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ミュウ その8 - (2007/01/30 (火) 00:08:29) の編集履歴(バックアップ)



のび太達はまだドームの地下をさまよっていた。
ガチャッ!
「この部屋は……」
三人が行き着いたのは実験室の様だ。
異様な機械に置かれ、実験用であろうポケモンがぐったりとし檻に入れられている。
「酷い……このポケモン達を助けてあげようよ」
のび太は檻に近付いて鍵を外そうとした。
すると……ガシャン!
うなり声と共に檻のコラッタがのび太の指に噛みつこうと飛びかかってきた。
「のび太、大丈夫か!」
「うん、平気だよ。でもこのポケモン……人間を恐れてる」
コラッタは痩せほそり、体を震わせている。
実験に使われ……こんな狭い檻檻に閉じ込められているこのポケモンが
いったいどれ程の人への憎しみを内に秘めているかなど……
三人には想像もつかなかった。
「行こう……僕達じゃこのポケモン達は救えない。
早く世界を元に戻すこと以外には……」
「ああ。こんな所に居たらイライラしてくるぜ」
「ちょっと待って!」
部屋を出ようとした二人をスネ夫が呼び止めた。
「これを見てよ」
スネ夫が指をさした場所には机があり、上にはパソコンと書類が乗っていた。
「この……TVがどうかしたのかよ」
「このパソコンを調べれば何か分かるかも知れないよ。
ちょっと調べてみようよ」



パソコンの電源をつけるとパスワード入力画面が映った。
「何これ?壊れたの?」
「パスワードを入れないといけないのさ。少し厄介だな……
でもこれでこのパソコンが重要だってことが分かったぞ。
少し時間をくれない?
こういう推理はコナンで慣れてる。
だからこれは僕に任してその資料を読んどいてくれよ」
「ああ!この資料は任しとけ!」

━━五分後
パソコンと睨みあってるスネ夫の横で二人がイビキをかき眠っている。
「作戦通り眠ったな……
これで集中して取り組めるぞ」
スネ夫は考えた。
『まずこのパソコンの持ち主を考えないといけない……
この実験室を使う奴は……クリス……違う。
あいつは残酷だが実験をする様には見えない。
ゴク……違う。
あいつはしょせん子供だ。
……業火……疾風……雷電……雷電!
雷電は頭脳担当。この部屋を使ってても不思議じゃない。
雷電に関係あるアルファベットを入力すれば……』
tensai……ブー!
raiden……ブー!
『ピー!後一度入力に失敗したら、司令室に連絡を取ります』
パソコンから音声が流れた。



「もう無理ぽ……」
スネ夫は机に倒れかかった。
「くそっ、コナンの犯人なら前編で分かるのに!ってあれ…?」
良く見ると机には写真立てが置いてある。
「……これは何だ?」
スネ夫が写真立てを手にとって見てみると中にシロナの写真が入っていた
『シロナ様の休日(2)』と書いてある。
「………まさかねぇ」
カタカタ『sirona』
パソコンのパスワードは解かれた。
「起きてよ、二人共!パスワード解けたよ!」
「はひっ?…凄いね、スネ夫!」
「流石だな!俺はお前みたいな友達がいて嬉しいぜ!」
「まぁね、僕程になると勘で分かるんだよ。ビビッと来るんだよね。
それじゃ僕が何故このパスワードを解けたかを説明するよ!
まず問題は…」
スネ夫の自慢話(九割嘘)は五分間続いた。



「……こうして僕は答えにたどり着いたのさ」
「スネ夫……お前は本当にすげえよ」
「まさかあそこで数字を反転させる何て……僕には想像もつかなかったよ!」
「ふっ、それじゃパソコンを調べてみるよ」
データを覗くとそこには『大会の意味』
『実験ポケモン』
『伝説のポケモンについて』
『ミュウ』
の4つのフォルダが保存されていた。
スネ夫はマウスを動かし、順にそのフォルダを開いていった。

『この大会の意味』
この大会は有能な部下を見つける為と言う名目で開かれている。
だがそれは真実ではない。
真実の理由は2つあるのだ。
1つはこの世界の有能なトレーナーを全て労働力にする為。
そしてもう1つは時間稼ぎだ。
今進めている最終計画には時間がかかる。
大会を開くまでに三ヶ月。大会の進行をゆっくりやることで
あの四人(のび太達)を押しとめておくが出来る。
まぁ捨てられる。
絶対に計画が狂うことは無い……だが念のためだ。
「あの計画って何なんだろ……心配だよ」
「まだ僕達じゃどうすることも出来ない。また後で話そう」



『実験ポケモン』
実験に使われたポケモンには三通りの末路がある。
1つは廃棄。実験に失敗したポケモンは裁きの穴に捨てられる。
次に実用。成功した実験ポケモンは予選に使われる穴や
この地下室に番人として配置される
最後は使用。特に有能なポケモンは幹部に渡される。
私のサンダーやゴクのエンテイなどがそうだ。

『伝説のポケモンについて』
この世界には伝説のポケモンが存在している。
現在は見つかってないのはホウオウのみ。
他はギラティナは洞窟。レックウザは空などあらゆる所で見つかっている。
だが現在バグ技でしか手に入らないアルセウス、ダークライ、シェイミは
特別な方法でしか無理の様だ。
出木杉様はその中でも一匹を気にしているのは知っての通りだ。
「じゃあ僕がホウオウを見つけたのはラッキーってことだね」
「問題は後三体のポケモンだよ。出木杉がどれを欲しがっているか……」



『ミュウ』
ミュウは出木杉様が実験のすえ完成させた最強のポケモンだ。
もう1つのポケモンは失敗した様で処分したらしいが
ミュウは最高の出来に仕上がっている。
だがミュウの心を変えないのは、何故だろうか。
出木杉様の頭脳をもってすればポケモンの心を変えること何て簡単のはずだが……
「ミュウは……実験されたポケモンだったんだね」
「通りで強いはずだぜ」
「色々な情報が手に入った。
それじゃあ部屋を出よう」
三人はパソコンの電源を消し、部屋を出た。
『出木杉の計画って……』
のび太の心に大きな不安が出来ていた。
のちに……その不安は的中するのだが、それを今ののび太が知ることなど出来ない



のび太達が去った部屋に近付く少女が居た。
少女は影に身を潜め、走ってきたのび太達をやりすごした。
「ふん、あいつら何でこんな所に……まぁ良い」
ガチャッ
少女は暗い部屋を見渡す。何故かその目には涙を浮かべていた……
「……この部屋だ。この部屋が私の始まり……」
少女は腰のモンスターボールを手にとった。
「まずはこの部屋からだ……必ず……必ず出木杉を殺してやる!」
ルカリオとサンダーが現れ、部屋を壊し始める。
「ふん、この地下は……もう終わりだな」
少女はポケモンを戻し、穴抜けのひもで脱出した。
大きな音共に実験室は崩壊し、それと同時にこの地下の崩壊も始まった。
ガチャッ
「はぁはぁ、死ぬ所だった」
今まで石ころ帽子を被っていた隊員Cが崩壊ギリギリで部屋を脱出した。
「あの少女は確か……でも今はのび太君に追い付くのが先か」


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