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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫
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ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫

Page04

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集

4-149-157 IN・最前線(後半、4-151から)

 それは風。
 強く、激しく、荒々しく――清々しき風。

 悪夢たちの夜を駆け抜ける一陣の風があった。

「ちっ! いつから地上はこんな混沌状態になったんだ?!」

 夜を照らし出す太陽。
 暗黒の中で輝く純白。
 純白の翼と白亜の装甲を纏った巨人が、剣を手に舞っていた。

「マサキ! そんニャこと言っている場合じゃニャいのだ!」

「後ろ後ろぉ!」

「ちっ!!」

 背後から迫る、巨人を超える巨体の異形。
 乱杭歯の顎を開き、その口内から放たれるレーザーの如き閃光を白亜の巨人は翼をはためかし、
残像が残るような速度で躱す。
 躱されたと異形が理解するよりも早く、回り込んだ白亜の巨人が振り下ろした剣がそれを両断
していた。

「まったく、ラ・ギアスでもこんなに魔物が出現したことはねえぞ?!」

 白亜の巨人――すなわち【風の魔装機神 サイバスター】の操者、マサキ・アンドーは吐き捨てる
ように呟いた。

「ここは本当に地上なのか?」

 マサキの呟きに、コクピットの脇でマサキにしがみ付いていた黒猫と白猫が呟く。

「……しかも、ニャんかチラホラ生身で戦っている人が見えるニャんだけど」

「けど、座標は確かに日本の東京ニャ」

「なのに、こんな事態だってのに連邦の連中が出てこないってのは――どういうことだっ!」

 翼を瞬き、装甲の一部を開く。
 そこから射出されたカトリックミサイルが、小型の異形たちを薙ぎ払う。

「まさか、地上への転移の時に起こった異常エネルギーの所為?!」

 白猫の言葉に、たらーりと一筋の汗が操縦桿を握るマサキの額に浮かぶ。

「嘘だろ……まさか、異世界から異世界ってことは――」

 マサキがそう呟いた瞬間だった。

「全力全開! ディバインン・バスターァアアアア!!」

 モニターの端、マサキが意図的に視線を外していた位置に“飛んでいる白い衣の少女”が持つ
杖から、HTBキャノンに匹敵するビーム砲キャノンが飛び出し、異形たちの群れを消滅させた。

「……OK。認めよう、ここは俺の知っている地上じゃない」

「子供が、ニャまみでビームを撃つニャなんて異世界以外にありえないニャ」

「うわー、これぞ本当に魔砲少女って奴ニャんかニャ?」

 人型ロボットを操縦し、異世界で暮らす元地上人の割には常識的な反応を返すマサキ。

 ――“ ”

 その瞬間だった。

「ッサイフォス?!」

 魔装機神に宿る風の高位精霊。
 サイフォスが語りかけてくる感覚に、マサキは瞬時に反応し、空を見上げた。
 そこに映るのは異常事態の中心と思しきねじれた城。
 サイバスターに搭載された魔術結界が悲鳴を上げ、精霊レーダーのメーターを振り切るほど
膨大な魔力を放つ歪みの根本。
 その正門に――見覚えのある異形が見えた。

「あれはっ!!」

「ヴォ、ヴォルクルスニャ!!?」

 ラ・ギアスを護る宿命を帯びた魔装機神。
 その大敵とも呼べる邪神、その分身体。
 その姿にサイバスターのエネルギー源であるフルカネルリ式永久機関が、マサキの感情に呼応
して駆動音を上げる。
 プラーナコンバーターが加熱し、処理し切れないプラーナの輝きがサイバスターの全身から漏れ
でていく――その時だった。

「へえ」

 今にも飛び出しかけていたサイバスター。
 その中で、マサキは目を見開き、笑みを浮かべていた。

「やるじゃねえか、あいつ等」



 人の身では敵うはずもない邪神。
 人知を超え、あらゆる魔と闇を内包せし破壊神。
 破壊の権化とも言える異形に、たった二人の少年が戦っていた。

「ぐっ!?」

 人間など微塵と砕かんばかりの巨大な鉤爪。
 その一撃を辛うじて魔剣で受け止めるも――そこは足場無き空。
 大質量の一撃に叩き落され、血反吐を吐きながら柊は落下していく。
 つまり高度が下がった。

「柊!?」

 空間すら歪ませるカギヅメの軌跡から逃れながら、呪符を放っていた光太郎が思わず叫ぶ。

【ルゥウオオオオオオオオオオオオオオオオ――!!!】

「まずっ!?」

 その刹那、僅かに注意を逸らした光太郎に、破壊神から放たれた歌声が直撃した。
 あらゆる物質を破砕し、無へと返す衝撃破。
 ただの咆哮ですら高密度の魔術術式となって、顕現した破壊魔術。

「がっ!?」

 その直撃に、防御用の呪符と高校中退後も着続けている制服の欠片を撒き散らしながら、光太郎
もまた吹き飛ぶ。
 今まで突き進んでいた二人の少年が、今ここに足を止める……

「来てくれ」

 本当に?

