[[VIPミニ四駆スレ的マシン解説]] #image(IMG_5669.JPG) #image(IMG_5670.JPG) *【基本データ】 ●全長131mm ●全幅78mm ●全高40mm ●Item No:19302 ●本体価格600円 ●1996年12月11日発売 ・2020年再販版 ●Item No:95568 ●本体価格900円 ●2020年5月23日(土)発売 *【本体内容】 #image(IMG_0928b.jpg) [[リアルミニ四駆]]第2弾。 第1弾の[[スピンコブラ]]はボディにボンネットの開閉ギミックがあったが、こいつはキャノピーが開閉する。 #image(IMG_5671.JPG) メカは大きく刷新されている。 別パーツ化されたICチップを搭載する点は共通するものの、それ以外のデザインは全く異なり、コックピット内の2眼カメラが上下に稼働し、その脇にセットされた走行プログラムをインプットしたクリヤーパーツの小型光ディスクユニットを取り外せる機能もある。 #image(IMG_5672.JPG) ウィング根元のラジエターのインテークも開閉ギミックが付いている。 #image(IMG_5673.JPG) コックピット、ウイングなど塗りわけが必要な部分がサイドの蛇腹状のディティールを除いて別パーツになっているので、そこさえ何とかなれば塗装が簡単な親切設計。 アニメ版仕様などのバリエーションが作りやすい。 ただし走行用シャーシに載せる場合はボディ強度がちょっと心配。キャノピーが別パーツでデフォルトではコックピットに大穴があいている上、その前後にはさらにリアルメカ(笑)を露出させるためのスリットやらが開いているので、クリヤー成型なことも相まってその部分の強度が低い。 #image(IMG_5695.JPG) この通り割と穴だらけ。 後述の原作設定のためか、メッキパーツこそ完全新規でギミックも増えたものの、シャーシ本体はスピンコブラと同じものである。 #image(IMG_5675.JPG) ※リアルミニ四駆なのでそのままでは走りません なお、ボディの走行用シャーシへの載せ替えはスピンコブラから大きく進歩していて、S1、TZに無加工で載せられるようになっている。 *【漫画、アニメでの活躍】 「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」にて登場。 原作漫画では藤吉の[[スピンアックス]]と同じく、Vマシンや[[ネオトライダガー>ネオトライダガー ZMC]]と比べて性能的についていけなくなった[[プロトセイバー JB]]に変わり、大神軍団との対決に向けてスピンコブラと同時に開発が進められていたが、決戦に間に合わせるためJがエボリューションより作業が進んでいるスピンコブラの完成を優先させたので、かなり遅れての登場となる(ちなみに原作ではJは大神博士の下を去った後もレーサーをやめたという描写は無く、Vマシンやネオトライダガーのテスト走行にJBで一緒に参加しているシーンがある)。 ようはスピンコブラとは兄弟のようなもの(ちなみにこの設定の関係か、もしくはただのコスト削減か、あるいはその両方か、スピンコブラとエボリューションは上述の通りメカやホイールこそ大幅にデザインが違うもののシャーシ本体は同じもの)。 ボディのノーズ左右やコックピット脇にある蛇腹状の部分がプログラムに合わせて変化し、自由に空力をコントロールする「ドルフィンシステム」を搭載。 その名の通りイルカをモチーフに開発された。 しかし原作では扱いが悪く、ピークはなんと初披露のテスト走行。 初実戦のWGP初戦では、新マシンの[[バックブレーダー]]を際立たせるためかいきなり噛ませ犬にされ、エッジのバックブレーダーの乱気流でドルフィンシステムが混乱、翻弄されたあげく終いにはパワーブースターでちぎられると言う・・・ 以降は空気になりロッソストラーダ戦で大破、それ以後出番がない(一応MAX編単行本6巻に一コマだけ出ている)。 別冊コロコロ掲載の番外編エピソードでは、開発に悩んでいた時に偶々目撃したイルカの泳ぎにヒントを得て、ドルフィンシステムを考案したことが描かれた。 アニメ版では無印最終盤にJがレーサーとして復帰する際、そのための新たなマシンとして豪と共に開発した(この為、スピンコブラとは全くの別口であり特に関係性はない)。 アニメ版[[サイクロンマグナム]]と並ぶ、豪とJの友情を象徴するマシンである。 