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ビギナー その5 - (2007/01/08 (月) 13:46:04) の1つ前との変更点

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石の洞窟内部─ のび太とリーフは薄暗い洞窟の中を進む。時折、黒い影が頭上を横切る。 のび太「気味悪いところだね…」 のび太はかなり怯えながらリーフの少し後ろを歩いている。 左手でリーフのシャツをしっかり掴みながら。 リーフ「んー、でも地下はもっと暗いから。そのためにフラッシュがあるんだよ?大丈夫大丈夫。」 ビクビクしているのび太をリーフが諭す。 しばらく歩き続けたところで、とうとう光のない暗闇に入った。 リーフ「そろそろ明かりが要るね、出ておいで。」 モンスターボールから何かを出すリーフ。そのポケモンにリーフがフラッシュをさせると、そのポケモンが眩い光を放つ。 のび太「わー、これなら怖くないや!そのポケモンは…」 二人の前をちょこちょこ歩きながら光を放っているのは、タネボーだった。 リーフ「可愛いでしょ!秘伝技も使えるし、いいポケモンだよ。」 タネボーに続いて歩いて行くとまたフラッシュを使わなくてもいい程の明るさの所へ辿り着いた。 リーフ「ほら、あそこに誰かいるよ!」 そう言って洞窟の少し開けた所を指差すリーフ。そこには確かに、ダイゴであろう青年が立っていた。 ---- ダイゴと思われる青年の元へ駆けて行くリーフ。 リーフ「すいません、ダイゴさん…ですか?」 青年はリーフに呼び掛けられそれまでしていた作業を止める。 青年「あぁ…僕はダイゴだ。君達は一体?」 その青年はダイゴだった。返事をしながら二人の元へ歩み寄ってくる。 リーフ「私たち、ツワブキ社長からの使いで来たんです。」 ダイゴ「父さんの?」 のび太「はい…これをダイゴさんに渡すようにと。」 のび太はダイゴにツワブキ社長から預かった手紙を手渡した。 ダイゴ「…そうなのか…あ、君達─」 ありがとう、ダイゴがそう二人に礼を言おうとしたがそれは思わぬ邪魔者によって妨害される。 ?「その手紙…渡してもらおうか。」 ??「キャハハハハ!もらおうか!」 乱入して来たのは胸のところに大きなRのプリントの入った黒装束の二人組─リーフは、その黒装束に見覚えがあった。 リーフ「この人達…ロケット団だ…」 のび太は、リーフの一言に驚く。 のび太"こいつらが…ロケット団か。" のび太は二人組をまじまじと見た。 ---- 大柄で無愛想な男と、正反対に小柄でさっきからケタケタと笑っている女。 女「キャハハハハ!ダイゴさん、ソ・レ!渡して貰うわよ!」 女はダイゴの持っている手紙を指差す。 ダイゴ「この手紙の何が目的か知らないが…嫌だと言ったら?」 ダイゴはそう言って女を睨み付ける。その鋭い目に全く怯まずケタケタと笑い続ける女。 女「キャハハハハ!そうね、力ずくでも奪っちゃうよ!」 女は笑いながらモンスターボールを投げる。その中から現れたのはニューラだった。 ニューラは軽い身のこなしで女の周りをピョンピョンと飛び跳ねる。 無口な男が、静かに口を開いた。 男「あまり手間取るなよ…アヤノ。」 アヤノ「キャハ!わかってるわよゲン!すぐに決めてあげるんだから!」 のび太"アヤノと…ゲン…" のび太は、二人が互いにそう言ったのを聞いた。どうやらそれがこの二人組の名前らしい。 ダイゴ「くっ…しまった…」 ダイゴは何故かモンスターボールを握りながらも投げない。疑問に思ったリーフがダイゴに聞く。 リーフ「どうしてポケモンを出さないんですか!」 ダイゴ「出さないんじゃないんだ…」 ダイゴは苦笑いしながら答えた。 ---- ダイゴ「今の僕の手持ちは…大型過ぎてこんな狭い場所じゃあ戦えないんだよ…」 そんな事はお構い無しに、アヤノのニューラはダイゴに向かって鋭いツメを振り下ろす。 ダイゴ「くっ!…」 ダイゴは身を屈めその一撃から逃れようとしたが、攻撃がダイゴに当たる事はなかった。 「リーフちゃん!」 ダイゴが顔をあげると目の前では、リーフのハッサムが両腕でニューラの振り下ろされそうな手を止めていた。 リーフ「それなら…私が戦います!」 そして、リーフがダイゴを庇うようにハッサムと並んでアヤノのニューラと対峙する。 アヤノ「キャハハ!可愛いお嬢ちゃんね、邪魔する気なの?」 アヤノはリーフを馬鹿にしたように笑った。 リーフ「えぇ…それに、あなた達には聞きたい事が山程あるの。」 冷静な言葉とは逆に、リーフの表情には胸に秘めた怒りが漏れているようにすら感じる。 しかし、アヤノはそんなリーフをまたも馬鹿にした。 アヤノ「キャハ!そうね…あんたが私に勝てたら、なんだって教えてあげる!」 