(おおへびがみのじゃけつ)
薫桜神道にて語られる大悪神『
八頸大禍津甕空之龍皇』が討たれた際、その首から流れ出た血が大地の底にて血溜りとなった物。
見た目は上等な酒にも似た芳醇な香りを放つ赤い水であり、悍ましい程の猛烈な穢れと同時に膨大な
神力と
竜力が凝縮されているとの事。
一度口にすれば圧倒的な力を手にする事が出来ると言われる霊薬。
だが同時に大蛇神の怨念に支配され、
皇国に災いをもたらす怪物へと変貌してしまうらしい。
これらはあくまで伝承であるとされている。
だが古い時代の文献では災禍を引き起こした魔物がこの邪血の存在を示唆したとの記述も多い。
【報告例】
皇国各地にて大寒波による農作物等の甚大な被害、及び餓死者や凍死者が続出。
その後、皇国北部の島にて巨大な氷の竜巻を発生させ猛吹雪を起こしていた
カマイタチと思しき妖魔を発見。
当時の皇王率いる討伐隊との激戦により大勢の死者を出しつつも討滅に成功した。
討滅された妖魔は通常の
カマイタチとは比べ物にならないほど巨大化していたと云う。
腕の数も複数に増え、風や氷の妖術以外にも稲妻など多くの術を巧みに操り高い知能を持っていた。
死の間際に自らを大蛇神の血と怨念を受け継ぎし者と名乗ったとされる。
皇国各地にて大きな地震が頻発。
家屋の倒壊や地割れ、山崩れが発生し多くの被害が出る。
生存者達から『地割れの中で巨大な魚を見た』という報告を受け、これらの地震が地中を泳ぐように移動するナマズにも似た魔物の仕業と判明した。
そして時の皇王主導による大規模な炙り出し作戦が行われ、土中に魔術的な罠を仕掛け地上に引きずり出した所を包囲。犠牲を払いながらも討滅に成功する。
この怪物もまた、自らを大蛇神の怨念の化身として皇国に災いを与えに来たと話して絶命したとの事。
薫桜ノ皇国北端、
陸晴ノ国にて『
真慈』と名乗る多頭の蛇竜が出現。
周辺の妖怪や魔物を束ねて集落を襲い甚大な被害を出す。
事態を深刻と見た
皇王自らが討伐隊を率いて出陣し、幻術や結界に阻まれながらも隠れ潜んでいた蛇竜と相対した。
だがあと一歩の所まで追い詰めるも真慈は逃走、しかし複数の頭を斬り落とす事に成功したとの事。
この真慈もまた、泰斗との交戦中に自らを大蛇神の後継者と語りながら皇国への憎悪に満ちた眼で襲い掛かって来たという。
鬼ヶ島中央部、
鬼神の社で見つかった古い巻物の一部。
損傷が酷く文字はほぼ解読不可能であり、ほんの僅かな絵から物語を推測できる程度。
絵から最低限読み取れるのは、とある
鬼人の一家が口減らしの為に幼い子鬼を深い谷底に落とすという内容。
死にきれなかった子鬼は谷底を這いずり回り、開いていた大穴に転げ落ちていく。
最終的に穴の底で死にかけの子鬼の目の前に、一面に赤い液体が溜まった大きな地底湖が広がっている所までが描かれている。
紙の状態が極めて古い為、かつて
鬼ヶ島を“
鬼の邪神”が支配していた時代のものではないかと推測されているが、正確な関係性は不明。
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最終更新:2023年07月04日 15:34