('A`)がミニ四駆をふたたび走らせるようです 第13話

「('A`)がミニ四駆をふたたび走らせるようです 第13話」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

('A`)がミニ四駆をふたたび走らせるようです 第13話 - (2013/09/16 (月) 22:08:13) のソース

[[('A`)スレまとめ]]

3 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:01:38.34 ID:w6UZdZC5O
( ^ω^)「おっお、タイムあがったお!フロントタイヤをハードにしたのがよかったのかお?…ドクオ待たせたお、今度はドクオの番だお」 

('A`)「うん。よし、行け、エンペラー!」 

今日も俺は荒巻模型店でマシンを走らせていた。今はみんなでタイムを計りながらセッティングをしていた。 

从 ゚∀从「まあ、俺のマグナムにはかなわねーだろうけどな」 

('A`)「だからハインのは完走すればだろ?2回に1回はコースアウトするじゃないか」 

从 ゚∀从「うっせー、そのスリルもまたいいじゃねーか」 

(;'A`)「あ、そう。…そういえばモナーさんたちも来るかな?」 

(´・ω・`)「休日だしそのうち来るんじゃないかな?…あ、噂をすれば」 



4 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:02:27.49 ID:w6UZdZC5O
( ´∀`)「こんにちはモナ」 

('(゚∀゚∩「こんにちはだよ!」 

\(^o^)/「こんにちは」 

3人がやってきた。 
( ´∀`)「おや?そちらのお嬢さんは…」 

从 ゚∀从「ハインだ。よろしく」 

(;'A`)「おまえ…年上の人なんだからもう少し態度ってもんがあるだろ」 

从 ゚∀从「うっせーな!」 

(;'A`)「く、苦しい!絞めるな、離してくれ!」 

( ´∀`)「僕は別に構わんモナよw」 

('(゚∀゚∩「ドクオくんと仲良いね!…あれ?ひょっとして…」 



5 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:04:16.14 ID:w6UZdZC5O
\(^o^)/「ドクオくんの 彼女ですか」 

从//∀从「ち、ちげーよ!」 

ゲシッ! 

\( o )/「オウフ!」 

(;'A`)「そ、そんなんじゃないですよ!こいつはただの幼なじみです!」 

(;´・ω・`)(なんか似たような光景前にも見たなぁ) 

( ´∀`)「ハインさんモナね。ビロードから話は聞いてるモナ」 

从 ゚∀从「おお、あんたビロードの親父さんか」 

( ´∀`)「モナーだモナ。よろしくモナ」 

('(゚∀゚∩「僕はなおるよだよ!」 

\(^o^)/「オワタです」 

从 ゚∀从「おお、よろしくな」 


7 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:06:02.11 ID:w6UZdZC5O
\(^o^)/「そういえば あとで兄者さんと弟者さんも来るそうです」 

ξ゚⊿゚)ξ「あら、今日はたくさん人が集まるわね」 

/ ,' 3 「フォッフォ、いいことじゃ」 

さらに 

ミ,,゚Д゚彡「チョリーッス!」 

フサギコまでやってきた。 

ξ゚⊿゚)ξ「あら、あんたまで来たの?」 

ミ,,゚Д゚彡「人多っ!小さい店がますます狭く見えるぞゴルァ」 

ξ#゚⊿゚)ξ「小さい店で悪かったわね…」 

ミ,,;゚Д゚彡「ち、違うんだツンちゃん…」 

从 ゚∀从「なんだ、このチャラいのも常連か、ドクオ?」 

('A`)「ああ、こいつは…」 

ミ,,゚Д゚彡「ん?」 

と、ここでフサギコが俺の肩に腕を回して店の隅へ引っ張る。 


9 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:10:14.59 ID:w6UZdZC5O
ミ,,゚Д゚彡「おい、ドクオ、あの子おまえの彼女か?ヘヘ、なかなか可愛いじゃん。おまえも隅に置けねーな」 

