黒い装いに身を包んだ女が、ゆらりと歩道を歩いていく。
ハンチング帽に、漆黒のコート。僅かに揺れる銀髪。
そして、左手には鞘に納められた刀を携えている。
殺し屋だった女、
バラッドは街中を進み続けていた。
視界には何ら変哲の無い平凡な街並が延々と広がっている。
まるで、先程までの惨状など嘘であるかのように。
誰一人として住人が存在しないことを除けば至って普通の市街地だ。
それは邪神の力で崩壊したH-8地区からとうに抜け出せていることを表している。
ゲームが始まってから12時間が経過した。
半日程度の時間の中で、殺し屋としての人生を上回る様な経験を繰り返している。
ユージーの死、ピーターとの別離、そして邪神との激突。
特にあの邪神―――
リヴェイラとの交戦は、万に一つの勝ち目があるかも解らない戦いだった。
それでもバラッドは立ち向かった。己の人としての矜持を貫く為に。
結果として、バラッドは勝利した。
神との戦いに生き残ったのだ。
ユニとの契約や『
ヴァイザー』との共闘。
そんな偶然の要素があったからこそ勝利を掴み取れた。
犠牲は少なからず払わされた。
自身の純潔―――言わば生命としての本懐を失うことは、然したる代償ではない。
異性と愛を誓い、我が子を生み、親として育む。
そんな生き方など自分には出来ないと思っていたし、憧れも抱いていなかったからだ。
だが、ユージーを死なせてしまったこと。
その犠牲は彼女を悔やませるには十分なものだった。
彼は誰も殺していない、日向の人間だった。
他者を思いやり、他者の為に本気で戦うことの出来る勇敢な少年だった。
ふと、バラッドがその場で足を止める。
直後に近くの狭い路地へと身を隠した。
あの男の放送が耳に入ったのだ。
どうやら、第二回放送の時間になっていたらしい。
放送を聞くに当たって、歩道で堂々と立ち止まって無防備を晒すつもりはない。
故に物陰に隠れたのだ。
此処まで自分は生き残った。
いや、生き残ってしまったと言うべきなのか。
《では、まずは前回と同じく禁止エリアの発表から――――》
不敵な
主催者は今までと変わらぬ飄々とした態度で情報を告げていく。
一体何処からこんな放送を流しているのだろう。
そんなことをふと思いながら、彼女はデイパックから取り出した地図にメモを取っていく。
今回の放送で外枠全てが禁止エリアになるらしい。
その他にも『D-6』『D-8』『E-3』『F-5』『H-10』『I-6』が禁止エリアとして指定。
(…随分と増えたな)
地図に禁止エリアを記していき、バラッドは思う。
目に見えて増えている。
第一回放送時には3つ程度しか増えなかった禁止エリアが大幅に増加されたのだ。
そのことに妙な違和感を覚えつつ、続く死亡者の放送へと耳を傾ける。
6時間で散っていった参加者等の情報を知るべく。
名簿に記載された名に、斜線を引く。
アザレアの死が淡々と告げられた。
彼女と再会し、そして別れてからさしたる時間は経っていない。
まだ奴は生きているだろうと、無意識のうちに考えていた。
だが、死んだ。余りにも呆気なく彼女の名は放送で告げられた。
ものの数時間の間に彼女は何者かと争い、命を落としたのだろうか。
組織とは既に決別した。
アザレアとは元から親しかった訳では無いし、今となっては敵対関係に過ぎない。
故に奴への慈悲は抱かない。
ヴァイザーの死の際には抱けていた哀れみは、既に枯れていた。
尾関裕司。ユージーのことだ。
薬で男に変身していたという言葉を信じるなら、彼はユージーではなく尾関裕司本人だっただろう。
放送で呼ばれる覚悟は既にしていた。目の前で彼の肉体が切断される様を目撃したのだから。
確か初対面の時は「自分は尾関裕司と間違えられて連れてこられた」なんて言っていたか。
ほんの短い関わりだったが、明るく陽気で、そして何より勇敢な少年だった。
彼を守れなかったことが、最大の悔いだ。
名簿を握る左手の拳の力が自然と強くなる。
その後も淡々と放送が続けられ、バラッドは黙々と名簿に斜線を引いていく。
アザレアが『覆面さん』と呼称していた人物らしき『
覆面男』の名。
万に一つの勝機を掴んで辛勝した『リヴェイラ』の名。
アザレアとユージーを除けば、私が知っている名はその二つのみだった。
鴉や
クリスという名は殺し屋の噂で聞いたことはあるが、精々その程度だ。
ピーターはまだ生きている。イヴァンやサイパス、ルカもまだ健在だ。
ヴァイザーから見所があると評価されていた
りんご飴とやらもどうやら生きているらしい。
そして、ウィンセントも未だどこかで生きている。
託していた筈のユージーが一人で行動していたことから、彼が死亡した可能性も考慮していた。
しかし先の放送でその名は呼ばれなかった。
ウィンセントは今、どこで、何をしているのだろうか。
とにかく、彼の無事を祈りつつ早急に合流したい。
《今度は2時間だ。2時間死者がでない時間があれば1名の首輪を爆破する》
死者の通達を終えた後に
ワールドオーダーがそう告げる。
それを耳にしたバラッドは訝しげに眉を僅かに顰めた。
(この期に及んでまた制限時間の短縮なのか?)
