[[第一期]] 目次 #contents **Aパート 223 名前:プラリンたん第一話[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 22:35:06 ID:cG6fdUZr0 宇宙の果てからこんにちは ~魔法少女プラリン登場~ Aパート 学校が終わって家への帰り道、後ろから突然叫び声が聞こえてきた。 ?「これがワイのワイルドワイバーンや!!」 ダダダダダダダッ ?「いやぁ~!誰かぁ~!」 コロタ「なんだろう、騒がしいなあ。」 声のする方へ振り返ってみる。 コロタ「な、なに?アレ?」 関西弁の男によって次々と打ち出されるビー球からトランクを抱えて逃げ惑う少女が、 いや、痛い服装の女性が目に飛び込んできた。 あれは一体何なんだ。どうしてあの人は追いかけられているんだ。 とりあえずかかわらない方がよさそうだ。うん、見なかったことにしよう。 ということで目線を前にもどしまた歩き始める。 女「ちょっとぉ~!そこの君~!」 僕のことだろうか。だとしたらまずい。確か後ろには誰もいなかったはずだ。 こういう時は当然逃げるのが一番いいはずだ。 むしろ振り返って実は呼びかけられてるのが僕じゃなかったりしたら赤っ恥だ。 僕は小走りした。 女「あっー!待ってよぉ~!」 やめろやめろ来るな来るな僕は関係ない僕は関係ない いつのまにか全力疾走で逃げていた。 ガッ! ?!まずいッ!肩を掴まれたッ! 224 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 22:36:03 ID:cG6fdUZr0 あれだけ距離があったのになんて速さだなんだろう。 女「もう!さっきから待ってって言ってるでしょ!」 走りながら女性が話しかけてくる。 コロタ「誰ですかアンタ、というか、そんなに速く走れるなら、僕を巻き込まないで、下さいよッ!」 女「え?速い?あ、そっか!すっかり忘れてた!」 コロタ「忘れてた、って何を?」 女「しっかりつかまっててよぉ~」 コロタ「ぐお?!」 そういうと女性は抱えていたトランクを空中に放り投げ、 その瞬間トランクはバズーカ砲のようなものへと変形した。 バズーカ砲のようなものをキャッチすると同時に空いた手で僕の体を抱え込む。 女「でないと、死んじゃうよ?」 女性はそのバズーカ砲のようなものを構えた。 コロタ「へ?」 女性「プラリン・ブラスター!」 次の瞬間、とてつもないスピードで移動しているのだろう。風景が流れてゆく。 強烈なGが体を襲う。 僕を抱えている女性の腕が僕の体に締め付けられる。 吐き気を感じる余裕もない。 ああ、ぼくがいったいなにをしたっていうんだ。 **Bパート 228 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ[sage] 投稿日:2007/04/25(水) 23:26:40 ID:6ToYLGza0 宇宙の果てからこんにちは ~魔法少女プラリン登場~ Bパート ガソマ「な、なんや、今のは・・・」 人が、街が、小さい。 ここはどこだろう。 この開放感はなんだろう。 これは・・・。 コロタ「うあああああああああああああッ?!」 女「きゃっ、こらあ!じっとしてないと落ちるってば!」 コロタ「いやだって浮いてる浮いてくぁwせdrftgyふじこlp;@:「 やばいやばい落ちる落ちる助けて助けて死にたくない死にたくないうああああああ」 女「はいはい落ち着いて、深呼吸深呼吸。」 コロタ「うぇっ!?あぁ、え、お・・・。 スー、ハー。スー、ハー。」 なんだッ?!一体何が起こったんだッ! この人がいきなり何か撃ったと思ったら突然後ろに引っ張られて・・・ 女「どう?落ち着いた?」 コロタ「へ?え、あ、ああ、うん。」 確かに言われてみれば自分でも驚くほど落ち着いている。 背中に感じる女性の柔らかな感触のせいだろうか。 そう考えると少し恥ずかしくなってくる。 229 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ[sage] 投稿日:2007/04/25(水) 23:27:30 ID:6ToYLGza0 女「ありがと、君のおかげでこれのことに気がつけたよ。さっきはパニくってすっかり忘れちゃってた。だいぶ起動してなかったしね。」 そう言って僕にバズーカのようなものを見せる。 コロタ「これは・・・?」 女「これはプラリンプラスター。元々はトランク型をしてるんだけど、今は大砲形態のバスターモード。」 コロタ「は、はあ。」 女「で、今はその発射の反動を利用して飛んだってこと。」 コロタ「な、なるほど。」 いや、なにがなるほどなんだ。 こんなことってないだろう。 夢?じゃないよなあ。 女「じゃ、そろそろ降りようか。」 コロタ「え?」 230 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ[sage] 投稿日:2007/04/25(水) 23:28:02 ID:6ToYLGza0 まさか・・・。 コロタ「うあああああああああああああッ?!」 予想どおりの急降下。腹がよじれる。 コロタ「ぐほっ」 そして地面スレスレの急停止。 コロタ「・・・。」 女「あれ?どうしたの?具合でも悪い?大丈夫?」 コロタ「な、なんとか。」 コロタ「っていうか殺す気かッ!」 女「大丈夫だよ、これくらい。」 ケロっとした笑顔でそう答える。 あ、この人、かなりキレイだ。 コロタ「ね、ねーよ! 全くもう。」 女「そうだ、忘れてた。私プラリンって言うの。よろしくね。」 