:09.92:+UZ/pLeq0


女1「うちの学校じゃ、悪名の高さで知れ渡ってるわね」

春原「あ、君も光坂なんだ? へぇ、知らなかったなぁ、こんな可愛い子がいたなんて」

春原「名前、なんていうの?」

女1「涼宮」

朋也(ん?)

どこかで聞いたような…

春原「え? って、もしかして…キョンが入ってる部活の、部長さん?」

朋也(ああ、そういえば…)

あいつの所属する部活動の話になった時、その名が出てきたことを思い出した。

涼宮「そうよ」

春原「へぇ、美人だって聞いてたけど、ほんとだったんだ」

春原「でも、残念だなぁ。もうキョンっていう彼氏がいるもんね」

春原「さすがに友達の彼女は寝取れないからなぁ」

涼宮「キョンとは付き合ってないわ。誤解しないで」

春原「まぁたまた~、みんな言ってるよ」


393:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:41:28.32:jpDSDOMkO


涼宮「それはただの、何も知らない外野の意見よ。信憑性なんかゼロに等しいわ」

涼宮「そんなことより、あんたたち、今日一日、SOS団の臨時団員として働きなさい」

春原「へ? どういうこと?」

涼宮「私たち、6対6のサバイバルゲームに挑むためのリザーバーを探していたところなの」

涼宮「こっちは4人しかいないから、あとふたり必要だったのよ」

涼宮「そこへ、丁度あんたたちが現れたってわけ」

春原「ふぅん…サバイバルゲームねぇ…なんか、おもしろそうじゃん」

朋也「そうか?」

春原「おまえも、やるよな?」

朋也「いや、俺は…」

涼宮「拒否権はないわ。バスケだかなんだかで、キョンを貸してあげたことあったでしょう」

まるで備品のように言う。

涼宮「あの時の貸しは、ここできっちりと清算してもらうわ」

断ることを許さない、意志のこもった瞳。

朋也「…ああ、わかったよ。借りは返さなきゃいけないよな」


394:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:41:53.93:+UZ/pLeq0


涼宮「殊勝な心がけね。ま、当然だけど」

強引な女だ。あいつの気苦労も、こいつからきているんだろうな…きっと。

―――――――――――――――――――――

涼宮「あ、来た」

向かいの通りから、キョンと、長身で細身の男が一緒に駆けてきた。

涼宮「遅いわよっ、キョン、古泉くん。呼んだらすぐに来なさい」

男「すみません、走って来たんですが…気合が足りなかったみたいですね」

キョン「いや、遅くはないだろ、全然早…って、あれ…」

春原「よう、キョン」

朋也「よお」

キョン「春原に、岡崎…え、もしかして、おまえらか? サバゲーの補充要員って…」

涼宮「その通りよ」

涼宮が答える。

キョン「マジでか…」

涼宮「大マジよ。これで参加人数を満たせたわ」


395:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:43:08.76:jpDSDOMkO


好戦的な口調で言う。
早く戦いたくてうずうずしているようだった。

涼宮「さて、キョンは面識あるからいいとして…古泉くん、有希。一応自己紹介しときなさい」

涼宮「これからチームで戦うことになるんだからね。こういう形式的なことも大事よ」

男「そうですね。では、僕から…」

一歩前に出る。

男「古泉一樹です。以後お見知りおきを」

笑顔を作り、さわやかに言ってみせた。
さらさらの長髪で、いかにもモテそうな美男子といった容姿をしている。

古泉「直接お会いするのは初めてですが…僕の方は、あなたたちのことは、以前から存じてます」

丁寧口調のまま続ける。

春原「あん? そうなの?」

古泉「ええ、あなたたちコンビは、その筋の人間には人気が…」

女「…それ以上喋るな」

古泉「んっふ、これは手厳しい」

女「………」


396:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:43:30.81:+UZ/pLeq0


涼宮と一緒にいた女。
おとなしそうだが、意外と毒を吐く奴なんだろうか…

女「…長門有希」

こちらを見て、その一言だけをぽつりと漏らした。

朋也「岡崎朋也」

