217 :ドクオ二次創作3話 1:2014/01/26(日) 17:46:40 ID:??? ※語り部がちょくちょく変わるので混乱するかも ミ,,゚Д゚彡「さて、行くか」 そう呟いて愛用のカバンに[[ミニ四駆]]を入れる。 つい最近、オレは懐かしいこのレーシングホビーに復帰していた。 そしてその切っ掛けとなった模型店にこれから行く。 そこには俺みたいなミニ四駆をやっている連中も集まる。 みんな地味な奴らだが、気のいい奴らだ。 ビービー と、呼び鈴が鳴った。 ミ,,゚Д゚彡「こんな時間にめずらしいな、誰だゴルァ?」 不思議に思いながらドアののぞき穴を見ると・・・。 ―――――――――――― 218 :ドクオ二次創作3話 2:2014/01/26(日) 18:59:24 ID:??? ('A`)「うん、安定してきたかな」 俺は今日も荒巻模型店に来ていた。 エンペラーのセッティングを詰めるためだ。 俺はいったんマシンをコースから取り上げ、変わってブーンとショボンが走らせ始めた。 ( ^ω^)「おっお、やっぱりメンテナンス後はマシンが元気だお」 (´・ω・`)「ブーンもだいぶ速くなったねー」 するとそこに、派手な金髪を揺らしてフサが入店してきた。 ミ,,゚Д゚彡「おい~す」 しかしなんだか、今日はいつもの勢いがない。 219 :ドクオ二次創作3話 3:2014/01/26(日) 19:02:03 ID:??? ('A`)「どうしたの? 元気ないね」 ( ^ω^)「珍しいこともあるおね」 ミ,,゚Д゚彡「いや、ちょっとな」 ド・ブ「「?」」 ??「おー、ここがお前の行きつけの店か!」 ド・ブ・ショ「・・・・・・」 フサに続いて入ってきたのは、フサにそっくりの男性だった。 しかしフサのような派手さはなく、スポーツ刈りで快活な雰囲気を持った好青年といった感じだ。 220 :ドクオ二次創作3話 4:2014/01/26(日) 19:20:33 ID:??? ξ゚⊿゚)ξ「いらっしゃいませー」 (,,゚Д゚)「おや、かわいらしい御嬢さんだ。看板娘だね」 ξ///⊿///)ξ「か、かわいらしいなんて・・・ゆ、ゆっくりしていきなさいよね!」 (,,゚Д゚)「で、こちらがお前の友達か?」 ミ,,゚Д゚彡「ミニ四駆仲間だゴルァ」 (,,゚Д゚)「そうか。いつもフサがお世話になってます、フサの兄のギコ・ハニャーンです。ギコと呼んでください」 221 :ドクオ二次創作3話 5:2014/01/26(日) 20:26:35 ID:??? ('A`)「あ、初めまして、ドクオです」 ( ^ω^)「ブーンですお」 (´・ω・`)「ショボンです」 以前フサが、流石兄弟を見て双子だ双子だとはしゃいでいたが、自分たちギコ兄弟も負けず劣らずのソックリ具合だった。 ('A`)「(どうして急にお兄さん連れてきたの?)ヒソヒソ」 ミ,,゚Д゚彡「(それがよ、今朝・・・・・・)ヒソヒソ」 222 :ドクオ二次創作3話 6:2014/01/26(日) 22:50:22 ID:??? ―――――――――――― 玄関ののぞき穴を見てみると、そこには思いもよらないヤツがいた。 (,,゚Д゚)「いよぅ、近くに用があったから遊びに来てやったぞーゴルァ」 兄貴だ・・・。 ミ,,゚Д゚彡「何しに来たんだよ!」 (,,゚Д゚)「出張でこの近くに来たんでな。 せっかく近くに来たんだし、今日は休日で時間も出来たんでな、顔を見ておこうかと思ったんだよ。 ん?何だそれ?」 視線を落としてみると、ミニ四駆がカバンからはみ出していやがる。 223 :ドクオ二次創作3話 7:2014/01/26(日) 22:54:35 ID:??? (,,゚Д゚)「ミニ四駆か、懐かしいな。なんだフサ、大学生なのにミニ四駆やってるのか? お前もう大人なんだから、そんなオモチャで遊んでないで大学出た後の事とかをだな」 ミ#゚Д゚彡「余計なお世話だゴルァ! それにミニ四駆はオモチャじゃないぞ!」 (,,゚Д゚)「ほー、そうかそうか、そんなに言うなら見せてもらおうか」 ミ,,゚Д゚彡「もう昔の俺だと思うなよ! 俺の速さに腰抜かすんじゃねぇぞ!!」 ―――――――――――― 224 :ドクオ二次創作3話 8:2014/01/26(日) 23:31:43 ID:??? ミ,,゚Д゚彡「と、言うわけだ」 ('A`)「なるほど」 確かに、そんな言われ方をされればカチンとくるだろう。ココに連れて来たのもうなづける。 (,,゚Д゚)「フサ、そろそろお前のマシンを走らせてみろよ。俺にオモチャじゃないって証明するんだろ?」 ミ,,゚Д゚彡「言われなくてもそうする所だ!」 フサはさっそく電池をセットし、マシンをコースに躍らせた。 225 :ドクオ二次創作3話 9:2014/01/26(日) 23:33:24 ID:??? ミ,,^Д^彡「ギコハハハ、どうだ速いだろう?」 フサのマシンはまだオレ達ほどの速度には達していないものの、ショボンやモナーさんに教わって 少しづつではあるが成長しているのも確かだ。 (,,゚Д゚)「確かに昔に比べて上達したようだな。でも、所詮はオモチャだろう?」 ミ#゚Д゚彡「まだ言うのかクソ兄貴!」 ( ´∀`)「まぁまぁ」 フサは今にもギコさんに掴み掛りそうな勢いだったが、 そこにいつの間にか来ていたモナーさんが割って入った。 226 :ドクオ二次創作3話 10:2014/01/26(日) 23:36:07 ID:??? ( ´∀`)「話は聞かせてもらったモナ。どうかな、お兄さんも試しに一台作ってみては」 ミ,,゚Д゚彡「そうだぜ兄貴、バカにするならまず俺を負かしてからにしろよ!」 (,,゚Д゚)「そうですね、よく知りもしないのに否定するのもよくないな。 よしフサ、こんなものチョイと組み立ててお前に勝って、オモチャだって証明してよるよ!」 ギコさんが選んだのは[[ビークスパイダー]]だ。 S1シャーシなので、基本スペックならフサのレイスティンガーと同等だろう。 しかし・・・ 227 :ドクオ二次創作3話 11:2014/01/26(日) 23:40:27 ID:??? ギコさんが選んだパーツはスライドダンパーや大径アルミベアリングローラー、 ワンウェイホイールなど2次ブーム時に流行ったパーツのテンプレートだ。 しかし、そのパーツたちは実は強度不足だったり、扱うにはそれなりの腕と経験が必要だったりと、 何かと難しいパーツ類だ。 それに、4:1ギヤにトルクチューンと、トルク重視のようだが足回りが小径ならば アトミックに超速の方が相性がいいだろう。 ミ,,゚Д゚彡「(兄貴はオレよりミニ四駆をやめたのが早かったからな)ヒソヒソ」 ('A`)「(そうなの?)ヒソヒソ」 ミ,,゚Д゚彡「(ああ、だから知識がだいぶ古いはずだ)ヒソヒソ」 228 :ドクオ二次創作3話 12:2014/01/27(月) 17:26:23 ID:??? ~~~~~~~~~~~~ ミ,,゚Д゚彡「え、兄ちゃんミニ四駆やめちゃったの?」 (,,゚Д゚)「ああ、もう兄ちゃん中学生だからな」 兄貴が小学校卒業をひかえた年度末のことだった。 当時、まだブームまっただ中で中学に上がってもミニ四駆を続けるヤツも多かったので、 兄貴も当然ながら続けるものだと思っていた。 229 :ドクオ二次創作3話 13:2014/01/27(月) 17:27:40 ID:??? ミ,,゚Д゚彡「せっかく兄ちゃんに勝とうと思ってセッティングしたのに・・・」 (,,゚Д゚)「ごめんな、でも中学に上がったら勉強しなきゃならないんだ」 俺は兄貴にまだ一度も勝ったことがなかった。 兄貴は速くて、オレのライバルでありそして追い越すための目標でもあった。 マシンはビークスパイダー。速くてかっこよくて、その姿にあこがれてオレは同じ大神軍団のレイスティンガーを愛用していた。 そんな兄貴が勝手にやめていく。 それがなんだか勝ち逃げされたみたいで悔しくて、さみしくて、なんだか裏切られたみたいな気持になって悲しかったんだ。 それからだろうか、オレが少しづつ今みたいにヒネくれて行ったのは。 ~~~~~~~~~~~~ 230 :ドクオ二次創作3話 14:2014/01/27(月) 17:29:28 ID:??? (,,゚Д゚)「よし、出来た」 以前フサは、見かけによらず丁寧にマシンを組み立てていたが、ギコさんも同じように丁寧だった。 