随分と奇妙な話だ。
今回の放送だけでも死者は19人。
残り人数は半数を切っていることを考えれば十分すぎるペースだ。
だというのに、禁止エリアの大量追加と首輪爆破
ルールの更なる時間短縮を決行したのだ。
(死者のペースからして殺し合いは順調に進んでいる筈だ。何故そこまでやる必要がある?)
今回の放送に引っ掛かるものを感じたバラッドは思考する。
ペースは順調であるにも関わらず、『停滞した殺し合い』を促進するような行為を続けている。
まるで殺し合いを何とか完遂させようと焦っているかのようにさえ思えた。
単に参加者を焦らせる為、更に焚きつける為に制約を加速させている可能性も十分に有り得る。
だが、それにしても禁止エリアの大量追加や首輪ルールの更なる短縮は早急過ぎるのではないかとも感じた。
とはいえ自分はワールドオーダーという男を知らない。
彼が何を考えているのか、どんな思惑があるのかさえ理解していない。
故に詳しい意図は判らないし、彼の思惑に関して推理をすることも出来ない。
ただ今の自分に解ることは一つ。
今回の放送で『焦る参加者』が出てくるだろう、ということだ。
当初は6時間の時間制限だった首輪ランダム爆破ルールも今回の放送で2時間にまで短縮された。
参加者も半数を切っている以上、ゲーム開始当初と比較すれば他の参加者との遭遇率は下がる筈だ。
そうなれば首輪爆破を避ける為により積極的に殺しに乗る参加者が少なからず現れてくるだろう。
殺し合いに乗らない複数人による集団がいたとしても、首輪爆破ルール短縮による焦燥や疑心暗鬼から同士討ち―ということも起こり得る。
残った参加者は33人。
第三回放送までに参加者の潰し合いが更に加速するかもしれない。
出来ることならば、そうなる前にウィンセントと合流を―――――
『―――――バラッド』
瞬間、思考に割り込む様なユニの声が頭の中に響き渡る。
直後に彼女の耳に入ってきたのは、建物が崩れ落ちる様な音だった。
すぐ近くで、また何かの荒事が起こっているというのか。
それもこれほどの轟音を発する規模の戦闘らしい。
つい先程死闘を終えたばかりだというのに、どうやら休ませてはくれないらしい。
一難去ってまた一難、とでも言うべきなのだろうか。
だが、尻尾を巻いて逃げるつもりはない。
この市街地にはまだウィンセントが残っている可能性がある。
もしかすれば、彼が巻き込まれているかもしれないのだ。
故に黙って見過ごすわけにはいかない。
『さて、バラッド。どうするのかしら?』
「―――行くぞ」
相棒の問いかけに対し、元殺し屋は短くそう答える。
胸騒ぎの所在に引っ掛かるものを憶え、彼女は走り出す。
◆◆◆◆ ◆◆◆◆ ◆◆◆◆ ◆◆◆◆
全部いなくなった。
アザレアちゃんは消えた。
あちこちの街並も消し飛んだ。
周りにあるものは瓦礫の山だった。
街の風景なんてあったものじゃない。瓦礫、瓦礫、瓦礫。
塵の山だ。死の世界だ。
空に浮かぶ太陽は叩き潰した果実のように真っ二つに割れていた。
太陽は血の様な真紅を吹き出しながら空を蝕んでいた。
空は揺れ動いていた。まるで波立つ海の様に。
僕のカラダへと、目を向けると。
無数の黒い蟲のようなモノが這いずり回っていた。
ひっ、と情けなく声を上げて僕は必死に目を閉じる。
現実から逃避するように目を閉じ、無我夢中に走り続ける。
走る走る走る。現実からも、自分からも逃げるように走る。
行く宛なんか無い。これからどうするかも考えていない。
これからどうするか――――どうするか?
否、決まっていたじゃないか。
この世界はおかしいのだ。
おかしいから全て壊すのだ。
僕は悪くない。
間違ったことなんてしていない。
だってこの世界が間違っているのだから。
消せばいいのだ。
消せ、消せ消せ消せ消せ。
世界がおかしいから吹き飛ばさなくちゃいけないんだ。
街も空も太陽も僕も××××ちゃんも全部おかしいなら消せ消せ消すしかない。
「やあ。久しぶりだね、鵜院」
誰だ、五月蝿いな。
誰なんだよ、くそ。
「そんな目しなくてもいいじゃないか。俺は仮にも君の上司なんだよ?」
僕が振り返った先に立っていたのは、人間だった。
その姿には憶えがある。
確か――――――今までに何度も見たことがある気がする。
誰だったかなあ。確か、ええと、ああ。森社長?