ニューラが一旦ハッサムから離れ間合いをとっている。 リーフ「行くよ…」 リーフも、そしてハッサムも戦闘体制に入った。 ---- アヤノ「キャハハ!おいで!先に攻撃させたげる!」 リーフを挑発するアヤノ。その表情からは余裕が感じられる。 リーフ「甘くみないで!メタルクロー!」 クロスさせた両腕を、猛スピードでニューラに向かって振り下ろすハッサム。しかし、攻撃がヒットしたのはニューラの後ろにあった岩だった。 リーフ「…っ!避けられた!」 音をたてて岩が砕ける。その後ろからニューラがスッと姿を現した。 マユミ「キャハハ!スキだらけね!騙し討ちよ!」 攻撃直後でガードの間に合わないハッサムの後ろからニューラの攻撃が直撃した。その一撃でハッサムは壁に向かって飛ばされる。 リーフ「ハッサム!立て直して!」 リーフの命令で咄嗟に羽を羽ばたかせ体制を整えたハッサム。 しかしその目前には、すでに攻撃体制の整ったニューラが迫ってきていた。 リーフ"─速い!それに─パワーもある…" リーフ「影分身…」 アヤノ「キャハ!遅いわね!」 ハッサムが分身を作り出すより早く、ニューラの鋭いツメはハッサムをしっかり捕らえていた。 ---- アヤノ「乱れ引っ掻き!」 ニューラのツメが、堅いハッサムの皮膚に幾重にも重ねて鋭い傷跡をつける。 その猛攻の前にハッサムは崩れ落ちそうになりながらも、どうにか立ち続けていた。 リーフ"あのニューラ…強すぎる!" 多少のレベルの差ならリーフはひっくり返せると思っていたが、想像以上に強いニューラの前に手も足も出ない。 リーフ"一体どうしたら…" リーフは必死に答えを探したが、答えが見つかる事はなかった。 アヤノ「ボーッとしてていいのかな?キャハ!そろそろ決めるわよ!長く遊び過ぎちゃった!」 立ち尽くすハッサムに向かって走りながら片手を振り上げるニューラ。その手の周りには、冷気が渦を巻いている。 アヤノ「冷凍パンチ!」 ハッサムのボディを真っ直ぐ捕らえた一撃が、ハッサムを戦闘不能にした。 リーフ「ハッサム!」 自分の目の前で力尽きて倒れているハッサムに駆け寄るリーフ。 しかしニューラは、その様子に目もくれずにダイゴに体当たりして、後方に何度も宙返りしてアヤノの元へ戻った。 アヤノ「キャハハハハ!それじゃ、目的は果たしたわ!」 アヤノはニューラの泥棒で手に入れた手紙を服の胸部にしまった。 ---- アヤノ「キャハ!終わったよ!」 その言葉にそれまで動かなかったゲンが、手に持っていたボールからマタドガスを繰り出す。 ゲン「マタドガス、煙幕…」 ゲンがマタドガスに煙幕を命じようとすると、マタドガスが少しばかりダメージを受けていた。 ゲンがダメージを与えた正体を確認する。その先にいたのは─ のび太「に、逃げるな!ロケット団!」 エーフィを繰り出していたのび太だった。 マユミ「キャハハ!何このコ?ゲンと戦うつもりなの?」 のび太「タイプじゃこっちが有利だ!エーフィ、念力!」 ゲン「ふん…やるのか…」 マタドガスに向かって再度エーフィが念力を放つ。 しかし、効果は抜群ながらもダメージは小さいようだ。 のび太"くっ…" ゲン「マタドガス、ヘドロ爆弾だ。」 マタドガスの口から吐き出された黒い塊がエーフィの至近距離で爆発し、エーフィがヘドロにまみれた。立ち上がる体力も残っていないようだ。 のび太「エーフィ!」 その様子を見てゲンが言った。 ゲン「これで満足だろ、小僧…マタドガス、煙幕だ。」 マタドガスの口から、黒い煙が吹き出す。 煙で何も見えない中、アヤノの高笑いが洞窟の中に響いていた─ ---- 煙幕がゆっくりと晴れてくる。 さっきまであの二人が居た場所には、誰も残っていなかった。 リーフ"逃げられた…" 悔しそうに唇を噛むリーフ。追っていたロケット団を目の前にしながらも、捕まえられなかった。 リーフ"あたしは…まだまだ弱いなぁ…" そう思いながら、リーフはハァと溜め息をつく。 のび太「……」 そして、自分の力不足を感じていたのはのび太も同じだった。 のび太"何も出来なかったや…" そんな傷心の二人にダイゴが話しかける。 ダイゴ「手紙は盗られたけど…内容は覚えてあるし、そこまで大変な書類といったワケじゃなかったから大丈夫だよ。」 ダイゴはそう言って、二人に二つの技マシンを渡した。 ダイゴ「これは御礼の気持ちだよ。それじゃ、僕は先を急ぐからこれで…気をつけてね。」 そして洞窟を出て行ったダイゴ。そして二人も穴抜けのヒモを使って洞窟を出たのだった。 現在の状況 @のび太 手持ち:エーフィ・キノココ @リーフ 手持ち:ハッサム・タネボー・??? 共にムロ・石の洞窟出口。

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