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Nonstop runners high

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Nonstop runners high







世界の果てまで――走るんだ。






 ◇  ◇  ◇






高坂海美は体を動かすことが大好きだ。
ランニング、ダンスといった常に動くレッスンを中心にやり込んでいる。
動いて、汗を流して。そして、再び動いて。
落ち着いていたら負けな気がするぐらい、海美は動いていた。
何故、動くのか。そんな質問は野暮である。人間、動くのに理由はいるのだろうか。
海美が動く理由だってそんな程度だ。風が吹けば軽く吹き飛びそうな重さでしかない。

「――――!」

だが、今だけは、違った。ごちゃごちゃとした言葉を羅列してでも走らなくちゃいけないと海美は感じていた。
自分を保つ為にも、走る。そんな自己の証明を外に晒す理由があったのだ。
きっと、走っている間だけは何も考えずに要られるから。
この寄る辺なき地獄の中でも――走っている瞬間は自由だ。
故に、海美は走る。朝焼けが照らす街道を駆け抜けていく。

「……はぁ」

数分前に起こった出来事は簡単に拭えるものではなかった。
突然強要された殺し合い、仲間だった人達と命を奪い合うルール、ごみ処理をするかの如く奪われた社長の命。
眼前で起こった出来事の全部が未だに受け入れられないし、信じることも出来ない。
平常に動く脚とは別に、頭は全く回らなかった。

「……私も、あんな風に死んじゃうの?」

どうして、と。
海美は消化しきれない疑問を運動をすることで無理矢理に昇華する。
張り裂けそうなぐらいに高鳴ってる鼓動は、ダンスレッスンの後とは違うものだ。
恐怖、絶望。別世界と感じる程に、不規則な鼓動が海美の心臓を侵食していく。

「わっかんないよ!! ぜんっぜん、わかんないってば!」

戦わなければ生き残れない。頭では理解できていても、海美は決断することが出来なかった。
生き延びる為には殺さなくちゃいけない。
あの楽しかった日常に戻る過程で、一緒に過ごしてきた仲間をこの手で――殺す。
たったそれだけのことなのに、重い。
棄ててしまえ、と。友達なんて新しく作ればいい、と。
シビアな自分がそっと囁くのに、進めない。

「走っても、走っても! いくら走っても!! 答えなんて、出せる訳……ないじゃん」

いつもの元気な高坂海美は何処に行ってしまったのか。
ここにいるのは、怯え惑い、迷いに揺らいでる無力な少女に過ぎないのか。

「どうしろっていうの? 答えてよッ、プロデューサー!」

結局の所、どれだけ元気で真っ直ぐであろうとも、海美は普通の女の子だった。
それが情けなくて、悔しくてたまらなかった。
このままじゃどうにもならないことも、知っている。
乗るにしろ、乗らないにしろはっきりと決断できない自分に先の道はない。

「ずっと、ずっと一緒に頑張ってきた仲間を殺すなんて――おかしいよ」

けれど、逃げている。選択を迫る現実から逃げて、走っている。
殺し合いという恐怖から目を背け、怖がっても仕方がないという免罪符を掲げて――逃げている。

「でも、死にたくなんてない。まだ、やり残したこともたくさんある」

あまりにも真っ直ぐであるが故に、方向転換が効かない自分。
仲間思いであるが、仲間の為に死ねるかと考えたらノーと言ってしまうだろう自分。
大好きなアイドルを何が何でも続けたいという想い。
仲間を殺すぐらいならアイドルなんていらないと願う想い。
矛盾を抱えた海美は決断を下せず、今はただどこまでも――走るしかできなかった。
逃げることしか叶わない弱さが、憎い。



【一日目/朝/F-8】

【高坂海美】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2)
[思考・行動]
基本:走る/逃げる。
1:恐怖。決断することへの恐れ。真っ直ぐであるが故の困惑。



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