この世界はおかしい。つまり、社長もおかしくて当然だ。
畜生、畜生畜生畜生。やっぱりどうかしてる。
「それなりの傷を負っているようだが…まあ、とにかく無事で何よりだ。
社員の無事を確認するのも、社長である俺にとっての役割だからね」
何言ってるんだよ。
全部おかしいんだろ。
お前も嘘なんだろ。
「さて、鵜院……早速だけど君に頼みがあるんだ。
君の右腕に嵌めているソレ、譲ってはくれないかい?」
―――――は?
何でだよ。これが無けりゃ消せないだろ。
みんなみんなみんな消してやる必要があるんだよ。
それを奪うなんてどうかしてる。
僕が今、こうして立つ為の手段さえ奪うのか。
「今しがた少々厄介な相手に追い掛けられててね。
そいつを倒す為の武装が足りないんだ。君が持っている悪砲なら――――」
――――何言ってるんですか社長。
――――ごちゃごちゃごちゃごちゃ下らないことを言ってる場合じゃない。
――――世界がおかしいんだ。
――――町中瓦礫だらけだ。みんな崩れてる。おかしいんだよ。
――――空が、波立ってるんだよ。太陽が、割れてるんだよ。
――――解るだろ。社長もどうせ、解ってるでしょう。
「………君、何を言っているんだい?」
何ぽかんとしてんだよ、社長。
あんたも解るだろ。僕なんかよりずっと賢いだろあんたは。
首が曲がって頭もいかれたのかよ。
何で、僕を異常者みたいな目で見てるんだよ。
「鵜院、君は……」
ああああああ、やかましい。
やかましいやかましいやかましい!
やっぱりおかしいんだ。
アザレアちゃんと同じように、あんたも僕を惑わそうとしてるんだ。
おかしいなら、おかしいなら。
おかしいものは全部。
全部、全て、木っ端みじんに。
消えれば、消せば、逝けば。
「――――――消えろよ」
◆◆◆◆ ◆◆◆◆
突如放たれた悪砲。
唐突な攻撃に驚愕はしたが、辛うじて回避出来た。
こうして避けられたのも、あの砲撃の規模と破壊力を知っているからこそだ。
砲撃はそのまま近くの建物目掛けて飛び、そして木っ端みじんに破壊した。
「消えろよ…消えろ、消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ…」
悪砲の衝撃で後方へと吹き飛んでいた鵜院が、ゆっくりと立ち上がるのが見えた。
物騒な言葉を呪詛のようにぶつぶつと呟いている。
やはり、既に壊れているのか。
狂躁する鵜院を目の当たりにし、森は冷静にそう判断する。
先程の会話の時点で違和感は感じていた為、然程驚きはしないが。
「平和的に済ませたい所だったけど、これは駄目そうだ」
狂気に蝕まれる鵜院を見据え、森は心中で冷淡に見切りをつける。
あれはもう駄目だ。完全に精神がやられている。
言動からして、何らかの幻覚や幻聴まで見ているらしい。
下っ端の割に中々安定している部下だと思っていたが、どうやらこの程度だったようだ。
余程の荒れ馬――――だが、最低でもあの悪砲は回収しなくてはならない。
今の心許ない武装ではあの怪物はおろか、ルカ達相手にも苦戦しかねないのだ。
優勝を確実なものとする為にも、三種の神器は必要だ。最低でも一つあればいい。
それに、出来ることならば奴の『肉体』も回収しておきたい。
彼はナノマシンに適合できる一億分人に一人の逸材である。
適合者である奴の肉体を研究材料として解析すれば、今後のナノマシン兵器開発においても役に立つかもしれないのだ。
鵜院という個人は失われても構わないが、ナノマシン適合者としての肉体は極めて貴重だ。
最悪の場合は諦める必要も出てくるだろうが、せめて肉体の一部でも回収しておきたい。
優勝するのはこの森茂。鵜院はいずれこの会場で死ぬ参加者の一人なのだ。
故に彼を殺すことに躊躇は無い。
だが、せめて自分の手で確実に死体を回収しておきたいのだ。
悪砲、そして
鵜院千斗の肉体の回収。
その目的を果たす為に、やることは一つ。
「――――ここで君を始末させて貰うよ、鵜院」
乾いた銃声。
一瞬の早撃ちが鵜院の胸を撃ち抜く。
森がS&W M29を瞬時に構え、発砲したのだ。
しかし、鵜院の胸に生まれた弾痕はみるみると塞がっていく。
傷口から黒い機械が這い出し、傷口を治癒したのだ。
(やっぱり、か)
森は内心舌打ちしつつ、鵜院の周囲を回る様に走り出す。
休眠状態に設定していた筈のナノマシンが作動している。
