概要
>>人物
【紺色の甚平を緩く着て、頭には赤のバンダナを巻いている痩せ形の男】
【バンダナの前面に大きく刻まれた鋭い白の文字は、「61」という数字である】
【また彼が右手に持つのは、長い竹竿の先端に針付きの糸を括り付けただけの簡素な釣り竿だ】
読みは「アラハバキ ハリマ」。
カノッサ機関の≪No.61≫にして、
カエルレウム・ナーウィスの構成員。
ナーウィス傘下の海賊組織『荒覇吐水軍』では、頭領を務めていた。
一人称は「あっし」、二人称は「お前さん」で、全体的に呑気な語り口で喋る。
人を「釣る」のが上手いという特技を
ヴェンツェルに見込まれ、一般の漁師達を扇動して海賊を組織し、
櫻の国の周防海地区を荒らす役割を請け負っていた。
海賊は略奪によって私腹を肥やし、一方ヴェンツェルも「海賊を迎撃する傭兵」を演じることで国から報酬を得る――という目論見である。
これは成功し、しばらくの間、「海賊vs自警団・傭兵団」の構図は均衡を保つ。
だが最終的に、海賊は≪周防海湾海戦≫において、傭兵団の雇った有志の能力者達に敗れ、事実上壊滅してしまった。
唐突に訪れた、荒覇吐水軍の敗北と壊滅――ここまでが播磨の知らされていたシナリオかと言えば、どうもそうではないようだ。
≪周防海湾海戦≫にて播磨は、〝≪No.19≫ヴェンツェル〟という存在を、「自分たちの切り札」として認識していた。
つまるところ、播磨はこの戦闘を、『能力者達を誘き寄せて潰す作戦』くらいに見ていた節があったということだ。
まさか自分自身が制裁されるなどとは思ってもみなかったようで、「話が違う」などと呟く一幕もあった。
結局、播磨はヴェンツェルに乗せられて彼女のナンバーを背負い、彼女の都合で海賊を組織し、彼女の都合で周防海を荒らし、彼女の都合で処理された――という顛末だ。
〝吊り師〟である播磨自身が「吊し上げられていた」とは、或いは皮肉な話だったのかもしれない。
なお、彼の≪No.61≫という数字は、元々、海賊統領を務めるにあたって、箔付けのために、ヴェンツェルから「借りた」ものである。
すなわち、ヴェンツェルのナンバー「19」をひっくり返したものが「61」である、という寸法だ。
>>メカハリマ
【すっかり服が焼け、上半身裸となった、痩せ形の男】
【彼の胸部に刻まれているのは、「61」という数字である】
【また彼が右手に持つのは、長い竹竿の先端に針付きの糸を括り付けただけの簡素な釣り竿だ】
【妙なのは、彼の上半身の皮膚に、なんだか金属質な部分が散見されることだが……】
≪周防海湾海戦≫で重傷を負った播磨は、しばらく戦線を離脱していた。
あまりの音沙汰無さに、安否が気遣われていたが――
カエルレウム・ナーウィスの晴れ舞台、≪フルーソ最後通牒事変≫で、なんと彼は、身体を機械化して戦場に舞い戻った。
彼は自らを『メカハリマ』と名乗り、
ミストラルの炎・熱攻撃を堂々と受けきって見せるなど、鮮烈な戦線復帰を果たす。
ヴェンツェルによれば、
マキナ・ギシ・カンケルと
千日紅ひゆの手によって改造されたらしい。
一体全体、いかなる経緯で、何を考えて、彼はこんな身体を望んだのか……それはまだ語られていないが、とりあえずハリマ自身は割とノリノリのご様子だったのでよしとしておこう。
最高指揮官をして「イマイチ頼りない」と言わしめたハリマは、今後、この姿を活かして名誉を挽回することが出来るだろうか。
近況
海賊頭領としての華々しい悪党ぶりと、まさかの制裁、そこからの凋落、そして驚愕の機械化……超展開に次ぐ超展開を繰り返すハリマの明日はどっちだ!
能力
自前の竿で、様々なものを「吊り」上げる能力。
いわゆる条件付きの「念動力」とか「サイコキネシス」的な代物である。
竿は播磨自身が手に持っていなくても動かすことが出来るため、「自分自身を吊る」なんて芸当も可能。
なお糸が伸縮自在にして自由自在に操れるので、一応、糸自体での攻撃も行える。
それだけでなく、身体が機械化されたことで新機能を習得した。
スペックの詳細は謎に包まれているが、現在〝手から針を連射する〟攻撃が確認済みである。
戦闘
極めて能力頼りの戦法をとる。
挙動こそ軽快だが、恐らく格闘については自信が無いのだろう。
そもそも一対一よりも、味方と連携しての戦闘でこそ本領を発揮する、搦め手が得意なタイプである。
能力のポテンシャル自体は高く、軽んじることこそ出来ないが、実際は付け入る隙も多い手合いと言って良いだろう。
――と、思っていたら、機械化されて帰ってきてしまった。
おかげで耐久力に関してはかなり強化されたようだが、まだ『メカハリマ』の実力は未知数である。
最終更新:2013年05月08日 16:30