これはゾンビですか? はい、魔法少女です (前編) ◆ROYAL9uibY
深夜である。
街灯が照らす住宅街を歩く者が居た。
箱庭学園一年マイナス十三組に所属する江迎怒江だ。
街灯が照らす住宅街を歩く者が居た。
箱庭学園一年マイナス十三組に所属する江迎怒江だ。
時は少し遡る。
彼女は触れた物全てを腐敗させる『荒廃した腐花(ラフラフレシア)』という過負荷(マイナス)を持っている。
この過負荷はオンオフの切り替えが出来ず、触れた物は問答無用で全てが全て腐って崩れて台無しになってしまう。
こんな手でデイバッグや中身を触れば、地図や名簿はその内容に目を通す前に黒い何かに変質し、
内容を把握することは不可能となるだろう。
デイバッグの中身を確認しようと、掌に触れないように腕に滑らせるようにしてデイバッグを降ろすことは出来た。
彼女は触れた物全てを腐敗させる『荒廃した腐花(ラフラフレシア)』という過負荷(マイナス)を持っている。
この過負荷はオンオフの切り替えが出来ず、触れた物は問答無用で全てが全て腐って崩れて台無しになってしまう。
こんな手でデイバッグや中身を触れば、地図や名簿はその内容に目を通す前に黒い何かに変質し、
内容を把握することは不可能となるだろう。
デイバッグの中身を確認しようと、掌に触れないように腕に滑らせるようにしてデイバッグを降ろすことは出来た。
問題はここからだ。
彼女が触れた物は水も食糧も空気でさえも腐り果ててしまう。
デイバッグの中身が何であれ、足や肘等を使って慎重に中身を把握すべきなのだが、
彼女は躊躇うことなくその手をデイバッグの中へと突っ込んだ。
必要な物であれ不必要な物であれ、彼女にとってはどうでも良いことだった。
何故ならば、彼女はどうしようもない程に『過負荷』で、彼女の目的はみんなで仲良く心も体も腐っていくことで、
彼女の武器は『荒廃した腐花』以外に必要なかったからだ。
彼女は荷を降ろしたのは単に邪魔だったからだし、彼女がデイバッグに手を入れたのは単に中身が気になったからだった。
彼女が触れた物は水も食糧も空気でさえも腐り果ててしまう。
デイバッグの中身が何であれ、足や肘等を使って慎重に中身を把握すべきなのだが、
彼女は躊躇うことなくその手をデイバッグの中へと突っ込んだ。
必要な物であれ不必要な物であれ、彼女にとってはどうでも良いことだった。
何故ならば、彼女はどうしようもない程に『過負荷』で、彼女の目的はみんなで仲良く心も体も腐っていくことで、
彼女の武器は『荒廃した腐花』以外に必要なかったからだ。
彼女は荷を降ろしたのは単に邪魔だったからだし、彼女がデイバッグに手を入れたのは単に中身が気になったからだった。
そして、彼女が最初に触れた哀れな支給品は腐って溶けた。
どろりとした感触を感じて、江迎はデイパックから手を取り出ず。
手に掴んでいた物は緑色をした『何か』だった。
今まで色々な物を腐らせてきた彼女だが、これまでの人生で腐らせてきた物のどれにも当て嵌まらない不思議な物体だ。
生物のようだが、何かおかしな感触だった。
これが何なのか気にはなったが、腐ってしまって原形も材質もわからなくなっている。
べっとりとした触感が気持ち悪いので、手を振ってその『何か』を地面に落とす。
どろりとした感触を感じて、江迎はデイパックから手を取り出ず。
手に掴んでいた物は緑色をした『何か』だった。
今まで色々な物を腐らせてきた彼女だが、これまでの人生で腐らせてきた物のどれにも当て嵌まらない不思議な物体だ。
生物のようだが、何かおかしな感触だった。
これが何なのか気にはなったが、腐ってしまって原形も材質もわからなくなっている。
べっとりとした触感が気持ち悪いので、手を振ってその『何か』を地面に落とす。
次は原形くらいはわかるように、『荒廃した腐花』の出力を最小設定して再びデイパックへと手を入れた。
デイパックに手を入れて最初に手が触れた物を、それが腐る前にすぐさまデイパックの外に引っ張り出す。
この感触には覚えがあった。
紙だ。
薄い紙は外に出した時には触れていた部分に穴が開き、穴の周辺が黒く変色していたが、腐った部分は極一部だったため、
内容を把握するには十分だった。
どうやらこれは参加者の名前を連ねた名簿らしかった。
デイパックに手を入れて最初に手が触れた物を、それが腐る前にすぐさまデイパックの外に引っ張り出す。
この感触には覚えがあった。
紙だ。
薄い紙は外に出した時には触れていた部分に穴が開き、穴の周辺が黒く変色していたが、腐った部分は極一部だったため、
内容を把握するには十分だった。
どうやらこれは参加者の名前を連ねた名簿らしかった。
「あらあ、球磨川さんや志布志さんも呼ばれてたんですかあー」
名簿の一部は腐って読めないが、残った所から過負荷仲間の二人の名前を見つける事ができた。
もしかしたら他に蝶ヶ崎さんも参加しているのかもしれないが、
その名前は腐った部分に書いてあったのか見つけることができない。
顔は知っているのでもしも出会ったらお話しよう。
もしかしたら他に蝶ヶ崎さんも参加しているのかもしれないが、
その名前は腐った部分に書いてあったのか見つけることができない。
顔は知っているのでもしも出会ったらお話しよう。
どうやら、自分のすることはそんなに変わらないみたいだった。
球磨川さんに会ってどうすれば良いのか訊いてみる。
球磨川さんと志布志さん、
又は他の過負荷さん以外は知り合いでも何でもないのでとりあえず行動不能にするか殺してみるかしてみる。
球磨川さんに会ってどうすれば良いのか訊いてみる。
球磨川さんと志布志さん、
又は他の過負荷さん以外は知り合いでも何でもないのでとりあえず行動不能にするか殺してみるかしてみる。
最初に集められた箱庭学園の体育館にいた人達のほとんどからは『特別(スペシャル)』や
『異常(アブノーマル)』の雰囲気が感じられた。
不幸を経験した人も中にはいるのかもしれないけれど、それでも彼等は恵まれている。
恵まれているならば、自分達と同じどん底まで引き摺り落とさなくてはならない。
みんなで落ちれば怖くない。
一緒に仲良く底辺になろう。