(;'A`)「いや、ハインはそんなんじゃ…」 

ミ,,^Д^彡「ギコハハハ!照れんな照れんな!俺が女の扱いかた教えてやるよ!他の連中は冴えない奴ばっかりだしよ!」 

(;'A`)「いや、本当に彼女じゃないから!それにフサの恋愛術はいろいろとダメな気がする…」 

从#゚∀从「おい!おまえドクオになにやってんだよ!」 

そこへハインが割り込んできた。 

从#゚∀从「ドクオ、おまえこいつにいじめられてるのか?」 

ミ,,゚Д゚彡「いじめてなんかねーよ。コイツは俺のダチだからな。なぁ、ドクオ?」 



10 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:11:05.56 ID:w6UZdZC5O
(;'A`)「え、あ、うん、まあ」 

ダチか…。フサは俺のことをそんな風に思ってたのか。 

( ^ω^)「ドクオ、迷惑だったらはっきり言った方がいいお?」 

ミ,,゚Д゚彡「なんだ、おまえもいたのか」 

(#^ω^)「うるさいお。店に来るのは止めないけど、ブーンはまだおまえのこと認めたわけじゃないお」 

(´・ω・`)「まあまあ。そんなことよりドクオくん、マシンを走らせっぱなしだよ?」 

(;'A`)「あ、いけね」 
そうだった、俺はマシンを走らせていたんんだ。コースに行きマシンを止める。 


11 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:14:56.29 ID:w6UZdZC5O
('A`)「あれ…」 

マシンを持ち上げたときに、ホイールがひとつ外れてしまった。 

('A`)「おっと、外れちゃった。……あれ?ホイールの穴が緩くなってる。これじゃまたすぐに外れちゃうなぁ」 

(´・ω・`)「ああ、長い間走らせてるとどうしてもね」 

('A`)「買い替えるしかないかなぁ…」 

復帰してからずっと同じホイールを使っていたから、仕方のないことだろう。 

('(゚∀゚∩「シャフトをヤスリで荒らしたあとに瞬間接着を塗って乾かすといいよ!」 

( ´∀`)「古典的な方法だとマスキングテープを噛ませるってのもあるモナ。…まあ、これは主にレース会場で外れちゃったときの応急処置モナ」 



12 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:15:25.34 ID:w6UZdZC5O
('A`)「なるほど…どうしようかな。いずれまた抜けやすくなるんだよね?」 

(´・ω・`)「だったらいっそシャフトを貫通させたらどうかな?」 

('A`)「シャフトを貫通?ああ、ショボンやモナーさんはやってるよね」 

(´・ω・`)「うん。ホイールが抜けにくくなるよ。他の目的もあるんだけどね」 

('A`)「他の目的?」 

(´・ω・`)「うん。僕は620っていうベアリングを使ってるんだけど、このベアリングは他のベアリングより厚みがあるから、普通のシャフトだとホイールが外れやすくなるんだ」 

14 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:18:08.24 ID:w6UZdZC5O
('A`)「なるほど」 

(´・ω・`)「それにホイールの軸がベアリングに触れてると回転に支障が出るんだ。だから72ミリのシャフトを貫通させてクリアランスを調整するんだよ」 

('A`)「なるほど。…でも620ってそこまでして使うほど性能が良いベアリングなの?」 

(´・ω・`)「それはもう段違いさ。脱脂は必須だけど、一度使ったら他のベアリングには戻れないよ」 

( ´∀`)「ドクオくんが今使ってるのは丸穴ベアリングモナね?この機に620に替えてみたらどうモナ?」 

('A`)「…そうですね。替えてみようかな」 

ここのところタイムも伸び悩んでいたし、ちょうどいいだろう。貫通ホイールに挑戦することにした。 


15 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:18:42.93 ID:w6UZdZC5O
(´・ω・`)「じゃあまずシャフトを用意しようか」 