宿主の生命状態の危機に瀕して起動を果たしたのか。
恐らく再生能力も、悪砲の装填機能も、フル稼動している。
厄介極まりない状態だ。
「うあああああああぁぁぁッ!!!!!」
再び、閃光。咆哮。
鵜院の右腕に構えられた悪砲より凄まじい砲撃が放たれる。
森は咄嗟に全力疾走をして砲撃を回避する。
躱された砲弾は近くの建造物に直撃し、瞬く間に粉砕する。
疾走と共に森は銃を構え、反動で吹き飛んだ鵜院の着地点を読み―――再び発砲。
弾丸は尻餅を突いた鵜院の左肩に着弾する。
「ふーッ、ふーッ―――――」
それでも鵜院は動きを止めようとはしない。
執念か。意地か。狂気か。
彼は傷口を修復させながら、立ち上が―――――
銃声。銃声。銃声。銃声。
鵜院の肉体に容赦無く弾丸の雨が叩き込まれる。
狙いは全て――――――――頭部。
次々と着弾した弾丸に怯み、鵜院は膝を突いた。
(ナノマシン適合者と言えど、不死身じゃあない)
『頭を狙え』。
ナノマシンを熟知している森だからこそ即座にそう判断出来る。
森や鵜院に投与されたナノマシンの機能を動かすのは脳だ。
脳を完全に破壊するか、脳と肉体の繋がりが断ち切られれば、ナノマシンは正常に機能しなくなる。
つまり宿主は肉体の修復が行えなくなり、生命活動を停止―――――死亡する。
とはいえ、多少の欠損程度ならば脳であってもナノマシンが自動修復してしまう。
ナノマシンの修復が追い付く前に、頭部を破壊するか。
あるいは首を切断する必要がある。
「あがっ……ぎ、あ……ッ!」
頭部からドクドクと黒い物体を垂れ流しながら、鵜院は動悸を繰り返す。
森はその隙を見逃さない。
即座に地面を蹴り、凄まじい勢いで鵜院へと接近する。
「来る、な…来るな…!」
ぶつぶつと呟く鵜院に構うことはない。
彼が怯んでいる隙に確実に仕留める。
それだけのことだ。
そして、森は鵜院の至近距離まで迫り―――――
「悪いけど、死んでもら」
「来るなあああああああああッ!!!!!」
眼前に迫った森に対し、悪砲の銃口が向けられた。
銃口の内部に、ナノマシンによる凄まじいエネルギーが収束されていく――――――
「…そう来ると思ったよ」
瞬間、悪砲を握り締めた右腕が蹴り上げられる。
跳ね上がった鵜院の右腕と共に悪砲の銃口も真上へと向けられる。
そのまま、悪砲の砲撃は森を捉えること無く空高くへと放たれた。
「君如きの末端が、闘いで俺の上を行けるとでも思ったのかい?」
仰向けに転倒した鵜院の首を掴み、森は冷酷に言い放つ。
無理な姿勢の射撃を行った為、右腕が再び骨折している。
骨折自体はナノマシンの活動を促進させればすぐにでも修復されるだろう。
だが、果たして森が鵜院の命を奪うより先に修復が完了するのか。
そして、首根っこを掴まれた鵜院の身体がゆっくりと持ち上げられる。
宙にぶら下がった体勢の鵜院は必死に抵抗を試みる。
だが、森が首を絞め付ける力の方が遥かに強い。
鵜院の抵抗など無駄に等しい。
「まず、首の骨を折らせてもらうよ」
気軽な口調で、森はそう呟く。
彼の態度に慈悲はない。躊躇もない。
今の彼にとって、鵜院は敵でしかない。
鵜院の抵抗など無意味。必死に身体を動かしたところで、森からは逃れられない。
そのまま冷酷な暴力によって、鵜院の首がへし折られんとした――――。
その瞬間だった。
森と鵜院の身体が、何かに弾かれるように吹き飛んだのだ。
◆◆◆◆ ◆◆◆◆
腕が痛い。
身体が痛い。
頭が痛い痛い痛い。
チが止まらない黒い液体が止まらない。
――――何が起こったんだ?
先程、社長と自分が何かの力で弾き飛ばされたのは解る。
僕がやったんじゃない。
誰がやったんだ。誰だ、今度は誰なんだ。
周囲を見渡し、ようやく見つけた姿。
それは全身に大火傷を負った、角の生えた女。
忘れる筈もない化物だった。
女は、受け身を取って銃を構えようとした社長を吹き飛ばした。
アイツは社長に触れてなどいない。
ただ手を翳した瞬間、『突然』社長の身体が弾かれたのだ。
社長は近くの建物の壁に叩き付けられ、口から黒い血のようなモノを吐き出す。
何だアレは。何だ?
まるでエスパーが使う、念動力じゃないか。
「つ、よ、い、のは、」
―――え?
女が口を開いた。
まともに喋る筈のなかったあのオンナが、喋り出した。
呆気に取られる僕をよそに、オンナが。
オンナ――――が?