『異常(アブノーマル)』の雰囲気が感じられた。
不幸を経験した人も中にはいるのかもしれないけれど、それでも彼等は恵まれている。
恵まれているならば、自分達と同じどん底まで引き摺り落とさなくてはならない。
みんなで落ちれば怖くない。
一緒に仲良く底辺になろう。
彼女の行動方針は決まった。
出会う人出会う人みんなを全員腐乱死体にしてみよう。
知り合いの過負荷さんに出会ったらお話しよう。
出会う人出会う人みんなを全員腐乱死体にしてみよう。
知り合いの過負荷さんに出会ったらお話しよう。
軽い気持ちでそんなことを思い、次は何が出てくるかとデイパックに手を入れようとした時だった。
「チャックチャックチャック」
鳴き声のような、人の声のような、そんな音が聞こえてきた。
音のした方を見ると、緑色の犬のようなぬいぐるみのような『何か』が居た。
それは、彼女が先程手から落とした謎の物体Xだった。
音のした方を見ると、緑色の犬のようなぬいぐるみのような『何か』が居た。
それは、彼女が先程手から落とした謎の物体Xだった。
そして現在。
「チャーックチャックチャック」
『謎の物体X』改め『チャック』というらしい生物(?)と共にアスファルトの敷かれた道を江迎は歩く。
あの後もう一度チャックを腐らせたのだが、十秒もしない内に元通りに戻ってしまった。
どうやら自分で勝手に再生する性質を持っているらしい。
大方『天才(アブノーマル)』の誰かが作り出した生物かぬいぐるみなのだろう。
あの後もう一度チャックを腐らせたのだが、十秒もしない内に元通りに戻ってしまった。
どうやら自分で勝手に再生する性質を持っているらしい。
大方『天才(アブノーマル)』の誰かが作り出した生物かぬいぐるみなのだろう。
チャックは江迎のデイパックを引き摺って進んでいる。
命令すればその通りに動いてくれるので、江迎がデイパックを持ってくるように指示したのだ。
チャックのおかげで、ルールブックや地図等の支給品全てを腐らせずに確認することができた。
命令すればその通りに動いてくれるので、江迎がデイパックを持ってくるように指示したのだ。
チャックのおかげで、ルールブックや地図等の支給品全てを腐らせずに確認することができた。
両手には支給品である二刀が綱で繋がっている奇妙な柳葉刀を持っている。
柄ではなく刃を直接握っているので手から血が流れているが、これが彼女の戦闘スタイルの一つなのだ。
最大の武器は『荒廃する腐花(ラフラフレシア)』なのだが、刃物を使った攻撃も気に入っているのだった。
柄ではなく刃を直接握っているので手から血が流れているが、これが彼女の戦闘スタイルの一つなのだ。
最大の武器は『荒廃する腐花(ラフラフレシア)』なのだが、刃物を使った攻撃も気に入っているのだった。
江迎は地図とデバイスの情報から、教会へと続く道を進んでいる。
恋愛や結婚に興味のある乙女であれば、教会に興味を持つのは自然の事だ。
恋愛や結婚に興味のある乙女であれば、教会に興味を持つのは自然の事だ。
地図に江迎が進むこの道路は記載されていない、
地図に載っている道はきっと大通りなのだろう。
地図に載っている道はきっと大通りなのだろう。
「あれが教会ね。中はどうなっているのかしら?」
道の先に、月明かりに照らされた教会の輪郭が現れてきた。
☆ ☆ ☆
暁美ほむらはE-8南部、地図の端にたたずんでいた。
目の前にはこの殺し合いの会場の外が広がっている。
魔力の気配もなく、目視できる限り罠等の変わった所もない。
これなら普通に外へ出られるかもしれない。
目の前にはこの殺し合いの会場の外が広がっている。
魔力の気配もなく、目視できる限り罠等の変わった所もない。
これなら普通に外へ出られるかもしれない。
(そんなわけないわね。きっと外に出たことがばれた時点で、爆弾を爆破されて殺されるわ)
そう、一歩踏み出すだけで簡単に脱出できるわけがない。
それでは殺し合いをさせることができない。爆弾を埋め込んだ意味がない。
恐らくはどこかで監視しているのだろう。
ほむらは手に持った端末に視線を落とす。
端末には液晶画面が付いており、その中心には一つの光点が存在していた。
光点には、『暁美ほむら』と自身の名前が表示されている。
それでは殺し合いをさせることができない。爆弾を埋め込んだ意味がない。
恐らくはどこかで監視しているのだろう。
ほむらは手に持った端末に視線を落とす。
端末には液晶画面が付いており、その中心には一つの光点が存在していた。
光点には、『暁美ほむら』と自身の名前が表示されている。
何でもって位置を認識しているのか。
個々人の生体反応か、それとも体内に埋め込まれているという爆弾か。
何にせよ、何らかの方法で自分達の位置は把握されているのだろうということがこの『参加者レーダー』で知ることができた。
画面の表示範囲を最大まで縮小するが、光点はほむら以外に存在しない。
このエリアに……正確にはこのエリアの南半分には、他の参加者は居ないようだ。
参加者レーダーが表示できる最大範囲は自分を中心とした一エリア分のみ。
今ほむらがいる位置は地図の端のため、液晶画面の南半分は意味を成していない。
個々人の生体反応か、それとも体内に埋め込まれているという爆弾か。
何にせよ、何らかの方法で自分達の位置は把握されているのだろうということがこの『参加者レーダー』で知ることができた。
画面の表示範囲を最大まで縮小するが、光点はほむら以外に存在しない。
このエリアに……正確にはこのエリアの南半分には、他の参加者は居ないようだ。
参加者レーダーが表示できる最大範囲は自分を中心とした一エリア分のみ。
今ほむらがいる位置は地図の端のため、液晶画面の南半分は意味を成していない。
端末をポケットに仕舞うと、ほむらは目の前に広がる会場の外を見つめる。
一刻も早くまどかを探し出したいところだが、まず大前提として『鹿目まどかをこの殺し合いから脱出させる』という目的がある。
そのためには、この会場から脱出できる可能性を少しでも見つけ出さなければならない。
一刻も早くまどかを探し出したいところだが、まず大前提として『鹿目まどかをこの殺し合いから脱出させる』という目的がある。
