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金銀物語 その4 - (2006/12/27 (水) 00:01:57) の編集履歴(バックアップ)


 何故ジャイアンがいないのか・・・・・・その理由は数時間前の会話まで遡らなければいけない。
ドラ「ではまず、どうやってロケット団と戦うかだけど・・・」
ジャイ「ちょっと待ってくれ!話があるんだ。」
ドラ「何だいジャイアン?言ってごらんよ。」
ジャイ「俺はこのロケット団の戦いに参加せず、この町に居ようと思う・・・・・・」
 全員が驚き、長い沈黙が続く・・・・・・静寂を切り裂くように口を開いたのは出来杉だった。
出来「剛田君、つまりそれは“逃げる”ということかい?」
ジャイ「違う!そんなんじゃない!」
 ジャイアンが顔を真っ赤にして反論する。

出来「じゃあ理由を説明してよ。このままじゃ皆納得がいかないだろうからね。」
ジャイ「わかった・・・・・・実は俺はロケット団に連れて行かれるとき、奴等の幹部を見たんだ。スネ夫は奴を“ミツキ”とか呼んでた。奴は俺をロケット団にスカウトした。」
全員「!(ジャイアンがロケット団に誘われていたなんて。)」
ジャイ「もちろん俺はその話を断ったさ、そして奴の怒りをかって捕まった。その時、俺は奴にビビって腰を抜かしていた。俺はそれが悔しかった!」
 ジャイアンが腰を抜かすほどの人物ミツキ。顔も知らないのに、皆は彼に恐怖を覚えた。
ジャイ「だから俺はここに残って、ここのジムや周辺で修行したい。そしてもう奴に、いや、誰にもビビらないように強くなりたいんだ!」
 ロケット団と戦うのに戦力を1人失うのはキツイ・・・・・・だがジャイアンの瞳に強い決意を感じ、彼らは4人で戦うことを決めた。
ジャイ「本当にすまない・・・じゃあな。」ジャイアンはセンターから出て行った。

 その後計画を立て、彼らは一晩をセンターで明かしてから朝コガネへ行き、今に至る・・・・・・という事だ。
 まずは計画通り、のびたが塔に入っていく。そのちょっと後にドラえもん、続いてしずかの順番で塔へ入る。出来杉は外の見張りで緊急事態には突入する。



 最初に塔に入り、現在3階で団員と戦っているのびたは昨日の会話を思い出していた・・・・・・

ドラ「それじゃあまずどうやって攻めるかだけど、だれか意見はないかい?」
すぐに出来杉が言葉を発した。
出来「4人で一斉に入っていくのはダメだと思うんだ。目立っちゃうし、一気に捕まえられたらおしまいだからね。」
ドラ「なるほど。じゃあどうやって入っていこうか・・・」
出来「まず1人が行き、しばらくしてもう1人、2人と行くのがいいと思うよ。残った1人は外で周囲の様子を見ながら緊急事態に備えるという事で・・・・・・」
ドラ「うん、いい案だ。それじゃあ、まず最初には入っていく人を決めなきゃならないね。誰かやってくれる人はいないかい・・・・・・」
 とたんに長い沈黙が訪れた。最初に行くのは一番危険で、リスクも大きい。誰だって抵抗があるのだ・・・・・・とその時、のびたが手を挙げた!
のび「あの・・・その・・・僕が・・・・・・僕が行くよ!」
 張り詰めた空気を切り裂いたその一言に全員が驚いた。まさかあの弱虫のびたがこの役目に立候補するとは思わなかったからだ。当の本人までもが驚いている・・・

 今ならのびたには何故あの時あんなことが言えたのか分かる。この冒険の様々な体験・・・・・・ジャイアンに負けて悔しかったこと、初めてジム戦に勝って嬉しかったこと、
しずかちゃんと旅できたこと、ポケモンたちが進化していったこと、海で溺れ死にそうになったところを仲間が助けてくれたこと・・・等の体験、そしてのびたを支えてくれるポケモンたちと仲間たちが自分に勇気をくれたのだ。
 皆の思いを胸に秘め進んでいくのびたは遂に最上階の5階まで辿り着いた。



