何時しか "私達は" 舞台に立ちたいと願ってしまったのです、それはあまりにも眩しくて
そう、脚光を浴びたその世界へと、私達も行きたい/生きたいと願ってしまった
ねぇ、そうでしょう、私たちが役者になど、なれる筈が無いのですから
客席でずっと見ていれば良かったのです、見ていたならば────
──── 其れはどれだけ、幸せだった、ことか
"魔女"
WITCH
■CONTENTS
■Character
≫Looks
【萌葱色の長い髪に病的な白さの肌、檸檬色の双眸は切れ長の面持ちを耽美に飾る】
【黒地に朱の艶やかな着物に、柑橘色の飾り帯を重ねて】
【太腿にまでかかる長い白足袋に黒い下駄を履いた少女】
【萌葱色の長い髪に病的な白さの肌、檸檬色の双眸は切れ長の面持ちを耽美に飾る】
【黒いトーク帽に黒いヴェール、肩を大きく露出させた黒のナイトドレス】
【黒のニーソックスとハイヒールを履いた少女】
見た目は完全に妖艶という言葉が相応しい少女。
身のこなし一つ一つに色っぽさがあり、蠱惑的である。
≫About
挑発的な物言いと仕草。研究職にありがちな歪んだ倫理観の持ち主。
しかし、
ブランルと対峙した際、彼の能力に思わず呑まれてしまった。
彼女が未熟か、否、それを上回る程にブランルの狂気が勝ったのである。
再びブランルと邂逅した際には、どこか物憂げな様子が目立つ色合いを見せた。
御船千里の死により、自身の死生観に疑問を抱いた彼女は、持ち前の狂気を失っていた。
それに対して発破をかけるブランル。挫折を経験した彼女は、より新しい研究者へと歩みを進める。
その経験もあり、ブランルには尊敬を超えた崇拝を見せている。
また女性として惹かれる部分もあり、彼とは協力者以上の関係を結んでいるが……
インシデント"Ascend into darkness"にてブランルの役に立とうと出陣したが、逆に足を引っ張る結果となった。
自分自身の無力さを恥じた彼女であったが、それをブランルは一喝、猛々しい言葉で前を向く。
大いなる野望と確かなる矜持を胸に、前を目指すブランル。その横顔に魔女は何時しか惹かれ始める。
それを恋心と呼ぶにはあまりにも苛烈であった。けれども、それを信じてみたくもあった。
重ねる逢瀬、その度に自分自身に問いかける。彼に見合う女でないのは十分に知っていて、それでもと自分を奮い立たせた。
太陽に焦がれる作用と近かった、あまりにも眩しいその光に、身を焼かれながらも付いていこうとする。
────その姿を認めてくれたのもブランルであった。彼と恋仲になるのに、そう長くは掛からない。
束の間の日々は幸福で、重ねる時間の一つ一つがとても愛しくて。永遠に続けば良いなんて思ってしまう。
けれども、彼女が望む平穏と、彼が望む混沌と。────すれ違うのは必然であった。
彼は先へと進む。優れた知能が、類い希なる才覚が、彼に立ち止まる事を許さない。
彼女はもうそんな事を望んでは居なかった。すれ違う日々、特に
セリーナ・ザ・"キッド"が誘拐されてからはそれが顕著になる。
セリーナに深い興味を抱くブランル、同じ女性である彼女には、決して快いものではなかった。
留守がちになるブランルを、待ち続ける日々────不安定になる心は、何時しか拠所を探して。
知己である研究者
“ブラスフェミア”にもその魔の手は及んだ。半ば八つ当たり気味に彼女へと危害を加える。
それは嫉妬の作用でしかなかった。女性として負けたセリーナ、研究者として負けたブラスフェミア。
だから遺したかった。何か、自分が生きた証を────自分という存在の、証明を。
"恐怖の甘言を、聞逃すことが出来なくて────"
ある日ブラスフェミアに伝える。彼女の創造物である
夕月その脚に仕込んだ時限爆弾について。
シャーデンフロイデの遺伝子。────それはつまり、夕月の身を
"虚神"へと変容させるものであった。
激昂するブラスフェミア、けれども、科学者としての好奇心がその質問を最後に投げかけさせる。
「造られた」魔女なの? ――――――あなたは。
それに対して魔女は然りと答える。"INFオブジェクト"────それが彼女の正体であった。
旧時代の閉鎖的コミュニティや土着信仰の果てに行われた"人身御供"ありもしない迷信の為に、人間を捧げる。
まさしく野蛮人の行いである、未開の文明が起こすあまりにも馬鹿馬鹿しい殺戮。
而して魔女は、その概念を拠所に生きていた。"魔女狩り"もまた、人身御供の一種であったから。
然るに彼女はお伽噺の住人とも言えた。勧善懲悪の成れの果て、凄惨に殺されるべき悪い魔女。
それでも彼女は一度は愛の力を信じて、ハッピーエンドを願ってしまった。
