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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫
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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫

第05話

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nwxss

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「…ミル!?」
ミルクは跳ね起きた。頭から濡れタオルが落ちる。
心臓がどきどき痛いほど跳ねている。
怖い夢だった。自分と同じくらいの女の子に襲われて…完膚無きまでに敗北する夢。
思わず辺りを見渡す。間違いない。ここは…
「…嫌な夢を…ミル!?」
知らない部屋だった。

真新しい畳の匂い、古びてはいるが趣味のよい家具。
寝ている場所もいつものベッドじゃない。ミルクの身体にはいささか大き過ぎる、羽毛布団。
「ここはいったいどこミル?」
パッと見た感じだとこまちの家に近い感じがする和風の部屋。だが、漂っている澄んだ空気はどう考えても、違う。
いつも起きる時間からはだいぶ遅いらしく、閉じられた障子からは温かい日差しが入ってくる。
「まさか、さっきの夢、本当のことだったミル?」
だとしたらあの後、あの女の子に自分は攫われたと言うことなのか。
だが、それにしては怪我をしていないのが不可解だった。あんだけボロボロにされたはずなのに、すり傷一つ残ってない。
「と、とにかく…」
混乱しているなりに結論を出し、ミルクは布団から出て、立ち上がる。

PON!

「ここが一体どこなのか確認しないと」
くるみの姿になって障子に手をかける。
一瞬、あの子に連れてこられたなら開かないかも、という嫌な考えを頭をよぎったが、そんなことも無く、障子はあっさり開く。
「ここって…」
障子を開けてすぐに目に飛び込んで来たのは、石のタイルを敷き詰められ、掃き清められた大きな庭。
その庭の入口には赤い木でできた門が立っている。
石のタイルを包むようにかなりの樹齢である古木が立ち並び、さわさわと風に揺れている。
こんな感じの場所には見覚えがある。前に似たような場所には行ったことがある。
「神社?」
その時にココが話してくれた。確か人間の世界に古くからある神様を祭る場所だったはずだ。
「でもなんで…あれ?」
状況が分からず辺りを障子から頭だけを出してきょろきょろと辺りを見ていたくるみは気づいた。
縁側の向こうから、誰か来る。くるみの顔を見て、小走りに近づいてくる。
「はわー。よかったあ。気がついたんだ」
その人は大人の女性だった。
見た感じ、くるみやプリキュアのみんなよりは年上に見えるが、ココやナッツほどでは無い。その間と言ったところの年頃だ。
普通の服では無く、人間の世界で見たキモノのような変わった服を着ている。
その女性はほほをぽりぽりと掻きながら柔和な笑みを浮かべくるみに言う。
「いやあ~幸福の宝石が発動したときはどうしよ…はわ!?と、とにかく、無事で良かったよ!」
途中まで言った何かを誤魔化すようにあははと笑って女性はくるみに話しかける。
「えっと、じゃああなたが助けてくれた…んですか?」
目の前の女性の発言にかすかな違和感を感じながらも、くるみは確認を取る。
「そだよ。見つけたのはエリスちゃんだけどね。あ、ちなみにあたしはくれは。赤羽くれはって言うんだ。よろしくね」
そう言ってくれははにこやかに手を差し出す。
「あ、はい。私はミ…美々野くるみです。よろしくお願いします」
とりあえず目の前の女性からは嫌な気配は感じない。きっと大丈夫。
そう判断してくるみはギュッとその手を握り返す。

