15 名前: ペテン師(埼玉県)[] 投稿日:2007/04/14(土) 02:14:54.42 ID:imwmOfct0 烈「ブームも過ぎて[[ミニ四駆]]で暮らしてくのは無理だな・・・これからどうしよう」 僕の名前は烈。一昔前は世界的にも有名だったレーサーだ・・・ミニ四駆のだけど。 ミニ四駆ってのはタ○ヤが開発した超驚異的なホビーのこと、すごく面白いんだ。 でも、時の流れは非情なもので・・・今じゃ見る影もないほど廃れてしまった。 個人的にもう一回ブームを起こそうと頑張ってはいるんだけど・・・ ?「こんなとこにいたんでげすか烈くん」 烈「三国・・・」 彼は三國籐吉。三国コンツェルンの御曹司・・・いや若き社長だ。 三国「ミニ四駆にかける情熱はわかるでげす。でもそろそろ現実を見たほうが・・・」 烈「・・・・・・・・・」 三国「豪くんは既に就職してるんでげすよ。烈くんは頭がいいでげすから今からでも遅くは」 烈「考えとくよ・・・だからほっといてくれ!」 三国「烈くん!?」 僕は走った。逃げ出したかったのだ・・・現実から・・・ 三国の言ってることは正論だ。一緒に頑張ろうと言っていた豪も就職している。 間違っているのは僕のほうなのだ。でも・・・僕はミニ四駆が大好きなんだ。 その気持ちに嘘はつけないんだ・・・ 25 名前: ペテン師(埼玉県)[] 投稿日:2007/04/14(土) 07:54:39.43 ID:imwmOfct0 烈「ここをこうして、あとモーターは・・・やっぱりトルクだよね」 ミニ四駆をいじっているのはやはり楽しい。それは今も昔も変わらない。 違うのは・・・横に豪がいない事ぐらいで。 今、豪は会社にいっている。苦労してるみたいだが、一生懸命頑張っている。 ・・・豪とはここ最近会話してないんだけどね。 烈「よし、完成。さっそく走らせに行くか」 町のおもちゃ屋にはもうコースはない。だから山の中に自分で作った。走らせるのが今から楽しみだ。 行く途中、女の子とベンツで走る豪を見かけた。あいつはいつも女の子と一緒にいるな。 僕は・・・もう、一人で走るのもずいぶん慣れてきた・・・ 48 名前: ペテン師(埼玉県)[] 投稿日:2007/04/14(土) 08:48:45.77 ID:imwmOfct0 作りたてのマシンを走らせる興奮はたまらない。みんなその興奮を知っているはずなのに・・・ いや、考えてもしょうがない。今は・・・ん? 烈「そこにいるのは・・・次郎丸くん?」 次郎丸「ひ・・・久しぶり」 この若干引き気味の彼、次郎丸くんは僕と共に世界で戦った鷹羽リョウの弟だ。 昔はよく豪とケンカしてたっけな・・・ 次郎丸「何やってるんだす・・・?」 烈「ミニ四駆だよ。一緒にやろうよ!」 次郎丸「・・・今からバイトだから遠慮しとくだす」 烈「そっか、いってらっしゃい」 やっぱりもうダメなのかなミニ四駆・・・ 会話してわかったことは・・・寂しさに慣れはなく、一人は寂しいという現実だった。 とりあえず町にいこう。学校が終わった時間だし、子供たちならこの面白さがわかるはずだ。 75 名前: ペテン師(埼玉県)[] 投稿日:2007/04/14(土) 09:25:26.90 ID:imwmOfct0 佐上模型店にやってきたんだけど・・・雰囲気が・・・ 「やっぱ海洋堂は違うなぁ」 「長門?戦艦の事ですよね?」 「バーローwwwwwwwwwww」 なんか昔と客層が違う気が。 店長「あぁ烈くんか、いらっしゃい」 烈「こんにちわ、子供たちはいないんですか?」 店長「うん。最近はDSとか人気みたいでね・・・まぁ代わりのお得意様がいるけどね。」 烈「え~、でもいい大人が真昼間から何やってるんだよって感じじゃないですかwwwwww」 店長「・・・人の事言えなくない?」 烈「えっ?」 店長「ミニ四駆を趣味として続ける分には構わないと思うけど・・・仕事をそたほうが・・・」 烈「なんだよ店長まで!!自分は毎日おもちゃに囲まれてるくせにっ!!!!」 店長「いや、これ仕事だし」 烈「言い訳なんか聞きたくないです・・・さよなら!」 やっぱり大人はダメだ。何もわかっちゃいない。子供だ・・・子供ならわかってくれるハズだ。 89 名前: ペテン師(埼玉県)[] 投稿日:2007/04/14(土) 09:47:26.54 ID:imwmOfct0 子供かぁ、どこにいるんだろ?勢いよく飛び出したもののあてがない。 おっ!ちょうどいいところに・・・見回り中の公務員を発見!! 烈「すいませーん」 警官「どうしました?」 烈「ちょっと探しているものが・・・」 警「落し物ですか?」 烈「いえ、人なんです。子供を探してるんです。」 警「家出かなにかですか」 烈「僕の子供じゃないですよw どこかたくさん子供がいる所を教えてください。」 警「え・・・子供を見つけて何をなさるつもりで?」 烈「楽しい遊びを教えてあげようと思いまして。」 なぜか署まで連れてかれました。 103 名前: ペテン師(埼玉県)[] 投稿日:2007/04/14(土) 10:11:06.36 ID:imwmOfct0 一時間後・・・豪が署にまで迎えに来てくれた。