アットウィキロゴ

出版法

= 出版法 =

概要


出版法とは、帝暦25年に天陽帝国で制定された、出版活動および出版社について定めた法律である。

帝国内で継続的な出版活動を行う出版社は、政府から指定を受ける必要がある。

出版内容を一律に統制することよりも、発行元と責任の所在を明確にし、出版活動を政府が把握できる状態に置くことを目的としている。

政府の公式見解や一般的な学説と異なる内容であっても、それだけを理由として出版を禁止されるとは限らない。

新説・異説・仮説などについても、十分な根拠があり実証されれば正式な学説として扱われる。

一方、根拠の乏しい説、オカルト、空想的考察、真偽不明の情報などについても出版そのものが禁止されるわけではなく、それらを専門的に扱う出版社も存在する。



指定出版社制度


政府から出版許可を受けた出版社には、それぞれ固有の指定番号が与えられる。

指定番号は出版社の格付けではなく、原則として政府から指定を受けた順番を示している。

一度与えられた指定番号は再利用されない。

出版社が倒産・解散した場合や、政府から指定を取り消された場合でも、その番号は欠番として残される。

帝暦250年までにも多数の出版社が指定を受けているが、第十一指定以降には多くの欠番が存在する。

第一指定から第十指定までの出版社については、いずれも指定を維持したまま存続している。

そのため第一指定から第十指定は、帝国出版界でも特に歴史の長い出版社として知られている。

ただし、制度上特別な地位を与えられているわけではない。



第一指定出版社 暁鐘新聞


新聞を中心に出版する出版社。

誰でも読める一般的な新聞を発行しており、帝国内でも広く読まれている。

暁鐘新聞を基本的な情報源とし、それに加えて他の出版社の新聞や雑誌を読む者も多い。



第二指定出版社


元貴族、軍部政部などの人間が読むことの多い出版社。

政治・行政などに関係する出版物を多く扱っている。



第三指定出版社 日の河出版


大衆紙を多く発行する出版社。

庶民や商工連盟の者を中心に広く読まれている。



第四指定出版社 暗行倶楽部


ゴシップ、オカルト、怪事件、人間や組織の裏側、カルト趣味、真偽不明の情報などを多く扱う出版社。

時には嘘八百と評されるような内容まで出版するため、一般的な信用はあまり高くない。

一方で、通常の出版社が躊躇したり出版を取り止めたりするような事件についても取材を続ける。

好事家からの人気があり、少数出版・高価格販売によって成立している出版物も多い。

一般的な出版社では扱いにくい異説や考察についても出版しており、校合による「読書の歩み方」などの推奨図書や、「空想科学考察本」なども刊行している。



第五指定出版社 博物総覧社


動植物、魔物、鉱物、地理、民族、遺跡などの図鑑を中心に出版する出版社。

帝国内外へ調査員や絵師を派遣し、長期間にわたって資料を収集している。

数十年間にわたって改訂を続けている大型図鑑も存在する。

出版物は帝立図書館や教育・研究機関でも利用されている。



第六指定出版社 教文書房


教科書、参考書、辞書、語学書、児童向け学習書などを中心に出版する出版社。

天陽帝国教育制度と深く関係しており、発行部数では帝国内でも大規模な出版社の一つ。

専門家向けの書籍だけではなく、一般人にも理解しやすい教育書を数多く出版している。



第七指定出版社 兵林社


軍事、兵器、戦史、戦術などを中心に扱う出版社。

軍部関係者による著作、退役軍人の回想録、兵器図鑑なども出版している。

軍事機密など一般公開できない情報については、内容の削除や公開時期の調整などが行われる。



第八指定出版社 百工出版


工業、建築、農業、医療、魔導、料理、裁縫などの実用書を中心に扱う出版社。

専門職向けの技術書から一般家庭向けの入門書まで扱う分野は非常に広い。

流行する本よりも、長期間利用される実用的な出版物を得意としている。



第九指定出版社 文華堂


小説、詩、戯曲、随筆など、文学・娯楽作品を中心に出版する出版社。

大衆小説から純文学まで幅広く扱い、新人作家の発掘も行っている。

帝国内の作家が作品を持ち込む代表的な出版社の一つでもある。



第十指定出版社 小箱出版


個人誌、同人誌、自費出版など、小規模な出版を専門とする出版社。

数十部から数百部程度しか発行されない出版物も扱う。

個人研究、趣味の本、小説、漫画、詩集、旅行記、郷土史など、扱う内容は非常に幅広い。

大規模な出版社では採算が取れない出版物であっても、一定の基準を満たせば刊行することができる。

帝国内の同人活動や小規模な創作・研究活動の受け皿となっている。



第十一指定以降


第十一指定以降にも多数の出版社が存在し、新たな出版社が政府の審査を受けて指定出版社となることも認められている。

一方で、倒産・解散・出版法違反などによって指定を失った出版社も存在する。

指定番号は再利用されないため、現在では多数の欠番が存在する。

過去に指定を取り消された出版社が刊行した書籍や記事についても、それだけを理由として記録そのものが抹消されるわけではない。



出版内容


天陽帝国では、政府の公式見解と異なることのみを理由として出版物を禁止することは基本的にない。

既存の学説と異なる新説であっても、実証できれば受け入れられる。

実証できていない仮説についても、それを研究・議論すること自体は認められている。

一方、根拠の乏しい説や一般的な出版社が掲載を拒む内容については、暗行倶楽部などから出版されることがある。

そのため帝国内では、正統な学術書から大衆紙、同人誌、オカルト、奇説まで様々な出版物が流通している。



指定取消


政府による指定は永久に保証されるものではない。

出版社が出版法へ重大な違反を行った場合や、出版活動によって深刻な社会的被害を発生させた場合などには、政府が指定を取り消すことができる。

指定を取り消された出版社は、帝国内で正式な出版活動を継続することができない。

ただし、一般的に信用されていない内容を掲載したことや、政府の見解と異なる主張を行ったことだけで、直ちに指定取消となるわけではない。

暗行倶楽部はその代表例であり、たびたび指定取消の噂が流れながらも、第四指定出版社として長期間活動を続けている。
最終更新:2026年09月18日 22:43