春原「春原陽平」

俺たちも名前だけ伝えた。
なんとも事務的な自己紹介だった。

涼宮「じゃ、親交も深まったことだし、行くわよっ」

多分、なにも関係に変化はなかっただろう。

―――――――――――――――――――――

キョン「しっかし…まさか、おまえらを連れてくるとはな…予想外だったよ」

春原「おう、よろしくな、キョン」

涼宮の後に続き、現地へと向かう俺たち一向。

朋也「つーか、おまえらって、サバゲー愛好会かなんかなのか」

キョン「いや、そういうわけじゃないんだけどな…たまたまだよ」


397:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:44:46.23:jpDSDOMkO


キョン「俺たち、休みの日は市街探索…ああ、まぁ…町の中をぶらついたりしてるんだけどさ…」

キョン「きのう、その途中で、ある男に絡まれたんだ」

キョン「その時に、サバゲーの話を持ちかけられて、うちの団長様が乗っちまったんだ」

朋也「ふぅん…そうなのか」

しかし、いきなりサバゲーに誘ってくるなんて、どんな男なんだろう…
ミリタリーな趣味を持った、アブナイ奴なのか…

春原「でもさ、涼宮…ハルヒちゃんだっけ? 初めてみたけど、可愛いよね」

春原「おまえも、けっこうやるじゃん」

キョン「なにをどうやるのかわからん」

春原「はっ、とぼけん…うわっ」

ばっとケツを抑える春原。

春原「な、なにすんだよっ」

古泉「おっと、失礼。手が空中で派手にスリップしてしまいました」

春原「な、なに言って…」

古泉「事故ですよ、事・故。んっふ」

春原「………」


398:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:45:14.53:+UZ/pLeq0


ぎこちなく俺たちに振り返る。

春原「なんか、気色悪いんだけど、こいつ…」

キョン「そういう奴なんだ。自分の身は自分で守ってくれ」

春原「…ははっ、どういう意味なのかなぁ」

朋也「…さぁな」

できるだけ考えたくない…なにも考えないようにしよう…。

―――――――――――――――――――――

涼宮「着いたわ」

広い敷地の中に木造の建物がひとつ、ぽつんと佇んでいた。
誰の記憶からも忘れ去られたかのように、老朽化が進んでいる。

涼宮「ここで待ち合わせることになってたはずんなんだけど…」

腕時計を見る。

涼宮「時間は合ってるわね…」

男「おう、お嬢ちゃん。逃げずにやってきたか」

どこからともなく、ガラの悪そうな男が現れた。
タッパがあり、威圧感もそれ相応にあった。


399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:46:35.37:jpDSDOMkO


年の頃は、30前後だろうか。
それにしては、悪戯っ子のように目がギラギラしていた。

涼宮「当たり前じゃない。こんな面白そうなイベント、あたしがすっぽかすわけないわ」

男「ふん、そうかい。威勢のいいこった」

男「こっちの準備は大体できてるからな。あとはおまえらを待つだけだ」

男「装備は向こうの小屋に一式揃えてある」

ここからそう遠くない場所に、物置のような小さい小屋があった。

男「一四○○(いちよんまるまる)時にゲーム開始だ」

男「俺たちは裏口から、おまえらは正面からあの建物に突入する」

木造の建物を指さす。

男「それでいいな?」

涼宮「ええ、わかったわ」

男「せいぜい俺様を楽しませてくれよ」

不敵な笑みを見せ、奥に消えていった。

涼宮「みんな、気合いれていくわよっ」

興奮した面持ちで小屋にずんずんと歩いていく。


400:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:47:35.86:+UZ/pLeq0


俺たちもそれに続いた。

―――――――――――――――――――――

春原「うわ、かっけぇ…」

小屋の中にあったのは、プロテクトアーマーのような重装甲と、マシンガンだった。
ディテールに凝っていて、とてもおもちゃとは思えない。

朋也(お…建物の見取り図まである…)

朋也(やけに本格的だな…まさか、銃も本物ってことはないだろうな…)

………。

朋也(はっ…まさかな…)