そのためには、この会場から脱出できる可能性を少しでも見つけ出さなければならない。
ほむらはそこにあった子供の頭ほどある大きさの石を両手で持ち上げると、会場の外へ向かって大きく放り投げた。
もしかしたら地雷か何かの罠がある可能性がる。
それを確かめるためだ。
魔法少女であるほむらならば、魔力による肉体強化でこの程度の石を投げることは不可能ではない。
空間に何か細工がされていないかの確認も含めた投擲だったが、その予想ははずれではなかったらしい。
地図の端と思われる場所を通過した瞬間、石は跡形も無く消え去った。
もしかしたら地雷か何かの罠がある可能性がる。
それを確かめるためだ。
魔法少女であるほむらならば、魔力による肉体強化でこの程度の石を投げることは不可能ではない。
空間に何か細工がされていないかの確認も含めた投擲だったが、その予想ははずれではなかったらしい。
地図の端と思われる場所を通過した瞬間、石は跡形も無く消え去った。
(物体の消失? ……いえ、違うわね。あの女は五十七人分のエネルギーを集めるためと言っていた。
命を奪うだけでそのエネルギーが得られるなら、あの場で全員の爆弾を爆破させれば事は済む。
それをしなかったということは、私達に殺し合いをさせることに意味があるということ。もしも会場の外に出るのが危険であるなら、
ルールブックにその危険性を明記しているか、近付いた時に何らかの警告を発するはず。それがないとなれば考えられるのは………)
命を奪うだけでそのエネルギーが得られるなら、あの場で全員の爆弾を爆破させれば事は済む。
それをしなかったということは、私達に殺し合いをさせることに意味があるということ。もしも会場の外に出るのが危険であるなら、
ルールブックにその危険性を明記しているか、近付いた時に何らかの警告を発するはず。それがないとなれば考えられるのは………)
確証はない。
危険な試みである事は重々承知だ。
だが、これを確かめるのは後々重要なことになるとほむらは思う。
どうせこの体は抜け殻だ。
指先が消滅したとしても、小指程度なら問題はない。
ほむらは、投げた石が姿を消した空間に向かって小指を突き出した。
すると、小指の先が先程に石と同じく消失してしまった。
危険な試みである事は重々承知だ。
だが、これを確かめるのは後々重要なことになるとほむらは思う。
どうせこの体は抜け殻だ。
指先が消滅したとしても、小指程度なら問題はない。
ほむらは、投げた石が姿を消した空間に向かって小指を突き出した。
すると、小指の先が先程に石と同じく消失してしまった。
「………やはりそうね」
ほむらは痛みを感じていなかった。
これは、痛みを遮断していたからではない。
小指を空間から引き抜くと、消失したはずの小指が元のままで抜き出された。
それを確かめると、今度は頭を空間の先を覗き込むように突き出した。
すると、目の前の光景が一変し、コンクリート製の人工物が広がるどこかを見ることになった。
体に異常はない。
そのまま足を動かし、体を完全に住宅街へと移動させる。
これは、痛みを遮断していたからではない。
小指を空間から引き抜くと、消失したはずの小指が元のままで抜き出された。
それを確かめると、今度は頭を空間の先を覗き込むように突き出した。
すると、目の前の光景が一変し、コンクリート製の人工物が広がるどこかを見ることになった。
体に異常はない。
そのまま足を動かし、体を完全に住宅街へと移動させる。
ほむらは基本支給品のデバイスを確認した。
デバイスに表示された文字は、先程までいたE-8ではなく、反対側であるE-1とあった。
どうやらこの会場は空間が歪曲され、端と端で繋がっているようだ。
これならば参加者を逃がす事はないだろう。
禁止エリアも相まって、参加者が追いつめられるのは確実だ。
デバイスに表示された文字は、先程までいたE-8ではなく、反対側であるE-1とあった。
どうやらこの会場は空間が歪曲され、端と端で繋がっているようだ。
これならば参加者を逃がす事はないだろう。
禁止エリアも相まって、参加者が追いつめられるのは確実だ。
デバイスを仕舞うと、ほむらは参加者レーダーを取り出し液晶画面を読み取る。
映し出された光点はほむらの他に南に三つ。
内二つは接触するほど近くに存在しており、現実的にも何かしらの接触があるものと思われた。
映し出された光点はほむらの他に南に三つ。
内二つは接触するほど近くに存在しており、現実的にも何かしらの接触があるものと思われた。
先程の位置から数歩しか移動していないのに、それまで表示されていなかった三つの光点が存在しているとなると、
どうやらレーダーは空間の繋がりを越えた表示ができない仕組みのようだとほむらは判断した。
どうやらレーダーは空間の繋がりを越えた表示ができない仕組みのようだとほむらは判断した。
会場の仕組みがわかり、会場内を移動するのが幾分か楽になる。
例えば研究施設から教会を目指す際、わざわざ地図上を一直線に移動しなくとも、反対方向に進めば移動距離を短縮できるのだ。
例えば研究施設から教会を目指す際、わざわざ地図上を一直線に移動しなくとも、反対方向に進めば移動距離を短縮できるのだ。
光点が三つ灯っている南の方角を見る。
もしかしたらまどかかもしれない。
このレーダーは、半径十メートル以内に一度でも入った参加者ならば名前が表示されるようになっている。
一度十メートル以内で捕捉できれば、十メートル以上離れてしまってもレーダーの範囲内ならば名前が表示されるようになる、
と説明書にはあった。
なるべく全ての参加者と接触し、名前を把握すべきだろう。
もしかしたらまどかかもしれない。
このレーダーは、半径十メートル以内に一度でも入った参加者ならば名前が表示されるようになっている。
一度十メートル以内で捕捉できれば、十メートル以上離れてしまってもレーダーの範囲内ならば名前が表示されるようになる、
と説明書にはあった。
なるべく全ての参加者と接触し、名前を把握すべきだろう。
ほむらに支給されたもう一つの支給品、参加者詳細名簿で出会った参加者が危険人物かそうでないかの判別は可能だ。
