ひらひらと、白雪が舞う。
今日はクリスマス。VRCでもそういうワールドが人気になって、そうじゃないワールドもBGMがクリスマス仕様になったりするくらいの祭り日。
今日はクリスマス。VRCでもそういうワールドが人気になって、そうじゃないワールドもBGMがクリスマス仕様になったりするくらいの祭り日。
そして私がお嬢様を失った――最悪の日付でもある。
「はぁ……」
自然と、ため息が漏れる。
パブリックのワールドに来た私が悪いですけど――周りはお砂糖相手や友達と仲良くしていて。
私は一人、過去の時間に取り残されて――。
パブリックのワールドに来た私が悪いですけど――周りはお砂糖相手や友達と仲良くしていて。
私は一人、過去の時間に取り残されて――。
誰か新しく仕えられる人が居たら、この降りしきる雪の中――きっと楽しく過ごせただろうに。
嫌な思い出を真っ白な雪が覆い隠して――いつかそんなふうに、乗り越えて。
嫌な思い出を真っ白な雪が覆い隠して――いつかそんなふうに、乗り越えて。
お嬢様が私が苦しみ続けることを望んでないなんて――そんなことわかってる。でも理解したからといって、実行出来るわけじゃないし……情けないことに人間不信になってしまいましたからね。
だからこれからも私は――ずっと自己嫌悪して。後悔し続けて生きる気がします。
それこそ――この心を暖かくしてくれるような天使に出逢わない限り。
それこそ――この心を暖かくしてくれるような天使に出逢わない限り。
このワールドは様々なイルミネーションで彩られて、可愛いアバターの人達で溢れて――そんなにも華やかなのに、私には灰色の街にしか見えなくて。
ああ――。
願わくばこのまま、私もこの雪に埋もれて。過去の思い出を胸に、鼓動を止めてしまいたいくらいです。
願わくばこのまま、私もこの雪に埋もれて。過去の思い出を胸に、鼓動を止めてしまいたいくらいです。
……やっぱり生きるって、辛いですよ。
どれだけメイドとして誰かに仕えたいと渇望しても――人間不信だから難しいですし。
どれだけメイドとして誰かに仕えたいと渇望しても――人間不信だから難しいですし。
一人でこうしてワールドを探索し続けるのも……虚しいもので。
もう私の精神は擦り切れちゃいそうで。――クリスマスの雪は、なかなか心に染みますね。
もう私の精神は擦り切れちゃいそうで。――クリスマスの雪は、なかなか心に染みますね。
やがてこのワールドから。私の視界から色彩(いろ)が奪われていき――。
『――私がいるよ、タチバナさん!』
可愛らしい黒髪の美少女が、私の手を引いて。
その瞬間――世界はまた、彩りを取り戻しました。
その瞬間――世界はまた、彩りを取り戻しました。
「仔猫ちゃん……?」
ああ――。
どうして、忘れていたのだろう。
この子は仔猫ちゃん。私の大切で、誰よりも愛してる――お嬢様(こいびと)。
どうして、忘れていたのだろう。
この子は仔猫ちゃん。私の大切で、誰よりも愛してる――お嬢様(こいびと)。
それを思い出した瞬間――私は夢幻の翼を解き放っちゃいます!
「綺麗ですね、仔猫ちゃん♡」
「うん。すごく綺麗な街……」
「……今までは、お嬢様のこともあってずっと悲しい日でした。でも今は――この雪が。このイルミネーションがとても綺麗で――」
「うん。すごく綺麗な街……」
「……今までは、お嬢様のこともあってずっと悲しい日でした。でも今は――この雪が。このイルミネーションがとても綺麗で――」
そして、なにより――。
「なによりも――仔猫ちゃんがすごく可愛いです♡」
――ちゅ♡
仔猫ちゃんの頬にキスをすると、彼女は照れ臭そうに笑いました。
その姿が可愛くて、愛おしくて――私は何度も何度も彼女を求めて。
その姿が可愛くて、愛おしくて――私は何度も何度も彼女を求めて。
「ありがとね、タチバナさん。……ちゅ♡」
彼女も私を求めてくれて。
降りしきる雪は、そんな私たちを彩るように。
降りしきる雪は、そんな私たちを彩るように。
ああ――。
意外と雪って、悪くないものですね――。
意外と雪って、悪くないものですね――。
〇
「タチバナさん?タチバナさん、まだ寝てるの??」
ゆさ、ゆさ、ゆさ。
私を揺さぶる小さなおててに、私の目が覚めました。
ああ――。あの後、疲れて寝ちゃってたんですね、私。
そして目の前に映るのは。私を呆れつつも、覗き込んでくるのは――愛おしい仔猫ちゃんのお顔で。
私を揺さぶる小さなおててに、私の目が覚めました。
ああ――。あの後、疲れて寝ちゃってたんですね、私。
そして目の前に映るのは。私を呆れつつも、覗き込んでくるのは――愛おしい仔猫ちゃんのお顔で。
「……私としたことが、少し寝すぎちゃいました☆」
ニッコリと。
これまでVRCで誰にも向けたような満面の笑みを仔猫ちゃんに向けると――。
これまでVRCで誰にも向けたような満面の笑みを仔猫ちゃんに向けると――。
「ちゅ……♡」
「ふぇ?タチバナさん、急にどうしたの……!?」
「ふぇ?タチバナさん、急にどうしたの……!?」
「おはようのキスですよ、仔猫ちゃん♡」
「うーん?もしかしてタチバナさん、変な夢でも見た……?」
「うーん?もしかしてタチバナさん、変な夢でも見た……?」
ふふっ、相変わらず可愛い反応ですね。
でも――変な夢なんかじゃないですよ?