「おわぁああああああ」

 そんな――わけがない!

「絢爛舞踏ザサエさん!!」

 光太郎の咆哮。
 それと共に彼の背中に柔らかい感触がした。
 誰かが抱きとめるような感触。
 そして、“姿は見えないけれど”、感じ慣れた温かい気配。

「サンキューな、ザサエさん」

(コクン)

 声も聞こえない。
 けれども、光太郎には“彼女”が微笑んだのを感じた。

「お? 光太郎、誰だこの人?」

 そして、その横でザサエさんに回収されたのであろう柊が、首根っこで宙釣りになりながら光太郎
に問いかけた。

「? 柊、お前見えるのか、ザサエさんの姿」

「おー。一応ウィザードだしな、あとザサエさんってどこの国民番組の母親なんだよ!」

「あー、彼女はザサエさん。俺の相棒な」

「しかも無視かよ?!」

 何故かクスクスと笑っているような気配を感じながら、光太郎は上を見上げ直す。
 そこには翼をはためかせ、血管の浮かんだ瞳で睨み付けてくる邪神の姿。

「よっしゃっ! 第二ラウンドだ!!」

「……アイツを突破しねえと先に進めねえしな。しゃーねえ、行くか!」

 学生服の中身から無数の呪符を掴み取り、
 血を流す手で魔剣の柄を握り直す。

「作戦は?」

「決まってるだろ! 真っ向からぶっ飛ばす!!!」

 ザサエさんの力を借り、光太郎が上空に向かって飛び出した。
 飛翔能力。
 式神であるザサエさんの力を借りて、可能とした光太郎の力の一つ。

「だろうな。そういうと思ったぜ」

 ザサエさんから手を離され、落下していく柊の体。
 しかし、数秒とせずに落下は止まり、それどころか上昇を開始する。

 ――常識を遮断せし異相結界・月衣。

 マジカル・ウォー以来急激に力を増し、非常識の力を行使するウィザードたちが身に付けた新た
なる常識の突破能力。
 そして、柊は“重力”という常識を遮断する。

 空が飛べない? そんな常識は無い。

 空が蹴れない? そんな常識は通じない。

 何故ならば、彼は“常識の通じない夜闇の魔法使いなのだから”。


「“風の如く 舞い踊れ” ――エア・ダンス!!」

 “空を蹴り”、己の魔力で発生させた上昇気流に乗って柊が加速する。
 瞬く間に光太郎と並走し、二人は同時に顔を見合わせ――薄く微笑んだ。

「右!」

 そして。

「左ぃ!」

 互いに繰り出した蹴り足で、二人が左右に飛び込む。
 たった今の瞬間、自分たちが居た場所をすり抜けたカギヅメを見ながら、光太郎は叫んだ。

「絢爛舞踏ザサエさん、GO!」

( !)

 光太郎の声に気配が応じ、次の瞬間邪神の腕から青黒い血が噴き出した。
 ザサエさんの攻撃だ。

 畳み掛ける!

「いっけえ!!」

 呪符を手に取り、願いを篭めて、邪神に向かって投げ放つ。
 淡い輝きに満ちた無数の呪符は夜闇を切り裂く流星の如き勢いで、破壊神に向かって飛来し。

『ルォオ――』

「“届け 風の果てまでも” ――エア・ブレード!!」

 衝撃破で迎撃しようとした邪神の咆哮よりも早く、鋭き風の刃の祝福を帯びた呪符が邪神の肉体
へと突き刺さり――爆散。

『ガァアアアア!!?』

 高性能爆薬にも匹敵する爆風と輝きに、邪神が悲鳴を上げる。

「“轟け 爆炎の如く” ――エンチャント・フレイム!!」

 そして、その瞬間紅い閃光と紅蓮の焔を纏った斬撃が、邪神の腹部を切り裂いた。
 刀身にして一メートル弱。
 高層ビルにも匹敵する邪神にとってはかすり傷にも等しい小さな刀身。
 されども、その斬撃は深々と血肉を切り裂き、焼き尽くした。

『GI,GAXAAAAAAAAAAAAAAAAA!?!?!?!』

「決めるぞ、光太郎!」

「おう!!」

 絶叫を上げる邪神。
 それに向かって、柊は己の手を魔剣に添える。
 光太郎は呪符を握り締め、己の手を掲げた。

「舞い上がれ」

 烈風を帯びる。

「喰らい尽くせ」

 焔を纏う。

「解放しろ――」

 ポタリと柊の添えた手から零れる血に、魔剣の刀身が唸りを上げた。
 それはさながら嬌声を上げる処女の乙女の如き咆哮。
 刀身に刻まれたルーン文字が閃光を発し、同時に刀身の一部が変形して、普段は隠されている
宝玉が露出する。

「俺の魔剣!!」

 ――魔器解放――


「俺は進まないといけないんだ」

 光が集う。

「だから」

 拳が輝く。

「俺は――」

 もっと。

「お前を」

 もっともっともっと。

「ぶっ飛ばす!」

 光輝を発す!