294 名前:金銀物語 ◆AoT8KYCnWo [sage] 投稿日:2006/12/25(月) 20:55:39 ID:???
 ラジオ塔最上階、ここまで辿り着いたのびたの目の前に、局長と思われる太った人物が立っていた。
のび「局長さん!ご無事でしたか!」
局長「ん、君は?」
のび「僕は野比のびたと言います。あなたの味方です!早速ここから脱出しましょう。」

 すると突然局長が狂ったように笑い出した。
局長「ククク、ハーハッハハハ!ロケット団も落ちたものだな。こんなガキにここまで進入されるとは・・・」
のび「お、お前は何者だ!」
???「俺の名はゼンジ、ロケット団3幹部の1人だ!(まあ3人で一番格下なんだが)」
 局長の服を脱ぎ捨てたゼンジはロケット団のコスチュームをまとっていた。
のび「か、幹部だと!上等だ、いざ勝負!」
ゼン「ハハハ、俺にたてついたことことを後悔するがいい!」
 ゼンジとのびたの勝負が始まる。本当はここで戦うのはただの雑魚トレーナーだったことなど金銀未プレイののびたが知るわけない・・・・・・



 のびたはヨルノズクを、ゼンジはスリーパーを繰り出した。
ゼン「スリーパー、催眠術だ!」だがヨルノズクはまったく動じない。
のび「ヨルノズクは特性の“不眠”で眠らない、残念だったね。こっちも催眠術だ。」
だが、スリーパーも眠らない。そう、スリーパーの特性も“不眠”なのだ。
ゼン「ガキめ!さっきの言葉をそのままお返しするぜ。」

のび「くそ、ならエアスラシュだ。」だがあまり効いていない。
ゼン「スリーパーの特防の高さを知らないのか・・・金縛りだ!」
のび「金縛りだと、そんなぁ。」
ゼン「これで貴様のメイン技は使えない。毒ガスだ!」
毒ガスを浴びたヨルノズクは苦しんでいる。
のび「くそ、短期決戦に持ち込むしかないな・・・ヨルノズク、例のあれしかないぞ!」
ゼン「“例のあれ”だとぉ?何も起こらないじゃないか。やけでも起こしたかぁ?まあいい。その馬鹿がボーッとしてる間にサイケ光線で倒しちまえ!」

 のびたが言葉を発してから動かなくなったヨルノズクに何度もサイケ光線が何度もヒットする。毒のダメージもあってヨルノズクは倒れかけだ。だが、ヨルノズクがいきなり羽を広げ、不敵な笑みを浮かべた。すると、のびたも笑い出した。
のび「準備ができたようだね・・・行くぞ!ゴッドバードだ!」
ゼン「ゴッドバードだとぉ!まさかさっきまで力を溜めてたのか・・・」
 物凄いスピードでスリーパーに飛行タイプ最強の技が命中する。スリーパーは一撃で倒れ、ヨルノズクも溜まったダメージと毒のダメージで倒れた。ここまでは五分五分だ。



 続いてのびたはエテボース、ゼンジはマタドガスを繰り出した。
のび「早速行くよ。高速移動から、ダブルアタック!」2回目は急所に当たった。
ゼン「くそ、ヘドロ爆弾だ!」だが素早く動き回るエテボースにまったく当たらない。
のび「いいぞ!もう一度ダブルアタック。」
ゼン「くそ、ちょこまかしやがって。煙幕だ。」
煙幕でエテボースは視界を遮られ、慌てて動きを止めてしまった。
ゼン「今だ、毒ガス。」先程と同じくエテボースも毒状態になった。

のび「くそ、また毒か・・・」
ゼン「後は貴様のエテボースが毒で死ぬのを待つだけ!煙幕をもっとだせ。」
のび「(命中率を下げようということか)甘いね。スピードスターだ。」
 エテボースのスピードスターは煙幕の中のマタドガスに正確に命中する。
ゼン「(スピードスターは絶対必中の技・・・)くそ、小賢しい!」
のび「今ので場所がわかった、ダブルアタックだ。」
 この一撃でマタドガスは瀕死寸前まで追いやられた。
のび「よし、勝てるぞ。」
 だがゼンジは不適に笑っている・・・

のび「何がおかしい!ダブルアタックで止めを刺せ!」
エテボースが攻撃しに近づいてきた時、ゼンジは仕掛けた。
ゼン「今だ、大爆発!」
 眩い光が当たりを包む。光が消えた頃にには、どちらのポケモンも倒れていた。だが建物への影響はまったくない。
ゼン「安心しろ。威力を抑えてやったからな。この塔を壊すわけにはいかないし・・・」



