『届かぬ心 届かぬ願い』 ◆1U9aQ7O4wM
分からなかった。
涙がぽろぽろ溢れてきた。
それが頬を伝わる感触は恐怖でほとんど分からなくて――
涙がぽろぽろ溢れてきた。
それが頬を伝わる感触は恐怖でほとんど分からなくて――
何故皆が、こんな事をしなければいけないのか。
皆、それぞれの平和な暮らしがあった筈なのに。
それが突然壊されて。
デイジーまであんな目にあわされて。
私は、ただ黙ってそれを見ているしかなかった。
まだ頭の中には笑うポーキーの顔まで、しっかり焼き付いている。
皆、それぞれの平和な暮らしがあった筈なのに。
それが突然壊されて。
デイジーまであんな目にあわされて。
私は、ただ黙ってそれを見ているしかなかった。
まだ頭の中には笑うポーキーの顔まで、しっかり焼き付いている。
怖くて、悲しかった。
どうして、こんな事を望む悪い人がいるのだろうか。
それが胸を締め上げて。
私の目から涙を滲ませて。
どうして、こんな事を望む悪い人がいるのだろうか。
それが胸を締め上げて。
私の目から涙を滲ませて。
悪い人は何人もいる。あのポーキー以外にも。
もう私は生きる事は出来ないだろう。
今、私の手には銃がある。
そんな悪い人達に殺されるより、自分から……
もう私は生きる事は出来ないだろう。
今、私の手には銃がある。
そんな悪い人達に殺されるより、自分から……
「マリオ、マリオ……さよなら――」
「止めるんだッ!」
フォックスの必死の制止も空しかった。
女は銃で自分の頭を撃ち抜いた。
フォックスの必死の制止も空しかった。
女は銃で自分の頭を撃ち抜いた。
その撃鉄が弾かれ、銃声が響く瞬間。
数秒前まで活動していた肉体から鉛弾が貫く瞬間。
そしてその女の腕が嫌な音をたてて吹き飛び、身体が崩れ落ちる瞬間。
数秒前まで活動していた肉体から鉛弾が貫く瞬間。
そしてその女の腕が嫌な音をたてて吹き飛び、身体が崩れ落ちる瞬間。
それは二人の脳裏にあの光景をフラッシュバックさせる。
その残酷な液体が間欠泉の如く噴き出し、フォックスの全身に纏わり付く。
血。
それは紛れも無い、現実。
間に合わなかったのだ――
血。
それは紛れも無い、現実。
間に合わなかったのだ――
「ゴホッ、なんで……ゲホゲホッ……」
ポーラはあの惨状を思い出し、再び吐き戻した。
既に吐き出す物も無い為か、ポーラの胃は更なる悲鳴を上げる。
「ポーラ!」
無論、あの惨劇が起きた場にフォックスは居合わせている。
ポーラはそこでデイジーと呼ばれた女の『それ』を見て、一度吐いてしまっていた。
ポーラはあの惨状を思い出し、再び吐き戻した。
既に吐き出す物も無い為か、ポーラの胃は更なる悲鳴を上げる。
「ポーラ!」
無論、あの惨劇が起きた場にフォックスは居合わせている。
ポーラはそこでデイジーと呼ばれた女の『それ』を見て、一度吐いてしまっていた。
「酷い、どうすればいいんだ」
本当に惨たらしい。
ポーキーには殺意さえ沸き上がる。
普通に考えればポーキーはただ優越感に浸っているだけの少年だろうか。
だが、程度を知らない。
正常な思考の持ち主では無い事は確かだ。
彼だって元々は無垢な子供だった筈なのに。
本当に惨たらしい。
ポーキーには殺意さえ沸き上がる。
普通に考えればポーキーはただ優越感に浸っているだけの少年だろうか。
だが、程度を知らない。
正常な思考の持ち主では無い事は確かだ。
彼だって元々は無垢な子供だった筈なのに。
ポーラとフォックスは、このゲームが始まってから直ぐに合流した。
フォックスから、たまたま見かけたあの場で吐き出していたポーラを心配をしていっただけだが。
フォックスから、たまたま見かけたあの場で吐き出していたポーラを心配をしていっただけだが。
お互いに情報を交換しあった。
ポーラの仲間達三人の事、
フォックスの所属する、雇われ遊撃隊のメンバー四名の事。
そしてポーラが知る限りの、あのポーキーの事も。
二人の目的は同じく、ゲームに乗らず仲間を捜す事。
そうして二人は意気投合し、身を守る為に警察署内に入ったのだが。
それがまずかった。
それとも、もう少し早く入れば女を助ける事が出来たのか。
何れにせよ、女は死んでしまった――
ポーラの仲間達三人の事、
フォックスの所属する、雇われ遊撃隊のメンバー四名の事。
そしてポーラが知る限りの、あのポーキーの事も。
二人の目的は同じく、ゲームに乗らず仲間を捜す事。
そうして二人は意気投合し、身を守る為に警察署内に入ったのだが。
それがまずかった。
それとも、もう少し早く入れば女を助ける事が出来たのか。
何れにせよ、女は死んでしまった――
「耐えられなかったのか……だが自分から命を絶つなんて……」
フォックスは弾けた女の頭を見ないように、置いてあったザックと女の手から銃を回収する。
あの何かが折れる嫌な音は決して銃声が呼び起こした幻聴ではなかった。
