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キョーコ シルフカンパニー編 その2

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あれからサカキの身の回りの世話を任されたキョーコ
(と言っても掃除やら連絡係やらその程度だが)

「これだけで月○十万でしょ。ボーナス入れたら――ハッ」
キョーコは自分が警察官だということに気付き我に返った。
(何言ってるのよ、キョーコ!既に犯罪に近いわ。これは潜入捜査よ、捜査!)

あくまでも捜査と割り切る気だ
「また考え事かね?」
「い、いいいえ!大丈夫です。サ……サカキ様!」

一度呼び間違えたのは内緒だ
「やっと名前を覚えてくれたみたいだね」


内緒だったら

「その節は多大なるご迷惑をおかけしまして!
誠に申し訳ないと思っている所存でございます!」
(ああぁぁぁ完っ全に根に持ってるわ。
殺すの?殺すのね?私の命の灯火を消すつもりなのね?)
しかし当のサカキは自分の名前を覚えていなかったキョーコに
むしろ好感を持っていた。

ここ数年そんなことはまず無かったため新鮮だった。
初めにご近所さんの感覚で
『ササキさーん』と呼ばれた時はどうしようかと思ったが。


回覧板かと思った

そんなことをサカキが考えていると一人の訪問者が現れた。



コンコン

「誰だね」

「失礼します、サカキ様」
「ちょ、ちょっと困ります。まず秘書の私を通していただかないと!」

勝手に自分を秘書に格上げしたキョーコはここぞとばかりに止めた。


結構楽しんでんじゃねえか

「あぁすみません」

目の前にいる少年は年の頃10かそこらだろう。端正な顔立ちである。
恐らく後5年もすれば化けるに違いない
(こんなかわいい子が……いろいろあったのね)

キョーコは一人で感動していたが、少年の言葉ですぐ現実に引き戻された。

「……え?」
「あれ、聞こえませんでしたか?
僕は幹部だからいいんですよ、秘書さん」

出来杉は言った



(こ、こんな子供が!?
た、確かにジムリーダーやチャンピオンにだって子供がなれるんだから
R団の幹部に子供がいたっておかしくはないけど……)

キョーコは混乱していた。
事実R団にも子供は案外いる。潜入させる時など、
子供の方が便利なことも多いのだ。
流石に幹部ともなると出来杉ただ一人だが……

頭ぐるぐるキョーコに向かって出来杉は頼んだ。
「すみませんが…少し席を外してもらえませんか」
「え?あ、いや、でも……まだ仕事が残って――」

「私からもお願いするよ。少し休憩したらどうだね」
サカキが静かに言う。口調は穏やかだか凄まじい圧力がある
これが格の違いというやつだろう。キョーコは気圧されてしまった。

「あ、はい。わ…かりました。それではキョーコ休憩に入らせて頂きます!」
キョーコは敬礼すると部屋を出た

(……職業病ね)

「さ…てと」
明らかに先程の雰囲気はただ事ではなかった。
中では何か秘密の話がされているのだろう。
キョーコは――


「暇だし探険でもしようかしら」

休憩に入った。
普通はここで仕事するんだよ、姉さん



「へぇ……ここが休憩室か」

しばらく漫画を読んだ。読みたい巻が無くてイライラした。

「で。ここは遊戯室ね」

ビリヤードをしてみた。強かった。

1000円Getだぜ!

(賭けてはないわよ、もらったの)

「あ!マックが入ってる!」
ファーストフード店を見つけた。

「ほえで……ほほばぞーぼびぶべ」

――それで……ここが倉庫室ね


テリヤキマック、おいしいか?