必死に頭を下げる豪を見ているのは心が痛い。 「兄貴はそんなことするような人間じゃないんです。」そう警官に言ってくれた豪の姿は誇らしかった。 豪「つか兄貴もっと言葉選んでしゃべろよなwww」 烈「ありがとう・・・助かったよ。」 ようやく解放された僕たちは久しぶりの会話をした。なんだかんだで僕のために来てくれた豪。 自分に非はないのに必死に謝ってくれて・・・僕なにやってるんだろ・・・ 烈「決めたよ豪。僕も仕事・・・」 豪「悪りぃ兄貴電話きたww・・・もしもし、ってジュンかよwwwwwなんか用か? ん?ちょっと待てよ、後にしろよそういうの・・・一回だけだからな・・・愛してる。」 烈「・・・・・・・・・」 豪「じゃまた後で。・・・で兄貴仕事がなんだって?」 烈「死ね、氏ねじゃなくて死ね」 豪「兄貴・・・?」 現実なんか大嫌いだっ!! 128 名前: ペテン師(埼玉県)[] 投稿日:2007/04/14(土) 10:53:19.18 ID:imwmOfct0 いや、別に母さんに言いつけられるのが怖いんじゃなくてね。ちょっと言い過ぎたかなって・・・ それに豪はチクる様なタイプじゃないしそういうのは全く関係ないんだよガチで。 ・・・でも僕も大人だしね、謝ろうかなって。 コンコン(ノックだよ) 烈「豪ちょっといい?」 豪「・・・・・・・・・」 いないのか?いや電話中みたいだな・・・また、さっきみたいなやりとりなのかな・・・ 興味あるな・・・ 豪「そしたら電話きてさ兄貴が捕まったとか言ってやんのwww」 豪「そんで俺が迎えに行ったわけよ。」 豪「とりあえず謝りまくったよwww」 豪「せっかく会社での実績も信頼も手に入れてきたのにさwww」 豪「それなのにこんなことでダメになるとかマジありえないしwwwwww」 烈「・・・・・・・・・」 烈「いけっ![[ブリッツァーソニック]]!!エターナルフォースブリザード!!!」 豪「ちょwww技名wwwwwwwww」 謝るというより人生的に何かを誤ったかんじだが・・・ まぁしょうがないよねwwwミニ四レーサーの明るい未来のためにはしょうがないよねwwwww 198 名前: ペテン師(埼玉県)[] 投稿日:2007/04/14(土) 12:54:11.04 ID:imwmOfct0 いい朝だな。今日は久しぶりに土屋博士に会いに行ってみようかな? ミニ四駆の未来の為に一緒に考えてくれるはずだよねw 烈「土屋博士~遊びに来ましたよ!」 J「久しぶり烈くん。博士なら今はいないよ。」 烈「嘘っいないの?なんで??」 J「なんでって・・・仕事だからとしか」 烈「ここでも『仕事』かよ・・・みんなして僕へのあてつけか!?」 J「?」 烈「僕は純粋にミニ四駆が好きなだけなのに・・・」 J「よくわかんないけど・・・大変だったんだね」 烈「ありがとう・・・実はね・・・」 一時間後 烈「と、言うわけで土屋博士に協力してもらおうと来たわけなんだ」 J(タ○ヤはもうミニ四駆に見切りをつけて続々と他のを売っている事を知らないのかな・・・) (でも・・・この真っ直ぐな気持ちは今のタミ○に大事なのかも・・・) 烈「でも博士いないのかー・・・」 J「キミは―」 烈「ところでお姉さん元気?今アメリカだっけ?」 J「え・・・あ、うん。」 烈「そのさ・・・今度紹介してくれない?」 J「・・・・・・烈くん?」 烈「別に下心はないよ。純粋な好奇心だね。ちょっと会って喋るだけでいいからさ、頼むよ」 J「・・・ごめん、今日は調子悪いから帰ってくれる?」 烈「調子悪いのか?大丈夫?」 J「大丈夫だから・・・それじゃ!」 追い出されてしまった。なぜだろうか・・・なにか悪いこと言ったかな? アメリカでのミニ四駆事情が知りたかったんだけど・・・またにしよう。 234 名前: ペテン師(埼玉県)[] 投稿日:2007/04/14(土) 14:17:07.33 ID:imwmOfct0 どうしたら皆にミニ四駆の楽しさをわかってくれるんだろう? DSとかよりも面白いのにな。何人でも遊べて、知らない人と戦ったり友達になったり・・・ 負けて悔しさを知って努力して勝つ喜びを知って・・・情操教育にもいいと思うのに。 烈「どうしたもんかな・・・」 チイ子「烈・・・さま?」 烈「チイ子ちゃん!?」 この娘は三国チイ子ちゃん。僕の事が好き・・・だった女性だ。 ニュースで聞いたところによると今度結婚するらしい。 僕の好き・・・だった女性でもある。 烈「・・・・・・・・・」 チ「・・・・・・・・・」 烈(気まずい・・・) チ「烈さまは今なにを?」 烈「・・・フリーターだよ」 チ「まぁ、やりたい事を探してらっしゃるんですわね!でも烈さまならどんな事でも成功しますわ~!!」 この会話には嘘が三つある。一つ目は僕はフリーターなんかじゃない。見栄をはってしまった。 二つ目、僕は何をやってもどころか一つの事すら成功できてない負け犬なわけで。 最後の嘘は・・・チイ子ちゃんは真実を知っていて・・・嘘だとわかっているハズだということ・・・ ----