 ――少年探偵の一撃――

 走る。
 疾る。
 奔る。
 世界に選ばれた二人の少年が、魔剣を、拳を振り翳して突き進む。

「「おぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」

 それは純粋なる願い。

「魔剣よ――」

「ぶっ飛べ――」

 それは世界に選ばれし者たちの一撃。

「切り裂けぇえええええええええ」

 烈風を纏わせ、灼熱を宿す炎の剣が邪神の胴体を突き刺さり―-両断。
 神殺しの魔剣が、破壊”神”の因果を断ち切る。

「悪党ぉおおおおおおおおおおお!」

 光輝を背負い、理不尽をぶっ飛ばす少年探偵の拳は、邪神の頭部に直撃し――爆散。
 溢れ出る光が、その肉体を浄化してく。

「「ラァッ!!!」」

 そして、閃光が溢れた。
 異形の空は一瞬だけ、光に溢れた。

 ――柊・光太郎ペア 正門突破


さて、某所でHIIRAGIを書く作業に戻るか。
なんか前スレで呼ばれた気がするので、書いてみたw

4-160、163

さて、増援部隊の第一陣のメンバーは三人
「こちらの準備は終わったわ」
戦闘用の魔女服を身につけた妙齢の女性、空色の魔女、ふみこ・O・ヴァンシュタイン

「ほっとくわけにもいかないからね。いつでもいいよ!」
ふてぶてしい猫を連れた少女、極楽台風、ニーギ・ゴージャスブルー

「急ぐのでゴザル。コウが城の主まで辿り着く前に!」
そして、間違った忍者装束を纏う青年、世界忍者ロジャー・サスケことロイ・バウマン。彼は光太郎の幼なじみでありーー

「みょ~に焦ってるわね、セプテントリオン。これってアンタ等が仕掛けたことなんでしょ?」

セプテントリオンのエージェント、RSその人である。

「この事件の半分以上が既に我々の手から離れている。それに……僕は、コウを護りたい」

「セプって身内も売るじゃない?」

「信じなくても結構!!僕はコウを護る……それだけだ!!」

真剣な面持ちで話すロイにアンゼロットは笑みを返す

「信じましょう。あなたが知らせた情報は信用に足るものですし、今は一人でも強い戦力が欲しいですから」

アンゼロットの言葉にロイは頷いた。そう、今の自分はロイ・バウマンではなく、友の盾たるロジャー・サスケなのだからーー!!

「けれど、何をそんなに焦っているのかしら?光太郎は私が見込んだ男よ。あいつならどんな敵も突破するわ」

ふみこの問いにロイは顔を歪ませた

「……今回の敵は“世界の秩序”……そして、その正体が問題なんだ」

「……どういうことですか?」

「……“世界の秩序”はコウのーー」

ロイが続けて言葉を発しようとしたーーその時

「そこから先は僕が説明しましょう」

皆の目前に突如として白い装束を纏った青年が出現した。

「お初にお目にかかります。僕の名前は玖珂晋太郎。光太郎の兄です。」
青年こそが“世界の秩序”にして玖珂光太郎の実兄である

「シン兄ぃ……!!」

驚愕するロイ。
そしてアンゼロットもまた驚きに目を見開き、言葉をもらした

「ワールド・オーダー……!!」

4-164-165

「我々が敗北するなど、ありえないことのはずだ」

その言葉は誰のものだったか。この場にいる全員の戸惑いでもあった。
彼らは人々の希望から生まれ、世界をも改変しうる力を持つ者ばかり。
だというのに、彼らの中から敗北する者が出ている。

「事実として負けた奴がいるんだ、それは受け入れるべきだろう」

真紅の魔眼を持つ少年は、まわりに向けてそう言った。

「俺も出る。負けるのは馴れてるから、問題ないさ」

彼の名はシン・アスカ、究極の一として生まれた者達のうちの一人である。

「だが、いいのか? 敗北はお前の本意ではないはずだ」
「そりゃそうさ。けど、俺は新参者だからな。それくらいはしないと」

そう言いつつも、彼の目には負ける気が見あたらなかった。

「で、八神和麻を味方にすればいいんだよな?」「ああ、数はそれだけで力だからな」
「わかった、じゃあ行ってくる」

瞬間、少年の姿が消え失せる。時空転移、彼が持つ力の一端である。


その八神和麻は、偶然にも東京に来ていた。
神凪綾乃と一緒にちょっとした仕事をこなしていたら、巻き込まれたのだ。

「しかし、見事に分断されちまったな」

突然奇襲されたと思ったら、既に綾乃は吹っ飛ばされていた。
さっきの相手は間違いなく綾乃より強い。そして、周囲には無数の敵が。
「急がないと、綾乃が危ないか」

どれだけ時間がかかるかわからないが、綾乃は確実に負ける。
ならば和麻の取る手段は一つしかない。

「こいつらを全力で潰して、最速で駆け付ける」

綾乃がそれまで無事であることを祈りつつ、彼はコントラクターの力を解き放った。

4-166

それはいつもの事だった。
「マモルー。ゆうなちゃんが変な城につれていかれたから晩御飯までに連れ帰ってきてー。」

「わかったよ母さん。」

高校生の子持ちでありながら若々しい母に言われて、
ボサボサ髪のビン底眼鏡の少年は渋々家の外に出る。
そして、一瞬で忍者装束へと姿を変える。
切れ長の目を城の方角へと向ける。