 お互いもうポケモンは1匹しか残っていない。これが最後の勝負だ。
のび「ヤドキング、頼んだよ。」
ゼン「リングマ、出て来い。切り裂くだ。」
 先手をとったリングマの切り裂くが命中し、ヤドキングは半分程のダメージを受けた。
のび「な、なんて威力だ・・・のろいで能力を上げろ。」
ゼン「能力を上げてる暇なんてあるのかぁ?切り裂きまくれ!」
 のろいを使用してひたすらじっとしているヤドキングをリングマが容赦なくきりさいていく。ヤドキングは今にも倒れそうだ・・・

ゼン「ん、まだ死なねぇのか。しぶといな・・・・・・何!」
 ゼンジの前には無傷の元気なヤドキングがいた。ゼンジは驚愕した。
ゼン「そんな馬鹿な!あれ程攻撃したのに・・・」のびたが嬉しそうに答える。
のび「“眠る”で体力を回復させてもらったのさ。」
ゼン「なるほど・・・でも、なんでこんなに早く起きてるんだ!」
のび「この“カゴの実”を持たせていたのさ。こいつがあればすぐ起きられるからね。さぁ止めだ。ヤドキング、思念の頭突き。」
 のろいで攻撃力を上げまくっていたヤドキングの強力な技でリングマは一発KOされた。のびたの勝利だ!



ゼン「そ、そんな馬鹿な・・・この幹部の、幹部の俺様が!こんな小僧に!」
 そこにドラえもんとしずかも現れた。
ドラ・しず「のびた君!(のびたさん!)無事だったのか・・・」
 のびたはドラえもんとしずかに、ゼンジが局長に化けた幹部で、自分がゼンジを倒したことを説明した。幹部を倒したのびたを2人は誉めまくり、のびたはすっかり上機嫌だ。

 だが今やるべきことをのびたは思い出した。
のび「さぁ、話してもらうよ。本物の局長はどこにいるんだ!」
 のびたはゼンジを問いただした。意外とゼンジはあっさり話してくれた。
ゼン「どうせもう俺はここにはいられない・・・・・・よし、教えてやるよ。局長は現在コガネ百貨店の地下に隠されている。そこには地下通路の閉ざされた扉からしか行けない。もちろん鍵が必要だ。俺が持ってるのをやるよ。」
のび「なんかあっさり話してくれたね。鍵までくれて・・・よかったのかい?」
ゼン「ああ。俺も久しぶりにいい勝負ができて嬉しいし、敗者が勝者の言うことを聞くのは当然だ・・・・・・ってあれ?」
のび「どうかしたの?」
ゼン「・・・鍵が・・・・・・無い。たしかにこの団員服の尻ポケットに入れておいたはずなのに・・・・・・」
のび・ドラ・しず「な、何だってー!」

 3人が驚いている時、窓の外、ラジオ塔の入り口付近にはゲンガーと笑みを浮かべる出来杉の姿があった・・・
出来「ご苦労だったね、ゲンガー。さあ、早速泥棒なんていらない技は忘れて気合球を覚えようか・・・・・・」
 出来杉の手にはゲンガーから渡された地下通路のカギが握られていた・・・・・・



       現在の状況
のびた    ラジオ塔最上階
 手持ち ヤドキング(40)ヨルノズク(37)エテボース(38)
ドラえもん  ラジオ塔最上階
 手持ち ライチュウ(36)ラッタ(33)ヌオー(34)トゲチック(33)ウソッキー(32)
ジャイアン  チョウジタウンで修行中
 手持ち     ????
スネ夫            詳細不明
しずか    ラジオ塔最上階
 手持ち エーフィー(35)バタフリー(33)デンリュウ(34)キュウコン(33)マリルリ(31)キリンリキ(29)
出来杉    ラジオ塔入り口前
 手持ち〔前回と同じ〕 メガニウム(34)ピジョット(36)ゲンガー(36)フーディン(37)ブラッキー(33)

    ついでに今回出た敵のデータ
ゼンジ   ロケット団3幹部の1人、実力は3人で一番下。バトル好きの熱血漢
手持ち リングマ(38)マタドガス(41)スリーパー(36)
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