「強い、のは――――俺だ。図に乗るんじゃねえよ、三下共」
そう呟いたオンナの両掌に収束しているモノは、念動力のエネルギー。
そして、オンナの口元に浮かんでいたのは―――自分が最強だと信じて疑わない、不敵な笑み。
戦闘員として戦ってきた中で、どちらも傍で幾度と無く見てきたモノだ。
見忘れる筈がない。
見間違える筈がない。
あの口調。あの能力。あの表情。あの人は。
「ヘヘ、クハハ、ハハハハハハハハハハハハハハハ――――――!!!」
オンナ/あの人の高笑いと共に、僕はぽつりと呟いた。
「茜ヶ久保……さん?」
『ゔい゙――だすげ――』
あの人が、こっちを向いてくる。
血に濡れた顔で、僕を見据えてくる。
「来るな」
僕に気付いた『茜ヶ久保さん』が、近付いてくる。
笑いながら、死をばらまきながら、ゆっくりと歩み寄ってくる。
『や゙られ゙だァ――あ゙い゙つに゙』
死者が迫ってくる。
身体中から肉片を撒き散らし、血肉を吹き出して、迫ってくる。
死んでるのに目の前に現れて、僕を殺しにやってくる。
そんな馬鹿な。
『では続いてお待ちかねの死者の発表へと移ろうか。 』
『少し多いから聞き洩らさない様に注意してくれ。』
『―――――01.×××××』
そう死んだのだ目の前で死んだのを見たのだ。
放送で名前も呼ばれた。
アザレアちゃんも死んだ僕が殺した。
××××ちゃんも、死んでた?
そして。
『だ
ず
げ
で』
―――――――茜ヶ久保さんも。
「来るな、来るな、来るな来るな、来るな来るな来るなああああああああああああああッ!!!!!!!」
絶叫と共に、悪砲が吼えた。
◆◆◆◆ ◆◆◆◆
消滅弾によって左腕が消し飛んだ
オデット。
だが、彼女の動きは止まらない。止められない。
不敵な笑みを浮かべた直後、魔族の再生能力と治癒魔術によって即座に左腕を再生させたのだ。
鵜院の全身を恐怖が駆け巡る。
眼前の死者を前にして、ただ恐れ戦くことしか出来ない。
「死人が出しゃばるなよ!何でだよ!何で僕の前にあんたが!
なあ茜ヶ久保さん!あんた死んだ筈だろ!何で!何で何でなんでなんでなんで―――――」
「やかましいんだよ、アホ」
喚き散らす鵜院の言葉を、オデットが一蹴する。
当然だろう。彼女は『茜ヶ久保』という個人など知らない。
今の彼女が使っているのは茜ヶ久保の人格だが、その記憶までもは受け継いでいない。
鵜院など知る由も無いし、興味もなかった。
ただ『獲物』が目の前にいたから―――――喰らおうとしただけだ。
鵜院は必死の形相で悪砲を構える。
ナノマシンをフル稼働させ、エネルギーを際限なくチャージしていく。
そして、目の前より迫る『死者』へと砲撃を放つ。
だが、当たらない。
オデットは一瞬だけ姿を消したかと思えば、再び別の場所に姿を現したのだ。
転移魔術。神の血肉によって詠唱を必要としなくなった、奇跡の再現。
「うぁ…あ、ああああああああああッ!!!!!」
絶叫と共に、悪砲の砲撃が幾度と無く繰り返される。
反動で身体が吹き飛び、建物の壁に叩き付けられながらも何度も放つ。放つ放つ。
周囲のビルが次々と吹き飛び、灰燼へと帰す。
修復したばかりの右腕が、凄まじい反動によって再び使い物にならなくなる。
錯乱しながら放った砲撃は、街並を次々と粉砕していく。
―――――だが、『標的』には当たらない。当たらないのだ。
オデットは転移の魔術を繰り返し、消滅弾を易々と回避しているのだ。
今の彼女は『ヴァイザー』の人格が現出していない。故に殺気探知の能力は機能していない。
しかし殺気を感じ取れずとも、大雑把かつ解り易い悪砲のモーションは一度目にすれば容易く読める。
消滅弾そのものの規模は強大だ。単純な身体能力で躱すのは決して簡単なことではないだろう。
だが、転移魔術によって瞬時にその場から消えることの出来るオデットにとってはそう難しいことではなかった。
「ピーピー喚くんじゃねェよ、三下」
ペッと唾を吐き捨て、オデットは首をコキコキと鳴らす。
そして、ゆっくりと右手を鵜院の方へと向けた。
鵜院はカチカチと悪砲の引き金を引く。
だが、弾は放たれない。
急速な連射を行った為か、ナノマシン促進による弾丸の装填が追い付いていないのだ。
瞬間―――ズシン、と鵜院の身体が地面にめり込む。
オデットが行使した強力な『サイコキネシス』だ。
凄まじい衝撃に肉体が耐えられず、黒い血の様なものを口から吐き出す。
絶叫を上げようとしても、身体中に凄まじい負荷が掛かって声さえまともに出せない。
「塵は塵らしく、黙って死ねや」
嗜虐的な笑みを浮かべ、オデットはサイコパワーを加速させる。
鵜院の肉体を押し潰すべく、全力のサイコキネシスを発動させたのだ。
コンクリートの地面もろとも鵜院の身体がミシミシと音を立て、全身から黒い液体が吹き出し始める。
助けを求める声も、悲鳴すらも上げられず。
鵜院の身体は、粉砕されようとしていた―――――
そこに割り込む、数度の銃声。
オデットは背中から胸を撃ち抜かれた直後、咄嗟に念力を周囲に展開。
間髪入れずに放たれた複数の弾丸を明後日の方向へと弾いていく。
「生憎だけどね、うちの部下を君の餌にするつもりはないんだよ」
オデットが振り返った先にいたのは、先程吹き飛ばした森だ。
その右手には拳銃が構えられている。
オデットによる鵜院の補食を防ぐ為に、彼女を撃ったのだ。
「―――――ははッ、テメェがいたんだったなああァァァ!!