そうしてしばし握手をした後、くれははくるみに問いかける。
「ところで、どっか痛いところとか無い?大丈夫?」
「えっと…はい。大丈夫です」
くれはの言葉に、しばし己の体調を確認し、くるみはくれはに返す。
「よっし。ちゃんとうまく行ったみたいだね。連発だったからちょっとやばいかな~と思ってたけど」
それを聞いて、くれははその場で小さくガッツポーズを取る。
その様子を見て、くるみは怪訝そうに問い返した。
「えっと、何がですか?」
「へ!?あ、いや、そのね…」
くるみの問いに何故かくれはは顔を赤らめてくるみに言う。少しだけ、言いにくそうに。
「実はさ、ここだけの話、あたし回復魔法がちょっとだけ…ほんのちょっとだけ苦手でさ。たま~に、ほんとにごくたま~にだよ?失敗するんだよね~」
んでもまだとどめさしちゃった~ってことは無いから安心してねと一つもフォローになってないことを口走るくれは。
だが、対するくるみはくれはの最初に口に出した言葉が気になっていた。
「回復…魔法ですか?」
魔法。くれはが自ら口に出した言葉だが、くるみの知る限り、人間界の住人は魔法を使えない。
くるみたちの世界でもごく限られた王族たちのみがわずかに扱えるくらい。そういう力のはずだ。
「うん。一応神社の娘ってことで昔っから陰陽師の勉強させられてたから、一応そこそこ使える方だと思うよ?」
だが、目の前の女性はあっさりと肯定する。まるでそれが当たり前のことだとでも言うように。
「え?でもかれんもナッツ様も魔法が使える人間がいるなんて一言も…」
そのことにくるみは首をかしげる。
「…あ。もしかして、くるみちゃん、人間のウィザードの知り合いがいないんじゃない?」
その様子を見て、くれははくるみに尋ねる。
「え?あ、そう…なるのかな?」
確かに少なくとも自分のことをウィザード、魔法使いだと言う人間は見たことが無い。
…伝説の戦士なら5人ほど知ってるが。
「ああ。だからだよ。ウィザードは普通の人間には正体明かしちゃいけないって決まりがあるから」
周りにイノセントしかいなければそう誤解しちゃってもしょうがないよとうんうんと頷いて答える。
「そう言うものなの?」
くるみの問いに年上の余裕って奴をよそおいながら、にこやかにほほ笑んでくれはは頷く。
「そ。世界結界が修正しちゃったり、消しちゃったりするからね。ふつ~の人たちが知っちゃうとさ」
ああ、この子はあんましウィザードのことを知らないんだな。もしかしたら覚醒したてなのかもと考えながら。
ちなみに目の前の少女がウィザードではない、という可能性は考えない。何故ならば…
くれははしげしげとくるみの方を見る。特に頭の上の部分と、お尻のあたり。
「な、なに?」
その様子に、ちょっとだけ後ずさりながらくるみは聞き返した。
「いや~耳も尻尾も完全に隠れてるなあ~と思って。変身、上手なんだね~」
ピンクのウサギが変身した少女が普通の人間ってことも無いだろう。
「え?…あ!」
くれはの言葉にくるみは先ほど感じた違和感の正体に気づき、息をのむ。
そうだ、この人は、面識のない自分がミルクの姿の自分を寝かせた部屋にいることに何の疑問も感じて無かった。
…まるで自分が変身できることを知っていたかのように。
「あの、えっと」
「ああ、大丈夫大丈夫」
困惑するくるみにくれははヒラヒラと手を振ってみせる。
「人狼の知り合いはいないけど、詳しいことは昔お母さんにみっちり教わったから」
他のウィザードのクラスの把握も必要だからってね~とちょっとだけと昔を思い出し遠い目をして言う。
「人狼ですか?」
「そう人狼。くるみちゃんみたいに変身できる子たちのこと。知らない?」
「え、ああ、それならば…」
そうか。ココ様やナッツ様みたいに変身できるパルミエ王国の住人は人間の世界では人狼と呼ぶらしい。
聞いたこと無いけど、多分普通の人間じゃない、ウィザードたちの用語と言うことなのだろう。
持ち前の回転の速い頭でそう納得して、くるみはくれはに頷き返す。
「そっか。分かってもらえたみたいでよかったよ」
その言葉にくれはは顔をほころばせる。
その笑顔につられるようにくるみも笑顔になり…次の瞬間、その顔を強張らせる。
「何か出たっ!?」
くるみの鋭敏な感覚が的確にそれをとらえる。理屈は分からないけど…嫌な気配。
「ごめんなさい。私、行かなくちゃ!」
くれはに一言、そう伝えるとくるみは駆けだす。嫌な気配を感じた方向へ。
「え?ちょっと、ど~したのくるみちゃん!?」
ただならぬ様子に戸惑いながら声をかけるくれはが、懐の振動に気づく。
「はい?あ、アンゼロットさん?今ちょっと急用が」
一言言って切ろうしたくれはの顔に、緊張が走る。
「…本当ですか?分りました。すぐに応援に行きます」
真面目な顔になり、くるみの走って行った方向を確認し、確信する。
「…すぐに追わないと」
くるみが向かって行った方向は、輝明学園。
そこに仮面の冥魔の冥魔が出現したと言う報告。
間違いない。くるみが気づいたのは、それだ。

不可思議な確信を持って輝明学園へと向かうくるみ。
彼女は未だ気づいていない。自分が今、どこにいるのかに。

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