ビリヤードのお金でテリヤキマックのセットを買ったキョーコは満足気だ。

倉庫番は寝ているようだったので勝手に入ることにした。

(ぶばぁ!ごでばずぼびばべー)


心の中くらい普通に伝えなさい



(うわぁ!これはすごいわねー)

棚に置かれていた箱には色々なアイテムが入っていたのだ。
回復の薬やら進化の石やら。非常食の乾パンだってある

「これ、総額でいくらよ……」
テリヤキキョーコは自分のポケットにある小銭と比べようとして止めた。

「ふぅ。次…行こう」
キョーコは一階に向かった。

――後にこの探険がタケシsを救うことになるのだが
それはまた別のお話。

……

一階に向かっていたキョーコは異変に気付いた
団員が集まり出していたのだ。しかも偉そうな奴らばかり。

(そう言えばさっき放送でそんなこと言ってた気も……)
しばらくキョーコは考え――

(行っちゃえーー!)
後について行った。


ばれなくて良かったな、下っぱ



(あからさまに聞くのは……まずいわよね)
キョーコは当然の如く盗み聞くことにした。

ほどなく全隊長が集まり司令室のドアは閉められた・・・
キョーコは耳を澄ませる
『……』『……』

(聞ーこーえーなーいーーーー)
司令室は防音対策バッチリだ。

(ああぁぁぁ予想外です!)
キョーコがしばらく途方に暮れていると
いつの間にかボールから出てきていたゴルダックがドアに親指を向けている。
まるで自分に任せろと言わんばかりに。
(……?)

キョーコには
こうかが ない みたいだ・・・

ゴルダックは涙を流しながら
自分でねんりきを行い、静かにドアを開けた。優秀な子だ。
キョーコは隣で――


コーラを飲んでいる。
「……あ、ポテト食べる?」

ゴルダックの目からは涙…いや、ハイドロポンプが流れていた


がんばれ、ゴルダック!



(間違いなく……侵入者はタケシsよね)
キョーコはマックで分析していた。先日の司令室の話だ。
本来ならあの後すぐにでも休憩室に籠もり、マンガを片手に考えを
まとめる予定だったのだが……
途中で捕まってしまったのである。
(コイツのせいだわ…)
キョーコは左を睨み付けながら、その日のことを思い出していた。

……

「――そろそろ逃げたほうがいいわよね?」
隣でゴルダックも頷いている。大方重要な話は聞き終わった。ここらが潮時だ。
ばれて今までの努力が台無しになってしまう(この女は特に何もしていない)
それだけは避けねばならなかった。
そして来た道を引き返そうと後ろを振り向くと――

『おい!……はぁ…やっ……と…はぁ……はぁ』
目の前には息を切らせた下っぱがいた。ばれた

(いやーーーーーーーーーーー)
気付いた時にはもう遅い。キョーコは観念した。
(そ、そんなに興奮して……どうせ私のあられもない姿でも想像してたんでしょ?
捕まえた後で身ぐるみはがして汚れ物にする気なのね……
そして私はあなた達の奴隷になるの。堕ちた私は二度と現実世界には戻れない。
『止めて下さい、ご主人様!キョーコは玩具ではございません。どうか…どうか!』)
「初めは優しくお願いしますぅ」
いつものように声に出だしたキョーコ。
『………ろ!』
「女の子はそういうとこ、ちゃんとして欲しいんです!ですから――」
『…いてんのか!?……しろ!』
「ちょ、ちょっと。いきなりはダメですってば、ご主人様!……え?」

やっとキョーコは我に返った
「俺ともう一度勝負しろ!」下っぱは叫んでいた――



キョーコはしばらく考え……る気もなかった。
「誰?」
「俺だよ!ほら、さっきお前にビリヤードで負けた!」
「あぁ!」
キョーコはぽんと手をたたいて言った。思い出したようだ


「金づる!」
「……」

下っぱは熱くなる目頭を押さえながら耐えていた。俺はもう泣かない。
「い、いいから来い!さっきの負けは不本意だ。もう一度やれば俺が勝つ!」
「え?ちょっとーーちょっとちょっと!」
下っぱはザ・タッチの意見を無視して、遊戯室へと引っ張っていった。

……

「ねえ……もう、止めといたら?」
キョーコは諭すように言った。その右手には3万2千円が握られている。
千円スタートで向こうが倍プッシュ倍プッシュ。
5連勝したところで話を切り出したのだ。
目の前の男は茫然自失の状態だ。灰になる寸前である