当初は複雑な機構を搭載せず、普通の白色のS1とTZを折半したっぽいシャーシに搭載されていた。 ボディの方も流体ダンパーのような機構のないシンプルなものだった。ちなみに、キャノピーは黄色ないし金色になっている。 後のWGPに挑む際にアップデートされたらしく、WGP編初戦でドルフィンシステムの描写が追加、 序盤に大破した際には原作やリアルミニ四駆と同様の内部メカが搭載されていることがわかる。 後述するドルフィンエフェクト獲得のエピソードで登場したプログラムディスクも、原作設定に倣ったものである。 原作ではWGP初戦以外目立った出番がなかったが、アニメ版では尺が長かったこともありいくつか活躍するエピソードがある。 特に印象深いのはドルフィンエフェクトを取得した94話だろう。 Jが入院した烈の穴埋めで頑張ろうと悩んでいた時、チャチャ入れしてきたレイに渡されたプログラムディスクを、Jは危険なものと知りつつプレッシャーに負けて搭載。 これにより、周囲を切り裂く空力(笑)エフェクト「シャークエフェクト」(カイいわく、原理は違うが[[ビークスパイダー]]の空気の刃とおなじ物)を発生させ、空気の刃をまとったBSゼブラすら蹴散らしレースを無茶苦茶にしかけるが、その惨状を見た豪に説得されJが自身の手が傷つくのも厭わずEVO.を停止させ、その後正規のディスクに交換してレースに復帰する。 その時、マシン本体に残っていたシャークエフェクトデータがドルフィンシステムに影響を与え、周囲を傷つけることなくマシンを加速させる「ドルフィンエフェクト」を会得。 ドルフィンエフェクトはプロトセイバー自身だけではなく、味方のマシンまで包み込みフォーメーションの強化までできる万能っぷりを発揮した。 以降EVO.の必殺技となり最終戦でもフォーメーション全体を包み込むなど活躍する。 なお、シャークエフェクト発動時は普段黄色だったキャノピーが何故か赤色に変化した。 劇場版ではドルフィンスラロームと言う、おそらくドルフィンシステムを利用した蛇行走行を披露している。 なお作画ミスがあり、フロントバンパーまで紫色に塗りつぶされているシーンがあるw(序盤でガンブラスターに吹っ飛ばされるシーン)。 更に言うと、他のリアル系マシンが劇場版ではキット基準のメカニカルなボディキャッチで作画されているのに、このエボリューションだけTVシリーズと同じ[[ZERO系]]などのひし形ボディキャッチのままだったりする。 そもそも劇中のエボリューションは初登場からずっとフロントバンパー付きのモーター駆動シャーシ(CGモデルはキット同様バンパーレス)なので、作画班にリアルミニ四駆扱いをされていなかった可能性がある。 RR 7話にも登場。 Jは少年時代からずっと改造を続け、見た目こそ変わらないもののアップデートを繰り返してドルフィンシステムを進化させ続けていた。この状態を彼はステージ2と呼んでいる。 だがイレギュラーすぎる外的要因に弱いという弱点は克服できていないらしく、豪の乱暴な走りでコースが大きく揺さぶられるとドルフィンシステムが混乱。コースアウトしてしまう。 だがそれに刺激されたJは「ドルフィンシステムには完成はない!」と、その場でさらなる改良を行い、[[ステージ3>プロトセイバー EVO. ステージ3]]へと進化する。 ちなみに、RRのJや藤吉、チイコのキャラクターはどうもB-ray版「暴走ミニ四駆大追跡」に収録されている3声優(豪と烈とファイターの中の人)のオーディオコメンタリーの内容が元ネタっぽい(オーディオコメンタリー収録の時点でコロニキ2号が出た直後の模様)。 *【VIP内での評価】 通称「エボ鯛」 理由は、アニメ版である事情からビクトリーズ対抗戦の商店街レースを行い、その際の借り物競走セクションでJが引き当てたものが"エボ鯛の開き"(エボダイはイボタイの東京方言)。 そしてそれを運搬している最中、猫の集団にマシンごと持っていかれてしまい、その時に「あ、僕のエボ・・・エボ鯛ーっ!!」と発言したことからきている。本編中でも貴重なJの迷言なので印象に残っている人も多いのではないか。 (爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGP 22話(無印から73話目)「決めるぜ、日本一! 商店街で大レース!!」参照 ) *【公式ページ】 http://www.tamiya.com/japan/products/19302proto_saber_evo/index.htm http://mini4wd.jp/product/item/19302 ・2020年再販版 https://www.tamiya.com/japan/products/95568/index.html *【備考】 上記のアニメ版風味。 #image(IMG_5776.JPG) #image(IMG_5777.JPG) ウイングを白に変更して自作のデカールでビクトリーズ仕様に。 キャノピーはGXクリヤーゴールドで塗装。 ICチップを赤で塗装し、プレミアム版から流用したGPチップステッカーを張り付けて完成。 この頃のリアルミニ四駆としては珍しくFM化改造用の肉抜きガイドがないが、[[ハリケーンソニック]]ミニ四駆bookのプロトセイバーのコーナーの最後に、SFMに対応させる肉抜き用の図があるので、それをトレースしてボディに写せば簡単に改造できる。 まぁ、ワザワザSFMに乗せなくてもいいと思うけど・・・ そもそも上記の強度不足を加速させるので、全然お勧めできなかったりする。 また、限定キットでボディをクリヤーパープル、メカをブルーメッキ、シャーシを金メッキに変更したクリヤーパープルバージョン #image(IMG_5591.JPG) #image(IMG_5592.JPG) #image(IMG_5593.JPG) と、ボディをクリヤーブラック、メカを金メッキ、シャーシをシルバーメッキに変更したクリヤーブラックバージョンがあった。 #image(IMG_5778.JPG) #image(IMG_5779.JPG) また、大会景品などでボディをクリヤーブルーやレッドメッキに変更したキットもあったようだ。 シルバーメッキボディがてれびくん 5月号・6月号(1997年?)連動企画TRFビクトリーズ5台マシンプレゼント 各10名にて配布されたことがある。 2016年、ARシャーシに乗せ替え[[プレミアム>プロトセイバー エボリューション プレミアム(ARシャーシ)]]としてリメイク。 更に2020年、四半世紀近くの時を経てまさかのオリジナルキットの再販。 リアルシリーズキットとしては初の再販となる。 2020年現在、ミニ四カラースプレーが全て絶版になり、メタリックグレイのように別シリーズで再ラインナップもされていない為、ボディ本体の指定色がただのパープルになっている。 現在、タミヤ製のメタリックパープルはポリカーボネイト用だけとなっている。 それ以外だと、GSIクレオスからGXカラーでメタルバイオレットが販売されている。(同社からメタリックパープルも発売されているが、バイオレットより赤みが強くピンクに近い色なので注意) #image(IMG_5696.JPG) 左がポリカ用メタリックパープルで、右がGXメタルバイオレットで塗装したもの。 GXメタルバイオレットはタミヤ製のメタリックパープルに比べ、赤みが強く金属顔料の粒子が細かいのでメタリック感が強い。 タミヤ製とは色味が違うが、綺麗な色なのでメタリックな感じが欲しい人にはオヌヌメ。 また、サイドの蛇腹部分に塗る指定色が「X-3 ロイヤルブルー」となっている。タミヤエナメルとタミヤアクリルにこの色はあるが、タミヤラッカーシリーズにこの色は無い。 どちらもラッカー塗料とはいろいろ癖が違うので、扱いには注意が必要。 このタミヤロイヤルブルーに近い色をラッカー系で探すと、ガイアの「VO-09 マーズダークブルー」、またはクレオスの「C326 ブルーFS15044」、ガンダムカラー「ブルー23」(絶版)「UG17 ティターンズブルー2」がかなり近い。 また「VO-104 パールマーズダークブルー」はメタリックな感じになってしまうが、周りをメタリックパープルで塗る場合はここもメタリックな感じにしておいた方が全体的になじむ。 なお、パールと言っても隠ぺい力の高い色で、使用感は金属顔料系の塗料に近い。 ソリッドで仕上げたいのなら「C326 ブルーFS15044」が入手しやすい。 「マーズダークブルー」は一度は絶版になったが再版されている(色番は同じVO-09、旧版は蓋の色がクリア、新版は蓋の色が塗料と同じ色)。 2次ブームのころ、トミー(現タカラトミー)からキャラトミカ版が発売された。 トミカサイズでよく再現されたものだったが、パッケージングの都合のためかミニ四駆とはホイールベースの間隔がかなり違うため、全体的に縦長である。 実は、ああっ女神さまっの単行本(何巻かは忘れた)表紙の折り返しにあった作者の仕事場の写真に写っていた紫色のミニ四駆は、何を隠そうコイツである。 ----