長門「…弾はゴム弾。ギアの上からでも被弾すれば、肉体的な痛みは相当のものだと予想される」

長門「気をつけたほうがいい」

長門有希が装備を身につけながら、淡々と言った。

長門「いかなる状況であれ、撃たれるよりは撃つべき」

涼宮「いいこと言うじゃない、有希。そうよ、攻撃は最大の防御なんだからね」

涼宮「さっさと全滅させちゃいましょ」

キョン「また、物騒なことを…つーか、危ないんじゃないのか、このゲーム」


401:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:48:58.10:jpDSDOMkO


長門「死に至るまでの危険性はない。あくまで被弾箇所の人体が著しく損傷するだけ」

キョン「いや、十分ヤバイじゃないか…」

春原『みろよ、これ、すげぇかっこよくない?』

春原が上半身だけアーマーを身にまとっていた。

春原『これ、ガスマスクって奴だよね?』

篭った声。顔面を保護する装甲の下から発声しているからだ。

春原『なんか、本格的だよね…っうわっ』

古泉「んっふ、下半身がお留守ですよ、んっふ」

春原『なんなんだよ、こいつ!? いつの間にかすげぇ近いよっ!』

古泉「特に*を守らないと…常に誰かに狙われていることを、もっと自覚したほうがいい」

春原『ひぃぃいいっ』

古泉に襲われ始める春原。

朋也(しかし…)

あの、長門有希という子は、なんでダメージのでかさがわかるんだろう…

長門「………」


402:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:49:32.36:+UZ/pLeq0


何者なんだ、あいつは…

―――――――――――――――――――――

時間になり、屋内に突入した。
中は薄暗く、視界が悪かった。
そのため、暗視ゴーグルを作動させて進むことになった。

キョン『暗視調整、良し。吸気弁、作動良し』

朋也『妙な気分だな…』

キョン『ああ。体は軽いのに視界が重い』

春原『潜水夫になった気分だよね』

涼宮『そこ、無駄口を叩くんじゃないわよ。オペレーションスタートっ』

古泉『了解です、ゆりっぺ』

長門『…自重しろ』

古泉『んっふ、すみません、もしくはさーせん』

―――――――――――――――――――――

周りを警戒しつつ、ゆっくりと廊下を進む。
先頭は涼宮だ。この部隊の指揮官であるため、強化服の上から腕章をしていた。
死んでたまるか戦線、と書かれてある。


403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:50:54.36:jpDSDOMkO


涼宮『いないわね…』

未だ敵とエンカウントしていなかった。
物音もしない。

涼宮『この区間にはいないのかしら…』

その言葉を聞いて、俺たちの緊張が少しだけ解けた。
その時…

朋也『ん?』

赤いランプが四つ、奥の通路で軌跡を残しながら揺らめいた。
電気も通っていないようなこの建物内での明かり。
考えられる光源は、ひとつしかない。暗視装置が放つ光だ。

ばたたたたっ! ばたたたたっ!

案の定、すぐに銃声が響いた。

涼宮『っ! 待ち伏せよっ!』

全員、さっと遮蔽物に身を隠す。
弾が柱に当たって、バチバチと大きな音を立てていた。
俺たちも、相手の攻撃が休まると、その隙に身を乗り出して撃ち返した。

涼宮『古泉くん、有希! その通路からあそこまで回りこめるから、潜行してちょうだい!』

涼宮『挟撃するわよっ』


404:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:51:20.78:+UZ/pLeq0


最も通路の入り口に近かったふたりに指示を出す。

古泉『わかりました、任せてください』

長門『わかった』

即時行動に移し、がしゃがしゃと装備の揺れる音を立てながら消えていった。

朋也(すげぇな、涼宮の奴…)

あの指示が出せるということは、建物内の空間の把握ができているということだ。
それはつまり、ほんのわずかな時間見取り図を眺めただけで、完全に頭の中に入れてしまったことを意味する。

たたたっ! ばたたたっ!

向こうから新しい銃声がふたつ。
古泉と長門有希だった。
手を振って、制圧が完了したことをこちらに伝えてきた。
不意をつかれはしたが、意外にあっけなく終わった開幕戦。
涼宮の采配が的確だったおかげだ。
敵は正面から俺たちの攻撃を受け続け、突然横から潜行部隊の奇襲を受けたのだ。
ひとたまりもなかったろう。

涼宮『よくやったわ、ふたりとも』

通路を抜け、敵の居た位置までやってくる。
そこは、ずいぶんと開けた場所だった。
さっきまでの一方通行な一本道と違い、動きやすい。

古泉『んっふ、正確に仕事ができて、なによりです、Angel Beatあっ…』


407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:53:31.33:jpDSDOMkO


ばたたたたっ!