前は、よくも、やってくれたよなァッ!!!!」
狂喜と憤怒の入り交じった表情を浮かべながら、オデットは念力を発動。
悪砲で崩壊した周囲の建物の瓦礫を操り、次々と森目掛けて放り投げる。
舌打ちしつつ森は駆け出し、瞬時に装填した拳銃から再び発砲。
対するオデットもその場から側面へと走り出し、拳銃を躱す。
(やはり、さっきと違う―――!)
森はオデットの動きを冷静に見極める。
鵜院を殺そうとした瞬間に不意打ちを仕掛けた際、奴の身体に弾丸が当たった。
少し前に戦った時は『あらゆる攻撃を自在に躱していた』あの化物が、だ。
しかし今はどうだ。先程までなら回避されていたであろう不意打ちが容易く命中したのだ。
「け、はははは、ははははは!!!
オラオラどうしたよォ!?あの時みたいに、反撃してみろよオオォォ!!!」
森が跳躍するように回避した直後、ボゴンとコンクリートに巨大な質量がめり込んだような痕が生まれる。
森が回避を繰り返し、遅れてやってくるように次々とクレーターのような凹みが出現する。
攻撃パターンも先程とはまるで違う。
魔術のみならず、サイキックのような奇妙な術を行使しているのだ。
この殺し合いで命を落とした森の部下『
茜ヶ久保一』のように。
サイキックを駆使した攻撃的な戦闘スタイルは、彼を連想させるには十分だった。
いや―――――それどころか、これはまるで茜ヶ久保そのものではないか。
「もっと、愉快にッ、踊ってみせろよォッ!!!」
周囲を走り回る森に狙いを定めるオデット。
そのままオデットが地面に手を当てた直後、コンクリートのヒビの隙間から炎が吹き出す。
発火現象能力(パイロキネシス)――――自在に発火を引き起こす超能力。
森は咄嗟に後方へと下がり炎を回避する。
しかし、直後に背後から『何か』が凄まじい勢いで突き刺さる。
瓦礫の破片だ。
森は口から血を吐き出しつつも、即座に再び身構える。
無痛症の森は苦痛によって怯むことは無いが、決して不死身ではない。
一定の負傷を受ければ相応のダメージとなる。
発火現象は捨て石に過ぎなかった。
本命は念動力で操った瓦礫の破片である。
発火現象によって森を回避させ、その隙に彼の背後から操った瓦礫の破片を突き刺す。
それがオデットの狙いであり、こうして的中したのだ。
(やれやれ、面倒な相手を引き受けちゃったもんだね)
森は腹部を貫く破片を強引に引き抜き、その場に投げ捨てる。
この程度の傷はなんてことはない。
痛みは感じないし、ナノマシンによる治癒が進めばすぐに塞がる。
だが、そんな気休めの治癒能力で粘り続けられるかと言えば否だ。
奴を仕留めるにはやはり今の武装では力不足だ。
殺気感知、サイキック、そして神の奇跡とされる魔術。
能力面で言えば圧倒的に相手側が強い。
今の自分に残されたものと言えば、一丁の拳銃のみ。
チープシルバースレイヤーの変身ベルトすら失われた今では、余りにも厳しい闘いだ。
せめて、三種の神器があれば。
鵜院がその手に持つ『悪砲』。最低ででもあれが必要だ。
(せめて『悪砲』があれば、――――!?)
