[基本データ]
- ホイールべース:82mm
- 使用ドライブシャフト:60mm
- 対応ギヤ比:4.1、4.2:1、5:1 (※)
- 使用カウンターギヤシャフト:ストレート
- ターミナル:B型
- 重量(シャーシ骨格のみ他未装着):?g
[概要]
アバンテjr.から採用されたシャーシ。
ミニ四駆史上、初の本格的オンロード仕様のシャーシとして開発されたもので、コース上での走行を前提として設計された。
社運を賭したとまで言われたRCのアバンテも、先進的な技術を多く取り入れた意欲的なものであったためか、Jr.でも画期的な新型シャーシを引っさげてきた形となった。
アバンテの名を冠するマシンに対し、タミヤが並々ならぬ情熱を注いでいたことがうかがえる。
TYPE-1からの主だった変更点としては、
- 軸受けに直径6mmの軸受け(ベアリング)が無加工で取り付けられるようになった
- ローラーが標準で付属するようになり、フロントバンパーのビス穴がTYPE-1の倍に増えた
- サイドガードにもローラー取り付け穴がついた
- TYPE1に比べて軽量化され、車高も低くなった(TYPE-2は始めて肉抜きが施されたシャーシである)
- モーターを縦置き型とし、またホルダーがモーターをむき出しにするような形になったため冷却性が向上した
- ターミナルの形状を変更し、リヤを中心に整備性と信頼性が向上。またスイッチも大型化し、かなり使いやすくなった
- ホイールベースが2mm伸びたため、旋回性は落ちたが直進性が上がった
- 駆動系を筆頭に、各部の精度がTYPE-1から大幅に向上
- 新設計のカウンターギヤ2種と新設計のスパーギヤ1種を採用、ピニオンギヤも8Tのものに統合した
- クラウンギヤを前後とも共通(オレンジクラウン)とした
- 現在主流のものと同規格の、大径ホイール・スリックタイヤが採用された
- リヤースキッドローラーセットのアタッチメントを使えばリヤーローラーステーが装着可能
などが挙げられる。
ベアリングは、ゲートのバリの切り取り忘れがあってもいいように一部を切欠いた形状になっている。
また、ローラーは現在のプラローラーのようにエッジが円いものではなく、角ばった形状になっている。
登場当時は『ニューシャーシ』の異名で呼ばれていたが、太陽ミニ四駆BOOK辺りからTYPE-1、TYPE-2との表記が見られるようになった。
オフロードの走行性はTYPE-1に比べ低下したが、逆にコースでの走行性能は圧倒的に向上した。と、いうか本格的にコース走行に特化したシャーシなので当たり前だw
各部の精度がよくなったため速度性能は確実に向上し、ノーマルでも「コロコロ見てバリバリに改造した俺のファイヤードラゴン(TYPE-1)がちぎられた」などという話もザラであった。
また、TYPE-1のオンロード用の改良型となる
TYPE-3に比べても、なお性能では優位を保っていたため、第一次ブーム期を通して広く使われることになった。
上記のとおり駆動系の精度がTYPE-1から大幅に改善され、基本レイアウトこそ同じものの半分以上のギヤが一新され、ほぼ別物である。
このシャーシで初採用された5:1、4.2:1のギヤは2次ブーム最終型のVSシャーシや、最新シャフトドライブシャーシの
ARにも使えること(つまり基本設計は同じ)や、リヤのモーターマウント及びギヤケースの構造やパーツ構成もVSと良く似ていて、ARなどにおいてもこの構造の改良型といえ、如何にこのシャーシの設計が優れていたかが伺える。
モーターマウントとリヤ―ギヤケース周りの構造も、分解が複雑でメンテナンス性は悪いものの精度を高めやすい方式であり、
X系、
VS、S2、ARなどに継承された優れた構造だった。
このシャーシに採用されたB型ターミナルも(
ZERO系シャーシをのぞき)
SUPER TZ-Xまで同形状のものが使われ、さらにX系、VS、ARに使われているターミナルもこの改良型といえる。
まさに、VSまで続く本格オンロード用シャーシの直接の祖型といえる(シャフトドライブ構造などの基本レイアウトに関してはTYPE-1の時点でほぼ確立されている。また
X系は少々特殊)。
このようにエポックメイキングなシャーシであったにも関わらず、その後の主要ラインナップがTYPE-3シャーシ採用車に移ったため、限定版を除けば
アバンテJr.、グラスホッパーⅡJr.、バンキッシュJr、
スコーチャーJr.の4車種しか採用されていない。
また、TYPE-3は2次ブーム中ごろもダッシュ軍団のラインナップが定期的に再生産が行われていたが、TYPE-1・TYPE-2・
TYPE-4のラインナップは軒並み生産停止を受けていたため、余計に知名度が低い。
2012年にアバンテJr.および同ブラックスペシャルが再販されているため、メモ箱に頼らずともシャーシ自体は比較的入手しやすくなっていた(ミニ四駆ステーションなどではシャーシ単品でバラ売りされている店もある)が、地方によっては流通の関係か、やや入手困難との報告も入っている。
なお、
超速ギヤが着けられそうな形状をしているが、無加工では取り付け不可。
ギヤボックスを改造すれば載るが、レギュ的にはアウトなので注意。なので使える最高速のギヤは4:1のハイスピードギヤセットになる。
リヤローラーをつけたい場合には、リヤローラースタビセットかリヤースキッドローラーセットのどちらかが必要になる。しかし、どちらも現在のレースで使うには強度がかなり不足している。
リヤローラースタビセットは後部ボディキャッチに取り付けるという構造のため、ボディキャッチの接合部に負担がかかり現在のレースでは走行中に破損する危険がある
リヤースキッドローラーセットは後部一点止めの構造だが、アーム部分が組み立て式のため現在のレースでは強度不足でFRP等の補強が必要
リヤースキッドローラーセットに付属するアタッチメントを使えば№15412カーボン強化リヤダブルローラーステー(3点固定タイプ)等も装着可能のように見えるがシャーシの後部ギヤカバーと干渉するため装着不可
№15027リヤローラースタビセットはミニ四駆グレードアップパーツセット クラシックVol.2、№15082リヤースキッドローラーセットはミニ四駆グレードアップパーツセット クラシックVol.3で入手可能。
登場時は破格の性能を誇った『ニューシャーシ』も、世に出てから既に20年以上が経過し、昔のシャーシを知らない子供には「何コレ?」と言われる扱いは他の
TYPE系(特に1~4)と変わらない。
また当然と言えば当然だが、
VS・
X系・
MSといった現役の発展型シャーシに比べると、多くの面で性能が見劣りするのは否めない。
しかし、駆動系の精度は
旧FM同様にそれほど悪いわけではないため、少々の改造で駆動音はかなり静かになり、結構なスピードが出る。
現在の水準から見れば使いこなすには相当高い技術力を要するシャーシであるが、TYPE-1系列より速度が出やすい分だけ、TYPE系入門としては比較的扱いやすいシャーシといえるだろう。
以下、その他カラーバリエーション
基本的な色。
アバンテJr.ブラックスペシャルにて採用された色。
アバンテJr.スペシャル、
バンキッシュJr.スペシャル及びスコーチャーJr.スペシャルで採用された色。
それぞれ黄(アバンテ)、赤(バンキッシュ)、青(スコーチャー)のカラースリックタイヤが付属した。
詳細不明。
昔モデラーズギャラリーにて発売された、もしくは抽選などで配った模様である。極めて貴重。
最終更新:2024年03月08日 17:19