かんっ、とひとつ金属音がしたと思うと、古泉が発砲しながら勢いよく倒れた。
敵からのヘッドショットを受けたのだ。

涼宮『どこからっ…』

向かい側の出入り口から、がしゃがしゃと音を立てながら足音が遠のいていった。
ヒットアンドアウェイだ。敵は、反撃される前に退いていた。

涼宮『逃げられたか…』

キョン『大丈夫か、長門』

長門有希が床にうずくまっている。
キョンに安否を訊かれ、フェイスセーフ、メット、吸気弁の三つを外した。

長門「問題ない。でも…ルール上もう動けない」

手や足など、体の末端はセーフだが、内臓の詰まった胴や、頭にもらえばそこでゲームオーバーということだった。

長門「…あなたのせい」

古泉「僕も突然のことだったので、なにがなんだか…一応すみませんでした」

古泉も頭部の装備をすべて外していた。

長門「…死ぬならひとりで死ぬべき。馬鹿」

…古泉の死に際の乱射が長門有希に被弾していたらしい。


408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:53:59.70:+UZ/pLeq0


キョン『これでまた同人数に戻っちまったな…』

今しがたふたり処理した矢先の出来事だったので、落胆の具合も大きい。

涼宮『終わったことは、言っても仕方ないわ。先へ進みましょう』

涼宮『ふたりのカタキを取るのよ』

言って、先行する。

春原『ハルヒちゃん、頼もしいね』

キョン『こういう時だけは、役に立つんだ、あいつも』

涼宮『なにがこういう時だけよ! 聞えてるんだからね、キョンっ』

キョン『あー、すまんすまん…』

―――――――――――――――――――――

涼宮『静かね…』

通路を進むが、人のいる気配が感じられない。
しかし…

朋也『俺たちが追う立場になってるけど、それって不利なんじゃないか』

涼宮『じゃ、私たちも待ち伏せしろっていうの? そんなの嫌よ』

涼宮『言ったでしょ? 攻撃は最大の防御だって。なにより、あたしの性分にあわないわ』


409:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:55:13.59:jpDSDOMkO


朋也『あ、そ…』

闘争心の塊のような奴だった。

春原『ん…?』

春原『うわぁあああっ! ゴキブリだぁあああっ!』

ばたたたたたっ!

朋也『馬鹿、んなのほっとけよ!』

涼宮『なにやってんの、金髪! 敵に位置がばれるじゃないっ!』

キョン『春原、無駄弾撃つなっ』

春原『わ、わりぃ、つい…』

どがらしゃーっ!

大きい音がして、目の前で天井が抜けていた。
春原の撃った弾が、脆くなった部分に当たり、ぶち抜いてしまったんだろうか…。
もくもくと埃が舞う。が、マスクをしている俺たちには無害だった。
次第に煙も薄れ、晴れていく視界。

涼宮『あ…』

そこには、敵が三人、重なって倒れていた。
上の階で、丁度床が崩れた場所にいて、落ちてきたのだろう。


411:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:55:40.78:+UZ/pLeq0


その衝撃からか、吸気弁が外れて埃を吸い込んでしまい、咳き込んでいる者もいた。
すかさず俺たちが銃を構えると、手を挙げて降伏していた。

―――――――――――――――――――――

春原『いやぁ、なんか、あそこは怪しいと思ってたんだよねっ』

春原『なんていうの? 動物的カンってやつ?』

あの偶発的な事故以来、春原は延々と自画自賛し続けていた。

朋也『おまえ、うるさい』

春原『いいじゃん、敵もあと一人なんだしさ。軽くトークしながらいこうぜ』

その残った一人とは、やっぱり、あの目つきの悪い男なんだろう。
今は3対1の状況で有利だが…なにか嫌な予感がしてならない。

春原『ん…どうしたの、いきなり止まっちゃってさ』

涼宮『この扉の向こうは大部屋になってるの。特に入り組んでいるわけでもなく、単純な構造よ』

涼宮『もしここに潜伏してるとしたら…』

涼宮『不用意に全員で突入すれば、一網打尽にされる可能性もあるわ』

涼宮『身を隠す遮蔽物が、室内にある家具ぐらいしかないでしょうからね』

涼宮『それに、罠を張られているかもしれないしね』


413:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:56:55.20:jpDSDOMkO


春原『ははっ、大丈夫だって。三人で袋叩きにしちゃえばいいじゃん』

春原が銃を構えることもなく、無造作に扉を開けた。

涼宮『あ、馬鹿っ…』

入り口に足を踏み入れる春原。
室内を見回す。

春原『何もないよ』

俺たちに向き直り、肩をすくめてみせる。
そして、また正面に視線を戻す。

春原『この部屋にはいなかったみた…』

カシャッ

物音がしたと思うと、大量の日光が窓から降り注いできた。

朋也『うお…』

暗視装置がちりちりと焼けていた。
腕で光を遮り、影を作ることで対処した。

春原『うぐあぁ…目がぁあっ! 目がぁあっ!』

春原はモロに直視してしまったようだ。
となれば、おそらく暗視装置は焼き切れてしまっているだろう。


414:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:57:21.71:+UZ/pLeq0


ばたたたたたたっ!

