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僕たちの失敗

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僕たちの失敗◆EDO/UWV/RY


〝やってしまいましたなぁ〟。
私はひたすら、脳内でそう呟く。


◇ ◇ ◇


あの生きる都市伝説フィクションさんがいなくなってしばらくしてのこと。私はとりあえず近くにあった電波塔のてっぺんに登っていた。
理由は単純。他人に迷惑がかからないようスキルをこっそり試し打ちしたかったし、地図と辺りの風景を照らし合わせたかったからだ。
え? どうやってわざわざ登ったって? 気にしないの、そういうのは。元エージェントよ私は。軽いってのこれくらい。
まぁとにかく、登ってね。まずさっそくスキルカードのパワーを解放して、そして試し打ちしたわけですよ。
そして満足したら、今度は一心不乱に地図を見ていたわけですよ。それはもう穴が空くくらいにはね。実際手汗で空いたわ、隅っこが。
で、その結果、気付いたことがあるのよ。いや、ぶっちゃけ気付きたくなかったんだけどこれ。
でも気付いちゃったからには、見て見ぬふりは出来ないんですよ、この問題は。

やってしまいましたなぁ。

実はね、首輪を解析するためのグッズとかメカとかが置いてそうな場所を求めてたの。技術者が腕を振るえるように、ね。
だから私はわざわざこんな高い場所で地図を見ていたんだけどね……どうも、それが出来そうな施設がないのよ。
いや、ホントに。だって見てよこれ。デパートにそんなグッズある? よしんばホームセンターチックなコーナーがあっても、ちょっと厳しいでしょ。
神社とか警察署でこんなもんどうにかなるわけないし……希望があるとすれば病院かな。でも病院に行ってX線検査しても、どうかなぁ。
実際ね……素人なら〝自転車直すような工具とかドライバーあればいいんじゃね?〟って思うかもしれないけどね……無理よこれ。
見てよ、つなぎ目一つ無いでしょこれ。ドライバーがあってもさぁ、刺さんないわよ。こんな状態でX線検査してもさ、解決しないっしょ。
だからね、うん……やばい。ちょっと生半可なことじゃあ、この首輪は中を探れそうにはない。エージェントの目で、はっきりとそう分かった。

ほぼ詰んだわー。

やばいなー、どうしよっかなー。
いやー、首輪に対してアクション起こせないのも辛いけど、何よりもフィクションにどう言い訳すりゃいいか考えなきゃなのが辛いわー。
いっそこう、架空の世界に出てくるようなドラゴンがいてくれたりしないだろうか。出来ればこう、すっごく強そうな。
そんでもってぎゃおーとか言いながら熱いブレス吐いてくれたら、この継ぎ目のない〝ガワ〟も上手い具合に溶けて……その前に中身ごと溶けますよねー、わかります。

いや、まぁ、私のスキルでどうにかならないかな? とか思ってたりはするんだけどね。

私はさっき「ほぼ詰んだ」と思ったわけだけど、それが「ほぼ」だったのはそれが理由。
実はだ、今の私ってば……なんか凄い能力ゲットしちゃったわけなのよ。いや、本当に。
試し打ちもしたから分かる。このスキル自体はまったくもって素晴らしいものだ。

ご覧下さい。この凍り付いた電波塔を。

私に与えられたスキルカード。それは「エターナルフォースブリザード」とかいう、なかなか奇妙奇天烈な名前のものだった。
曰くこれは、対象を大気ごと凍らせる力らしい。ぶっちゃけ強すぎじゃないですか、と思って〝電波塔に登ったまま〟試し打ちしたんだけど……ほら、ご覧の有様ですよ。
もはやこの電波塔、電波塔じゃない。こりゃ氷山だ。しかもこう、タイタニックに大打撃与えられる類いの硬度の。
だから、もしやこのパワーで首輪を氷付けにしてしまえば、後は割るだけで安全に中身が見られたりするんじゃないかなと思うのよ。
……ただね、それを試す勇気は今はない。何せ首輪なんてまだ一つしか持ってないし、それが仮に凍った状態でも容赦なく爆発されると困る。
しかもほら、下手したら私の手首から先が吹っ飛びますし。それだけは駄目だよね。エージェントが片手吹っ飛ばしてちゃ話にならないですよ。
だから〝ほぼ詰み〟とはそういうこと。私はもっと首輪を集めなきゃいけない。そうじゃなきゃフィクションとの約束なんて絶対に守れない。
下手な鉄砲数打ちゃ当たる。危険人物相手ならば自分から喧嘩を売ることも視野に入れなきゃ。私は、闘いには無縁ではいられないらしい。
よし、そうと決まればじっとしているわけにはいかない。逆井運河を探しつつも、急いで首輪を集めないと。

だからとりあえず、誰か助けてください。

え? 急にどうしたって? いきなり助けを求めるとかエージェントらしくない? 支離滅裂?
いや、あのね、聞いて欲しいんだけどさ……実は私ね、動けなくなっちゃった!
さっきほら、足下の電波塔めがけてスキルを試し打ちしたって言ったじゃない? そして見事に電波塔は凍って、ね?
でさぁ……初めてだから、コントロール出来なかったのよ。だからほら、見てよ……足首まで凍っちゃってやんの。
本来は電波塔の先まででよかったのに、勢い余って氷がバキバキバキって私の足首まで侵蝕してね。そんでこれなのよ。

助けてー。

どうしようね、これ。レディ・スミスで叩きまくったら氷割れるかな? 割れたら良いな。割れませんかねぇ?
とりあえず自分でも頑張ってみるけど、もしも割れなかったら……ほぼ詰んだわー。

やってしまいましたなぁ。



【一日目・早朝/C-5電波塔のてっぺん】
イリアム・ツェーン
【状態】健康、足首から先が凍り付いて電波塔とドッキング、動けない
【装備】M36レディ・スミス
【スキル】エターナルフォースブリザード
【所持品】基本支給品×2、不明支給品0~1、首輪×1
【思考】
1.やってましましたなぁ。ほぼ詰んだわー。助けてー。
2.参加させられてるであろう逆井運河を探す
3.首輪を解析できる技術者を探す
4.正午に教会でフィクションたちと落ち合う
※参加者候補の名前は記憶しています
※電波塔が凍り付いています

23:ドーン・オブ・リビングデッドを夢見て 時系列順 26:目まぐるしく回る事態
23:ドーン・オブ・リビングデッドを夢見て 投下順 25:騎士と騎士
18:思い出依頼 イリアム・ツェーン 35:Do you struggle against trouble?

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