環境経済学

調べた理由

以前にも話したことがあるように、「環境経営学」という学問領域は未だ未発達です。環境学をひも解けば、環境社会学、環境倫理学、環境経済学、環境工学など様々な学問領域が形成されているにもかかわらず、「環境経営」に関する論文・著書は比較的少ないです。

ご存じの通り、経営学は経済学なくして成り立ちません。そこで環境経営学を研究していくに際して、いきなり環境と経営の理論を探求していくよりも、歴史もあり理論体系化が進んでいる環境経済学に関して勉強し、その基本を踏まえて環境経営に関して理論構築していくことは有効であります。よって、環境経済学に関してつらつら必要と思った所を中心にまとめていきたいと思います。毎度のことですが、みんなも加筆・修正していってください!!!


環境経済学とは(ウィキペディアより抽出)

今日、「持続可能な発展」とか「エコロジー」という言葉は、地球環境問題が一般的な問題になった1960年代以降、市民や政府、大学、企業などが、メディアを媒体として広く環境保護活動として行動するようになり、経済学においても外部効果の作用などの点で、政府政策や経済的な影響として環境問題が、無視できなくなってきた。これが環境経済学の端緒である。



コモンズの悲劇(共有地の悲劇)と囚人のジレンマ

コモンズの悲劇(The Tragedy of Commons)とは、多数者が利用できる共有資源が乱獲されることによって資源の枯渇を招いてしまうこと。共有地の悲劇ともいう。

生態学者ギャレット・ハーディン(1915-2003年)が 1968年に『サイエンス』誌に論文「The Tragedy of Commons」を発表したことで、一般に広く認知されるようになった。

たとえば、共有地(コモンズ)である牧草地に複数の農民が牛を放牧する。農民は利益の最大化を求めてより多くの牛を放牧する。自身の所有地であれば、牛が牧草を食べ尽くさないように数を調整するが、共有地では、自身が牛を増やさないと他の農民が牛を増やしてしまい、自身の取り分が減ってしまうので、牛を無尽蔵に増やし続ける結果になる。こうして農民が共有地を自由に利用する限り、資源である牧草地は荒れ果て、結果としてすべての農民が被害を受けることになる。

地球環境問題・破壊にコモンズの悲劇に概念をそっくりそのままあてはめることができる。

環境経済学の本を読んでいると必ずと言っていいほど出てくる概念です!!コモンズの悲劇という言葉をバイト先で少しだしたら、みんな知ってる知ってるっ!!ってなりました。。。


2つの対策方法

  • 正の外部経済の場合
共有物が正の外部経済的なもの、たとえば石油やダイヤモンドなどみんなが欲しがるものの場合、企業に所有権を与えることによって競争的乱獲を防ぐことができる。ただし、それでもなお企業のモラールや法律的規制などを考える必要がある。
経営学的に考えれば、所有権を有しても乱獲をしないなどのCSRと関わってくる部分であるとも考えられます。

  • 負の外部経済の場合
共有物が負の外部経済的なもの、たとえば大気汚染や廃棄物の発生などの場合、そうした環境負荷を発生させる行為に対して課税を課し外部不経済の内部化を図ることが考えられる。(コースの定理ピグー税を参照)
経営学的に考えれば、企業は外部不経済の内部化というお荷物を背負わなければならないのだから、環境対策は一大事です。その辺の詳しい話はみんなが調べてくれた具体的な企業の環境への働きと関連してくるはずです。


コモンズの悲劇の背景には囚人のジレンマというものが存在する。詳しくは囚人のジレンマを参照。

囚人のジレンマ

囚人のジレンマ(Prisoners' Dilemma)とは、ゲーム理論や経済学において、個々の最適な選択が全体として最適な選択とはならない状況の例としてよく挙げられる問題。非ゼロ和ゲームの代表例でもある。価格破壊競争もその例で、A社とB社が両方とも値下げを止めれば利益を維持できるにもかかわらず、相手企業が値下げにより利益を奪う恐怖に耐え切れず、双方で値下げ合戦をして共倒れしてしまう。
今日、世界中の企業が足並み揃えて環境対策に動くことが出来ないのも、囚人のジレンマがあるからということができる。企業が莫大な投資をして、社会的責任の名のもとに環境への取り組み(たとえばサハラ砂漠への植林)をしても、それが利益と直接的に結びつきづらかったら、競合他社が「ぬけがけ」するのではという恐怖が働き、自分の目に見えるベネフィットを優先して、企業は環境対策を行わなくなる。

環境問題に取り組まない一因として、囚人のジレンマの存在もあげることができるのではないでしょうか。



コースの定理とピグー税

コースの定理とは1991年にノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学(University of Chicago)のロナルド・コース名誉教授(Ronald Coase)によって導かれた外部不経済の内部化によってパレート最適(お互いが最も満足である状態)に導くという定理である。もっとも簡単に言うと、環境問題の当事者同士が直接交渉することによって、何らかの解決をみることである。排出量取引などもこの例ということができる。

ピグー税(Pigovian tax)とは、イギリスの経済学者、アーサー・セシル・ピグーが考案した税。ピグー的課税などとも呼ばれる。発生した外部不経済に対して当事者に課税をかすことによって、外部不経済の内部化を図ろうというもの。炭素税などの環境税はピグー税であるといえる。


このようにパフォーマンスとして企業は環境対策を行っている反面、ピグー税や囚人のジレンマという負の環境側面とも戦っているともいえます。企業は本当に環境対策をよいもの、利潤を生むものと思ってやっているのか、重荷に感じているのか、知りたい気もします。。。



環境経営度

企業の環境対策を総合的に評価することを目的に、日本経済新聞社が1997年から毎年1回実施している調査。
製造業、非製造業・電力とガス・建設業にわけ調査対象とし、各企業のアンケート結果をもとに“環境経営度スコア”を作成し、ランキング形式で新聞紙面に発表。
「企業の環境経営度」と題し、企業が温室効果ガスや廃棄物の低減などの環境対策と経営効率の向上を、いかに両立しているか評価している。
評価項目は、
非製造業・・①環境管理体制 ②資源循環 ③温暖化対策              計300点満点
製造業・・・①環境管理体制 ②汚染対策 ③資源循環 ④製品対策 ⑤温暖化対策  計500点満点
となっている。
最終更新:2009年06月10日 00:33
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