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転校生

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転校生 ◆Z2CJJz2v/o



どうも、秋月高校二年一組、出席番号26番、葉桜加奈子です。

時刻は現在、午前5時を過ぎた辺り。
もうすっかり夜も明け、辺りには朝の気配が漂い始めてきた頃合いです。

この島(?)に拉致されてからはや5時間。
最初にフィクションさんに出会って行動を共にすることとなり、途中でイリアムさんと出会ってったもののすぐに別れ。
それ以降は特に誰に会うでもなく、本当に殺し合いを強いられているのか信じられなくなるほど何事もありませんでした。幸運にも、今のところ。
とはいえ、支給された拳銃は本物っぽいし(というか実際、フィクションさんが撃っちゃったしね!)冗談や洒落の類ではないのは私にもわかる。
何より、行動を共にしているフィクションさんに緊張感の欠片もないので、それを反面教師としてせめて私は緊張感を保とうと努めているのだ。
私も喧嘩なんて小学生の頃、幼馴染の圓をイジめる近所のガキ大将相手にして以来だけど、
私以上にこの人争いごとに向いてなさそうなんで、いざとなったら守って上げなければなるまい。

「ねぇねぇ加奈子ちゃん、疲れてきたんでそろそろ少し休もうよ」
「またですか、フィクションさん。市街地ならこのまま真っ直ぐ行ったらすぐですって。休むのはその後にしましょうよ」
「まあまあ、この年で夜通し歩きっぱなしはつらいんだって。少し迂回して、そこの木陰で休もうよ」

そのフィクションさんは、事あるたびにそう言って休憩したがる。
まあ私としても、何時間も夜道を歩くのはしんどいんだけど、にしてもすこし寄り道が多い。
真っ直ぐ最短距離を進めばとっくに地図で言うところの美術館辺りについているはずだったのに、迂回を繰り返し何故か今や病院近くである。

この五時間、ずっと行動を共にしているこの人だけど。
ここまで行動を共にして来たこの人がどんな人なのかというのを一言で言うと、まぁよくわからない人だ。
よくわからない、が服を来たような人だ。
まあそれは言い過ぎにしても、人物像がいまいちつかめない。

名前も変な名前っていうか、あだ名だって言ってたから、本名は別にあるんだろうけど。
常に飄々としていて緊張感というモノがなく。かと思えば、抜けているようで抜け目ないところもある。
人と争えないような貧弱な雰囲気を醸し出しながら、慣れた手つきで拳銃を組立てみたりしたのも謎だ。
色々と細かいことに気づくくせに、意外と結構適当だったり(というより無関心?)。
なにかと特徴的なのに存在感がないのも不思議な所だ。
そして何より、何か隠してる感じはひしひしと感じるが、その辺は今のところ詮索するつもりはない。
この状況で、その判断はバカだと思われるかも知れないが、話したいなら向こうから話すだろうし無理に秘密を聞き出すようなマネはしない。
とりあえず悪い人ではない、と思うし、その辺はとりあえず保留ということで。

最初の説明が本当ならば、時期に放送が流れる頃合いである。
フィクションさん曰く、そのタイミングで参加者の公開がされるんじゃないかという話だけど。
フィクションさんがイリアムさんから譲ってもらったという参加者候補名簿により私たちは一足早くその候補を知ることとなった。

秋月の生徒が多い。とはフィクションさんの指摘。
言われてみれば、知ってるだけでも私と圓はもとより。
圓の友達の宇都井くん。
1年から同じクラスの麻矢ちゃん。
麻矢ちゃんの双子のお姉さんである亜矢さん。
バスケ部のエースである片嶌くん。
いろいろと顔の広い西城くん。
そして一時的とはいえ在籍した彼女を含めて計8名。
多いといえば確かに多い(フィクションさんに言わせれば異常らしいが)。
私の知らない上級生や下級生も含めれば、ひょっとしたらもっと多いのかもしれない。

「ところで。加奈子ちゃん。本当にキミの学校って何か変な事やってないのかい?
 秘密の訓練してるとか、謎の人体実験をしてるとかさ」

それが引っかかるのか、フィクションさんは学校のことを気にしてくる。

「いやぁ、そんなマンガやゲームじゃあるまいし。
 本当に普通の学校ですよ。普通も普通の普通科ですよ。
 そりゃあ、最近ちょっとした騒ぎはありましたけど」

基本的にはごくごく普通の学校だと思う。
変な人が多いのは否めないが、それでも常識の範囲内だと思う。

「ちょっとした騒ぎって?」
「なんというか、まぁ一言では説明しづらいんですが、空からお姫様が降ってきましてですね……」

ある日、登校中の私と圓の目の前に空からお姫様が降ってきた。
何言ってんのかわかんないだろうけど、事実である。
パラシュート一つでヘリから飛び降りてきたのは本物のお姫様、フランドール・オクティルである。
え? そんな非現実的な体験した人間がマンガやゲームじゃあるまいし、とか言うなって? そりゃごもっとも。