春原『ぎゃぁあああああああああっ!』

銃弾を浴びながら後ずさり、俺たちのいる場所まで押し戻され、そこでばたりと倒れた。

朋也(くそっ…!)

暗視装置を切り、半身になって室内を見る。
すると、光を背にして、ひとりの男が立っていた。
斜光カーテンを開けて、暗視装置の弱点を突いてきたのだ、あいつは…。
俺は迷わず発砲する。

ばたたたたたっ! ばたたたたっ!

キョンと涼宮も加わり、掃討射撃のように絶え間なく弾が飛んでいく。
だが、そんな派手な攻撃もむなしく、ソファーに身を隠しながら別の出入り口から逃げられてしまった。

朋也(逃がすかっ…!)

俺が一番に追い始め、その後に残りのふたりもついてきた。

―――――――――――――――――――――

部屋から出ると、すぐに階段があった。
暗視装置を再び作動させ、一気に下りていく。
そして、中程まで来たところで…

どがぁっ!


415:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:58:38.24:jpDSDOMkO


最上段から何かが砕ける音。

朋也(嘘だろ…!?)

壁を突き破って、突然敵が現れていた。
銃を構える。狙われるのは、当然一番近い位置に居る…

涼宮『嘘っ…』

ばたたたたたたっ!

キョン『うぁああっ!』

声を上げたのは、涼宮ではなく、キョンだった。
自分が盾となり、涼宮をを守っていたのだ。

涼宮『キョンっ! なんで…』

涼宮はキョンが階段から落ちないように支え、両手がふさがり、銃を落としてしまっていた。
容赦なく敵の銃口が向く。

朋也(くそっ…!)

朋也『喰らえっ』

ばたたたたたたたっ!

敵に向けて発砲する。
が、すぐさま逃げられてしまった。


416:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 03:59:02.96:+UZ/pLeq0


涼宮『キョン…』

キョン『あつつ…あー、俺はもうゲームオーバーだな…あとは任せた』

涼宮に抱きかかえられるその腕の中で、若干苦しそうに言う。

涼宮『……うん』

朋也『行くぞ、涼宮。終わりは近い』

涼宮『…わかってるわ』

―――――――――――――――――――――

薄暗い通路をただひたすら進む。俺が前衛、涼宮が後衛だった。
俺たちの他に足音は聞えない。やはり、また待ち伏せなのだろう。
今は2対1の状況なので、その判断は正しいはずだ。

朋也『ん…』

大き目の扉が目の前にあった。
一度立ち止まる。

涼宮『この先は、結構な広さのあるホールになってるわ。そして…出入り口はここしかないの』

涼宮『もし、ここでキャンプしているとしたら…決着は、ここでつくことになるわ』

朋也『…そうか』

涼宮『短時間で罠が用意できたかどうかはわからないけど、用心していきましょう』


417:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 04:00:37.19:jpDSDOMkO


朋也『ああ、わかった』

俺はまず様子見のために、扉を慎重に開くだけで、中に突入することはなかった。
次に、銃を構えつつ辺りを見渡して、警戒しながら足を踏み入れた。
長机が多く並んでおり、最奥には人ひとり隠れられるだけの教卓のようなものがあった。

朋也(居るのか…?)

そこに注意を向け、進んでいく。
涼宮も後ろからついてくる。

朋也(あそこしかないよな…居るとしたら…)

緊張が高まる。

ばたたたたっ!

奥から銃声。
身をかがめて長机の下に隠れる。
俺と涼宮は左右に散っていた。

朋也(やっぱりか…)

朋也(よし…)

身を起こして、教卓に銃を向ける。
その時…
右の壁にある窪みから、赤い光が尾を引きながら出てきた。

朋也(な…)


418:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 04:01:10.11:+UZ/pLeq0


ばたたたたっ!