その時森は気付く。
鵜院の姿が、この場から忽然と消えていることに。
オデットと自分が戦っている隙に、逃げ出したというのか。
あの負傷では動ける筈が―――否。
ナノマシンによる治癒を加速させれば、不可能ではない。
「なァに、余所見してんだよ」
舌打ちする森をからかうように、オデットは不敵な笑みを浮かべ続ける。
鵜院に逃げられたのは痛手だ。
悪砲に加え、ナノマシン適合者の肉体を回収する必要があるのだから。
サイコパワーを掌に収束させるオデットを見据えつつ、森は周囲の状況を探る。
悪砲の砲撃によって周囲の建物の多くは粉砕された。
鵜院が隠れられる場所、逃げられる場所は、そう多くはない。
◆◆◆◆ ◆◆◆◆ ◆◆◆◆ ◆◆◆◆
「はぁーっ……はぁーっ、はぁーっ……!」
悪砲による被害を受けていない建物と建物の隙間にて。
彼は路地を必死に走り抜けていた。
荒い息を零し続け、目を血走らせながら、鵜院千斗は逃げ続ける。
鵜院の思考は掻き乱されていた。
目の前で怒り続けた事象を受け入れられず、錯乱していた。
―――――死んだ筈の人間が蘇った。
死者が目の前に現れて、襲い掛かってきた。
茜ヶ久保一が、迫ってきた。
有り得ない。有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない。
『幽霊なんてのは嘘ッ八だよ。そうでないならどうして俺が殺した連中は出てこないんだよ』
あの人だってそう言ってたじゃないか。
嘘っぱちだあんなもの。
『俺らの仲間だって――そうだろ。ヒーローに殺られて怪人に殺られて訳の判らねえ連中に殺られて、それでも一人も出てこねえよ。
特別な存在の悪党商会だってそうなんだよ。死んじまったらどうにもならねえんだよ』
そうだ。一人も出て来たことなんてない。
死者は生き返らないし、幽霊なんてこの世にいるはずがない。
心霊体験なんてものも全部世迷い言にすぎない。迷信だ。
でも、あの人は。
訳の解らないバケモノに喰われて
目の前で死ぬのを見て
そして、僕の前に現れて
「あ、あ、うああああああああああああああ――――――――!!!!!」
おかしい、おかしいおかしいおかしい
自分もおかしい世界もおかしい皆ミンナおかしい
何がどうなってるんだよこの世界はクソ
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい
おかしいこの世界はおかしい
狂っている何もかも
最悪だ早くこの世界を吹き飛ばさな
あれ?
僕の身体が沈んでいく
何がどうなってるんだろう
一体、これは―――――――
◆◆◆◆ ◆◆◆◆
「――――5人目、ですね」
俯せに倒れ込む鵜院を見下ろすのは、長い黒髪を靡かせる男。
最高峰の殺し屋――――
アサシンだ。
建物の屋上から鵜院を奇襲し、彼を妖刀無銘で切り裂いたのだ。
鵜院は今起こっていることが認識出来ない様子で呆然としている。
そんな彼に対し、アサシンは哀楽を感じることはない。
ただ依頼を受け、目に付いた標的を斬っただけなのだから。
アサシンの流儀は一撃離脱。
たった一度の奇襲こそが基本だ。
故に仕留められようと失敗しようと、奇襲を仕掛けたならば即座に撤退する。
その手段によって数々の標的を始末し、同時に数々の敵対者から逃れてきたのだ。
今回もそうするつもりだった。
標的の命を奪うことはアサシンの目的ではない。
依頼はあくまで20人の参加者を斬ること。
故にとどめは刺さず、撤退するつもりだった。
「斬撃は、」
アサシンの耳に、女の声が入ってくる。
新手だろうか。そんなことを呑気に思った直後。
殺気を感じ取ったアサシンが両足をバネにし、その場から跳躍した。
「届くッ!!」
直後、アサシンの右足に裂傷が生まれる。
どこからともなく飛んできた斬撃が彼の右足の一部を切り裂いたのだ。
殺気を感じ取り、咄嗟に跳んだからこそ右足の裂傷のみで済んだ。
あのまま回避すらしていなければ、アサシンは今頃身体を両断されていただろう。
「ッ、」
空中でアサシンが視認したのは、まるで戦乙女のような姿をした銀髪の女。
元殺し屋、バラッドだ。
自身とは距離が離れている。どうやって切り裂いてきたのか。
何らかの異能力の類い、あるいは飛び道具を備えているのか――――兎に角、あの女と素直に戦うつもりはない。
この程度の裂傷ならば強引に耐えられる。まだ動かせる。
ならばこのまま逃げるべきだろう。アサシンはそう考えた。
そのままアサシンは左右の建物の壁を交互に蹴り、三角跳びをして建物の屋上へと逃走。
バラッドもまたそれを追おうとするが、ハッとしたように動きを止める。
そう、この場には仲間が一人残されているのだ。
『全く、逃げ足の早いロン毛ね!』
「―――ウィンセントッ!大丈夫か!?」
悪態をつくユニに対し、バラッドは俯せに倒れる鵜院の傍に駆け寄って声を掛ける。
しかし、鵜院は虚ろな目で地面を見つめるのみ。
バラッドの呼びかけに答える様子はないし、ただ呆然と呻き声の様なうわ言を吐き出すのみ。
「立てるか、ウィンセント!?」
疲弊し切った様子の鵜院にそう問いかけるバラッド。
無論、答えは帰ってこない。
ぶつぶつと何かを呟くのみで、答えは帰ってこない。