これだけで判断するのが危ういこともわかるが、今まで人を殺害した数も記載されている名簿だ。
殺害者数が二桁どころか一万人超えという冗談だろうと言いたくなるような記録まで記載されている。
一人までなら事故や何かでの殺害者数かもしれないが、流石に殺害者数が二桁以上の人物を『安全』と判断することはできない。
これだけで判断するのが危ういこともわかるが、今まで人を殺害した数も記載されている名簿だ。
殺害者数が二桁どころか一万人超えという冗談だろうと言いたくなるような記録まで記載されている。
一人までなら事故や何かでの殺害者数かもしれないが、流石に殺害者数が二桁以上の人物を『安全』と判断することはできない。
鹿目まどかの発見を最優先。
一人以上の殺害経験がある人物は要警戒。
殺害者数が二桁を超える人物は危険人物と判断し排除。
一人以上の殺害経験がある人物は要警戒。
殺害者数が二桁を超える人物は危険人物と判断し排除。
これが彼女のこれからの行動指針だ。
まずは光点が二つ接触している南──地図と照らし合わせると恐らくは教会──に向かって移動しよう。
そう決めた彼女は三つ目の支給品である護送車を取りだした。
免許は持っていないが、説明書に運転のやり方が書いてある。
魔力で動かす事もできたが、魔力は節約し、いざという時に使うべきだと判断した。
この護送車が入るデイパックといい、遠距離間の空間の接続、長距離転送、どんな願いも叶えるという報酬。
報酬に関しては過去に騙された経験があるので信用していないが、
あの平戸ロイヤルという女はそれを信じさせるに足る力は持っているようだ。
魔法少女なのか、それとも別の何かなのか。
答えは掴めないが、今はまどかの捜索と危険人物の排除が最優先だ。
武器が無いのが痛い。
が、それを嘆いている暇はない。
護送車のエンジンをかけ、アクセルを踏む。
そう決めた彼女は三つ目の支給品である護送車を取りだした。
免許は持っていないが、説明書に運転のやり方が書いてある。
魔力で動かす事もできたが、魔力は節約し、いざという時に使うべきだと判断した。
この護送車が入るデイパックといい、遠距離間の空間の接続、長距離転送、どんな願いも叶えるという報酬。
報酬に関しては過去に騙された経験があるので信用していないが、
あの平戸ロイヤルという女はそれを信じさせるに足る力は持っているようだ。
魔法少女なのか、それとも別の何かなのか。
答えは掴めないが、今はまどかの捜索と危険人物の排除が最優先だ。
武器が無いのが痛い。
が、それを嘆いている暇はない。
護送車のエンジンをかけ、アクセルを踏む。
巨大な車体は唸りを上げ、全速力で南下していった。
☆ ★ ☆
「チャーッチャッチャッチャッチャック」
チャックはずっと腰を振りながら江迎の傍を付いてきた。
江迎怒江とチャックの一人と一匹は、教会の門前に居る。
教会の中に参加者がいた場合、チャックの鳴き声で何者かが来たことはすでに中の参加者にばれてしまっているだろう。
まあ、いいか。
江迎怒江は気にしない。
まずは扉を開くのに邪魔な柳葉刀二本を服の中に仕舞った。
江迎怒江とチャックの一人と一匹は、教会の門前に居る。
教会の中に参加者がいた場合、チャックの鳴き声で何者かが来たことはすでに中の参加者にばれてしまっているだろう。
まあ、いいか。
江迎怒江は気にしない。
まずは扉を開くのに邪魔な柳葉刀二本を服の中に仕舞った。
そして初めての見る教会に期待を膨らませながら、その重い扉を開けようと扉に手をかける。
すると、質素でありながら荘厳な雰囲気を纏っていた大きな扉はチョコレートのようにどろどろに溶け、
ぐずぐずに腐って台無しになった。
黒く変色した扉だった物は、聖堂にあってはならない異臭を放ち、清らかだった床を汚している。
こんな場所で結婚式を挙げたい夫婦等、この世に存在しないだろう。
すると、質素でありながら荘厳な雰囲気を纏っていた大きな扉はチョコレートのようにどろどろに溶け、
ぐずぐずに腐って台無しになった。
黒く変色した扉だった物は、聖堂にあってはならない異臭を放ち、清らかだった床を汚している。
こんな場所で結婚式を挙げたい夫婦等、この世に存在しないだろう。
扉を開けるというよりは扉に大穴を開けた江迎は、腐った扉を踏みつけながら聖なる教会へと足を踏み入れる。
目線の先には、十字架に座る一人の男性。
知らない人物なので、殺してしまっても構わないのだろう。
十字架に座るなんて罰当たりな行為をしているのだから、あの男性を殺せば神父様に褒められるかもしれない。
わざとではないと言え、教会を汚してしまったのだ。
そのくらいの罪滅ぼしはしても良いよね、と江迎は思った。
目線の先には、十字架に座る一人の男性。
知らない人物なので、殺してしまっても構わないのだろう。
十字架に座るなんて罰当たりな行為をしているのだから、あの男性を殺せば神父様に褒められるかもしれない。
わざとではないと言え、教会を汚してしまったのだ。
そのくらいの罪滅ぼしはしても良いよね、と江迎は思った。
足元のチャックは何を思ったのか腐った扉を食べてゲロを吐き出していた。
江迎は男に近づこうと一歩踏み出す。
その時だ、十字架に座っていた男が、突然目の前に瞬間移動した。
その時だ、十字架に座っていた男が、突然目の前に瞬間移動した。
「きゃんっ!」
突然の事に驚いた江迎は、どろりとした元扉に足を滑らせ尻もちをついてしまう。
「あいたーっ! ちょっとあんた! なんで突然目の前に現れるのよ!? 驚いて尻もちついちゃったじゃない!!」
江迎は目の前の男に少しだけ怒りをぶつけた。
「すまない。私も突然扉が融けて驚いてね……。怪我はないか?」
そんな江迎に、男は素直に謝罪する。
そして、江迎を引き起こそうと優しく手を差し伸べたてくれた。
そして、江迎を引き起こそうと優しく手を差し伸べたてくれた。
「……………」
そう、手を差し伸べた。
(男の人から手を差し伸べられるなんて初めて…)
過負荷の彼女に、優しく手を差し伸べてしまった。
(それにこんな気持ちも初めて。胸がきゅうっとしめつけられるみたい─?。ひょっとして、これが恋…?