「早くゆうなを連れ帰ってゲームの続きをするか。」

彼の名は陰守マモル。
忍者の中でも最強と名高い陰守一族の少年である。
陰守一族は代々とある蒟蒻職人の一族を守る使命を帯びている。

お隣さん守り続けて400年

マモルは突如出現した城へと向かって走り出した。
当然、妨害してくるものもいるわけで、適当に蹴散らせながら駆けていく。

「陰守忍法バナナの皮手裏剣!」
人型の怪物の足元にバナナの皮を投げつける。
バナナの皮に滑って見事に転倒頭ぶつけて即死のコンボ。

一方その頃、その光景を監視していた者達は唖然としていた。

「バナナの皮でエミュレイターを倒すなんてありえない!!」
と、とある守護者のアンゼロットが唖然とするのは当然のこと。

「彼の攻撃は全て魔術効果が付与されるのでしょう。存在そのものが常識外のようですし。」
と、とある魔王のリオンが答えを導き出すのはいつものこと。

そしていつの間にか怪物の集団に囲まれるマモル。
「陰守忍法奥義 円盤カレイドスコープをみせてやる。」

「あっUFO!」

その一言で周囲の怪物たち及び監視をしている者達は停止した。

「えっUFO!?どこですか!?」
と、突然UFOを探し出すアンゼロットとロンギヌスの面々。
「えっUFO?どこどこー?」
と、つい探し出すベル&リオン他。

マモルはUFOを探す怪物達の隙をついてその場から離脱していた。

「私を暗示にかけるなんて中々やりますわねあの男。」
「大魔王ベール・ゼファーに暗示をかけるなんてやるわねあの男。」
と、同時にアンゼロットとベール・ゼファーがお怒り気味に呟くのであった。

「うぅなんか寒気がしたぞ。」
微妙な悪寒に震えながらマモルは式神の城へとむかうのであった。

一方、ゆうなはというと・・・。
「バーナナ、バナナ、バーナナ、バナナ、バナナナバナナナ、バ、ナ、ナ♪」
と、城の中の隠し通路を歩きながら、誰にも気づかれずに唄ってましたとさ。

4-180-183

~地上戦~

 式神の城の直下。
 城の外で戦うものが因縁めいたものと合しているならば。
 城の中で戦うものがその指揮を執るものと相対しているならば。
 STGにおいて「ザコ」と称される無数のものと対峙しているのは誰なのか。
 こと侵略においては最強の敵である彼らを押しとどめなければならない。
「それこそこの世界の住人の仕事だろう!」
 迫り来るのは有機的無機的シリアスコミカル巨大矮小入り混じった機械、機械、機械の群れ。
 それはヴァーミスと呼ばれる機動兵器郡であったり、スカリエッティ研究所製であったり、「めいど☆いん☆わいりー」だったりした。
 それらを自慢の魔剣で斬り、払い、薙ぎ倒して進むブレザーの少年。
 見る人が見ればこう思っただろう。彼には柊蓮司の面影がある、と。

~地上戦・もうひとりの参戦者~
「ひぅっ!?」
「風音さんっ!」
「っ……こっのぉ! 好き勝手やってくれちゃってぇ!」
 ひゅ、という風切り音。刹那のうちに、棒手裏剣で貫かれハリネズミのようになった機械……なのだろうか?
 人間大の機動兵器が爆散した。
「空からはヴァーミス、だっけ? あの機械の。地上もワケわかんないのいっぱい出てるし。キリがないよぉ」
「ですわね……護法童子!」
 ご、という鈍音に風音は振り返る。
 逞しい体つきをした琴理の式神が、ヘルメットに足がついたようなメカを殴り飛ばしていた。
「ボクが後ろをとられてた!?」
「機械に気配はありませんわ!」
「そのとーりぃっ!」
 さらにその後ろ。またも迫っていた機械が両断された。
「! あなたは!」
「!!! き、ききき君は!」
「「強化ちゃんはイメチェンしたというのに自分は色黒の子に出番とられて要らん子と化したまけん君!」」
「ハモるなっ! そして長い! さらには失礼だー!」
 エア・ブレードで強化した射程に任せてザコをなぎ払いつつもツっこむ姿勢に二人は感銘を受けた。
 嗚呼、柊の原型ここにあり、と。