明らかに様子がおかしい。
だが、このまま放置しておく訳にはいかない。
バラッドは鵜院の身体を抱え上げようと、彼の身体に触れようとした。
「おっと、持ち帰られたら困るんだよね。その子」
唐突に、男の声が耳に入ってくる。
即座に身構えたバラッドの視線の先に立っていたのは、サングラスをかけた壮年の男。
悪党商会の社長であり、鵜院の上司―――森茂。
彼は僅かな逃走ルートから鵜院の逃げた先を推測し、この路地まで辿り着いたのだ。
あのオデットを撒きながらの行動であったし、殆ど賭けに近かった推測でもあった。
そのため、こうして鵜院の居場所をピンポイントで探し当てられたのは幸運という他なかった/
「何者だ?」
「悪党商会社長、森茂。つまり鵜院千斗くんの上司って訳さ」
どこか気さくな態度で話し掛けてくる森に対し、バラッドは僅かながらも警戒を抱く。
悪党商会。確かに鵜院が所属していた組織だ。
だが、メンバーには鵜院が言及していた茜ヶ久保のような残虐な人間も存在するという。
殺し屋として培ってきた経験から、ある程度の警戒心も備えている。
故にバラッドは身構え続けていた。
「まあ、今は取り敢えず手短に言わせてほしいんだけど――――」
そんなバラッドの態度を気に留めることも無く、森は喋り続ける。
「ちょっと手を貸してくれないかい?」
そう言いながら森が振り返った先。
バラッドは、森の後方に存在するモノに気付いた。
この殺し合いに巻き込まれて以来、幾度と無く出会ってきた相手。
最早腐れ縁とすら呼べる相手と化した、一人の参加者。
「――――よォ、あんたも一緒か、姉ちゃん」
そこには一体の怪物が立っていた。
森を追ってきたオデットだ。
不敵な笑みを浮かべながら、森とバラッドの二人を見据えていた。
【I-8 市街地 路地/日中】
【バラッド】
[状態]:純潔体
[装備]:ユニ、朧切、苦無(テグス付き)
[道具]:基本支給品一式、ダイナマイト(残り2本)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いに乗るつもりは無いが、襲ってくるのならば容赦はしない
1:目の前の男(森茂)と共闘してオデットと戦う?
2:ウィンセントの安全を確保したい。
3:ユージーの知り合いと会った場合は保護する。だが、生きている期待はあまりしていない。
4:アサシンに警戒。出来れば早急に探し出したい。
5:イヴァンのことは後回しにするが、見つけた時は殺す。
※鵜院千斗をウィンセントと呼びます。言いづらいからそうなるのか、本当に名前を勘違いしてるのかは後続の書き手にお任せします。
※バラッドの任意で純潔体と通常の肉体を切り替えられます。
【アサシン】
[状態]:疲労(小)、右腕負傷、右足裂傷
[装備]:妖刀無銘
[道具]:基本支給品一式、爆発札×2、悪威
[思考]
基本行動方針:依頼を完遂する
1:この場から離れて次の標的を探す。
2:二十人斬ったら何をするかな…
3:魔王を警戒
※依頼を受けたものだと勘違いしています。
※あと15人斬ったらスペシャルな報酬が与えられます。
※5人斬りを達成した為、刃の伸縮機能が強化されました。
【森茂】
[状態]:ダメージ(大)、腹部に貫通痕(ナノマシンで修復中)、疲労(大)
[装備]:S&WM29
[道具]:基本支給品一式、携帯電話
[思考・行動]
基本方針:参加者を全滅させて優勝を狙う。
0:バラッドとオデットを利用し、混乱に乗じて鵜院の持つ悪砲を取り戻す。
鵜院を殺害し、死体を回収する。
1:可能ならばそのままオデットを始末する。場合によってはバラッドも。
2:他の『三種の神器』も探す。
3:交渉できるマーダーとは交渉する。交渉できないマーダーなら戦うが、できるだけ生かして済ませたい。
4:殺し合いに乗っていない相手はできるだけ殺す。相手が大人数か、強力な戦力を抱えているなら無害な相手を装う
5:悪党商会の駒は利用する
6:ユキは殺す
※無痛無汗症です。痛みも感じず、汗もかきません
【鵜院千斗】
[状態]:全身にダメージ(大)、疲労(極大)、精神的疲労(極大)、錯乱、幻覚症状、マーダー病感染
[装備]:悪砲(0/5)、焼け焦げたSAA(0/6)
[道具]:基本支給品一式
[思考・行動]
基本方針:こんな世界は間違っている
1:何もかも無くなればいい
2:茜ヶ久保(オデット)への凄まじい恐怖
※極度の精神的疲労から幻覚を見ています。
※一時間で麻痺状態が解け、マーダー病潜伏期間に移行します。
【オデット】
状態:首にダメージ。神格化。疲労(小)。人喰いの呪い発動
装備:なし
道具:リヴェイラの首輪
[思考・状況]
基本思考:気ままに嬲る壊す喰う殺す
1:森を殺す
2:バラッドとも殺し合う?
※ヴァイザーの名前を知りません。
※ヴァイザー、
詩仁恵莉、茜ヶ久保一、
スケアクロウ、
尾関夏実、リヴェイラを捕食しました。
※現出している人格は『茜ヶ久保一』です。他に現出できる人格はオデット、ヴァイザーです。
人格を入れ替えても記憶は共有されます。
※I-8市街地で数多くの建物が悪砲の流れ弾で消滅しています。
最終更新:2016年02月29日 14:36