朋也『うぉあっ』

咄嗟に伏せて難を逃れる。

男『ふん、なかなかいい反射神経してるじゃねぇか』

ばたたたっ!

涼宮が発砲する。

男『おっと』

しゃがみ、奥へ移動していった。

朋也(どうなってんだ…)

さっきは確かに奥から発砲してきたはずだ。
それで、あの場所に居ると当たりをつけたのだから。

朋也(一瞬で移動…? いや、ありえない、あんな距離だからな…)

朋也(なら…銃が二丁あるのか…? 一つはおとり用で…) 

朋也(でも、どうやって…)

朋也(あ…)

ひとつ思い当たる。


419:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 04:02:15.82:jpDSDOMkO


あの大部屋のすぐ外で、春原がゲームオーバーになっていたことを。
おそらく、回収していたのだろう。
そして、仕掛けていたのだ。この罠を。
どうやって遠隔発砲できたのかは知らないが…やはり只者じゃない。

朋也(しかし…)

マガジンを取り出す。
重さからして、残弾も残り少ないことがわかった。
それは、涼宮も同じことだろう。
このまま小競り合いを続けて消耗戦になれば、負け戦になることは目に見えている。

朋也(…ふぅ。仕方ねぇな…やるか)

俺は一つの賭けに出ることにした。
ともすれば、無駄死にするだけかもしれない策だったが…いや、策とも呼べないかもしれない。
だが、この状況を打破し、勝利できる可能性も秘めているはずだ。

朋也『涼宮』

俺は銃を放った。
受け取る涼宮。

涼宮『なによ…どうしたの』

朋也『俺は今からあの男を拘束しに行く。丸腰でな』

朋也『おまえは発砲して動きを止めておいてくれ』

涼宮『そんなことできるの?』


420:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 04:02:39.45:+UZ/pLeq0


朋也『やるしかねぇだろ。弾、もうないだろ?』

涼宮『…そうね。じゃあ、頼んだわ』

朋也『ああ』

朋也(さて…)

俺は長机のひとつを抱えると、それを盾にして突進していった。
昨日の水鉄砲遊びの時、ダンボールで防いでいたようにだ。

男『かっ、馬鹿だな。蜂の巣にしてやるよ』

ばたたたたたっ!

朋也『うぐ…』

ミシミシと机が削られていく。
支える手にも、その振動が伝わってくる。

ばたたたたっ!

涼宮からの援護が入り、相手の攻撃の手が休まる。

朋也(ぐ、うおらっ…)

飛びかかれる位置までやってくる。

男『ちっ』


421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 04:03:46.36:jpDSDOMkO


逃げようとするが…

ばたたたたっ!

涼宮の援護射撃によって動きが止まる。

朋也『おらっ』

ついに組み付くことに成功した。

男『離せ、小僧っ』

ものすごい力で抵抗される。
この状態も、長くは持たないだろう。

朋也『撃てっ! 涼宮っ!』

涼宮『でも、あんたにも当たるじゃないっ!』

朋也『いいから、早くしろっ! もう解かれるっ』

涼宮『わ、わかったわよっ! 恨まないでよねっ!』

ばたたたたたっ!

男『あだだだっ!』

朋也『ってぇ!』

弾を受けながら倒れる俺と敵の男。


422:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 04:04:06.26:+UZ/pLeq0


男『はぁー…はぁ…』

重く呼吸にあえぎながらも、フェイスガードと吸気弁を外す。
俺も寝転がったまま同じように装備を脱いだ。

男「なかなか根性あるじゃねぇか、小僧」

朋也「あんたも、かなり手ごわかったぜ、オッサン」

小僧と言われたお返しに、オッサンを強調してやる。

男「かっ、しっかし、この俺様が負けちまうとはな…」

ポケットからタバコを取り出して、火をつけた。
そう、戦いは終わったのだ。俺たちの勝利を以って。

―――――――――――――――――――――

男「おめぇら、最近のガキにしちゃ、骨があるな」

男「俺たち古河ベーカリーズに勝つなんてよ」

ベーカリー…パン?

涼宮「当然じゃない。私たちSOS団は世界最強なのよ」

涼宮「それを知らしめるために、日夜活動してるの」

涼宮「今は光坂だけだけど、いずれは全国に支部を置いてやるんだから」


423:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 04:05:17.52:jpDSDOMkO


男「ん…おまえら、もしかして、光坂の生徒なのか?」

涼宮「そうよ」

男「そうか…じゃ、渚の後輩ってことになるのか…」

渚…?