~地上戦・さらば愛しき参戦者~
「俺はッ! 俺は要らん子じゃねえッ!」
 剣を振るう。
「今! この瞬間! こんなにも世界を護っている!」
 剣を振るう。だが柊ならぬ彼の限界は早い。
「例え出番がゼロだったって、俺を必要としてくれる状況が! 人が! あるならば! 俺は――」
 剣を振る――えなかった。彼の魔剣は戦いの中でその寿命を全うし、折れ飛んだ。
「畜生!?」
 ぎぃん、と刃の跳ねる音が、そして異音が聞こえてくる。
 そう、聞こえてきたのだ、彼の耳に。聞きなれない、鈴のような少女の声が。
【宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ――】
「! なんだ!?」
【神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴える! 我が導きに、応えなさい!!】
 瞬間、目の前に現れた銀色の鏡のようなものに彼は吸い込まれていった。
 魔剣のない魔剣使い=魔剣使い-魔剣=使い、である。
 ただこの場合は剣の折れた魔剣使いであるので、
 魔剣使い-剣=魔 使い。しかしこれでは意味が通らないので空白を削除してアナグラムをする。
 すると表れる単語は――使い魔。普通の地球では平賀くんが選ばれるのだが、その平行世界であるFTEの運命はこのもっとも使い魔に相応しい男を選んだらしい。
 彼はその後、魔法を吸い込む古びれたおニューの魔剣とか二次大戦時に使用された三菱製の戦闘機とかに乗ったりして、
胸のない美少女と恋に冒険に大活躍することになるのだが、それはここで語るべきことではない。

 ともあれ。
「えーと、消えちゃったね?」
「何をしにいらしたんでしょうか、あの方」
 取り残された二人はただただ呆然とするばかり……でもいられない。
 敵はまだまだわんさとやってくるのだ。 
 そうして、気付く。ウィザードとしての感覚が警鐘を鳴らした。城の直下、そこで膨れ上がる闇の存在に。
 風音はちらり、と背後を見やる。100Mほど離れたところでピンク色の魔法少女?たちが赤い服のアバターと戦闘を繰り広げていた。
「琴理ちゃんセンパイ、あの人たちのさぁ」
「邪魔は、させられませんわ」
 飛来する『ザコ』は雲霞のごとく。
 それを蹴散らすため、少女たちは――駆ける。


妹と琴理ちゃんはSTG的に御札ショットと手裏剣ショットで大量のザコを駆逐中ということでいかがでしょ

4-185、187-188 みなごろしとにせもの-下っ端戦闘員vs正義の味方-

「……っ!?」

E-MIYAは息を呑んだ。
敵は赤いヒーローと魔法少女。彼の放った幻想の「矢」は、周囲の小物ごと敵を簡単に消し去れるだけの威力があった。
そして彼らにはその範囲から逃れる術はなかったはずだ。しかし、目の前の光景は想像を遥かに凌駕していた。

桃色の蟷螂怪人を左手に抱えた顔のないただの戦闘員が、正義の味方に負けるべき悪の組織の、その内さらに下っ端であるはずの戦闘員が。
右手で、その破滅の矢を握り止めていた。

戦闘員―――NO.37564は、前の赤い外套の騎士を睨みながらぽい、と抱えていた上司を放り投げて背後に向けて言った。

「レッド、魔法少女。コイツを頼む。戦闘力は弱くないはずだが、どうにも目を離すと危なっかしい。コイツと一緒にご町内を守ってやってくれ」
「へ?け、けどアンタは―――」
「俺はこの勘違い野郎の相手をしてやる。だから、さっさと行け」
「待てNO.37564!俺は、俺の中のヒーローは、コイツを許すわけには―――」
「お前らはヒーローだろ?この街にあるものを守るためにここにいるんだ、別にこいつと戦うためにいるわけじゃない。
 その点、俺は戦闘員だからな。戦う相手がいて、しかもそれが正義の味方だって名乗るんなら相手をしないわけにはいかない」

ぱきん、と澄んだ音を立ててNO.37564の手の中で幻想の矢が砕け散る。
E-MIYAはさらに混乱する。
彼の生む矢は自らの意思によって強度が決まる、彼の意思こそが強度と言いかえてもいい「力」だ。
そして、彼らアバターは人間の想念が、欲望が、憧憬が生み出した幻想の塊。積み重ねられし人間の願望こそが彼らの能力にして力。
多くの人間に望まれた力が彼を形作っている、「歪なる最強の幻想」そのもの。
そんな力の積み重ねにより作られた彼の武器が、誰の幻想に支えられているわけでもない存在の手によって砕かれたことが、E-MIYAには本気で信じられない。

クロスは、決意の表情でNO.37564を見る。

「……本気なんだな?」
「なんだ、心配してくれてるのか?」
「別に心配はしてない。できるだけさっさと終わらせてくれ。お前の手も必要だ」

行くぞ、と言ってベホイミの襟を掴んでずるずると引きずっていくクロス。
ベホイミはまだぎゃあぎゃあとわめいているが、クロスはまったく意に解さない。
やがて―――赤い騎士と黒い戦闘員の間に、一筋の風が流れた。
赤い騎士が問う。

