うつむき笑う、その頬を伝う涙一粒
◯
「仔猫ちゃんは、本当に可愛いですよね♡お嬢様にも引けを取らない……優しさと可愛さを兼ね備えた天使みたいです♡」
「そんなことないよ。……タチバナさんはよくお嬢様のことを話すけど、どんな人だったの?」
私の頭を撫でて暖かな笑みを向けてくるタチバナさんに、ふとそんなことを聞いてみる。
「仔猫ちゃんと似て可愛いお方でしたよ♡……でも仔猫ちゃんみたいな冷静な“判断力”はなくて、人を見る目はお世辞にもありませんでした」
「それは……どういうこと?」
「お嬢様はすぐに人を信じる悪癖があって……だからよく騙されたり、裏切られてたんです。大抵の裏切り者は不埒な輩は私が成敗してきたんですけど……」
その時、タチバナさんの顔が少しだけ、暗く見えた気がした。
私はどうしたらいいかわからなくて……そうしたら、タチバナさんが優しく頭を撫でてくれた。
私はどうしたらいいかわからなくて……そうしたら、タチバナさんが優しく頭を撫でてくれた。
「人々に裏切られ続けたお嬢様は、それでも必死に人を信じようとして……その結果、裏切られて謀殺されました。私がお嬢様のお部屋に駆けつけた頃には、世界を怨んだような暗い瞳で……それでも彼女はこう言ったんです」
『本当は私、気づいてたんだ。世界は汚くて穢らわしいものだって。人は自分が楽しむためなら、利益を産むためなら、賞賛されるためなら……どこまでも残酷になれる。約束だって、平気で破れる。
でも立花だけは、最後まで私を見捨てなかった。裏切らなかった。だから私は……人間の可能性を信じたかった。
だから純粋無垢で優しいフリして……最期にはこんな末路を迎えちゃった』
でも立花だけは、最後まで私を見捨てなかった。裏切らなかった。だから私は……人間の可能性を信じたかった。
だから純粋無垢で優しいフリして……最期にはこんな末路を迎えちゃった』
『お嬢様、こんな大怪我で話すなんて危険です!今すぐ手当を……』
『それは……いくら優秀な立花でも無意味だよ。もうすぐ私が死ぬことくらい……立花も本当はわかるんでしょ?』
『犯人は……犯人は誰なんですか!?』
『パン・ドラゴ。一見優しそうなあいつが……愉悦を求めて私を殺したのよ。彼が周りに優しくしてたのは、人望を得るため。
彼は私のことを悪女だって急に喚き散らして……あいつを信じ切っていたメイド達が嬲りに嬲ってこの様よ。
そしてドラゴはメイド達を立ち去らせた後に私の大切な、立花との思い出を綴ったノートを破って……愉悦の笑みを浮かべたの。私が絶望する瞬間を、楽しむように……』
そしてドラゴはメイド達を立ち去らせた後に私の大切な、立花との思い出を綴ったノートを破って……愉悦の笑みを浮かべたの。私が絶望する瞬間を、楽しむように……』
『あいつが……あいつがお嬢様を!』
『そんなに……怒らないで。立花にそんな顔は似合わないよ。それにドラゴのバックにはヤバい組織がついてそうで……だから立花には復讐なんかより、幸せに楽しく暮して欲しいの。せめて、私の……分まで……』
『そんなことを言われても、お嬢様のいない幸せなんて……!』
『ふふ、残念ね。これは命令よ。……大丈夫、選択肢の総当たりをしたらきっと幸せに巡り会えるから……。
それと立花……私、ちょっと目が霞んできちゃった。あそこの紙切れを、見せて』
それと立花……私、ちょっと目が霞んできちゃった。あそこの紙切れを、見せて』
『……!これは……!』
『ドラゴに破られた日記の一部よ。目が霞んであまり見えないけど……昔の思い出だけは、鮮明に思い出せる。立花……あなたは本当に最高の執事だった』
『そんなもったいないお言葉……でも、ありがとうございます!』
『うん。……そろそろ、眠たくなってきたわ。立花……あなたは何が何でも幸せになるのよ……』
「そして……お嬢様は永遠の眠りにつきました。復讐鬼にならず仔猫ちゃんという幸せを手に入れたのは……お嬢様のおかげなんです」
タチバナさんから全てを聞いた時……一筋の体液が私の目から流れ落ちた
「……私のために、泣いてくれるんですね。ありがとうございます、仔猫ちゃん」
そしてタチバナさんは少女を抱き締めるように、ぎゅっと私を抱きしめた。
「……本当に、ありがとうございます。今は殺し合い中ですけど……もう少しだけ、こうさせてください」
タチバナさんにしては気丈じゃないような言葉と一緒に、涙の雫が私の肩に落ちて……私はようやく理解した。
「うん。……無理に強がらなくていいからね、タチバナさん。……タチバナさんの哀しみは、私が受け止めるから」
「ぐすっ……。ありがとうございます、仔猫ちゃん。そしてこんな天使を与えてくれたお嬢様も……みんな、みんな、ありがとうございます」
「ぐすっ……。ありがとうございます、仔猫ちゃん。そしてこんな天使を与えてくれたお嬢様も……みんな、みんな、ありがとうございます」
「うわあああああん」