正しくそれは間違いであったから。物語の終幕に相応しいのは、魔女が救われる未来ではない。
更に言えば、彼女の存在は"基底現実"に於いて定義されていた。彼女の出現は、この現実に依るものである。
インシデント:
電波通信において
ミレーユ・ミスゲシュタルト=ストレーンと交戦、夕月に並々ならぬ執着心を見せる彼と戦闘する。
炎を操る彼女と、氷を操る彼と。対照的なのは能力だけでなく、その心の作用もそうなのだろう。
愛した女性の為に命を賭けるその所行、それを見やる彼女の精神はどの様なものだったのか。
一進一退の攻防、互いに満身創痍ながら────降着を破ったのは外であった。
その瞬間魔女は悟った、この物語に於ける自分の役割と、何処で幕引きをする場面かを。
彼女の能力は自らの身を犠牲に行使されるものであった。中でも"ウィッカーマン"は四肢の一部を犠牲に行使するものである。
しかし、ミレーユとの戦闘で傷ついた彼女に、犠牲に出来る四肢は存在していなかった。
────意趣返しのように思えた。四肢を失った少女が、自分に復讐しているかの如く。
斯くしてウィッカーマンは顕現する。彼女の内臓を糧に、最後の炎を燃やし尽くす。
その作用は対魔の炎。彼女の攻撃で能力者達の防壁を取り払い、フランツの必殺の一撃をたたき込む。
そういう手筈であった。────そして、それが彼のシナリオだと理解した。
何れにせよ魔女は死ぬ。ここでウィッカーマンを出さない事は、フランツが彼女を殺すという未来に繋がる。
しかし、ウィッカーマンを使い能力者達を殺したならば、この舞台に最後に残る役者がフランツとなってしまう。
────故に彼女は反抗した。従順な魔女の、たった一度の反抗。
フランツの一撃をかき消す。ギンプレーンの能力が、その必殺の一撃をコピーし、フランツへと叩き込む。
物語の因果が逆転する。勝者が敗者になり、敗者が勝者になる、ならば────。
最期に魔女が救われても、良いじゃないかと思った。
……貴女は、行くんですね……この先に、どんな結果が、あっても……
馬鹿にして、ごめんなさい──── ただ、ただ……眩しかったのです
幸せな脚本が、美しい物語が、……陳腐なお話に、どうしようもなく、憧れて────
ええ、知っています。──── 悪い魔女は、最期に倒されるのです
ミレーユにかける言葉はあくまでも魔女としてのものであった。彼女に名前はなく、役割を果たすだけのNPCだから。
それでも、一瞬だけ愛の温もりを知ってしまった。愛される喜びを知ってしまった。愛されて、しまった。
────こんなに苦しいのなら、こんなに眩しいのなら、ただの魔女で良かった、けれど。
それはもうどうしようもなかった。動き出した演目に、水を差すことは出来ない。その先にあるのが終わりでも、止めることなんてできない。
だからこそ彼女は演じきった。自らの役割を、自らに課せられた役目を果たしきった。
ならばそれはハッピーエンドと呼ぶべきだろう、後は笑って舞台を去るだけだ。
きっと貴女様は私に怒っているのでしょう、その通りです、私は相応の事をしたのです
許しを請う事は致しません、そこにはただ、私達の事情があっただけです
……けれども、私にもまた、一つの感情がありました
私は研究者として、科学者として、ブラスフェミア様にも、ブランル様にも及びません
その癖、仲間の一人が死んだ位で、自分自身を疑う様な、弱い存在でした
──── だから、憧れてしまいました。羨望とは、嫉妬の裏返しです。
醜い私の感情に、振り回した、帰結です────
……申し訳ございません
ブラスフェミアにかける懺悔の言葉。あまりにも弱すぎた、それは同時にあまりにも知らなすぎた。
人間の感情を、彼女は知らなかった。それを知るには、虚構で出来た存在には遠すぎたから。
彼女は知っていた筈だ、自分自身の行いが、どうしようもなく愚かな事に。
ブラスフェミアを親しい人としておきながら、その創造物を穢してしまう。
何故なら彼女は"人身御供"の化身であるから。過ちを行って初めて、その愚かさを知ってしまう。
もし、────仮に、彼女に相応しい男性が居たならば。彼女と同じペースで歩む人間が居たならば。
凡人で良かった。間違う前に相談して、そして間違ってるって伝えてくれて、一緒に泣いてくれる人がいたならば────。
ブランル様────。
この世界にもしもはない。彼女は最期に、愛した男性の事を思えた。
お伽噺の魔女は焼かれて死んだ。────けれどもその心には、確かに一つの愛があった。
ならばそれはハッピーエンドであろう、誰も救われなくても、誰を救わなくても。