女の手首、腕はまるで軟体動物の様に不自然な方向に曲がっている。
銃の威力を物語った結果だ。
フォックスは弾けた女の頭を見ないように、置いてあったザックと女の手から銃を回収する。
あの何かが折れる嫌な音は決して銃声が呼び起こした幻聴ではなかった。
女の手首、腕はまるで軟体動物の様に不自然な方向に曲がっている。
銃の威力を物語った結果だ。
フォックスの支給品は片刃の剣である。
刀身が鋭く光り、扱いやすい長さだ。
ポーラの支給品は嫌がらせとしか思えなかった。
それは巨大すぎる剣。その上折れている。
ただ、ポーラはPSIと言う力があると言っていたので、戦力的にはまだ良いのだが。
刀身が鋭く光り、扱いやすい長さだ。
ポーラの支給品は嫌がらせとしか思えなかった。
それは巨大すぎる剣。その上折れている。
ただ、ポーラはPSIと言う力があると言っていたので、戦力的にはまだ良いのだが。
そして、女から回収した銃。
これは危険過ぎる。
油断して使えばこちらが深手を負うだろう。
フォックスはその銃をザックへしまい込むと、ポーラが居る方向に顔を向ける。
これは危険過ぎる。
油断して使えばこちらが深手を負うだろう。
フォックスはその銃をザックへしまい込むと、ポーラが居る方向に顔を向ける。
「ポーラ、もしかしたら今の銃声で他の奴らに気がつかれたかもしれない。だから身体が酷いだろうけど……」
ポーラは手で腹を押さえつつ、一応微笑みながら「大丈夫」とは言った。
実際は相当な精神的外傷になっているだろう。
恐らくこのままでは死体をまた見る度に吐き出してしまう事は否めない。
あんな光景を見てしまったら、無理もない話だったが。
ポーラは手で腹を押さえつつ、一応微笑みながら「大丈夫」とは言った。
実際は相当な精神的外傷になっているだろう。
恐らくこのままでは死体をまた見る度に吐き出してしまう事は否めない。
あんな光景を見てしまったら、無理もない話だったが。
ポーラは立ち上がると腹を抱えつつ、よろめきながら出口へ向かう。
「早く出ないと……危ないんじゃないの?」
完全に心身共にポーラは追い詰められている。
どうなのだろうか。動くべきなのか。
ポーラの身体を考えれば本来はここで休んだ方がいいのだ。
だが、それでゲームに乗った敵に襲われたら元も子も無い。
女が銃を撃ってしまった以上、長居は出来ないのだ。
ポーラには耐えてもらうしか無かった。
彼女の精神力を信じて。
「早く出ないと……危ないんじゃないの?」
完全に心身共にポーラは追い詰められている。
どうなのだろうか。動くべきなのか。
ポーラの身体を考えれば本来はここで休んだ方がいいのだ。
だが、それでゲームに乗った敵に襲われたら元も子も無い。
女が銃を撃ってしまった以上、長居は出来ないのだ。
ポーラには耐えてもらうしか無かった。
彼女の精神力を信じて。
フォックスは何も出来ない自分が歯痒かった。
目の前で苦しんでいるポーラを、助けられない自分を。
そして、女を救えなかった自分を、呪った。
目の前で苦しんでいるポーラを、助けられない自分を。
そして、女を救えなかった自分を、呪った。
【D-6…警察署 7時】
【ポーラ@MOTHER2】
[健康状態]:精神的に極限まで疲労
[武装]:無し
[所持品]:支給品 折れた巨人のナイフ@ゼルダの伝説 時のオカリナ
[第一行動方針]:仲間達を捜す
[基本行動方針]:ゲームに乗らず、仲間達と合流する
[最終行動方針]:仲間達とゲームからの脱出
[健康状態]:精神的に極限まで疲労
[武装]:無し
[所持品]:支給品 折れた巨人のナイフ@ゼルダの伝説 時のオカリナ
[第一行動方針]:仲間達を捜す
[基本行動方針]:ゲームに乗らず、仲間達と合流する
[最終行動方針]:仲間達とゲームからの脱出
【フォックス・マクラウド@スターフォックスシリーズ】
[健康状態]:良好 全身に血を浴びている
[武装]:KATANA@MOTHER
[所持品]:支給品 デザートイーグル@実弾兵器/残り6発
[第一行動方針]:ポーラ のトラウマに対処する
[第二行動方針]:仲間達を捜す
[基本行動方針]:ゲームに乗らず仲間達と合流
[最終行動方針]:仲間達とゲームからの脱出
[健康状態]:良好 全身に血を浴びている
[武装]:KATANA@MOTHER
[所持品]:支給品 デザートイーグル@実弾兵器/残り6発
[第一行動方針]:ポーラ のトラウマに対処する
[第二行動方針]:仲間達を捜す
[基本行動方針]:ゲームに乗らず仲間達と合流
[最終行動方針]:仲間達とゲームからの脱出
【ピーチ姫@スーパーマリオシリーズ 死亡】
【残り56人】
【残り56人】
[備考]:午前7時にD-6周辺に銃声が響きました
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