「ともかくあいつは完全に撒けたようやな」
「まあな。フットワークは私達の方が軽い、当然の結果だ」
「まあな。フットワークは私達の方が軽い、当然の結果だ」
真田設子と犬上小太郎は朝焼けの街を歩いていた。
数分前の長沢勇治との戦闘で疲労した身体を休める為に手頃な家を探している。
数分前の長沢勇治との戦闘で疲労した身体を休める為に手頃な家を探している。
「よく言うわ……俺が助けんかったら死んでたで?」
「お前が勝手に助けたんだろうが」
「お前が勝手に助けたんだろうが」
軽口混じりに皮肉を言い合う二人の雰囲気は出会った当初と比べたら相当に緩和していた。
最も、最初の出会いは殺し合いという物騒なモノであったが、二人はそれほど細かい性格ではないので根には持っていない。
小太郎の傷の応急処置も終わり、設子も落ち着きを取り戻した。
今の二人はこの島の中では最強に近い部類に入ることだろう。
最も、最初の出会いは殺し合いという物騒なモノであったが、二人はそれほど細かい性格ではないので根には持っていない。
小太郎の傷の応急処置も終わり、設子も落ち着きを取り戻した。
今の二人はこの島の中では最強に近い部類に入ることだろう。
「しかし、誰とも会わないな」
「そんなホイホイと会うかって。俺等は割と遭遇している方かと思うで?」
「まぁいいさ。それよりもさっさと入るぞ」
「そんなホイホイと会うかって。俺等は割と遭遇している方かと思うで?」
「まぁいいさ。それよりもさっさと入るぞ」
そう言って設子は近くにあった少し大きめな家にずかずかと入っていく。
小太郎もそれに続いた。そして廊下に入った時に二人の足は止まる。
小太郎もそれに続いた。そして廊下に入った時に二人の足は止まる。
「気づいたか?」
「中に誰かいるな。気配が隠しきれてないから一般人やないか?」
「中に誰かいるな。気配が隠しきれてないから一般人やないか?」
二人は目で合図を交わして小声で意思の疎通を始める。
最初のドアの開閉音で自分たちが入ってきたことは相手は気づいているだろうと判断したので特にメモとペンを使うといったことはしない。
最初のドアの開閉音で自分たちが入ってきたことは相手は気づいているだろうと判断したので特にメモとペンを使うといったことはしない。
「多分な。それに高確率で乗ってはいないだろう」
「その理由は?」
「乗っているのならもっと積極的に動いている。私みたいに武器を捜したりな。
それに乗っていたとしても私とお前の二人を相手にとってそう簡単には殺れん」
「その理由は?」
「乗っているのならもっと積極的に動いている。私みたいに武器を捜したりな。
それに乗っていたとしても私とお前の二人を相手にとってそう簡単には殺れん」
設子はそう言って居間の前にあるドアを開ける瞬間。
向こうの方からドアが勢い良く開き、設子を吹き飛ばす――かに見えた。
向こうの方からドアが勢い良く開き、設子を吹き飛ばす――かに見えた。
「ふん」
ドアが設子に当たる瞬間に後方に跳び、ドアを躱したのだ。
向こうにいた者はそれに驚き、ひゃっと悲鳴をあげながら尻餅をつく。
声から判断するには少女であろう。
だがそんなことなど気にもしない。小太郎が前に出てへたりこんでいる少女に即座に接近。
そして――。
向こうにいた者はそれに驚き、ひゃっと悲鳴をあげながら尻餅をつく。
声から判断するには少女であろう。
だがそんなことなど気にもしない。小太郎が前に出てへたりこんでいる少女に即座に接近。
そして――。
「すいません、命だけは~」
「あれ、あんた……?」
「あれ、あんた……?」
小太郎の視界に入ったのはブルブルと震えながら縮こまっている一人の少女。
その姿には見覚えがあった。まほら武道会の戦いで対峙した――名前は。
その姿には見覚えがあった。まほら武道会の戦いで対峙した――名前は。
「確かあん時の……!」
「佐倉愛衣です~」
「佐倉愛衣です~」
◆ ◆ ◆
「はぁ、名簿に名前がないのに何故か此処に呼ばれた、と」