「………ラスト……勝負だ…」
下っぱは声を絞りだすようにして言った。取り返すしかない。
田舎の母ちゃんのために――
(逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ)
「ん、もぅ。ホントにあと一回だけよ?」
そして・・・


「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

室内に碇シンジの断末魔が響き渡った――



下っぱは頭を抱えながら泣いている。憐れだ。
(……やりすぎたかしら)
キョーコもそんな様子を見るのが忍びなかったのだろう。
下っぱに優しく語り掛けた――
「ほら、元気出しなさい。これで今月食いつなぎなさいよ」
「え?」
そう言ってキョーコは

残っていた小銭を全部あげた。キョーコ・リーラ、精一杯の優しさだった


「師匠ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

……

(で、今まですっかり忘れちゃってたのよねえ……)
キョーコは左の席に座っている男を睨んでいた。
「あ、どうしたんっすか?師匠。そんな憂欝そうな顔してーー。
生理でも来ました?」

「まだ先よ!」
あれからなぜか気に入られたようで、この男は金魚の糞のように
キョーコの後ろをついて来る。
(まぁ…師匠って言われて悪い気はしないし、正直ゾクゾクっとくるけど……)
警察官として
きちんとケジメをつけなければならない。R団員を部下にするわけにはいかないのだ。
「君……気持ちはうれしいんだけどね」
キョーコが弟子を破門しようとしたその時――

侵入者を知らせるベルが鳴った!

「行くわよ、下っぱ!」
「は、はい!」
二人は駆け出した



「あのう、俺には一応名前がありまして……」
走りながら下っぱは訴えている

「っさいわねえ。いちいち覚えられないわよ!」
頭の悪い師匠は冷たく言い放った。
「……」
キョーコたちは他の団員の後に付いて行った。
途中催してトイレに寄ったのは内緒だ。乙女のエチケットだ
そして走り続けること10分。ついに見つけた――

(……タケシ!! とメガネ!)
キョーコとタケシ+α感動の再開・・・とはいかなかった。
残念ながら既に決着はついていたのだ。
どうやら数で押したらしい。
(ひょっとして……今回私の出番なし?)
キョーコが凹んでいると神様…いや、幹部様の声が聞こえてきた。
「こいつ等は牢に入れておこう、連れて行け」
「はっ!」
下っぱたちはそう答えるとタケシたちを担いで牢に運んでいく。
「よし、私たちも行くわよ!」
「……え?いや、もう人数足りてるからいいんじゃないっすかね?だりーし」
「あ、そう。せっかく借金の期限延ばしてあげようと思ったの――」
「なんなりと!」
二人は後を追った。

……

「この野郎!だせー!」

『乙ーー』『今からどうする?パーっと打ち上げでも行くか?』
『お、いいねー』『俺ソープ行きたいな』『一人で行ってこい』

叫ぶタケシを無視してR団は去っていった。2名を除いて――



『……なんで俺ら隠れてんすか?』
『いいから!黙って見てなさい!』 二人はこそこそと会話をしている。
牢の中を見ると、もう一人仲間が捕まっているようだ。キョーコは耳を澄ませた――

「出来杉!こんなところに居たのか!」
「何だって此処に居るんだい?」
(ん?なんかこの声聞いたことが……)
キョーコは一瞬疑問に思いながらも話を聞く。どうやら彼らは牢を破るつもりらしい

『や、やばいっすよ、師匠。俺…上に報告してきますわ!』
『……ゴルダック!金縛り――』
戻ろうとする下っぱをゴルダックが止める。
『え、あれ?ちょ、師匠!?』
『黙って見てなさいって言ったでしょ!ただでさえキャラ増えて処理に困ってんだから……
別にあんた出さないなら出さないでもいいのよ!?』
『…………』
それ以降下っぱは何も話さなくなった。可愛そうな下っぱ


後でちゃんと出番やるからね
じっと観察していたキョーコの目は3人の内の一人で止まった。出来杉に気付いたのだ!

『あ、あれ……あの時の少年幹部じゃない!』


どうでもいいんだけど書きながら少年ジャンプに聞こえた

次回『ついに始まる幹部との決闘!どうする、ルフィ!!』


うん、後悔はした


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