('A`)「72ミリのシャフトってXシャーシ用のだよね?」 

(´・ω・`)「うん。キット付属の他にはXシャーシ用と[[ラジ四駆]]用のグレードアップパーツが出てるよ」 

('A`)「どのシャフトを使えばいいのかな?」 

(´・ω・`)「強度的にはチタンシャフトが一番良いんだけど、入手困難だね。72ミリシャフトはキット付属のものが精度がいいからそれで十分さ」 

( ´∀`)「キット付属の60ミリシャフトはほとんど外れなのに、不思議モナね」 




16 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:21:27.99 ID:w6UZdZC5O
('A`)「でもシャフトのために新しく一台買うのも…」 

(´・ω・`)「グレードアップパーツの方は、強化シャフトより中空ステンレスシャフトの方が曲がってない印象があるね。まあ、どっちにしろ良いシャフトを選別するんだけどね」 

(;'A`)「選別までするんだ…」 

(´・ω・`)「うん。曲がってないシャフトを選ぶことは速さに直結するからね」 

('A`)「どうやって選ぶの?」 

(´・ω・`)「まずは買うときにシャフト同士を合わせてみて、隙間がないものを選ぶんだ」 

('A`)「なるほど」 

さっそく売り場で選んでみる。 

('A`)「…隙間はないな。よし、これにしよう」 

俺は2セットの中空ステンレスシャフトを選んだ。 



17 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:22:09.11 ID:w6UZdZC5O
( ´∀`)「それだけで終わりじゃないモナよ?ワークマシンで回してみて、指で触ってブレがないか確かめるモナ」 

(;'A`)「そこまで…」 

(´・ω・`)「あとはガラス板の上を転がしてみたり。ガラスはほぼ完璧な平面だからね」 

('A`)「でもガラス板なんてそんなすぐには…」 

(´・ω・`)「ふふ、あるじゃないか。ハインさん、鏡貸してもらえますか?」 

从 ゚∀从「ん?俺鏡なんか持ってねーぞ」 

ξ゚⊿゚)ξ「女の子なんだから鏡くらい持ち歩きなさいよ。…はい、私の貸してあげる」 


18 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:24:29.79 ID:w6UZdZC5O
(´・ω・`)「ありがとう、ツンさん」 

('A`)「じゃあ早速やってみるよ。……これは少し曲がってる…よし、これは大丈夫かな」 

まっすぐと思われる何本かに目星をつける。 

( ´∀`)「ワークマシンは僕のを使うといいモナ」 

('A`)「ありがとうございます」 

俺はモナーさんのワークマシン(ギヤの慣らしやタイヤの加工などに使うシャーシ)にシャフトをつけ、スイッチを入れる。 

( ´∀`)「指の腹を当ててみるモナ」 

('A`)「はい。…あ、これは滑らかに回ってる。…こっちは微妙に抵抗を感じる」 

こうして俺は2本のシャフトを選び出した。 



19 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:25:03.94 ID:w6UZdZC5O
('A`)「あとはいよいよ貫通だね。どうすればいいの?」 

(´・ω・`)「まずはピンバイスで穴を貫通させるんだ。1.5~1.7くらいの太さがいいかな。六角穴を壊さないようにね」 

('A`)「うん。…これでいいかな?よし、シャフトを…」 

(;´・ω・`)「あ、待つんだ!そのまま刺しちゃいけない」 

('A`)「え?そうなの?」 

(´・ω・`)「うん。ピンバイスだけでまっすぐな穴を開けるのは難しいからね。中空シャフトを刺して金槌で打ち抜くんだ。あ、走行用のシャフトを使っちゃダメだよ」 

('A`)「なるほど」 




20 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:27:44.10 ID:w6UZdZC5O
ホイールの六角穴に合わせて中空シャフトを刺し、垂直に金槌で打ち抜く。シャフトを抜きホイールを反対側から見てみる。見事に六角穴が開いている。 