「そうなんです……」
「そうなんです……」
設子、小太郎、愛衣の三人はリビングのテーブルで情報交換及び、此処に呼ばれた経緯を聞いていた。
だが愛衣だけは少し状況が違う。名簿に名前が乗っていないということだ。
この島にいる参加者の殆どは名簿に名前がある。その当たり前が存在しないということは設子が疑心を浮かべるのには十分だった。
だが愛衣だけは少し状況が違う。名簿に名前が乗っていないということだ。
この島にいる参加者の殆どは名簿に名前がある。その当たり前が存在しないということは設子が疑心を浮かべるのには十分だった。
「そんな嘘が通用すると思っているのか? お前が主催者側のスパイだっていう可能性もある」
「本当ですっ! 信じてください! 私は何も知りません……! こんな殺し合いに乗ってなんかいないんですっ!」
「……愛衣姉ちゃんの言ってることは本当やと思うで」
「そんなのわかってる。一応カマをかけただけさ」
「ふぇ?」
「本当ですっ! 信じてください! 私は何も知りません……! こんな殺し合いに乗ってなんかいないんですっ!」
「……愛衣姉ちゃんの言ってることは本当やと思うで」
「そんなのわかってる。一応カマをかけただけさ」
「ふぇ?」
思いもよらぬその言葉に愛衣は口をぽかんと開ける。
設子達の余りにも軽い意見の翻りに言葉もない。小太郎は疑ってすらいない。
つまるところ最初から愛衣の潔白を二人は理解していたのだ。
設子達の余りにも軽い意見の翻りに言葉もない。小太郎は疑ってすらいない。
つまるところ最初から愛衣の潔白を二人は理解していたのだ。
「だいたいな、名簿に乗っていないから主催者側とか、何か裏があるとか単純にもほどがありすぎる。そんな分かりやすい釣りに引っかかる奴がいるか」
「なんや、設子姉ちゃんも俺と同じ考えだったのか」
「馬鹿にしてるのか? 戦闘一辺倒な私だってそれぐらいのことを考える頭はあるさ。
逆にお前の方こそ疑っているかと思ったんだがな」
「はっ! んな訳ないやろ。俺は最初から信じとったしな」
「知り合いだからといって油断してていいのか? 後ろから襲われるかもしれんぞ?」
「愛衣姉ちゃんとはついこの前会ったばっかやけどそんなことをする奴とは思えんわ」
「だろうな。私も同意見だ。殺し合いに乗っているとは思えんし、震えて泣いているのが演技にも見えない」
「なんや、設子姉ちゃんも俺と同じ考えだったのか」
「馬鹿にしてるのか? 戦闘一辺倒な私だってそれぐらいのことを考える頭はあるさ。
逆にお前の方こそ疑っているかと思ったんだがな」
「はっ! んな訳ないやろ。俺は最初から信じとったしな」
「知り合いだからといって油断してていいのか? 後ろから襲われるかもしれんぞ?」
「愛衣姉ちゃんとはついこの前会ったばっかやけどそんなことをする奴とは思えんわ」
「だろうな。私も同意見だ。殺し合いに乗っているとは思えんし、震えて泣いているのが演技にも見えない」
皮肉げに笑う設子に小太郎は苦虫を噛み締めたかのように鋭い視線を送る。
そして、一拍の沈黙の後二人揃ってクツクツと笑い始めた。
愛衣はそれを黙ってみている他ない。ここまですんなりと話が進むとは思わなかったためである。
二人の話しについていけない愛衣は無理矢理に割り込んでその真意を聞こうと口を開けた。
そして、一拍の沈黙の後二人揃ってクツクツと笑い始めた。
愛衣はそれを黙ってみている他ない。ここまですんなりと話が進むとは思わなかったためである。
二人の話しについていけない愛衣は無理矢理に割り込んでその真意を聞こうと口を開けた。
「小太郎さん達は私のことを信じてくれるんですか?」
「当然」
「私も今は信じる。疑う要素が見受けられない」
「当然」
「私も今は信じる。疑う要素が見受けられない」
迷いなく言い切ったその言葉。それは何の飾り毛も感慨もない言葉だった。
だけどそれは二人の心からの言葉であった。だからこそ。