コロタ「え、あ、僕はコロタ。って、一体アンタは何者なんだよ?」 プラリン「私は妖精。というより、魔法少女ってところかな。」 231 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ[sage] 投稿日:2007/04/25(水) 23:28:35 ID:6ToYLGza0 コロタ「妖精・・・、魔法、少女・・・?」 プラリン「私みたいなのがたくさんいる、他の宇宙にあるとある機関から、とある任務のためにここに派遣されてきたの。」 コロタ「とある、機関?とある、任務? 一体どんな・・・?」 プラリン「ごめんなさい。それは今は話せないの。Need to Knowってよく言うでしょ?必要になったらいずれ話すわ。」 普通ならこんな電波話は信じられないのだが、あんな体験をした後だ。 常識というのは案外簡単に崩れてしまうものなんだな。 コロタ「じゃあせめて僕にそれだけの素性を明かす理由を教えてよ。」 プラリン「それは・・・。」 僕にこんな話をする必要、それが何か知りたい。 コロタ「それは・・・?」 プラリン「家がないからよ。だって突然機関に呼び出し食らったと思ったら「つべこべ言わずに今すぐ荷物まとめてこの座標飛んでけ」だよ? こんな無茶苦茶離れた空間に知り合いなんているわけないし、服装も向こうと全然違うし。周りの人たちの目線が明らかに痛いんだよね。 変質者に何度もおっかけられるし、正直こんな思いするなんて思わなかったわ。えーえー、どうせ現実なんてこんなもんよね。」 コロタ「あの、もしもし?」 プラリン「ふぇ?あ、い、今のは忘れて! で、おねがいっ!今晩だけでいいから泊めてくださいっ!」 目をつぶり、手を合わせて必死に頭を下げる彼女のその姿が、とても可愛らしく見えた。 しかしまったくとんだ地雷を踏んだものだ。 でも、確かに、僕の心の奥底で、何かがきらめいていた。 **Cパート 237 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ[sage] 投稿日:2007/04/28(土) 00:14:25 ID:OYwnvAMz0 宇宙の果てからこんにちは ~魔法少女プラリン登場~ Cパート プラリン「・・・。」 コロタ「・・・。」 プラリン「・・・、だめ?」 当然だ。といいたいところなのだが、そんな目で見られると断りにくいものがある。 ここで泊めればまず間違いなく面倒に巻き込まれる。 断れ。断ってしまえ。一言「むりぽ」と言えばそれでいいんだ。 それで・・・ 238 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ[sage] 投稿日:2007/04/28(土) 00:15:13 ID:OYwnvAMz0 プラリン「へぇ~、ここがコロタの部屋かあ。」 コロタ「・・・。」 俺のバカ。ヘタレ。 プラリン「って、あのスピリッツの山は何なの?」 コロタ「あれは僕のこだわり。」 プラリン「あっ、あれは・・・、[[ミニ四駆]]、だよね。」 コロタ「ああ、小さい頃からずっと車とか機械とかが好きでさ。 たまにVJCって言うネットのミニ四駆好きの奴等と集まってレースしてりするんだ。 前回はVJC旭川。次回は確か、来週のVJC札幌だったっけな。」 プラリン「?!」 コロタ「うお、ど、どうしたの?」 プラリン「ぜ、全然なんでもないよっ?!」 コロタ「う、うん。分かった。」 プラリン「そ、あの、それよりも、私もその・・・、札幌に連れてってもらえたりしない・・・かな?」 コロタ「え?あ?いいんじゃない? って、あれ?ええ?札幌に一緒に?!」 一体何を言い出すんだ?! プラリン「う、うん。」 コロタ「いや何しに行くんだよ」 なんだ?こいつもミニ四レーサーなのか? プラリン「な、何だか面白そうだなぁ、って。 やっぱ、だめ?」 コロタ「い、いや別にだめってことはないよ。だめってことは。」 まあ、原則面白おかしければ来る者は拒まないのがVJCだ。 こんなコスプレ女は逆に盛大な歓迎を受けるだろう。 プラリン「じゃ、じゃあ・・・、それまで、その・・・。 泊めててくれない?」 コロタ「え、ええええええええええ?!」 この、広大な世界の、宇宙の中の小さな地球の小さな国の、二人だけの我が家に俺の叫び声がこだまする。 このときの僕にこれから起こる熱いレースと奇妙な運命の数々など知る由もなかったのだった。 つづく **次回予告 241 名前:ぼくらはトイ名無しキッズ[sage] 投稿日:2007/04/28(土) 00:31:00 ID:OYwnvAMz0 プラリンたん豆知識 コロタ「7日間も僕の部屋に隠れてるなんてムリだよっ! うちには母さんも父さんもいるんだぞっ!」 プラリン「それは大丈夫。 私達妖精は色々な能力を持ってて、体を小さくしたり人間の目に見えないようにしたりできるんだ。 魔法も使えるから空も飛べたりするのが普通なんだけど、飛行はあんまり得意じゃないの。 でもホバリングぐらいなら何とかできるから、プラリンバスターを地面に向かって撃って高さを稼いだってワケ。」 コロタ「じゃあなんであのとき急降下しだんだよっ!」 プラリン「あ、あれは・・・。普段人を抱えて降りることなんてなかったから、つい・・・。」 コロタ「な、なんだってー!死ぬほど怖かったんだぞ!!!1111」 プラリン「あ、ほ、ほら、それじゃ、次回予告!」 次回予告 超低抵抗 魔法少女プラリンたん 第2話 VJC北海道 ~波乱の決勝戦!!~ 突如VJCについていくと言い出したプラリン。 彼女の真の目的は一体何なのか?! ----