('A`)「よし、こんな感じか」 

残りの3つも同様に貫通させる。 

('A`)「あとはシャーシにつけるだけだね」 

(´・ω・`)「うん。そうだけど、620を使うときはスペーサーを挟まなきゃいけないんだ。先に言ったように、ホイールの軸と接触すると減速するからね」 

('A`)「スペーサーって何を使えばいいの?」 

(´・ω・`)「絶縁ワッシャーっていって、モーターの中にある部品か、大径アルミベアリングローラーとかのスペーサーだね」 


22 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:28:33.30 ID:w6UZdZC5O
(;'A`)「モーターの中の部品も使うんだ…」 

(´・ω・`)「うん。使えなくなったモーターは分解するといろいろ使えるんだ。まあ、今回はその話は置いとこう。大径アルミベアリングローラー用のスペーサーを使おう」 

('A`)「でもそのスペーサーってそんなに手に入るの?」 

(´・ω・`)「田宮のカスタマーサービスで50個単位で売ってるよ。僕が前に買ったのがあるから分けてあげるよ」 

('A`)「ありがとう」 

ショボンにスペーサーを分けてもらった。 

('A`)「あ、そういえば620買ってなかった。ツンさん、これください」 


23 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:30:29.03 ID:w6UZdZC5O
2個入りの620ベアリングを2セット買う。 

ξ゚⊿゚)ξ「1050円です」 

(;'A`)「え?」 

慌てて値札を見る。確かに1セット525円だ。4個入りで630円の丸穴ベアリングに比べても高い。 

(;'A`)「結構高いんだね」 

ξ゚⊿゚)ξ「あら、買うの止める?」 

(;'A`)「いや、買います」 

少し痛いがしかたない。 

('A`)「脱脂しなきゃ」 

ξ゚⊿゚)ξ「外でやってね」 

('A`)「はい…」 

店の外でベアリングを脱脂する。 

('A`)「これくらいでいいかな?…よし、セットしよう」 

ベアリングをはめ、スペーサー挟んでし、ホイールをセットする。 



24 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:31:07.72 ID:w6UZdZC5O
( ´∀`)「スペーサーとホイール軸の間も紙一枚が挟まるくらい開けておくといいモナ」 

('A`)「あ、はい。…よし、できた!」 

(´・ω・`)「モーターを外して指で回してごらん」 

('A`)「うん。…おお!」 

ホイールは軽く回しただけなのに滑らかに良く回る。 

( ´∀`)「上と横からブレがないかチェックするモナ」 

('A`)「はい」 

チェックしてみる。どちらから見てもブレはないようだ。滑らかに回り続ける。 

( ^ω^)「おっお、きれいに回ってるお」 

(*'A`)「気持ちいいなぁ」 

从 ゚∀从「へっ!速くなったとは限らないぜ!」 


25 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:33:28.43 ID:w6UZdZC5O
(´・ω・`)「ふふ、それだけ滑らかな回転なら速度も上がってるはずさ。走らせてごらん」 

('A`)「うん」 

促されるままにマシンにモーターと電池をセットし、コースを走らせる。 

(*'A`)「おお、速くなってる!」 

マシンは見るからに速くなっていた。まっすぐなシャフトとベアリングの精度は俺が思う以上に重要だったようだ。 

(*'A`)「へへ、どうだ、ハイン?」 

从#゚∀从「ちくしょう、負けてられっか!」 

(*'A`)「コースアウトばっかのマシンじゃねぇ…」 

从#゚∀从「くそっ、俺もセッティングを変えるぞ!なにかいいパーツは…お、こいつは良さそうじゃねーか」 



26 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:34:37.65 ID:w6UZdZC5O
ハインが手に取ったのはスライドワイドローラーステーセットだった。 

ミ,,゚Д゚彡「お、俺昔それと似たの使ってたぜ。違うものなのか?」 

('(゚∀゚∩「僕もこのまえチェックしたけど、素材が変わって強度が上がったみたいだよ!あとレギュレーション上の最大幅にできるって書いてあったよ!…実際は103ミリだけどね!」 