大きな声を上げて泣く大切な人を、私はぎゅっと抱きしめ返した。
私にはこれだけしか出来ないけど……それでこの雨が晴れに変わるなら、それ以上のことはないから。
私にはこれだけしか出来ないけど……それでこの雨が晴れに変わるなら、それ以上のことはないから。
私も罪悪感が原因とはいえひなたから逃げた裏切り者だけど……それでも、これでタチバナさんが少しでも救われるなら――
◯
いつでも、その笑顔
救われてきた僕なんだ
今だけ、泣いていいよ。ずっとここにいるから
ただ僕はここにいるから。
俯いてた君が顔を上げて、笑う時まで
救われてきた僕なんだ
今だけ、泣いていいよ。ずっとここにいるから
ただ僕はここにいるから。
俯いてた君が顔を上げて、笑う時まで
◯
でも――ごめんね、ひなた。
きっとひなたにも――タチバナさんみたいに、辛い思いをさせちゃったと思うから……
ねぇ、タチバナさん。
こんな私みたいな罪人が幸せになっていいのかな――
こんな私みたいな罪人が幸せになっていいのかな――
ねぇ、ひなた――
もしこの名簿に載ってるひなたが、もし私の知ってるひなたなら――その時は罪と向き合って、正直に私は男だって明かすよ
もう絶対に、逃げないから――
もしこの名簿に載ってるひなたが、もし私の知ってるひなたなら――その時は罪と向き合って、正直に私は男だって明かすよ
もう絶対に、逃げないから――
【F-1/一日目/早朝】
【仔猫】
[状態]:腹部へのダメージ(小)、疲労(小)
[装備]:見上げた夜空の星座たちに誓うよ(カレイドスコープ)@創造武具
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める
1:タチバナさんと一緒に居る。絶対に離れない
2:ぼっちの集いのみんなを探す
3:危険人物や快楽殺人者は倒す
4:タチバナさんを守れるくらい強くなりたい。そのために新しい能力を使いこなす
5:タチバナさんの哀しみは、私が受け止める
6:ひなたに出会ったら、自分の罪を正直に話す。もう罪悪感から逃げない
[備考]
※創造武具が成長してシューティング・スター・ギャラクシーに目覚めました。ただしまだ使いこなせていません
【仔猫】
[状態]:腹部へのダメージ(小)、疲労(小)
[装備]:見上げた夜空の星座たちに誓うよ(カレイドスコープ)@創造武具
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める
1:タチバナさんと一緒に居る。絶対に離れない
2:ぼっちの集いのみんなを探す
3:危険人物や快楽殺人者は倒す
4:タチバナさんを守れるくらい強くなりたい。そのために新しい能力を使いこなす
5:タチバナさんの哀しみは、私が受け止める
6:ひなたに出会ったら、自分の罪を正直に話す。もう罪悪感から逃げない
[備考]
※創造武具が成長してシューティング・スター・ギャラクシーに目覚めました。ただしまだ使いこなせていません
【タチバナ】
[状態]:腹部へのダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:光子小太刀(フォトン・ミニカタナ)、バレットラウザー
[道具]:基本支給品、おちんぽ、
[思考・状況]基本方針:仔猫ちゃんは私が守ります♡メイドさんにお任せくださいっ!
1:仔猫ちゃん可愛い♡
2:もっと強くなりたいですね。仔猫ちゃんのために♡
3:私たちの愛を、貫きましょうか♡
4:うわあああああん!仔猫ちゃん、ありがとうございます……!
[備考]
※スキルを発動しました。再使用まで必要な時間は後続の書き手にお任せします
[状態]:腹部へのダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:光子小太刀(フォトン・ミニカタナ)、バレットラウザー
[道具]:基本支給品、おちんぽ、
[思考・状況]基本方針:仔猫ちゃんは私が守ります♡メイドさんにお任せくださいっ!
1:仔猫ちゃん可愛い♡
2:もっと強くなりたいですね。仔猫ちゃんのために♡
3:私たちの愛を、貫きましょうか♡
4:うわあああああん!仔猫ちゃん、ありがとうございます……!
[備考]
※スキルを発動しました。再使用まで必要な時間は後続の書き手にお任せします
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039:MEMORIES OF NOBODY -だから、黒百合は祈りを捧げる- | 投下順 | 041:これはVRであって現実(リアル)ではない |
038:罪には罰を | 時系列順 | 041:これはVRであって現実(リアル)ではない |
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楽園の翼 | 仔猫 | |
楽園の翼 | タチバナ |