もうこの人こと事以外何も考えられない)
もうこの人こと事以外何も考えられない)
江迎の瞳は濁った瞳から恋する乙女の瞳へと変貌した。
(フン。この女も簡単に手駒にできそうだ)
男、DIOは江迎の目を見てそう心で呟いた。
扉を溶かした、いや、腐らせたのは何かのスタンド能力だろうか。
だが、この女の周囲にスタンドは……居た。緑色の犬のような何かだ。
チャックが付いて動いている物体がスタンドでないわけがない。
こいつがこの女のスタンドなのだろう。
扉を溶かした、いや、腐らせたのは何かのスタンド能力だろうか。
だが、この女の周囲にスタンドは……居た。緑色の犬のような何かだ。
チャックが付いて動いている物体がスタンドでないわけがない。
こいつがこの女のスタンドなのだろう。
ニーソックスの時と同様に自分の力を見せつけながら接触を図ったが、
少し優しくしただけで簡単に恋する乙女へと変貌してしまった。
仮に何らかの攻撃をこの女がしてこようと、我がスタンド「世界(ザ・ワールド)」は銃弾すら防ぐことができる。
その上致命傷を負ったとしても、この女から血を吸い取れば吸血鬼の再生能力で回復することができるのだ。
恐れるものなど日光を除いて他にない。
少し優しくしただけで簡単に恋する乙女へと変貌してしまった。
仮に何らかの攻撃をこの女がしてこようと、我がスタンド「世界(ザ・ワールド)」は銃弾すら防ぐことができる。
その上致命傷を負ったとしても、この女から血を吸い取れば吸血鬼の再生能力で回復することができるのだ。
恐れるものなど日光を除いて他にない。
警戒を怠っていたわけではないが、江迎の手を掴み引き起こそうと力を入れたところで──
「貴様ッ!!」
DIOの掌がぐずぐずに腐り果て肉が削げ落ち骨まで剥き出しになる。
すぐさま江迎から手を離そうとするが、江迎は掴んだ手を離さずそのまま力を入れて立ち上がった。
DIOは「世界(ザ・ワールド)」を発動させ時を止めようとしたが
すぐさま江迎から手を離そうとするが、江迎は掴んだ手を離さずそのまま力を入れて立ち上がった。
DIOは「世界(ザ・ワールド)」を発動させ時を止めようとしたが
「───なにッ!?」
「世界(ザ・ワールド)」が発動しない。
驚愕の間、DIOの手は骨まで腐ってしまった。
驚愕の間、DIOの手は骨まで腐ってしまった。
「チィッ!!」
このままではまずいと判断し、掴んだ手をそのまま振り上げ江迎を投げ飛ばす。
江迎はその手を離さないまま、教会の外へと投げ飛ばされた。
DIOの右手は、手首から先がない。
その『手』は、江迎怒江の手の中にあったからだ。
腐ってもろくなった手で力任せに投げ飛ばしたのだ。
手が取れてしまっても仕方がない。
江迎はその手を離さないまま、教会の外へと投げ飛ばされた。
DIOの右手は、手首から先がない。
その『手』は、江迎怒江の手の中にあったからだ。
腐ってもろくなった手で力任せに投げ飛ばしたのだ。
手が取れてしまっても仕方がない。
投げ飛ばされた江迎は、地面の上を三回ほど回転してようやく止まる。
「一体わたしに何をした!? 答えろ小娘!!」
DIOが激昂する。
緑色のスタンドが何かをした気配はない。
では、あれはスタンドではなく、ニーソックスが言っていたようなスタンド以外の能力ということなのか?
緑色のスタンドが何かをした気配はない。
では、あれはスタンドではなく、ニーソックスが言っていたようなスタンド以外の能力ということなのか?
「うふふふ……痛いじゃないの。でも、許してあげるわ。だって私達夫婦だもの。これくらいの夫婦喧嘩、なんでもないわ
よ。手が触れたのが恥ずかしかったのかしら? 恥ずかしがり屋さんなんだね。そんなところも愛おしいわ。でも、もう恥
ずかしがってこんなことしないでね。今回は許してあげるけど、またこんなことされたら私傷ついちゃうもん。きっと立ち直
れないわ。ショックであなたのこと殺しちゃうかも。なーんて。それでねあなた。いつまでも相手の呼び方があなたなんて
いけないと思うの。あなたっていうのは夫を呼ぶ時に使うものだし、愛がこもっていればお互いをどんな呼び方で呼んで
も良いと思うけれど、でもやっぱり愛しい人の名前くらい知っておきたいわよね。わた」
よ。手が触れたのが恥ずかしかったのかしら? 恥ずかしがり屋さんなんだね。そんなところも愛おしいわ。でも、もう恥
ずかしがってこんなことしないでね。今回は許してあげるけど、またこんなことされたら私傷ついちゃうもん。きっと立ち直
れないわ。ショックであなたのこと殺しちゃうかも。なーんて。それでねあなた。いつまでも相手の呼び方があなたなんて
いけないと思うの。あなたっていうのは夫を呼ぶ時に使うものだし、愛がこもっていればお互いをどんな呼び方で呼んで
も良いと思うけれど、でもやっぱり愛しい人の名前くらい知っておきたいわよね。わた」
「わたしは何をしたのかと訊いるんだッ!!」
痺れを切らしたDIOが叫んだ。
こうしている間にもDIOの『手』は江迎の手の中で腐っている。
あの『手』が無ければDIOの右手は再生できない。
そして、腐った右手を再生するためには血が必要だ。
こうしている間にもDIOの『手』は江迎の手の中で腐っている。
あの『手』が無ければDIOの右手は再生できない。
そして、腐った右手を再生するためには血が必要だ。
自分の演説を途中で遮られきょとんとしていた江迎が、右手を抑えるDIOを見てようやくその右手が無くなっていることに気付いた。
「大変! その手は大丈夫!? 大丈夫なわけないわね。見たらわかるもの。
私のせいね。何をしたかって? 私の過負荷『荒廃した腐花(ラフラフレシア)』
のせいなの。でもそんな説明は後にしなくちゃ。今はあなたの治りょ」
私のせいね。何をしたかって? 私の過負荷『荒廃した腐花(ラフラフレシア)』
のせいなの。でもそんな説明は後にしなくちゃ。今はあなたの治りょ」
「近付くなッ!!」
血相を変えて駆けよってきそうになった江迎を警戒し、DIOは教会の奥へと後退する。
そして江迎を近づけさせないために、教会内に整然と並ぶベンチタイプの会衆席を左腕で掴み取り江迎に向けて投げつけた。
