('A`)がミニ四駆をふたたび走らせるようです 第2話

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('A`)がミニ四駆をふたたび走らせるようです 第2話 - (2013/09/16 (月) 21:21:24) のソース

[[('A`)スレまとめ]]

3 :以下、名無しにかわりましてVIがお送りします :2008/08/02(土) 01:32:59.17 ID:HMAm71bDO
俺の名前はドクオ。彼女も友達もいない大学一年生。 
いつもなら夏休みなんてダラダラ昼寝して過ごすだけだった。だけど、今日からは違う。 


('A`)「よし!荒巻模型店に行くぞ!」 

[[ミニ四駆]]という趣味に目覚めたからだ。 
('∀`)「へへ、今日はコースアウトさせないぞ」 


俺の愛車、エンペラーが華麗にレーンチェンジを攻略する様を想像しながら荒巻模型店に向かう。すれ違った親子連れに変な目で見られた気がするけど気にしない。そんなことを考えているうちに荒巻模型店に到着した。 


4 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 01:34:36.12 ID:HMAm71bDO
('A`)「こ、こんにちは」 

ξ゚⊿゚)ξ「いらっしゃい。あら、あんた。早いのね。ブーンとショボンはまだ来てないわよ」 

('A`)「そ、そうなんだ」 

\(^o^)/「ツンちゃん その人は 誰だい?」 

どうやら先客がいたらしい。 



6 : ◆UcHUIyQWbY :>>5修正しました :2008/08/02(土) 01:38:39.47 ID:HMAm71bDO
ξ゚⊿゚)ξ「昨日初めて来たお客さん。ドクオっていうの。ブーンとショボンと同じ大学なんだって」 

('A`)「は、はじめまして、ドクオです」 

\(^o^)/「はじめまして 僕の名前は オワタです」 

そう言いながらオワタさんは俺との距離をズイと詰める。 



7 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 01:39:07.73 ID:HMAm71bDO
(;'A`)(か、顔が近い…) 


\(^o^)/「ドクオ 君は どんなマシンを 使うんですか?」 


そう言いながら俺のバックを勝手に覗き込む。 


(;'A`)「お、俺は昨日復帰したばかりなんですけど、このエンペラーPROです」 



8 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 01:39:44.12 ID:HMAm71bDO
\(^o^)/「そうですか そうですか ちなみに 僕のマシンは これです」 

と、自分から聞いておきながら俺のエンペラーには見向きもしない。 

(;'A`)(…わかる!俺でもわかるぞ…!この人…」 

(;'A`)(…すごく空気読めない人だッ!) 



9 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 01:40:51.24 ID:HMAm71bDO
それはさておき、俺はオワタさんのマシンを見せてもらう。 
(;'A`)「これはまた、なんていうか…」 
\(^o^)/「魔法少女 へりかる☆クラウンの ピンク・クラウンちゃんです」 
オワタさんのマシンは実車系のボディのマシンだったが、そのボンネットの部分には女の子のキャラクターがプリントされていた。 
さらに良く見るとウイング部分には“へりかる☆クラウン”というロゴが入っていた。 



10 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 01:45:59.56 ID:HMAm71bDO
(;'A`)「か、可愛いマシンですね」 


\(^o^)/「そうでしょう そうでしょう 魔法少女へりかる☆クラウンというのは 2005年4月から放送されているアニメで 
ピンク・クラウンちゃんはその主人公の シャフト星出身のお姫様なんです 
ピンク・クラウンちゃんには生き別れの双子の妹の オレンジ・クラウンちゃんがいて 
最初は敵同士なんですけど 次第に分かり合って…」 


11 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 01:47:15.15 ID:HMAm71bDO
(;;'A`)「は、はぁ」 


オワタさんはなんだかすごい勢いで魔法少女へりかる☆クラウンについて語り出した。 


\(^o^)/「……それで 第13話のピンクちゃんが それは それは 可愛くて…」 


('(゚∀゚∩「オワタ君、その位にするよ!新入り君ひいてるよ!」 


と、困りきった俺に助け舟を出すように、1人のお客さんが会話に入ってきた。 

13 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 01:49:10.76 ID:HMAm71bDO
\(^o^)/「おや なおさん 来てたんですか?」 


('(゚∀゚∩「今来たところだよ!新入り君、はじめまして、なおるよだよ!みんなにはなおさんって呼ばれてるよ!」 

('A`)「は、はじめまして、ドクオです」 

('(゜∀゜∩ 「いきなりあんな話されて困ったよね!オワタ君はもう少し空気を読むべきだよ!」 


\(^o^)/「なんの ことやら」 


どうやらこの人も常連らしい。 



16 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 01:52:48.57 ID:HMAm71bDO
('(゚∀゚∩「ところでマシンをチラッと見せて貰ったけど、エンペラーPROとはなかなかいいチョイスだよ!」 


('A`)「あ、ありがとうございます。ところでなおるよさんはどんなマシンを使ってるんですか?」 


17 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 01:53:27.57 ID:HMAm71bDO
俺は半分オワタさんから解放されたいのもあって、なおるよさんに尋ねてみた。 