「貴様―――何者だ。この俺の偽・螺旋剣を片手で止める生き物など見たことがない」
「埼玉の所沢に『クロック』っていう悪の秘密組織があってな、そこの下っ端戦闘員だよ」
「ふざけるな。それだけの力を持つ生き物がただの戦闘員でいる組織ならば、とっくに抑止の世話になっていることだろうよ」
「って言っても俺の立場は本当にただの下っ端なんだが。向上心って奴をどこかに置いてきちまったらしくてね。
 あぁそうだ、俺も一つ聞いていいか?」

無言を肯定と受け取り、悪の組織の戦闘員は赤い衣装の正義の味方に問う。

「―――お前の『正義』って、なんだ?」

シニカルな笑みを浮かべ、E-MIYAはその問いに答える。

「知れたこと。より人が幸せになれることだ」
「それで、一回世界を滅ぼすのか」
「悪の組織の構成員がその善悪を問うのか。より人が幸せになれる世界になるなら、それもまた仕方あるまいよ」

それは、本物の抑止の守護者はけして言わぬ言葉。狂った妄想の生み出せし、壊れた正義を振るう者の姿がそこにあった。
NO.37564は抑止の守護者のことを知っているわけではない。けれど、その目の前の存在が狂っていることだけは理解できた。
そして―――告げる。

「俺はこれでも正義の味方って奴と何人か会ってきてね。経験上、一つだけ言える。
 ―――お前は、正義の味方なんかじゃない」
「なんだと?」
「確かに、一人の手でできることは限界があるだろう。救えないものだってたくさんあるんだろう。
 俺は正義の味方じゃないから、その苦労は理解できないしその重みを考えることもないさ。
 それでも―――それでもな、救えずこぼれた欠片を何度でも拾おうとする奴もいるんだよ」

思い出すのは、共に戦う戦友のこと。
赤いヒーローも、魔法少女も、子供達の夢と明日を守るためだけに戦っている。
たとえ救った子供が大人になって子供を脅かそうとも、今度はその子供をまた救おうと手を伸ばせる存在。

「何度でも、何度でも。皆が幸せになれるまで、皆が笑顔になれるまで、その手を差し出し続けられる者。
 そんな存在こそが、俺の認める正義の味方だ。それ以外を、俺は正義の味方とは認めない。
 なあ、自称正義の味方。
 正義の味方が存在するために必要不可欠な俺に、悪の組織の下っ端に、認められない正義の味方なんぞ誰が必要とするっていうんだ?」

E-MIYAは、固い表情を崩さない。
たとえ自身の存在を否定するようなことを、たった一人に言われたところで彼を構成する妄想の群れは崩れはしない。
けれど、その言葉を否定する言葉は出なかった。
声が返ってこないせいか、NO.37564は続ける。

「お前が壊すのに荷担しようとしてる今のこの世界を見ろよ。本当に無駄だと思うのか。
 この世界を、それぞれの理由で守ろうとしてる奴らが見えないのか」

この異常な戦場の中で、ただひたすら前を向き駆ける者がいる。
仲間のために、一つでも多くの敵を倒す者がいる。
傷ついた戦友を抱え、走る者がいる。

「なぁ、見ろよ正義の味方(ニセモノ)。お前は、この世界を守ろうと一生懸命な連中を無駄だと言ってのけるのか」


「くだらん」

問いかけに、E-MIYAはそう吐き捨てた。

「所詮は一時の感情に惑わされているだけにすぎん。この世界はもう限界だ、あちこち歪んで悲鳴を上げている」
「悲鳴を上げていようが、血反吐を吐いていようが、それでも世界は続いてる。
 それを、たった一人の人間が無駄だと言って切って捨てていい権利なんかどこにだってありはしない」
「よくよく口が回るな。目障りだ、失せろ―――停止解凍(フリーズアウト)、全投影連続層写(ソードバレルフルオープン)!」

その言葉とともに、大量の刃が発生してNO.37564を襲う。
白銀の嵐。その一つが心臓をでも貫けばその場で絶命する刃金の奔流がNO.37564を飲み込んだ。
あまりの質量の落下に、アスファルトが削り取られ、粉塵がもうもうと周囲に立ちこめる。
ふん、と鼻を鳴らすE-MIYA。NO.37564は、刃から一歩も逃れる時間はなかった。あれだけの刃が襲ったのだ、命があるわけがない。
もうもうと舞っている粉塵を、突如吹いた突風が吹き飛ばす。

―――そこには、傷一つなく剣の檻の中に立つ戦闘員がいた。

今度こそ、E-MIYAの息が止まる。
ありえない。あれだけの刃の雨を受けて、生きていられる生物など存在しない。あの密度の剣の弾幕をかわせる生物など存在しない。
ならば、ならば―――
E-MIYAの足が、無意識に一歩退った。