やはり兄弟だな、と思う。 慣らしとグリスアップを終え、いよいよフサとの勝負となった。 ミ,,゚Д゚彡「今の兄貴なんか、ブッちぎってやるぜ!」 (,,^Д^)「ギコハハハ、やれるもんならやってみろ、昔みたいに勝たせてもらうぞ」 ミ,,゚Д゚彡「いってろ! でかい口叩くのもこれまでだ!」 ( ´∀`)「それじゃ準備はいいモナ? レディ・ゴー!モナ」 231 :ドクオ二次創作3話 15:2014/01/27(月) 17:31:36 ID:??? モナーさんの合図で二人のミニ四駆が飛び出す。銀と黒のマシン。 しかし直ぐに目に見える形で差が付きだした。 やはり、昔の感覚でセッティングしたギコさんのマシンはスピードが乗らないのだ。 ( ´∀`)「ゴール!モナ」 JCJC1セット分のコースなので、勝負はすぐについた。 しかし差は歴然だった。 (;゚Д゚)「な、なんでだ!? なんでこんなに差が?」 232 :ドクオ二次創作3話 16:2014/01/27(月) 17:33:43 ID:??? ミ,,^Д^彡「ギコハハ、ザマァ無ぇなw」 (,,゚Д゚)「モナーさん、ドクオ君たち、どうしてあんなに差がついたんだろう?」 ミ#゚Д゚彡「無視すんな!」 ( ´∀`)「ギコさんの改造は2次ブーム当時の知識モナ。でも今の目でみると、だいぶバランスが悪いんだモナ」 (,,゚Д゚)「そうなんですか?」 (´・ω・`)「はい。たとえばスライドダンパーなんですけどね、コースの継ぎ目が大きい公式コースとかだと有効なんですが、 このジャパンカップジュニアサーキットだと継ぎ目が比較的きれいだからFRPプレートなどで補強してあげるだけに した方がいいんです。 しかも、その旧式のスライドダンパーは滑りがよくない上に強度不足で、さらにスーパー1のバンパーも弱い方ですから、 多分コーナーの度に減速してたと思います」 233 :ドクオ二次創作3話 17:2014/01/27(月) 17:36:43 ID:??? ( ´∀`)「それからワンウェイホイールも、これは結構難しいパーツモナ。そのままだと、複雑な構造で重い上に精度が低く、 その所為でガタつきが多くてロスが出てしまうモナ。 このホイールを使いこなそうと思ったら、精度を上げてやらないといけないモナ」 (´・ω・`)「それに、標準でついてるスポンジタイヤ、これも問題ですね。 柔らかすぎて転がり抵抗が大きいのでスピードが出にくいんです。 しかも、グリップが強いので前輪に使うとコーナーで大きな抵抗になってしまうんです」 ( ^ω^)「それにギヤとモーターも少しトルクを重視しすぎだと思いますお。 スーパー1のようなシャフトドライブ式シャーシの小径マシンなら、 超速ギヤとアトミックチューンモーターの方が相性いいですお」 234 :ドクオ二次創作3話 18:2014/01/27(月) 17:38:20 ID:??? ギコさんはショボンたちの話をうなずきながら聞き、ふむ、と (,,゚Д゚)「なるほど、私が思っていたよりずっと奥が深いようですね・・・。いや、確かにこれはオモチャとは言えないかもしれません。 失礼なことを言って申し訳なかった、お恥ずかしい」 ( ´∀`)「いえいえ、ミニ四駆の楽しさを分かってもらえればいいんですよ」 ('A`)「そうですよ、そんなにかしこまらないで下さい」 (,,゚Д゚)「フサも、すまなかったな、バカにするようなこと言って」 ミ,,゚Д゚彡「なんだよ、そんなに素直に謝るなよ」 ( ^ω^)「フサギコの奴照れてるおwww」 ミ,,゚Д゚彡「う、うるせぇ!」 235 :ドクオ二次創作3話 19:2014/01/27(月) 17:39:39 ID:??? ギコさんはハハハ、と笑って、 (,,゚Д゚)「いやな、組み立ててるときや走らせてるとき、年甲斐もなく昔のワクワク感が蘇ってな、 お前が今もミニ四駆を続けている理由がわかった気がしたんだ。 