そして江迎を近づけさせないために、教会内に整然と並ぶベンチタイプの会衆席を左腕で掴み取り江迎に向けて投げつけた。
「え?」
突然迫りくる会衆席から身を守ろうと、自身の手を前面に出す。
そこで、右手に愛しの人の『手』を握っていることを思い出し、江迎はDIOの右手を制服のポケットに仕舞いながら、
左手で迫り来た会衆席に触れる。
木製の会衆席は江迎の左手に触れた瞬間に腐り始めるが、
片手だけで全体を十分に腐らせることができる出力を出したと言うのに、会衆席の腐る速さが遅い。
腐り残った会衆席の一部が江迎の体を突き飛ばす。
そこで、右手に愛しの人の『手』を握っていることを思い出し、江迎はDIOの右手を制服のポケットに仕舞いながら、
左手で迫り来た会衆席に触れる。
木製の会衆席は江迎の左手に触れた瞬間に腐り始めるが、
片手だけで全体を十分に腐らせることができる出力を出したと言うのに、会衆席の腐る速さが遅い。
腐り残った会衆席の一部が江迎の体を突き飛ばす。
「きゃあっ!」
会衆席に突き飛ばされた江迎が悲鳴を上げる。
地面に叩きつけられ、体を擦り剥く。
打撃のダメージと相まって体中が痛い。
でも、それ以上に───
地面に叩きつけられ、体を擦り剥く。
打撃のダメージと相まって体中が痛い。
でも、それ以上に───
「酷い酷い酷い酷いお嫁さんに向かってこんなことするなんて駄目よ駄目よ私達は愛し合うのどんな困難も私達なら
乗り越えられるわだって私達には何よりも固い絆があるんですもの愛の前にははどんな険しい道も壁も意味を成さな
いわさあ治療させて子供は何人欲しい? 私は三人欲しいな。女の子がふたり、男の子が──」
乗り越えられるわだって私達には何よりも固い絆があるんですもの愛の前にははどんな険しい道も壁も意味を成さな
いわさあ治療させて子供は何人欲しい? 私は三人欲しいな。女の子がふたり、男の子が──」
なんなんだこいつは!?
DIOは驚愕していた。
あの女から感じられるのはDIOも女から向けられたことがある愛情という感情だ。
敵意や悪意、ましてや殺意は感じられない。
それなのに最初に触れた瞬間に攻撃されたのをDIOは鮮明に覚えている。
手を触れた瞬間に手が腐ったことは確認した。
おそらくは体表に触れた物を腐敗させる能力だろう。
故に服の上からであろうとあの女には触れまいと後退し、近づけさせないために投擲による攻撃をしたのだ。
DIOは驚愕していた。
あの女から感じられるのはDIOも女から向けられたことがある愛情という感情だ。
敵意や悪意、ましてや殺意は感じられない。
それなのに最初に触れた瞬間に攻撃されたのをDIOは鮮明に覚えている。
手を触れた瞬間に手が腐ったことは確認した。
おそらくは体表に触れた物を腐敗させる能力だろう。
故に服の上からであろうとあの女には触れまいと後退し、近づけさせないために投擲による攻撃をしたのだ。
女はこちらが攻撃したと判断するや否や感情を怒りに変質させ、こちらに向かって来る。
「小娘ッ!」
女の接近を許す訳にはいかない。
DIOは「世界(ザ・ワールド)」を発動させる。
今度は問題なく時が止まった。
どうやら、「世界(ザ・ワールド)」を続けて使用することができないように制限をかけられているらしい。
DIOは「世界(ザ・ワールド)」を発動させる。
今度は問題なく時が止まった。
どうやら、「世界(ザ・ワールド)」を続けて使用することができないように制限をかけられているらしい。
静止した時の中。
DIOは会衆席を江迎に向かっていくつも投げつける。
一つの会衆席で大したダメージが与えられないのなら数を増やせば良いだけのこと。
DIOは会衆席を江迎に向かっていくつも投げつける。
一つの会衆席で大したダメージが与えられないのなら数を増やせば良いだけのこと。
時が動き出し、江迎を葬らんと会衆席が江迎を襲う。
しかし、会衆席は江迎に触れた瞬間に液状とも固形とも言い難い状態になり、まるで江迎にダメージを与えられない。
先程は一つで突き飛ばせたというのに、今度は複数の会衆席を全て腐らせた。
こちらの方が余程困難な所業だろうに、どうなっているのかわけがわからない。
実際は出力と結果に違和感を感じた江迎が、両手を使っていつもより大きな出力で『荒廃する腐花』を使用しただけなのだが、DIOがそれを知ることはない。
しかし、会衆席は江迎に触れた瞬間に液状とも固形とも言い難い状態になり、まるで江迎にダメージを与えられない。
先程は一つで突き飛ばせたというのに、今度は複数の会衆席を全て腐らせた。
こちらの方が余程困難な所業だろうに、どうなっているのかわけがわからない。
実際は出力と結果に違和感を感じた江迎が、両手を使っていつもより大きな出力で『荒廃する腐花』を使用しただけなのだが、DIOがそれを知ることはない。
「貴様の能力は一体何だッ!?」
「何なのこれは? さっきの瞬間移動といいこれはこれはあなたがやっているの? なんでこんなこ
とをするのよなんで私から離れていくのよなんで私を遠ざけようとするのよなんで私に攻撃するのよ
私に手を差し伸べてくれたじゃないあれって好きってことでしょ好きってことでしょ私のこと好きなん
だよね? それに私の手を取ってくれたじゃないそれはもう私達は永遠を誓い合ったということな
のでしょう私達もう夫婦になったのでしょう? 神父さんはいないけどここは教会なのだし私達は夫
婦になったのよこれが運命の出会いなのよ私達は運命の赤い糸で結ばれていたのよあんたは私
を愛するために生まれてきたんだしあんたは私に愛されるために生まれてきたんだし私に出会っ
たあんたはもう何もしなくてもいいのよいいんだから殺し合い? 大丈夫二人の愛で突破できない
ものなんてないわ私達以外の人間なんて知ったことじゃないんだから二人だけで脱出できれば何
も問題ないわよね? そうだまだ名前を言っていなかったわ自己紹介する時間がなかったから仕
方のないことだけどいつまでも名前がわからないままじゃ駄目よね。私の名前は江迎怒江 怒江っ
て呼んでねでも呼びたい愛称があるならそれで構わないわ私達の間には愛があるんですものそ