从 ゚∀从「難しいことはわかんねーけどとにかくこいつを使ってみるぜ」 

(´・ω・`)「ハインさんのウルトラダッシュを積んだマシンにはちょうどいいかもしれないね」 

从 ゚∀从「よっしゃー、できたぜ!」 


27 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:36:17.37 ID:w6UZdZC5O
ハインがマシンを走らせる。いつもよりコーナーで減速する分安定するようだ。 

从 ゚∀从「ちょっと遅くなったけど、このくらいなら許してやらぁ」 

ハインはどうやらこのパーツが気にいったようだ。 

ミ,,゚Д゚彡「おっし、俺も走らせんぜ」 

フサギコがマシンを取り出す。それを見てハインが何故か反応した。 

从#゚∀从「なに~?レイスティンガーだぁ?」 

(;'A`)「ど、どうしたんだよ、ハイン」 

从#゚∀从「俺はレイスティンガーが大嫌いなんだよ!昔大会で負けてな…」 

('A`)「どうせコースアウトしたんだろ?」 



28 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:37:10.04 ID:w6UZdZC5O
从#゚∀从「いや、その日はしてない。俺のウルトラダッシュがスピードで負けたんだよ」 

(;'A`)「ウルトラダッシュより速いモーターって…」 

从#゚∀从「しかも持ち主がムカつく野郎でよ…」 

( ´_ゝ`)(´<_` )「「こんにちは」」 

ハインの言葉を遮るように、流石兄弟がやってきた。 

从 ゚∀从「おう、双子だ双子だ!」 

(;'A`)「だから失礼だって!」 

(´<_` )「ん?その子は…」 

( ´_ゝ`)「フヒヒ、もしかしたらドクオの彼女…グフッ!」 

(;'A`)(この流れもういいから!) 

とりあえず兄者さんを介抱し、ハインを紹介した。 



29 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:39:34.55 ID:w6UZdZC5O
('A`)「それにしても[[ミニ四駆]]も本気になるとお金かかるね」 

( ´∀`)「そうモナねえ」 

('A`)「俺はバイトしてないしお金がなくて…」 

(;´・ω・`)「え?」 

(;^ω^)「ドクオは大学生なのにバイトしてないのかお?」 

(;'A`)「え?…うん」 

ξ゚⊿゚)ξ「生活費はどうしてるの?」 

(;'A`)「実家からの仕送り…」 

从 ゚∀从「おまえまだおふくろさんに迷惑かけてるのかよ」 
(;'A`)「そ、そうなるね」 

やっぱり大学生だしバイトくらいしないとダメか。 

( ´_ゝ`)「ドクオくん!俺は君を全面的に支援する!」 

あんまり嬉しくない助け船が。 




30 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:40:14.36 ID:w6UZdZC5O
(*´_ゝ`)「そうだよな!働くのなんて面倒だよな!」 

仲間ができた!とばかりに目を輝かせている。 

(´<_` )「兄者、ドクオくんは学校に行ってる分兄者より全然マシだ。むしろ健全な学生だ。ニートの兄者と一緒にするな」 

( ;_ゝ;)「弟者のバカっ!いじわる!」 

('A`)「俺、バイト探すよ」 

( ;_ゝ;)「ドクオくんまで!」 

兄者さんと一緒が嫌だ、というのだけではなく、たしかにこれ以上カーチャンに負担はかけたくなかった。 

('A`)「みんなはどんなバイトしてるの?」 


32 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:42:08.10 ID:w6UZdZC5O
( ^ω^)「ブーンはハンバーガーショップだお!」 

なるほど。いつも笑顔のブーンにはピッタリだ。俺には向いてなさそうだ。 

(´・ω・`)「僕は昼はレストラン、夜はバーになるお店で働いてるよ」 

('A`)「へえ、そうなんだ」 

そんなお洒落な雰囲気耐えられそうにない。 

(*´・ω・`)「将来自分のお店を持ちたいんだ。ミニ四駆を走らせられるバー!良いと思わないかい?」 

(;'A`)「う、うん」 

たまに感じてたけどショボンも少しずれたところがあるような…。 

从 ゚∀从「俺はガソリンスタンドだ」 

威勢のいいハインには向いているだろう。 


33 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:43:18.62 ID:w6UZdZC5O
ミ,,゚Д゚彡「俺は工場現場だぜ」 