だけどそれは二人の心からの言葉であった。だからこそ。
「ううっ……ひくっ……」
「何で泣くんねん!? 設子姉ちゃん何とかしてくれや!」
「わ、私に振るな!」
「何で泣くんねん!? 設子姉ちゃん何とかしてくれや!」
「わ、私に振るな!」
その言葉が響いたのだ。最初に出会った時が恐怖でいっぱいだった。周りには誰もいないたった一人の戦場。
誰かと出会っても自分は名簿に名前が載っていないということから疑われて、最悪殺されるのではないかと不安に押しつぶされそうだった。
それが嬉しくて。こんな自分を信じてくれて。愛衣は涙を抑えきれなかった。
誰かと出会っても自分は名簿に名前が載っていないということから疑われて、最悪殺されるのではないかと不安に押しつぶされそうだった。
それが嬉しくて。こんな自分を信じてくれて。愛衣は涙を抑えきれなかった。
「ありがとうございます……本当に、ありがとうございます……!」
「ったく、泣いてばかりで世話がやける姉ちゃんやなあ」
「はぁ、いつから私はこんな子守役になったんだ……? ついさっきまでとは立場が大違いだ」
「ええんとちゃう? たまにはこういうのもありやろ!」
「ったく、泣いてばかりで世話がやける姉ちゃんやなあ」
「はぁ、いつから私はこんな子守役になったんだ……? ついさっきまでとは立場が大違いだ」
「ええんとちゃう? たまにはこういうのもありやろ!」
泣きながらお礼を言う愛衣、溜息を吐く設子、苦笑する小太郎。
三者の表情は様々だったが不思議とそこには優しい空気が生まれていた。
そして。
三者の表情は様々だったが不思議とそこには優しい空気が生まれていた。
そして。
(最終的には優勝を目指しているのに……ただ、犬上に借りを返して再戦する為だけに一緒にいるだけなのに……)
少しずつ。ほんの少しずつではあるが設子の内面も変わりつつ有ることに。
(なぜ、なんだろうな。私は、一瞬とは言えこの一時が悪くないって思ってしまった。こんなぬるい空間に価値なんてない……そう思っていたのに)
【B-1とある民家/一日目・早朝】
【真田設子@恋する乙女と守護の楯】
【状態】疲労(中)
【装備】
【持ち物】支給品一式、不明支給品0~1(武器はなし)
【思考】
基本:犬上小太郎に借りを返し助けた理由を知りたい。それを済ませ、小太郎の怪我が快方に向かったらもう一度戦う。
1:小太郎と共に行動。
2:銃が欲しい。
3:自分の中に生まれた感情に困惑。
【状態】疲労(中)
【装備】
【持ち物】支給品一式、不明支給品0~1(武器はなし)
【思考】
基本:犬上小太郎に借りを返し助けた理由を知りたい。それを済ませ、小太郎の怪我が快方に向かったらもう一度戦う。
1:小太郎と共に行動。
2:銃が欲しい。
3:自分の中に生まれた感情に困惑。
【犬上小太郎@魔法先生ネギま!】
【状態】疲労(中)、脇腹に銃創(応急処置済み)
【装備】
【持ち物】支給品一式、お菓子セット@現実、確認済み支給品0~2
【思考】
基本:殺し合いには乗らない。
1:落ち着ける場所に移動。
2:那波千鶴との合流。他は後回し。
【状態】疲労(中)、脇腹に銃創(応急処置済み)
【装備】
【持ち物】支給品一式、お菓子セット@現実、確認済み支給品0~2
【思考】
基本:殺し合いには乗らない。
1:落ち着ける場所に移動。
2:那波千鶴との合流。他は後回し。
【佐倉愛衣@魔法先生ネギま!】
【状態】健康
【装備】
【持ち物】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本:……
1:……
※名簿に名前が載っていません。
【状態】健康
【装備】
【持ち物】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本:……
1:……
※名簿に名前が載っていません。
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