('(゜∀゜∩ 「なおさんでいいよ!僕のマシンはこれ![[サンダーショットJr.]]だよ!」 

そういってなおさんが見せてくれたのはサスまで丁寧に塗装された、ピンク色のマシンだった。しかし、より一層俺の目を引いたのはボディではなく、シャーシの方だった。 


('A`)「これって…タイプ1シャーシですよね?」 



21 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 01:56:00.14 ID:HMAm71bDO
サンダーショットJr.のシャーシは、かつて俺が使っていた元祖エンペラーと同じタイプ1シャーシのはずだ。 
しかしなおさんのマシンのそれは一見してとてもそうは見えなかった。 


22 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 01:56:38.67 ID:HMAm71bDO
それもそのはず、本来のバンパーは切り落とされ、FRP強化プレートで作られたバンパーが取り付けられていたからだ。 

('(゜∀゜∩ 「この改造は井桁って言うんだよ!古いシャーシでも手をかけてあげれば、ぬるい新マシンなら勝てるよ!」 


と、なおさんは挑発するようにオワタさんの方をチラッと見る。 


24 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 02:01:01.34 ID:HMAm71bDO
\(^o^)/「それは 聞き捨て なりません」 


('(゚∀゚∩「それならレースで決着をつけるよ!」 


…というわけで、2人が勝負をすることになった。 


('(゚∀゚∩「謝るなら今のうちだよ!」 
\(^o^)/「それは こっちの セリフ です TRFワークス ピンクちゃんスペシャルは負けません」 


2人がマシンのスイッチを入れる。軽快な回転音が店内に響き渡る。 


('(゚∀゚∩「勝負は3週勝負だよ!ドクオ君、スタートの合図を頼むよ!」 


('A`)「は、はい」 


25 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 02:02:39.85 ID:HMAm71bDO
2人がスタートの体制に入る。 


('A`)「レディ…」 

('A`)「…ゴー!」 


俺の合図と同時に、弾かれたように2台のマシンがスタートする。 

\(^o^)/「僕の マシンの方が リードしてますね」 


スタートダッシュは小径タイヤのオワタさんのマシンの方が速いようだ。 


('(゚∀゚∩「まだまだこれからだよ!」 

26 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 02:03:13.91 ID:HMAm71bDO
しかし、大径タイヤのなおさんのマシンが次第にその差を詰めていく。 


(;'A`)(タイプ1のスピードとは思えない) 

スピードがのってしまえば大径タイヤのなおさんのマシンの方が有利かと思われたが、タイプ1の車高の高さ故か、レーンチェンジで若干のもたつきを見せる。 
2台のマシンの実力は完璧に拮抗していた。 



29 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 02:04:17.03 ID:HMAm71bDO
\(^o^)/「ラスト一周です」 


('(゚∀゚∩「勝つのは僕のマシンだよ!」 


2人のマシンが抜きつ抜かれつ、ゴールを目指す。そして… 

('A`)「ゴーール!」 


勝負の結果は… 



32 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 02:05:16.45 ID:HMAm71bDO
\(^o^)/「僕の 勝ちです」 


('(゚∀゚∩「いや、僕の勝ちだよ!」 

2人のマシンはほぼ同時にゴールしたのだ。俺の目にはどちらが先か判断できなかった。 


\(^o^)/「僕のマシンは トルクチューン なおさんのマシンは スプリントダッシュです モーターの差を 考えると 僕の勝ちです」 

('(゚∀゚∩「それを言ったらオワタ君のマシンは3.5:1の超速ギヤだけど、僕のは4:1のコンペギヤだよ!だから僕の勝ちだよ!」 


34 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 02:08:50.33 ID:HMAm71bDO
(;'A`)「あ、あの…」 


俺が困り果てていると、そこへ 


( ^ω^)「おいすー!」 

(´・ω・`)「やあ、盛り上がってるね」 

ブーンとショボンがやってきた。 




35 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 02:09:27.58 ID:HMAm71bDO
(;'A`)「あ、ブーン、ショボン、なおさんとオワタさんが…」 


( ^ω^)「おっお、いつものことだお」 


(´・ω・`)「うん。ああ見えてあの2人は仲が良いから大丈夫だよ」 


('A`)「そ、そうなんだ」 

とりあえず一安心した。 


(´・ω・`)「あ、ツンさん、モナーさんはまだ来てないかな」 


ξ゚⊿゚)ξ「今日はまだ来てないわね」 


('A`)「モナーさん?」 


( ^ω^)「おっお。このお店で一番速い常連さんだお」 


37 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 02:10:16.52 ID:HMAm71bDO
(;'A`)「え、まだ速い人がいるの?」 


(´・ω・`)「そうか、今日こそは荒巻模型店のトップレーサーの座を譲ってもらおうと思っていたのに残念だよ」 


( ^ω^)「ちなみに2番目に速いのがショボンなんだお。今まで何回もモナーさんに挑戦してるけど、まだ一度も勝てたことはないんだお」 



38 : ◆UcHUIyQWbY :2008/08/02(土) 02:11:19.02 ID:HMAm71bDO
('A`)(あの2人よりもっと速い人がいるのか…) 


ボクノカチダヨ! 
イヤイヤ ボクノ カチデス 

いまだ言い争う2人の声を耳に、俺は改めてミニ四駆の奥深さを考えさせられていた。



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