ジャックフロストの巫女、スノウ・フロストと、スネグーラチカの巫女、ソーフィヤ・シシュキナは極寒のイグルーの中でアイスティーを飲みお茶会をしていた。
二人は年齢は少し差があるけれど、巫女になったのはだいたい同期でかつ、雪の精霊系巫女。性格の相性もお互い悪くなく、同じティル・ナ・ノーグ巫女ということもありライブ等で集まることになると、こうして冷たい場所に集まって駄弁る。
ソーフィヤが、冷やしマシュマロを一つつまみ上げながら、
「スノウは、最近どうかな?わたしは町の人達に、ありがとうって声をかけられることが増えてきたよ。その、なんというか嬉しいね」
スノウは、手に持っていたアイスティーを置いてから、改めてソーフィヤの顔を見て、
「こっちも順調だよ、なかなか雪玉が当たんないことをのぞいたら。会場もできるだけ冷たい場所にしてくれるの、最近パフェ宣伝の依頼も来たよ」
答えてからスノウは再び、アイスティーを手に持ち一口飲む。それからアイスティーを置く。
「ソフィヤはさ、ロシアの方何だっけ。大きめティル・ナ・ノーグのイベントとはいえ、来るの大変だったよね?」
マシュマロをつまみながら、ソーフィヤは答えた。
「大変じゃないよ。そ、その、町の人達には心配されたよ。無理はしないでね、事故なく帰ってきてって。大きいなイベントとはいえ、参加は強制じゃなかったけど、せっかくだから参加したいそう思ってきたから。だから大変じゃないよ。スノウにも、また会えたし」
ふたりにとってはじつはこれで10回目くらい。出会ってすぐ仲良くなったが、かたやイングランド、かたやロシア。かなりメイン活動地域が距離がある。ティル・ナ・ノーグは巨大なグループなのと、ティア・フェアリーが妖精強化の権能をより効果的に使うため妖精巫女を集めて把握しておく面もあるので、比較的活動範囲がバラバラでグループで別行動なことも多い。ゆえにティル・ナ・ノーグ内でも、活動範囲が別々な巫女もかなり多い。そんなわけで二人は基本の連絡はSNSや電話になる。
それでも合えば話が盛り上がる。
「ソフィヤは、クリスマスイベント行ってるんだっけ?」
「そうだね。配る側、あっちこっち呼ばれて大忙しだよ。でも、楽しいから良いかなって思ってるよ」
「じゃ、お疲れ様も兼ねてこれ渡すね」
「そうだね。配る側、あっちこっち呼ばれて大忙しだよ。でも、楽しいから良いかなって思ってるよ」
「じゃ、お疲れ様も兼ねてこれ渡すね」
スノウが箱を渡し、それを受け取ったソーフィヤはゆっくりと開けた。
「嬉しい。ありがとう」
ニコリと笑い中に収められていたそれを抱きしめた。雪だるまの人形。
そのあとも様々な話を二人はしていた。他グループメンバーの話だとか、最近あった龍だとか。時間は刻々と過ぎていき。
「スノウとソーフィヤはここにいたわ、イベントそろそろ始まってしまうから戻ってきてもらえるかしら?」
ティル・ナ・ノーグリーダー、ティアに呼びかけられるまで話が続いたのだとか。