このページでは植林についてとにかくまとめていきます。基本的な仕組みから、独自理論展開までしていきます。
植林は温暖化に効果がない
「実際は、人工林は自然林に比べ二酸化炭素を吸収せず、環境保護にも貢献していないため、植林による排出権は認められた実績が殆どない。」
ウィキペディアの
植林にはこのような一文が存在する。これは事実なのだろうか。
<これについては、調べてる最中です。何かわかったら皆さん教えてください>
植林と緑化の違い
植林
木材生産や森林保全を目的として、木を植えることである。(goo辞書)
山や野に苗木を植えて林に育てること。(Yahoo!辞書)
苗木を植えて山林をつくること。(三省堂Web Dictionary)
緑化
樹木を植え、国土の緑を多くし美しくすること。(goo辞書 Yahoo!辞書)
植林に対して、緑化することを植栽という。
わたしは、緑化が景観を意識しているのに対し、植林はそれ以外のものを意識して緑を多くする活動だと思います。
熱帯雨林
生息する生物の多さ、種の多様さが挙げられ、複雑な生態系を形成。
全世界の生物種の半数以上が熱帯雨林に生息しているとも言われる。また、大気中に含まれる酸素の40%は熱帯雨林によって供給されたものと見られている。
土壌の発達が悪く、やせた酸性の土壌(ラトソル、ラテライト)を形成。
養分は土壌に蓄積するのではなく、速い速度で生物間を循環している。そのために熱帯雨林の土壌は薄く、一旦広い面積で植生を失うと、多雨の影響もあって急速に土壌流失を起こし、砂漠化してしまいやすい。
熱帯雨林は、光合成による二酸化炭素吸収量は優れているが、落ち葉や、枯れた木は、高温多湿の為に短時間で、二酸化炭素とメタンに分解される。
差し引きの二酸化炭素吸収量は、樹高10メートル以上ある木が生い茂っているにも関わらず、関東地方の夏の田圃程の二酸化炭素吸収効果しかない。
20世紀に入って以降、熱帯雨林は伐採や農地開発による破壊(森林破壊)が進み、急速に減少・劣化してきている。 その速度は、毎秒0.5 - 0.8ヘクタールにもおよび、かつて地表の14%を覆っていたとされる熱帯雨林が現在は6%まで減少し、このペースで減少が続けば40年で地球上から消滅するものと予測されている。 それに伴って絶滅する生物種の数は、年間5万種にも上るとみられる。
ユーカリ
{ユーカリはフトモモ科ユーカリ属(Eucalyptus)の総称。常緑高木となるものが多い。
和名のユーカリは、学名の英語発音、ユーカリプタスを日本で短縮した略称に由来する。学名の語源は eu-(真に・強く・良く)+ kalyptós(~でおおった)、つまり「良い蓋」を意味するギリシア語をラテン語化したもの。つぼみのがくと花弁が合着して蓋状となること、あるいは乾燥地でもよく育って大地を緑で被うことに由来して命名されたとされる.(wiki)}
近年植林分野に関してユーカリ植林の注目度が集まっている。
それは、
1.成長がとても早い。
→15年ごとに収穫 (収穫までの期間は、在来広葉樹の約3分の1)
1ヘクタール当りの年間成長量
■一般的な在来広葉樹 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3m3
■ユーカリ(最も植林技術の進んだブラジル)・・・・・・・・・・・・・・・ 70m3
■ 〃 (冬に数十日も霜の降るタスマニア山間部) ・・・・・・・ 20m3
2.育林に手間がかからない。
→育林・伐出コストが安い
ユーカリの苗木は1年間で2~3mの高さに成長するため、下刈り(除草)作業は半年・1年後の2回で充分。また、下枝は幹から自然に折れ落ち、枝打ち手間も省ける。
伐採後は切株から萌芽更新が可能なので、2・3回目の植林は苗の植え付けも不要。
3.環境にやさしい。
→成長が早いユーカリは、CO2の吸収力が高いということで、地球温暖化防止の面で昨今注目を集めている。
日本でもトヨタ自動車、王子製紙などCO2排出枠確保のため、すでにユーカリ植林に着手している。