負けた時悔しかったしなw」 ミ,,゚Д゚彡「・・・兄ちゃ・・・・・・兄貴」 ( ´∀`)「じゃあ僕は新製品を見てくるモナ」 (´・ω・`)「そうですね、僕たちも行こうか」 モナーさんとショボンは何か空気を読んだようだ。俺とブーンも続いた。 236 :ドクオ二次創作3話 20:2014/01/27(月) 17:42:27 ID:??? ―――――――――――― いけねぇ、なんだか一瞬昔を思い出した気がして、兄貴を昔のように兄ちゃんと呼びそうになった。 幸い、あいつらは新製品を見に行っていなくなった。 兄貴が素直になったせいだろう、俺もつい口を滑らせて、兄貴がミニ四駆をやめたときの自分の気持ちをゲロっちまった。 (,,゚Д゚)「そうか、そんな風に思ってくれていたのか。 フサ、オレがミニ四駆をやめたのはな、言ってた通り中学進学を控えてたってのもあるんだが、 何よりお前に俺の後を追ってほしくなかったからなんだ」 ミ,,゚Д゚彡「どういう事なんだ?」 237 :ドクオ二次創作3話 21:2014/01/27(月) 17:45:08 ID:??? (,,゚Д゚)「俺は、真面目に勉強して真面目に進学して、真面目に就職するしか能のない頭の固い男だ。 お前は俺よりも柔軟な考えができる優秀な奴だ。だから俺みたいに型にはまった人間にはなって欲しくなかったんだ。 俺なんかの後を追わず、自由に進んでほしかった。 まぁ、自由すぎてだいぶやんちゃしてるようだがな、今日ここに来て大丈夫だと思った」 ミ,,゚Д゚彡「兄貴・・・」 そうだったのか、兄貴はそんなことを・・・ 両親は俺のことをずっと出来の悪い子のように扱ってきたが、兄貴は信じてくれてたんだな。 そう言えば、オレが今の短大に進むといった時、両親は大反対したのに翌日なぜかあっさり折れたなんてコトがあったっけな。 今なら、きっと兄貴が説得してくれたんだとわかる。 兄貴だけはずっと味方をしてくれてたんだな。 238 :ドクオ二次創作3話 22:2014/01/27(月) 17:46:35 ID:??? (,,゚Д゚)「お前の今の友人たちを見てて思ったよ、いい人たちだなって。あの人たちもミニ四駆で知り合ったのか?」 ミ,,゚Д゚彡「そうだぜ」 (,,゚Д゚)「やっぱりミニ四駆はいいな。同じ趣味を持つ仲間と競い合えのはいいことだ。うらやましく思えるよ」 ミ,,゚Д゚彡「なぁ、兄貴。またミニ四駆やらないか?」 (,,゚Д゚)「そうだな、俺もまた始めるか、ミニ四駆」 ―――――――――――― 239 :ドクオ二次創作3話 23:2014/01/27(月) 17:49:40 ID:??? ( ´∀`)「上手く行ったようモナね」 (´・ω・`)「仲直りして、昔のわだかまりもとけたみたいですね」 ( ^ω^)「モナーさんとショボンの言うとおり、見守ってて正解だおね」 ('A`)「じゃあ、そろそろ戻ってギコさんにまたいろいろ教えてあげましょうか」 ξ゚⊿゚)ξ(なんかいい雰囲気っぽいけど、のぞきと盗み聞きなんて趣味悪いわね) その後、セッティングを直そうとしていたギコさんにみんなでいろいろ教えてあげたが、 やはり復帰してしばらく経つフサにはまだ勝てないようだった。 しかし、ギコさんならきっと速くなるだろう。 ギコさんは満足して帰って行った。 ―――― 二次創作第3話 フサギコのお兄さんが来るようです 完 ―――― 240 :ドクオ二次創作3話 おまけ::2014/01/27(月) 17:52:10 ID:??? ―――― 数ヶ月後 ―――― (,,゚Д゚)「おっすまた来たぞー」 ミ,,゚Д゚彡「げ、兄貴。この前来たばっかりじゃん」 (,,゚Д゚)「あのあと教わった事とか、あと自分でも調べて、いろいろ改造したんでな。またここで走らせたくなったんだ」 ミ,,゚Д゚彡「面白ぇ、勝負なら受けて立つぞゴルァ」 (,,^Д^)「ハッハッハッ、同じ土俵に立ったらもう負けん。俺に勝つなんざ3万年早いことを教えてやろう」 ミ,,゚Д゚彡「3万年も生きてたくねぇぞ!」 (,,゚Д゚)「ふっw」 ミ,,゚Д゚彡「ヘッw」 「「ギコハハハハ」」 なんだかまた、あの頃に戻ったような気になったぜ。 なぁ、兄貴? ----