でも――変な夢なんかじゃないですよ?
「めちゃくちゃ良い、幸せな夢を見ました。――まあ仔猫ちゃんとこうして過ごす今こそが、一番幸せな夢(現実)ですけどね♡」
仔猫ちゃんはよくわからなさそうな顔をした後――。
「……そっか。よくわからないけど、タチバナさんが幸せならそれで良かった」
そんなふうにまた、可愛いことを言うから。
私は彼女の頬を撫でて――優しく口付けしちゃいました♡
私は彼女の頬を撫でて――優しく口付けしちゃいました♡
私たち人間は時に道を見失い、大切な人を失い――孤独を彷徨う時だってある。
それでもきっと――楽園に羽ばたく翼というものは誰にでも手に入れる権利があって。
それでもきっと――楽園に羽ばたく翼というものは誰にでも手に入れる権利があって。
私は仔猫ちゃんという天使と出逢えたから――こんなに幸せなことって、ないですよね♡
ひらひらと、雪が舞い落ちる。
それはまるで私達の過去の悲しみを、優しく包み込むように――。
そして二人の愛を、美しく彩るように――。
それはまるで私達の過去の悲しみを、優しく包み込むように――。
そして二人の愛を、美しく彩るように――。
【F-1/一日目/早朝】
【仔猫】
[状態]:腹部へのダメージ(小)、疲労(小)
[装備]:見上げた夜空の星座たちに誓うよ(カレイドスコープ)@創造武具
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める
1:タチバナさんと一緒に居る。絶対に離れない
2:ぼっちの集いのみんなを探す
3:危険人物や快楽殺人者は倒す
4:タチバナさんを守れるくらい強くなりたい。そのために新しい能力を使いこなす
[備考]
【仔猫】
[状態]:腹部へのダメージ(小)、疲労(小)
[装備]:見上げた夜空の星座たちに誓うよ(カレイドスコープ)@創造武具
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める
1:タチバナさんと一緒に居る。絶対に離れない
2:ぼっちの集いのみんなを探す
3:危険人物や快楽殺人者は倒す
4:タチバナさんを守れるくらい強くなりたい。そのために新しい能力を使いこなす
[備考]
- 創造武具が成長してシューティング・スター・ギャラクシーに目覚めました。ただしまだ使いこなせていません
【タチバナ】
[状態]:腹部へのダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:光子小太刀(フォトン・ミニカタナ)、バレットラウザー
[道具]:基本支給品、おちんぽ、
[思考・状況]基本方針:仔猫ちゃんは私が守ります♡メイドさんにお任せくださいっ!
1:仔猫ちゃん可愛い♡
2:もっと強くなりたいですね。仔猫ちゃんのために♡
3:私たちの愛を、貫きましょうか♡
[備考]
[状態]:腹部へのダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:光子小太刀(フォトン・ミニカタナ)、バレットラウザー
[道具]:基本支給品、おちんぽ、
[思考・状況]基本方針:仔猫ちゃんは私が守ります♡メイドさんにお任せくださいっ!
1:仔猫ちゃん可愛い♡
2:もっと強くなりたいですね。仔猫ちゃんのために♡
3:私たちの愛を、貫きましょうか♡
[備考]
- スキルを発動しました。再使用まで必要な時間は後続の書き手にお任せします
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023:Lunatic delusion -それでも罪人は愛を唄う- | 投下順 | 025:TRUE STORY |
時系列順 | 030:ゴア・スクリーミング・ショウ |
前話 | 登場人物 | 次話 |
アサルトリリィ -猫に寄りそう乙女の作法- | 仔猫 | ティアドロップーだからタチバナは雫を垂れ流し、仔猫は密かに決意するー |
アサルトリリィ -猫に寄りそう乙女の作法- | タチバナ | ティアドロップーだからタチバナは雫を垂れ流し、仔猫は密かに決意するー |