れであなたのお名前はなんていうの? そして愛称は何が良い? やっぱりダーリン? それとも
呼び捨て? あなたどこの国の人なの? あなたの国の言葉で一番相手を愛する呼び方って何
が───」
とをするのよなんで私から離れていくのよなんで私を遠ざけようとするのよなんで私に攻撃するのよ
私に手を差し伸べてくれたじゃないあれって好きってことでしょ好きってことでしょ私のこと好きなん
だよね? それに私の手を取ってくれたじゃないそれはもう私達は永遠を誓い合ったということな
のでしょう私達もう夫婦になったのでしょう? 神父さんはいないけどここは教会なのだし私達は夫
婦になったのよこれが運命の出会いなのよ私達は運命の赤い糸で結ばれていたのよあんたは私
を愛するために生まれてきたんだしあんたは私に愛されるために生まれてきたんだし私に出会っ
たあんたはもう何もしなくてもいいのよいいんだから殺し合い? 大丈夫二人の愛で突破できない
ものなんてないわ私達以外の人間なんて知ったことじゃないんだから二人だけで脱出できれば何
も問題ないわよね? そうだまだ名前を言っていなかったわ自己紹介する時間がなかったから仕
方のないことだけどいつまでも名前がわからないままじゃ駄目よね。私の名前は江迎怒江 怒江っ
て呼んでねでも呼びたい愛称があるならそれで構わないわ私達の間には愛があるんですものそ
れであなたのお名前はなんていうの? そして愛称は何が良い? やっぱりダーリン? それとも
呼び捨て? あなたどこの国の人なの? あなたの国の言葉で一番相手を愛する呼び方って何
が───」
それに何だこの長ったらしい言葉は。
何かの時間稼ぎなのか?
それに夫婦だと?
一体いつわたしと貴様が式を挙げたのだ!?
私を愛していると奴は言ってはいる。感じられる感情も愛情で間違いない。
それなのに奴は私を腐らせるために行動している。
わけがわからない。
奴の中では愛する事と殺す事が同列にでもなっているのか。
何かの時間稼ぎなのか?
それに夫婦だと?
一体いつわたしと貴様が式を挙げたのだ!?
私を愛していると奴は言ってはいる。感じられる感情も愛情で間違いない。
それなのに奴は私を腐らせるために行動している。
わけがわからない。
奴の中では愛する事と殺す事が同列にでもなっているのか。
そこで、DIOははたと気付いた。
教会の入口に居る緑色のぬいぐるみのような何かである。
先程から腰を振る下劣な行為におよんでいる奴のスタンドだ。
教会の入口に居る緑色のぬいぐるみのような何かである。
先程から腰を振る下劣な行為におよんでいる奴のスタンドだ。
DIOは江迎の能力の全容を把握できておらず、またその危険性も認識している。
逃げの道を選ぶのも手だが、スタンド能力者ならばスタンドに負った傷は本人にも影響するはずである。
DIOは「世界(ザ・ワールド)」を展開し……時が止まらない。
仕方ない、避けられてしまう可能性もあるが左腕で会衆席を掴み取り、
入口付近で腰を振っていたチャックへ向けて渾身の力で投げつけた。
逃げの道を選ぶのも手だが、スタンド能力者ならばスタンドに負った傷は本人にも影響するはずである。
DIOは「世界(ザ・ワールド)」を展開し……時が止まらない。
仕方ない、避けられてしまう可能性もあるが左腕で会衆席を掴み取り、
入口付近で腰を振っていたチャックへ向けて渾身の力で投げつけた。
「チャックチャックチャックチャーチャック!?」
緑色のスタンドは会衆席に潰されミンチと化した。
スタンドはスタンド以外の攻撃を受け付けない。
それがただの会衆席でミンチになった。
スタンドがスタンド以外の攻撃を受けるように平戸ロイヤルに細工されたのか?
いや、スタンドが破壊されたというのに当の江迎本人が無傷ときている。
このことから緑色はスタンドではなく別の何かと考え、江迎の能力はスタンド以外の能力と確信した。
スタンドはスタンド以外の攻撃を受け付けない。
それがただの会衆席でミンチになった。
スタンドがスタンド以外の攻撃を受けるように平戸ロイヤルに細工されたのか?
いや、スタンドが破壊されたというのに当の江迎本人が無傷ときている。
このことから緑色はスタンドではなく別の何かと考え、江迎の能力はスタンド以外の能力と確信した。
その時だ。
「……チャー…ック……」
ミンチとなったはずのスタンド(?)が、寄り集まって元の姿へと再生し始めたではないか。
「チャックチャックッチャッチャク」
「再生しただと!?」
数秒後、そこには元気に腰を振り続けるチャックの姿が!
まずい。
スタンド能力者以外にスタンドが見えているという可能性。
そして、スタンドが物体を透過できなかった事実。
あの緑色のスタンド(?)が本物のスタンドなのか、それともスタンド以外の別の存在なのか、DIOに判別することはできなかった。
もしもあれが回復能力まで身に付けているとなれば、江迎が無傷なの回復能力によるものだと思われるからだ。
スタンド能力者以外にスタンドが見えているという可能性。
そして、スタンドが物体を透過できなかった事実。
あの緑色のスタンド(?)が本物のスタンドなのか、それともスタンド以外の別の存在なのか、DIOに判別することはできなかった。
もしもあれが回復能力まで身に付けているとなれば、江迎が無傷なの回復能力によるものだと思われるからだ。
(ここは他者と接触を計り、このスタンド以外の能力について調べる必要があるな)
ニーソックスの話から、この殺し合いには一定数、
以前から関係のある者達を呼び出しているのではないかと仮定していたことを思い出す。
以前から関係のある者達を呼び出しているのではないかと仮定していたことを思い出す。
DIOの知っているヴァニラ・アイスやエンリコ・プッチ、そして花京院にジョセフ・ジョースター。
ニーソックスの知っているパンスト姉妹にガーターベルト神父。
ニーソックスの知っているパンスト姉妹にガーターベルト神父。
それと同様に、こいつの知り合いもこの殺し合いに呼ばれていると考えられた。
江迎とはまともに話ができそうにないが、他の知り合いから情報を訊き出すことは可能だろうか?
