企業評価論

調べた理由

  僕たちの最終目標は、「環境経営における導き出された仮説を実証研究によって考察する」ことです。そこで、環境経営の様々な理論を勉強していくことと同時に「計量経営学」に関することや、「企業評価論」に関することも勉強していく必要があると思われるのです。ということで、岡本大輔先生の著書、「企業評価の視点と手法」に従って、企業評価論とは何ぞや??というのを薩佐なりにまとめていこうと思います。
  この項目の内容は、「企業評価の視点と手法」の必要なところだけを簡単にまとめた内容になっています。







企業評価の定義(岡本,1996)

企業評価
「何らかの意思決定のための、企業が持っている、長期に維持発展していくための総合的な潜在能力を測定すること」

注) 企業評価の定義はその主体や目的によって異なってくる。大学・研究所・新聞社のような機関が主体の場合は上記のような定義となる。


企業評価論総論

企業評価理論を研究すると、どのような要因が企業の維持発展要因となるかが明らかにされ、これが経営学理論の構築につながっていく。つまり企業評価理論においては、ただ実証研究・評価をして終わりっ!なのではなく、最終的には一つの経営学理論を導き出すことに意義があるということになる。そのプロセスは「仮説=検証」というものであり、具体的には以下のようなプロセスをふむ。

  • 経営学理論から企業の維持発展要因を探る
     ↓
  • 現実のデータを採取
     ↓
  • 企業評価モデルにあてはめ(そのモデルは時と場合のよって異なるので、どのモデルにあてはめるのかも考える)
     ↓
  • 適合性を考察

ちゃんと「仮説=検証」というステップをふんでいることに注目です!!もしも僕らも企業評価理論研究というものに取り組んでいくのであれば、「仮説=検証」というステップは大事であり、その際上記の様なプロセスをふむべきだ、ということになります。

そして、こうしたプロセスにおける企業評価理論研究課題とは、「何を基準に評価するのか」という視点の問題と、「その方法をいかに開発していくか」という手法の問題とに分けることができる。 (より詳しい話は「企業評価論各論」を参照)

現在実用化されている企業評価モデルのうち、もっとも有用と考えられるものの一つに「QAQF定性要因の定量分析法)」というものが存在する。


企業評価論各論


視点

企業評価は誰が、どのような目的で評価するか、という評価主体・評価目的の違いによってさまざまなバリエーションがあり、何をもってよいとするのか、何をもって良くないとするのかの基準はその事象によって異なると考えられる。企業評価の視点を考えることは、ある具体的なシチュエーションに対し、その良し悪しの基準を考えるということである。たとえば企業の倒産要因における企業評価をおこなうときには、倒産防止要因と倒産加速要因という2つの大きな視点を用意し、さらに細かく必要だと思われる視点を考えていくことができる。その他に、非営利組織の企業評価を考えるならば、非営利組織は一般の企業とその目的を異にし、利益を第一義的に追及していないから、当然その評価の視点は異なってくる。さらに企業にとっての社会性の問題を考えるとき、どのような企業が良い社会性を持っているのか、どのような企業が悪い社会性をもっているのかという基準を明確にする必要がある。こうした視点に関して議論していくことも、企業評価理論研究では重要である。


実際に三田祭論文の話でいえば、何が良い環境力をもっているのか、その基準を探求していくことも重要であるように思われます。その結果、新しい企業の環境力の評価基準を導くことも可能ですし、そうした基準を満たしている企業は企業経営的にはどのような利点があるのかも明確にしていくことができますよね~。


手法

企業評価理論研究では既に述べてきたように「仮説=検証」のプロセスを踏み、実証研究という手段を用いる。では、どのような実証研究の手法を利用するのが有効であるかを考えることが、企業評価における手法を考えることである。具体的には、どのような統計的手法を用いていくのかを議論することが主となる。さらに新しい企業評価手法としての人工知能、エキスパートシステム(ES)を考え、具体化していくことも、手法研究の分野である。


簡単にいうと、統計学の研究に近いものがあります。ちなみに先生は本の中で、ものすごいESを作っていらっしゃいました。正直・・・これはムリだろと・・・(本音)


QAQF



QAQFとは慶応義塾大学経営力評価グループ開発の企業評価システム用分析法。Quantitative Analysis for Qualitative Factors の略。数字に表しにくい定性的データ(良い・悪い、かっこいい・かわいい、楽しい・不満、など)を定量的(数値化ということ)に分析する方法。旧通産省の「総合経営力指標」の分析手法として1974年以来20年以上採用されている。(1996年時のデータ)

  • 第1段階 QAQF用アンケートの作成
    ↓
  • 第2段階 集計と動向の調査
    ↓
  • 第3段階 被説明変数の作成(定性と定量の関係をつかむ)
    ↓
  • 第4段階 D値分析(定性要因は被説明変数に対してどれくらい貢献・影響しているのか)

という手順を踏む。


何せ1996年のデータによる記述なので、誰か新しいことがわかったら加筆・修正してほしいです。ちなみに慶応義塾大学経営力評価グループは依然として存在しています。



最終更新:2009年06月16日 00:06
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。