「貴様―――一体、『何』だ!?」

恐れを含んだその声に、先ほどと変わらぬ調子で、絶対の誇りを持って悪の組織の下っ端戦闘員は答える。

「さっきも言っただろ、俺は『クロック』の戦闘員―――正義の味方を叩き潰す、悪の組織の手先だよ」

言って。
巨大ロボをローキック一発で破砕し、正義の味方の拠点を潰し、ブラックホールに単独で放り込まれても帰還すると言われた最強の戦闘員は、自身の言葉を忠実に実行した。


正直言って、37564は反則です(笑)。
なんだよ成田せんせー、「終末が来てしまうということに対する反作用存在」って。
まぁ、本人がどっちかっつーとご近所英雄(本人悪の組織だけど)派なんで城には乗り込みませんが。

4-229-230

地に伏すのは、一人の侍。
彼は満足げな表情で、本来は存在しないはずの空を見上げていた。
彼の名はリン・バウマン。かつて「青い眼のサムライ」と呼ばれた役者。
しかし、あしきゆめ―――精神寄生体がとりついた彼は、本物の侍と遜色ない実力を誇っていた。

「見事だ」
「……これでも、郷里の方では武も教える者デス」
「ごめんなさい。私は、あなたを眠らせることしかできないから……」

青い眼のサムライの賞賛に、正直な言葉を漏らす二人の勝者。
金大正と赤羽くれはもまた、無傷とは言いがたい状況だった。
くれはの言葉に、役者はくつくつと笑った。

「それでいい。死に逝く者へできることなど、人間にはほとんどないよ。
 私も、妻を失ったときにそれを思い知った……。
 だから、前を向くといい。若いお嬢さん」

もっとも、私の言葉などなくとも君は前を向けるように見えるがね、と目を閉じたまま彼は告げる。
それきり。「青い眼の」リン・バウマンは空に溶けるように消えていく。
ひと時だけ眼を伏せる二人。
神職のくれはと道士の金だ。二人とも死に行くものへの礼儀を尽くす。

その時だ。
大量の岩石の群れが、その空間へと次々と降り注ぐ。

「何デスかっ!?」
「は、はわっ!?」

岩石の砲弾から逃れようと、くれはと金は別方向へと跳ぶ。
金は仁王剣を振るい岩石を跳ね飛ばし、くれはは実家からの支給品である破魔弓から簡単な魔法を使って次々と岩石の軌道を逸らしていく。
しかし、岩石の雨は止まらない。圧倒的な量に対応していこうとするも、いつかは限界が訪れる。

「くぅっ!」

先に限界を迎えたのはくれはだった。
いかに連射の効く破魔弓であろうと、3本ありある程度の自律行動のできる仁王剣と違い、対応が間に合わなくなる。
自身の上に降り注いだ巨大な岩石は、すでに避けきれる位置ではない。真っ向から迎撃を果たすしかない状況。
くれはは全身からプラーナを開放し、その一発に全てをかける。

「<ヴォーテックス・トライデント>ぉっ!」

闇の三叉は、彼女の頭上に迫る岩と拮抗する。
くれはは、渾身の力を込めてさらに魔法を押し出した。

「はあああぁぁぁぁぁっ!」

青い輝きが魔法に力を与え、その威力を底上げする。
そして、結果として彼女の渾身の一撃は巨岩を打ち砕いた。

しかし巨岩は砕け散り、破片が雨のごとく降り注ぐ。直前まで魔法に全力を注いでいた彼女に、それを回避する術はない。
いくつもの破片の直撃を受け、彼女は気を失った。
それはこの岩石降り注ぐ場所では命に関わる。金も駆け寄ろうとするが、彼を襲う岩石の雨が止んだわけではない。
すでに岩塊の雨はくれはまでの道を塞ぐように壁と化している。
そして、ぷつりと岩の雨が止む。
どういう理屈かはわからなかったが、金は最後に彼女がいた場所へと駆けつける。が―――

―――そこに、赤羽くれはの姿はなかった。

金は拳を痛いほど握り締め、とにかく状況を正確に把握するため、ふみこの万能執事へと連絡とるのを優先させた。


―――
式神の城の奥深く。
白いマントの青年が、黒く長い髪の少女を抱えて立っていた。
青年の名は「世界の秩序」。力を欲したがために世界と同化し、いまや世界の一部として世界を動かす「白い世界」。
さて、と青年は呟いて真っ白に輝く光の玉のペンダントを少女の首にかけた。

「これでいいよ。後はこの娘を蜘蛛に組み込むだけだ。それくらいは君にもできるだろう?フットワーカー」

その言葉に曖昧に頷くのは、セプテントリオンの上級コードネームを持つエージェント。
はじまりは、同じく上級コードネームを持つRSを出し抜くために上に企画を提出したこと。
それがここまで大事になってしまっている。けれど、ここまで来てしまっては後には引けない。
彼は、目の前の世界の冷たい視線に答えることはできずともなんとか自分の命をつなぐための選択をし続ける。
青年は思い出したように問うた。