江迎とはまともに話ができそうにないが、他の知り合いから情報を訊き出すことは可能だろうか?
「江迎よ、お前の知り合いはこの殺し合いに呼ばれているのか?」
「でもひとつだけお願い。私『あーん』ってするの、昔から憧れだったんだ。だからえ? 私の知り合
い? 球磨川さんと志布志さんの二人よ。正確には球磨川禊さんと志布志飛沫さんね。そうね。こ
の二人も私達の挙式に呼びましょうか。もう結婚したけど、ちゃんと神父さんの前で愛を誓い合い
たいもの。あ、知ってるだけだけど黒神めだかと人吉善吉っていう人達も知ってるわ。知ってるだけ
で友好関係にあるわけじゃないんだけどね。人吉くんに至っては名前しか知らないし。私と同じ箱
庭学園の生徒で私達の敵なの。でもこの二人も私達のことを祝福してくれるわ。だって全世界の人
達が私達を祝福してくれるんだも。でも夫婦なのに江迎だなんてよそよそしいな。怒江って呼んで
よ。私も───」
い? 球磨川さんと志布志さんの二人よ。正確には球磨川禊さんと志布志飛沫さんね。そうね。こ
の二人も私達の挙式に呼びましょうか。もう結婚したけど、ちゃんと神父さんの前で愛を誓い合い
たいもの。あ、知ってるだけだけど黒神めだかと人吉善吉っていう人達も知ってるわ。知ってるだけ
で友好関係にあるわけじゃないんだけどね。人吉くんに至っては名前しか知らないし。私と同じ箱
庭学園の生徒で私達の敵なの。でもこの二人も私達のことを祝福してくれるわ。だって全世界の人
達が私達を祝福してくれるんだも。でも夫婦なのに江迎だなんてよそよそしいな。怒江って呼んで
よ。私も───」
あっさり答えてくれた。
言葉からはこちらに向けられる愛を感じるし、扱い方さえ間違えなければ良い手駒になるかもしれない……が、駄目だ。
会話が通じているようで通じない雰囲気がある。
ここは一度こいつから離れ情報を収集するべきだろう。
DIOは教会の壁を壊しながら外へ脱出し、住宅街の方へ移動しようとしたその時だ。
遠くからエンジンの唸りが聞こえてきたかと思うと、全速力でこちらに向かう舞台が視界に入った。
言葉からはこちらに向けられる愛を感じるし、扱い方さえ間違えなければ良い手駒になるかもしれない……が、駄目だ。
会話が通じているようで通じない雰囲気がある。
ここは一度こいつから離れ情報を収集するべきだろう。
DIOは教会の壁を壊しながら外へ脱出し、住宅街の方へ移動しようとしたその時だ。
遠くからエンジンの唸りが聞こえてきたかと思うと、全速力でこちらに向かう舞台が視界に入った。
「む!?」
大型の車らしい。
しかし、体に異変が起こる。
動かない。
動かそうと思っても、動かないのだ。
まさかと思い「世界(ザ・ワールド)」を発現させると体が動いた。
「世界(ザ・ワールド)」を発現させることで初めて体が動くようになった現実。
世界を統べる、時を統べる「世界(ザ・ワールド)」によって体が動くようになったということはまさか。
まさか───
しかし、体に異変が起こる。
動かない。
動かそうと思っても、動かないのだ。
まさかと思い「世界(ザ・ワールド)」を発現させると体が動いた。
「世界(ザ・ワールド)」を発現させることで初めて体が動くようになった現実。
世界を統べる、時を統べる「世界(ザ・ワールド)」によって体が動くようになったということはまさか。
まさか───
「まさかこのDIO以外に時を止められる能力者が居るというのかァーッ!?」
時を止め、自分だけが静止した時の中を動くことができるという、DIOにだけ与えられた絶対にして無敵の能力。
その能力が、DIOの前で使われているという事実。
禍根は早いうちに摘み取るものだ。
その能力が、DIOの前で使われているという事実。
禍根は早いうちに摘み取るものだ。
「「世界(ザ・ワールド)」ッ! 止まれいッ! 時よッ!」
残り数十メートルというところで、DIOは「世界(ザ・ワールド)」を使用する。
「世界(ザ・ワールド)」の発動限界は先程の江迎戦で確認した三秒間ッ!
その間に一気に距離を詰め、あの大型車を操る能力者を葬り去るのだッ!
「世界(ザ・ワールド)」の発動限界は先程の江迎戦で確認した三秒間ッ!
その間に一気に距離を詰め、あの大型車を操る能力者を葬り去るのだッ!
三秒前!
大型車との距離は残り十メートルとなる。
二秒前!
大型車の前に到達する。
一秒前!
これだけの時間があれば大型車ごと破壊するには十分すぎる。
フロントガラスは装甲されており中を確認する事はできない。
だが無意味だ。
怒涛のラッシュを正面から叩きこみ、正面の座席ごと車体を押し潰す。
フロントガラスは装甲されており中を確認する事はできない。
だが無意味だ。
怒涛のラッシュを正面から叩きこみ、正面の座席ごと車体を押し潰す。
「無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄無駄駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」
「世界(ザ・ワールド)」のラッシュにより、車体は大きく変形し潰れてしまう。
中の人間が無事でいられるスペースはどこにもなくなった。
中の人間が無事でいられるスペースはどこにもなくなった。
「時は動き出す!」
潰したのは車体正面だけだ。
護送車はその速度を少し緩めただけで慣性の法則に従いDIOの横を通り過ぎて行った。
護送車はその速度を少し緩めただけで慣性の法則に従いDIOの横を通り過ぎて行った。
時系列順で読む
投下順で読む
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| 行動開始 | 暁美ほむら | これはゾンビですか? はい、魔法少女です (後編) |
| 行動開始 | 江迎怒江 | |
| Demon and Vampire | DIO |