明日の この空さえ永遠じゃないかもしれない ◆lx1Zn8He52
戦略用エンジェロイドtype-α
イカロスは照り付ける太陽の下 純白の双翼を輝かせ飛翔する
――殺し合いに乗れ
己が主の命を受け 他の参加者を求める
(マスターがあんな命令する訳ない。だけど…)
先程目の前に現れたのは紛れもなく
桜井智樹
声 姿 全て自分のよく知るものだった
先程のマスターに違和感を持ちつつも進むのを止められない
彼女の知る桜井智樹は、誰よりエロく 誰よりも変態で そして誰よりも優しい男だ
そんなマスターが自分達以外の死など望む筈が無い。自分の知るマスターなら形はどうであれこのゲームの打破を望むだろう
解ってる 頭では だが体は正直だ
エンジェロイドの存在意義はマスターの命令を遂行する それだけだ
目の前に現れたマスターを信じるか 自分の中のマスターを信じるか今のイカロスには決められない
葛藤の中 惑う赤き瞳に人影が移る 商店街のど真ん中で両手を振る白い姿には見覚えがあった
ワイルドタイガー このゲームに異を唱えた男だった
OOO
鏑木・T・虎徹は空を見上げ 迫り来る影を見据え足を止める
「なんだありゃ?人…か?」
警戒しつつも彼はコンタクトを取る事を選んだ
「おーい!止まれー!俺は――」
声を挙げ 話し合いを求めようとした瞬間 辺りを爆音が包み込む
Artemis イカロスの放った凶弾は辺り一面を吹き飛ばす
「て、おま!?問答無用かよ!?」
立ち上る土煙の中 ワイルドタイガーは健在だった
能力制限 もし本来の空の女王ならこの殺し合いは既に赤陣営の勝利で終わっていただろう
天使は加速し土煙を切り裂いて華奢な拳が硬い装甲を容易く凹ませる
「止めろ!俺は殺し合うつも――」
続けて一撃 次はマスクに拳が突き刺さる
「俺の話を…」
その言葉を遮る様に放たれた弾丸が彼を遥か後方に吹き飛ばす
(くそ!取り敢えず気絶させ…)
ようと能力を発動しようとした瞬間 見た
俺を殺そうとする少女の顔を
口の中に広がる血の味を飲み下し
「……なぁ、お前本当に殺し合いに乗ってんのか?」
痛む身体に多少の無理をさせ立ち上る
「私はマスターの望みを…」
「誰かが望んでるからやんのか?」
「私はマスターの為に…他の人…殺さないと……」
「そのなんつーかよ!?そんなに悲しそう顔をしてまで…」
「私は…エンジェロイドは……マスターの命令を…」
ひびの入ったマスクを外し ワイルドタイガーは両手を広げ話を続ける
「俺はお前が人を好きで傷付ける様な奴に見えねんだ…。お前の言うマスターってのがどんな奴か俺は知らねぇけど誰かを傷付ける様な奴なのか?今お前を泣かせてるみたいに…」
涙 暴力を持って主の命を忠実に遂行せんとする大量破壊兵器の頬を一筋 また一筋と濡らしてゆく
「マスターは…マスターは……私のマスターは……」
誰かを傷付ける様な事を望んだりしない、絞りだす様に続ける
「なら…なんでお前にそんな命令するんだよ!?」
「マスターは…優しくて……。マスターは……」
(なにが優しいだ!この子の気持ちに漬け込んで人殺しを強要するなんてよ!)
額から流れる血を軽く拭い 鏑木・T・虎徹は続ける
「お前は人殺しがしたい訳じゃ無ぇんだろ!?だったらそんな奴の命令聞く必要ねぇ!」
「でも私は…マスターの…マスターの御命令を…」
この場にいないマスターと言う奴への怒りが虎撤の中で込み上げる
「そんな悪党の命令何て聞く必要なんかないだろ!?そいつは自分の私利私欲の為にお前を利用してるだ!!」
目の前の少女を指差し突き付ける様に声を張りだす
「マスターは…そんな人じゃない……マスターは…」
男の言葉を聞きイカロスの瞳から次々と涙が零れ落ちる
「最後に一つだけ答えろ!お前はそいつが言った通りに人を殺す気か?だったら俺はお前を許さねぇ!お前もマスターって奴もだ!!」
殺したいの? この人を? みんなを? 殺すの? マスターの為に? 私は 私は―――――
【一日目-午後】
【D-2/商店街】
【鏑木・T・虎徹@TIGER&BUNNY】
【所属】黄
【状態】ダメージ(中)疲労(大)
【首輪】80枚:0枚
【装備】ワイルドタイガー専用ヒーロースーツ(胸部陥没、頭部亀裂、各部破損)
【道具】不明支給品1~3
【思考・状況】
基本:真木清人とその仲間を捕まえ、このゲームを終わらせる
1.目の前の少女から答えを聞く。(殺し合いに乗るなら容赦しない)
2.他のヒーローと合流
3.ジェイクとマスター?を警戒
【備考】
※能力減退が始まって以降からの参加です。具体的参加時期は後の書き手さんにまかせます
【イカロス@そらのおとしもの】
【所属】赤
【状態】健康、空の女王、混乱
【首輪】65枚:0枚
【装備】無し
【道具】無し
【思考・状況】
基本:?
1.私は―――
【備考】
※22話終了後から参加
※商店街の一部が壊滅しました
最終更新:2013年11月01日 15:32