うん、フサギコはいかにもな感じだ。 

ミ,,゚Д゚彡「なんならドクオのこと紹介してやるよ!」 

(;'A`)「い、いや、いいよ」 

ミ,,^Д^彡「ギコハハハハ!遠慮すんなって!」 

ありがたいが俺の体力じゃもちそうにない。 

('A`)「…そういえば社会人の皆さんはなんの仕事を?」 

('(゚∀゚∩「僕はトリマーだよ!」 

( ´∀`)「普通の会社の営業モナ」 

\(^o^)/「プログラマーです」 

(´<_` )「しがないサラリーマンさ」 

なるほど、みんなそれぞれ納得できる。 


34 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:45:20.40 ID:w6UZdZC5O
('A`)「…なんのバイトにするかなぁ」 

話し込んでいる間に結構な時間が経っていたようだ。家に帰ってから決めることにした。 

('A`)「とりあえず今日は家に帰るよ」 

( ^ω^)「お?もうこんな時間かお。ブーンも帰るお」 

他のみんなも帰るようだ。 

ミ,,゚Д゚彡「あ、俺今日まだマシン走らせてないぜ。…みんな帰っちゃうの?俺のマシンの華麗な走り見ていかないの?」 

ξ゚⊿゚)ξ「…ねえ」 

ミ,,゚Д゚彡「あ、ツンちゃん!」 

ξ゚⊿゚)ξ「店閉めるから早く出てくれない?」 

ミ,,゚Д゚彡「…ハイ」 



35 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:46:05.00 ID:w6UZdZC5O
翌日………。 
('A`)「バイトどうしようかな…」 

俺は求人誌を前に悩んでいた。接客業は無理だし、ガテン系も体力的に厳しいし…。 

('A`)「…ん、ここは…」 

俺の目に止まったのはビデオのレンタルショップの店員募集だった。 

('A`)「深夜のバイト募集か…。時給1050円…悪くないな。深夜なら客少ないだろうし。…よし、ここに電話してみよう!」 

プルルルル……。 

(;'A`)「もしもし、ドクオです。あ、すいません、あの、求人誌のバイト募集を見て…」 

バイト希望の電話をかけるのなんて初めてだったので緊張してあたふたしてしまったがなんとか伝えることができた。 




36 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:48:19.47 ID:w6UZdZC5O
('A`)「今日の15時から面接か…」 

14時45分………。 

(;'A`)「緊張するなぁ…」 

俺は少し早く面接を受ける店の前に来ていた。 

(;'A`)「ちょっと早いけどもう行ってもいいのかな?…あ、すいません!」 

迷っていると、同じく店の前をウロウロしている人にぶつかってしまった。 

(;´_ゝ`)「す、すみませ…」 

(;´_ゝ`)('A`;)「「!?」」 

(;'A`)「兄者さんどうしてここに?」 

( ;_ゝ;)「俺は昨日家族からせめてバイトでいいから働けって…バイトが決まるまで家に入れないって言われて…それでここのお店で15時30分から面接なんだ」 


37 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:48:46.28 ID:w6UZdZC5O
(;'A`)「お、俺もです。俺は15時からですけど。兄者さん来るの早すぎじゃ…」 

(;´_ゝ`)「緊張しちゃって…。それにしてもなんと奇遇な」 

(;'A`)「そうですね。どうしてここを?」 

(;´_ゝ`)「接客無理だし、ガテン系無理だし。深夜なら客少なそうだし、時給もいいから」 

(;'A`)(兄者さんと同じ考え…なんか嫌だ) 