「……フランドール・オクティルか。
 確か後継者争いでもめてる国の第一王女だったっけ」
「知ってるんですか?」
「まぁね。もちろん面識はないけど、仕事柄、各国の要人の顔と名前くらいはね」

そういやこの人の職業って結局なんなんだろう。
なんかその辺もぐらかされる感があるなぁ、いいんだけど。

「と言っても、その辺のゴタゴタはもう解決したんですけど。
 その時にフランが私たちの学校に特別留学生として転入するしないの騒ぎがあったんですよ。
 と言っても滞在して一ヶ月もたたずに、国に帰っちゃいましたけど」

本当に、本当に色々あったんだけどその辺の細かい話は、そのうち語る機会もあるだろうけど今は割愛。

「ふーん。そうか、そうだねぇ。
 小国の王女か…………自身はともかく、少し弱いか」

そう小さな声でぼつりと呟く。
少し弱い? どういう意味なんだろうか?

「他に何かないかい?
 事件と呼べるほどの事じゃなくてもいい。
 ここ最近君の学校で何か変わったことはなかったかい?」
「変わったとことと言われても…………うーん、あ」

少しだけ考えて、一つだけ、思い当たった。

「何かあるのかな?」
「いや、でも大した話じゃないですよ」
「構わないよ、嫌じゃなければ聞かせてもらえるかな?」

そうフィクションさんに促される。
特に話すのを嫌がるような話じゃないのだけど、少しだけ躊躇われる。
本当に大した話じゃないし、この状況だからこそ思い出された事でもある。

「ええっと。本当に大した話じゃないんですけど。
 二ヶ月くらい前の話なんですけど、変わった転校生が来たって少しだけ噂になったんですよ」
「変わった? どんなふうに?」

お姫様の転入話にすっかり話題を攫われてしまったけれど、そんなことがあった。
6月っていう、なんとも微妙な時期での転校だったので、少しだけ印象に残ってる。
その辺は家庭の事情もあるだろうし深くは気にしなかったが。

「クラスも違うし、あんまり詳しくは知らないんですけど、その子と同じクラスの友達から聞いた話だと、」

その転校生の話が、なぜ今それが思い出されたのか。
それは、その友人が言っていた『ある単語』が今の状況で強く印象付いた言葉と一致していたからだ、

「――――『宇宙人』みたなヤツだ、って」

それを聞いたフィクションさんが珍しく表情を崩し、眉をひそめる。

「宇宙人?」
「いや、あくまで例えですよ、例え」

確かに自称宇宙人に攫われたこの状況では笑えない例えに聞こえるかもしれない。
若干言いよどんだ理由もそれである。

「加奈子ちゃんはその転校生と直接話したりしたことは無いのかい?」
「クラスも違いますし話したことはないですね。何度か遠目に見たことくらいはありますけど」
「どんな風だった?」
「うーん、どんな風と言われても、注意して見てたわけじゃないんで…………なんというか、無表情、でしたね」

そして、たまたま私が見ているときだけだったかもしれないけれど、いつも一人だった気がする。

「…………うぅん」

思案するようにフィクションさんは口元に手を当て目を細める。
真剣に思い悩む表情は結構珍しい。

「ま、いいか」

あ、戻った。
実に短い憂い顔だった。

「どうせ今考えても情報が足りなさすぎるしね」

ははは、と適当に笑うフィクションさん。
まあこのほうがらしいといえばらしい。

「できれば加奈子ちゃんにはその転校生の事を知ってそうな人を教えてもらいたいところなんだけど、まぁそれはこの後にしようか」
「この後?」

その疑問に答えたのはフィクションさんではなかった。
辺りに音が鳴り響く。

「そ、候補じゃなくこれで本決まりするわけだし。その方が何かと都合がいいだろう?」

そう笑みのようなモノを浮かべながら、語りかけるフィクションさん。
その表情にわけもなく、少しだけ肌が泡立った。

――――『放送』が流れ始めたのだ。

【一日目・早朝/F-5 市街地近く】
【葉桜加奈子】
【状態】健康
【装備】折り畳み式ライフル(5/6)
【スキル】なし
【所持品】基本支給品、不明スキルカード、不明支給品0~1
【思考】
基本:日常に帰る
1.加山圓や知り合いと合流したい
2.フィクションと協力して脱出方法を探す

【フィクション】
【状態】健康
【装備】日本刀
【スキル】『ブラックアウト』
【所持品】基本支給品、不明スキルカード(確認済)、候補者名簿、不明支給品1~3
【思考】
基本:脱出してヨグスを始末する
1.イロハと加奈子の知り合いを探して合流。オーヴァーはとりあえず放置
2.機会があれば板垣退助を殺す
3.正午に教会でイリアムと落ち合う
※板垣退助の外見的特徴を把握しています


29:熱き血潮に 時系列順 31:なんだお前か
29:熱き血潮に 投下順 31:なんだお前か
22:蛮勇引力 葉桜加奈子 :[[]]
22:蛮勇引力 フィクション :[[]]

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