ユーカリの根は、地中深くまっすぐ伸びて、山の地盤と一体となり土砂災害を防ぐ。
4.利用用途が幅広い。
→住宅建材・家具材・製紙パルプなどの工業分野から医薬品関係まで幅広く利用されている。
以上の理由から近年植林分野でユーカリ植林が注目を集めている。
植林と生物多様性
生物多様性保全への貢献等を目的として、針葉樹中心の森に鳥獣類・昆虫等の食物となり易い広葉樹などを植える活動や、生息生物の調査活動にも取り組んでいる。(東京ガス)
植林といえども、どんな植物でもいい訳ではなく他の生物が共生しやすい山林をつくる必要があるのではないか。
森林破壊
森林には地球上の生物の5~8割が生息していると言われる。地球上の陸地の3割は森林であり、水をため込む自然のダムとも言われる。
また、光合成という大切な役割も行っている。
地球温暖化、砂漠化、生物多様性、ほとんどの地球環境問題が森林と関係あると言えるのではないか。
人間の無秩序な森林伐採によって、豊かな森林(熱帯林)が破壊されつつある。
熱帯林においては、毎年1,420万ヘクタールもの天然林が減少している。(本州の3分の2に相当)
森林破壊の原因
焼畑農業・・・焼畑とは本来、小規模な森林を燃やしその土地で4~5年耕作したあと他の場所に移すという農法である。
通常であれば焼かれた森林は数十年後に再生すると言われる。
しかし近年は、人工増加に伴い森林が回復する前に再び焼き払うという商業的な焼畑が行われるようになり、森林の再生が追いつかなくなってきた。これがまた森林の破壊・砂漠化を促進する要因となっている。
商業伐採・・・先進国による販売を目的とした伐採。建築資材や加工品の原料として伐採された木材は、そのほとんどが先進国にて大量生産・消費される。
森林伐採の利点
気になる記事を発見したので参考までにご紹介致します。
↓ ↓
木は成長すると光合成による二酸化炭素吸収量が減少する。
その為、最も効率よく二酸化炭素吸収を行う為に、
一定の大きさになった木は伐採すると光合成による二酸化炭素吸収量が回復する。
この現象は、飛騨高山の森林で実際に伐採があった森林とそうでない森林の比較により確認され、
学会でも正しいとみとられたことである。
伐採された木は、建築材料として利用されれば、数十年にわたり、
二酸化炭素を木材として地上に固定化できる。
以上より、このような森林伐採は環境破壊ではなく環境保護であるという考えもあります。
良い植林と悪い植林の基準
問①植林を実施する土地が、以前はどんな状態だったか
「悪い植林」生物多様性に富んだ森の天然林を伐採し、紙の原料になる木を植える植林。 →生物多様性×
「良い植林」既に焼畑を繰り返して土壌が荒れ、草しか生えていない土地や酪農を放棄した草原に植林。 →生物多様性○
この問いに関してはWWF(世界自然保護基金)の森林認証であるFSC(森林管理協議会)による裏付けがある。
同協議会は植林に際して、保護価値の高い森林を残すことを求めており、
「1994年以降に自然の森から人工林に変えた場合は、認証の対象としない」(1994年ルール)と定めている。
問②単一樹種か複数の樹種か・・・この命題により「良い植林」にも二つの優劣がつけられる
step1 木材資源確保が目的の経済林→利用目的に合った単一樹種を集中的に植える。
たしかに、植林をしないことに比べれば二酸化炭素(CO2)の吸収では効果があるが、生物多様性の面では問題が残る。
step2 地域生態系の保護や地下水涵養、環境学習などが目的の環境林→地域の潜在植生を考えて複数の樹種が選ばれることが多い。
生物多様性の視点で問題はない。
step1からstep2へ
荒廃した土地を単一樹種による植林で人工林にし、そこから大量の木材資源を確保する。その後に、生物多様性を高めながら木材資源を確保するノウハウを蓄積する方向に向かうのではないだろうか。
上記の考察から、やはり生物多様性が植林の有効性を調べるキーポイントになるのではないだろうか。。。
最終更新:2009年06月23日 12:06