(;'A`)「あ、じゃあ俺は時間なんで面接いってきます」 

(;´_ゝ`)「頑張って!」 

(;'A`)「し、失礼ます!お電話しました鬱田ドクオです」 

「あ、バイト希望の子ね。こっちへどうぞ」 

(;'A`)「は、はい!失礼します」 


38 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:50:17.29 ID:w6UZdZC5O
「ふ~ん。VIP大学の学生さんね」 

(;'A`)「は、はい!」 

「週3日入れる?」 

(;'A`)「は、はい!大丈夫です!」 

「じゃあ明日から来てくれる?22時からね。詳しいことは明日話すから。それじゃよろしく」 

(;'A`)「え、あ、はい。よろしくお願いします。失礼します」 

予想外にあっさり決まってしまった。これでいいんだろうか? 

(*'A`)「…まぁ、いっか。決まったんだし」 

とりあえず初バイト先が決まった。これで少しはカーチャンの負担を減らせるだろうか? 
('A`)「あ、兄者さん。俺は受かりましたよ。明日からだそうです」 

店の前で震えている兄者さんに声をかける。 

(;´_ゝ`)「え?ほ、本当?」 

('A`)「はい、意外と楽勝でしたよ。兄者さんも頑張ってください」 

(*´_ゝ`)「そっか!いってくるよ!」 



39 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:52:35.37 ID:w6UZdZC5O
「特技は<空気の刃>とありますが?」 

( ´_ゝ`)「はい。<空気の刃>です」 

「<空気の刃>とは何のことですか?」 

( ´_ゝ`)「[[ビークスパイダー]]から発するなんでも切り裂く刃です」 

「え、ビークスパイダー?」 

( ´_ゝ`)「はい。ビークスパイダーです。大神研究所で開発されたマシンです」 

「…で、その<空気の刃>は当店において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」 

( ´_ゝ`)「はい。どんなミニ四駆が来ても切り裂けます」 

「いや、当店にはミニ四レーサーは来店されません。それに人のマシンに危害を加えるのは犯罪ですよね」 



40 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:53:13.98 ID:w6UZdZC5O
( ´_ゝ`)「でも、鷹羽リョウにも勝てますよ」 

「いや、勝つとかそういう問題じゃなくてですね…」 

( ´_ゝ`)「トライダガーXをいたぶりながら切り裂けるんですよ」 

「ふざけないでください。それにトライダガーXって何ですか。だいたい…」 

( ´_ゝ`)「トライダガーXです。土屋博士の開発したマシンです。土屋博士というのは…」 

「聞いてません。帰って下さい」 

( ´_ゝ`)「あれあれ?怒らせていいんですか?使いますよ。<空気の刃>」 

「いいですよ。使って下さい。<空気の刃>とやらを。それで満足したなら帰ってください」 

( ´_ゝ`)「運が良かったな。今日のマシンはビークスパイダーゼブラだ」 

「帰れよ」 

43 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 19:53:47.20 ID:w6UZdZC5O
( ;_ゝ;)「ドクオくんの嘘つき!」 

後日兄者さんには刺身にタンポポを乗せる仕事が見つかったそうだ。 

第13話 完 

.
.
.
-----------------------------
* 注意 *
>15-18のシャフト選別について

74 : ◆ItodYKFaCM :2008/10/05(日) 20:58:51.07 ID:w6UZdZC5O
ξ゚⊿゚)ξ「お店の側からしたら店頭で選別されるのはあんまり良い気分じゃないわね」 

(;^ω^)「お…たしかにそうだお」 

(´・ω・`)「うん、お店に迷惑かけちゃいけないね。特に個人でやってるお店なんか最近大変だろうし」 

( ´∀`)「あまり迷惑かけないようにほどほどにモナ」 
('A`)「マナーを守ってみんなで楽しくミニ四駆!」 

ξ゚⊿゚)ξ( ^ω^)(´・ω・`)( ´∀`)('A`)「約束だよ!」




----