彼女の遺灰はミレーユに回収された。思いは何処へ剥くのだろうか。
◇Group
■Skill
≫Freak Kitchen
魔女の扱う能力。自らを編み細工の魔女ウィッカーウィッチと称し、口上を挙げる。
自身の傷に比例して藁で出来た編み細工を生成し、操作する能力。
藁には呪詛が籠っており、燃やす事により様々な事象を引き起こす。
腕一本犠牲にして作るウィッカーマンは、巨大な藁人形の中に多数の生贄が出現する。
この時放たれるのが異能を掻き消す魔力。対魔能力を持った火である。
彼女の能力は主に三つの形態がある。
一つ目が『藁』炎を燃やす媒体とする他、編み込んで荒縄にし、そのまま拘束や鞭打ちに用いる。
藁を編み込み炎にした場合、通常の炎より強力な対魔能力を持たせることが出来る。
二つ目が『炎』この炎は先述した様に異能をかき消す効力を持つ。この強さは藁を燃やした場合より強くなる。
先述のウィッカーマンはこの最上であり、多くの異能をかき消した上で攻撃に転じる。
また炎には怨嗟が宿っており、その声を聞くこともできる。
三つ目が『灰』炎を発動した後に残る灰は怨嗟の声を含んでおり、自由に操る事が可能。
また、灰には発火する作用があり、広範囲に炎をまき散らすことができる。
≫Battle Style
ウィッカーウィッチと称するだけあり、遠距離戦を基本とする。
近接戦闘は殆ど皆無、移動することもままならない。
■History
外部協力を申し出るために本社へ赴く。その中でブランルの能力に触れる。
一瞬大きく動揺し、慌てる姿を見せたが、直ぐに取り繕い、その狂気に歓喜した。
本社にて再び邂逅。自分の挫折を認め、乗り越える糧をくれた。
この時点で彼に対し恋愛感情を抱いている事を認識、より一層深い仲になった。
その後ブラスフェミアと共に本社で依頼を受ける。魔界の生物の臓器を手に入れる。
彼に対し少しでも貢献しようと、研究を進めた。
また、ブランルが
水の国アルタールに進行した際も協力するために尽力。
最終的に彼に助けられる形となり、彼と共に魔界へと向かった。
何処までも大切な人であったが、彼女では彼の悪魔的な探求心や純粋なる好奇心を満たす事は出来なかった。
やがてブランルは研究対象である
セリーナ・ザ・"キッド"にのめり込んでいく、彼女はそれを快くは思わない。
必要な事だと知っていた。仕方のない事だと、理解もしていた、けれども────
それは男女の違いでもあったのだろうか。彼女はもう多くを望んではいなかった、二人で幸せな日々を築けたら、と。
きっと退屈な日々なのかもしれない。そこにスリルも恐怖もなく、ただ平穏で満ち足りた日々が欲しかった。
ついぞその願いは叶う事無く、彼女は狭間へと散っていく。
本社にて邂逅、ブランルによって授けられた生物の臓器を次に渡すことを約束。
また、ブラスフェミアの創造物たる
夕月を実験に用いることを要求した。
後日、完成した生物の遺伝子をブラスフェミアに手渡した。
虚神
ロールシャッハと
ミラ・クラァケの遺伝子を組み合わせた不定の遺伝子、ジャバウォックであった。
ブランルが彼女の手から離れて行くに連れ、徐々に魔女は変調を来す。
半ば八つ当たりの様な形でブラスフェミアへ暴行を加える、それは紛れもない嫉妬の感情である。
自分より優秀な研究者────ブランルを満たせなかった自身への怒りと、嫉妬心が、彼女を歪ませる。
夕月の脚に仕込んだ
シャーデンフロイデの種明かしをし、
ロールシャッハの思惑に手を貸した。
その結果インシデント:電波通信にて死亡。最後にブラスフェミアへ別れの言葉を投げかけ、死んでいった。
彼女の足を遺伝子分解するという実験を敢行、強烈な痛みに夕月を身悶えさせた。
その後特異遺伝子として虚神
シャーデンフロイデと先述のミラの遺伝子を組み合わせた "Butterfly Swimmer"を組み込む。
公園にて邂逅、最初は単なる暇つぶしのつもりで声をかけたが、どこまでも素直な彼女に心打たれる。
時折冗談も挟みつつ優しい言葉を投げかける、束の間の休息であった。
水の国アルタールにて戦闘、姿を次々変える彼に翻弄されながら、彼女は"Freak Kitchen"の荒縄にて対抗。
終盤ウィッカーマンを召還するが破壊され、彼の刃で首を切断されそうになった。
水の国アルタールにて戦闘、変幻自在の墨を操る彼に対し炎と灰で対抗する。
墨の海を発動され苦戦、ウィッカーマンで対抗するも押し切られた。
水の国アルタールにて戦闘、氷を操るラヴィーナと炎を操る魔女の激戦となった。
哀しき氷を操るラヴィーナによる、ヒガサ、ユウトとの合体技の前に敗北。
最終更新:2018年08月14日 19:28