朋也(う~ん…)

誰かがその名を言っていたような…。
記憶が曖昧で思い出せない。

男「ま、いいや。おら、ご褒美をやる」

言って、全員にパンを握らせた。

男「うちは古河パンってパン屋をやってるんだが、気が向いたら来い」

男「おまえらなら、全品一割引きの出血大サービスだ」

出血するどころか、ただのかすり傷だった。
それに、店の名前だけ言われても、場所がわからない。
この人には、絶対商才がないと思う。

男「それじゃあな。今日は楽しかったぜ」

それだけ言うと、背を向けて去っていった。

涼宮「ふふふ、勝った後はやっぱり気分がいいわね」


424:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 04:05:40.18:+UZ/pLeq0


キョン「おまえはノーダメージだから、そりゃ気分もいいだろうよ…いつつ…」

涼宮「あ…キョン…その、大丈夫?」

キョン「まぁ、なんとかな…」

朋也「そういや、おまえ、涼宮を身を挺して守ってたよな」

キョン「お、おい、岡崎…」

春原「マジで? 愛だねぇ」

キョン「違うって…指揮系統をやられるわけにはいかないだろ」

春原「じゃあ、エースである僕の盾になってくれてもよかったんじゃない?」

春原「僕も、かなり喰らっちゃって…だいぶ体が痛むからね…骨まで堪えるよ…」

古泉「僕が居れば、その*だけは守り通して…いや、責め通してあげられたんですけどね」

古泉「ふぅんもっふっ!!」

春原「ひぃっ! なんで頭に喰らったのにこんな元気なんだよ、こいつ!?」

古泉「下半身は無傷ですからね…まっ↓がーれ↑」

春原「ひぃいっ」

手負いの春原に好き放題始める古泉。
思わず目を逸らしたくなるほど陰惨な光景だった。


426:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 04:06:49.93:jpDSDOMkO


朋也(そういえば…)

長門有希も、至近距離で古泉のフレンドリーファイアを受けていたはずだが…

長門「………」

何事もなかったかのような涼しい顔。
………。
やっぱり、こいつからはなにか得たいの知れない深いものを感じる…

涼宮「ところで、岡崎。あんた、正式にSOS団に入団してみない?」

朋也「あん?」

涼宮「あの金髪はともかく、あんたはなかなか使えそうだからね」

涼宮「もし、入るんなら、キョンより上の地位に置いてあげるわ」

キョン「なんでだよ…」

涼宮「あんたは定年まで平団員で固定なのよ」

キョン「ああ、そうですか…はぁ…やれやれ…」

朋也「せっかくだけど、遠慮しとくよ」

涼宮「なんですって? あたしの誘いを蹴るっていうの?」

キョン「やめとけ、ハルヒ。こいつは無理に押さえつけてられるようなタマじゃない」


427:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 04:07:32.59:+UZ/pLeq0


涼宮「だからこそ欲しいんじゃない」

キョン「諦めろ。最近は、こいつにも新しい居場所が出来つつあるんだ」

キョン「それを邪魔するのは、野暮ってもんだろ」

俺を見て、わずかに笑みを浮かべた。
それは…やっぱり、軽音部のことを言っているんだろうか。

涼宮「でも…」

キョン「いいから、もう帰るぞ」

言って、その背を優しく押した。

涼宮「もう…わかったわよ…」

キョン「長門も、いくぞ」

長門「………」

こく、と小さく頷いて歩き出す。

キョン「じゃあな、岡崎」

朋也「ああ、じゃあな」

春原「って、こいつも連れて帰ってくれよっ!」

古泉「セェカンドレイドッ!!! フンッ!」


428:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 04:08:27.95:jpDSDOMkO


春原「ひぃぃいいっ」

後ろで悲鳴が上がったが、誰も振り返らなかった。
俺は、あのオッサンにもらったパンの袋を開けた。
一口かじってみる。

朋也(うげ…)

とてもマズかった。なぜか食感もボリボリしているし…
捨てようかとも思ったが…食べ物を粗末にするのもよくない。
道すがら、ジュースでも買って一気に流し込もうと、そう決めた。

春原「って、助けてくれよっ!」

―――――――――――――――――――――


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