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小噺-『生贄先がハズレでした』

【配役】

お笑いコンビ 廻天座

龍……「戯曲家」

生贄の少女……「化けの皮」

【内容】

ナレーション
「昔々、とある村では、山奥に住む龍へ生贄を捧げる風習がありました。」

少女
「……。」

(龍が現れ、少女を抱えて巣へ飛び去る。)

ナレーション
「龍は少女を巣へ連れ帰ると、人の姿へ変わりました。」

少女(心の声)
「絶対、美形になるやつだ……!」

(煙が晴れる。)

酒臭く、髭を生やし、タンクトップにトランクス姿のおっさん。

龍
「ぷはぁ~。」

(酒を飲む。)

少女
「ハズレぇぇぇぇぇ!!」

龍
「見た目で判断するな。」

(ブッ。)

少女
「屁ぇこいた!」

龍
「自然現象だ。」

(競馬新聞を広げる。)

少女
「何してるんですか?」

龍
「競馬。」

少女
「龍ですよね!?」

龍
「そうだけど。」

少女
「もっと神秘的なことしてくださいよ!」

龍
「今日は本命だから。」

少女
「知りませんよ!」

少女
「龍って財宝を集めるんじゃないんですか?」

龍
「集めるよ。」

少女
「どこに?」

龍
「馬券。」

少女
「ダメだこの龍……。」

少女
「龍の鱗って、一枚で一生遊べるくらい価値があるって聞いたんですけど。」

龍
「昔はな。」

少女
「今は?」

龍
「借金のカタにだいぶ持っていかれた。」

少女
「龍が借金!?」

龍
「鱗は剥がれるけど、借金は剥がれねぇ。」

少女
「名言っぽく言わないでください。」

少女
「その借金って……。」

龍
「馬に決まってるだろ。」

少女
「やっぱり!」

(少女、龍を見つめる。)

龍
「何だ?」

少女
「いえ、別に。」



ナレーション
「その夜。」

少女
「お酒どうぞ。」

龍
「おっ、気が利くじゃねぇか。」

(眠り薬入り。)

龍
「……ぐぅ。」

(龍の姿に戻り、爆睡。)

少女
「ごめんなさいね。」

(残っている鱗を丁寧に剥がす。)

少女
「これだけあれば十分。」



ナレーション
「翌朝。」

(龍、人の姿に戻る。)

龍
「……寒っ!」

(全裸。)

龍
「鱗ぉぉぉぉ!!」



ナレーション
「少女は龍の鱗を売り払い、大金を手に入れ、幸せに暮らしましたとさ。」

少女
「生贄先がハズレで助かりました。」

龍
「助かってねぇよ!」

終わり

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第二世界 小噺
最終更新:2026年07月13日 22:51