「あぁ、覚えているよね?約束を」
「玖珂光太郎が最後の間に着いた瞬間、お前に身柄を好きにさせる、だったか。
 他にはないのか?」
「いや、覚えているならいいんだ。
 あとは、これから他の邪魔が入らないために君の集めた連中に向けて命令しておいてくれればそれでいい」
「その程度はこちらも把握している」

じゃあ、よろしく頼んだよ。僕は挨拶をしてくるから、と彼は言い、その場から姿を消した。
フットワーカーは相手の気配が消えるのを待って、大きなため息をついた。
目の前に横たえられている少女をちらりと見て、彼女の首にかかる白い宝玉の説明を思い出す。
この宝玉は世界の力を引き出す玉。そう「世界」は言っていた。
それを、この娘の力を束ねる「依代」としての体質と、かつて七つの宝玉の力を遠き地へと送り出したことで作られた「転送」のパスを利用し、彼の切り札に利用する。
それが説明の全てだった。事実、娘にその両方の力が宿っているのは事実であったため、そのこと自体に不満はない。
仕事の時間だ、と頭を切り替えて、娘をかかえながら協力者達へと最後の攻撃の命令を下す。

―――ここに、世界の危機が始まる。

4-233-234

「おい、光太郎生きてるか?」
「…ああ、なんとかな」

何とか城に突入した柊と光太郎だったがその代償はあまりにも大きかった。
上着はどちらもほぼ原形をとどめておらずワイシャツも血で赤く染まっていた。

「クソッタレさっきの野郎で思った以上にくらっちまったみてぇだ。」
「だが、ここで立ち止まるわけにはいかない…そうだろ柊?」

だが二人の闘志は全く衰えを見せていない。
それを嘲笑うかのように現れる魔物たち。

「へっ、上等じゃねーか…!!」
「手負いだからって甘く見るんじゃねぇぞ!!」

ふたりはかまえをとるがその構えはどこか崩れていた。
度重なる激戦で二人の体力は限界に達していたのだ。
魔物たちは好機と判断し一斉に襲い掛かる。
だが・・・

「スレッジハンマー!!」

突如現れた巨大なハンマーを持ったツインテールの少女が魔物たちはなぎ払った。

「な、なんだぁ!!」

当然の乱入者に柊たちは驚く。

「んふふ~、さすがは317ちゃん。頼りになるわ~♪」
「誰だてめぇは!!」

声の主の方に視線を向けるとそこには女性がいた。
…なんというか青少年には大変目に毒な格好をした。

「私はクラリス・パラケルスス、錬金術師よ。」
(なんだろう、アンゼロット並みに関わっちゃいけねぇ気がする。)

彼女の雰囲気に柊は警戒する。

「で、その錬金術師様が何でこんなところに。」
「はぁ、これだけ大きな城なんだからお宝の一つや二つは有りそうだしね。それに・・・」

クラリスは柊に視線を向け、

「君にすっごく興味があるのよね~♪」
「俺に?」
「そうそう、さっき君たちを助けてくれた子あれ私が作ったホムンクルスなのよ。」
「何だって。」

柊と光太郎はさっき助けてくれた少女に目を向ける。

「あたしの最高傑作なのよ~」

クラリスの言葉に柊は嫌な予感を感じる。
クラリスの笑みがなんだがどっかのロリババァと重なったからである。

「何企んでるんだ、あんた。」

柊は警戒心をあらわにする。

「ん~、その前に取引しない?」
「取引?」
「そうそう、私は君たちを完全な状態まで治療することが出来るわ。」
「つまり治療してやるからあんたに宝探しに付き合えってか?」
「そのと~り。そんでもって柊君にはちょっと私の研究に協力して欲しいのよ。」
「…研究!?」

柊は嫌な予感がした。
そしてそれは的中する。

「今度新しいホムンクルス作ろうと思ってるんだけどそのベースを柊君にしてみようと思うのよ~」
「…マジか!?」
「うんマジマジ。何たってウィザード随一の戦闘力は魅力だし美形だから結構高値で売れそうだから。」
「ふざけんな、そんな理由で俺をホムンクルスのベースにするなぁぁぁぁぁぁ!!」

思わず柊は叫んだ。

「マスター、敵です。」

待機していた317の報告どおり周囲には何時の間にか魔物が集結していた。

「ゲッ…」
「んふふ~、どうやら拒否は出来なさそうの状況ね~」

クラリスの言うとおり状況はかなり危険な状況だ。
はっきりいって今の柊と光太郎は戦力にならない。
いくら317がクラリスの最高傑作でも多勢に無勢だ。
それ故に二人が出した結論は。

「だぁぁぁぁぁ、仕方ねぇ。宝探しでも研究でも付き合ってやるからさっさと治療してくれ!!」
「交渉成立~、それでは!!」

クラリスは魔力を放出する。
すると二人の傷は見る見るうちにふさがっていく。
それだけではないボロボロの衣服も新品同様に修繕され、疲れすらも消えていた。

「すげぇ。」

クラリスの力に感心する柊。

「それでは、お宝目指してれっつご~♪」

こうしてクラリスを加えた柊たちは最深部を目指す…

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