アットウィキロゴ
プロポスレ@Wiki
掲示板 掲示板 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

プロポスレ@Wiki

パチュリー7

最終更新:

orz1414

- view
管理者のみ編集可
あー、パチュリーに言われてお届け物だ。
中身はクッキーだったかな。
「本に書いてある通りに作ってみた。甘い方がいいだろうから砂糖は大目よ」
だとさ。横で作るの見てたんだが、一掴みくらい入れてたか、砂糖。
まあ、いいだろ? 恋は甘い方がいいに決まってる。お菓子だってそれさ。
受け取ってくれよ

9スレ目 >>269

───────────────────────────────────────────────────────────


     霧に煙る朝の湖。
    こんな日くらい、湖岸の散歩を楽しんでも良いじゃないか。
    そう自分に言い聞かせる。
    単にパチェに貰った飛翔の呪符の更新を怠って、
    他に手段が無いという切実な現実はあえて忘れよう。
    借りている薄めの一冊の本の他、大した荷物もないし、
    それにもう間もなく着くはずだ。彼女の住む館へ。

    「あ、○○さん。おはようございます。珍しいですね、歩いてこられるなんて。」
    「おはようございます。美鈴さん。朝から大変ですね。」
    紅魔館の門番、紅美鈴さん。始めてきた時に、パチェが図書館を始めたという話を
    聞いてなかったらしく、通す通さないで散々揉めたのを思い出す。
    そういえば、図書館を始めたという話は誰に聞いたんだったか……。
    解決しない思考を振り払って館に入ろうとすると、
    「あ、ちょっと待ってください。」
    呼び止められた。
    近くに来て真面目な表情でじっと見つめられる。
    「んー、やっぱりいよいよですか。頑張ってくださいね。」
    にやり、と笑って門へと戻っていく。
    良く解らない人だ。悪い人ではないのだが。

    大図書館の大きな扉の前。そこで意外な人が待っていた。
    紅魔館の主レミリア・スカーレット嬢、朝方とはいえ、
    日が出てる間に活動してるのを見るのは稀だ。
    「まったく、なんでこんな奴が……。」
    小声でそう呟くのを聞いた時、突然思い出した。
    パチェが図書館を始めたのを伝えにきたのはこの人だった。
    そのときも「まったくなんでこんな奴が……」と呟き、そして手書きの
    チラシを1枚渡して帰って行ったんだ。
    「あの……。」
    なんと言おうか考えてるうちにレミリア嬢はふい、とそっぽを向いて霧になって消えた。
    何が言いたかったんだろう。微かに苛立ちを覚えないではないが、相手が悪すぎる。

    大図書館、いつもの場所でパチェは本を読んでいた。
    とりあえず、本を返し、新しく一冊の本を借り、
    本を読むパチェの隣で読み終わるのを待つ。
    パタンと本を閉じ、次の本を取ろうとするパチェの手を掴み、
    意を決し今日来た一番の目的を告げる。
    「パチェ……。」
    振り返るその顔を正面から見つめ、言う。
    「パチェのことが好きだ。」
    しかし、パチェはスッと目を細め、そして何事も無かったかのように
    本を手に取り読み始める。
    色々な反応を予想してはいたが、これはまったく予想外の展開だ。
    「えっと……「それで。」
    言いかけたのを遮ってパチェが言う。
    「○○は、それでどうしたいの?」
    本から顔を上げずに続ける。
    「人が人に好きだというのは大きく分けて二つの意味があるわね。
    一つは相手への揺さぶり。その発言によって相手に動揺をもたらし、
    釣り橋効果で自分への好意を引き出そうとする利己的な物。
    もう一つは宣言。自分は相手が好きだと宣言した以上、相手に対する行為は
    その宣言のもとに許されるという傲慢。いずれにしても美しい物ではないわ。
    大体、あなたは人間、私は魔女。魔女の存在は人の隣にありながら常に妖怪を指向する。
    けして交わる事の無い平行線。死する運命を持つ物に永遠は理解できない。」
    早口で言い、そして更に続けようとするパチェを制して言う。
    「解った。ごめん。」
    それだけ言い残し、大図書館を去る。

    深夜、パチュリーは紅魔館の主のもとを一人、訪れる。
    「レミィ、私……。」
    「それ以上言う必要は無いわ。」
    夜の王は言い放つ。
    「何が起きたのかも何を思っているのかもこれからどうなるのかも、
    すべて知っているけど私の言うべき事は一つね。
    貴女が思い感じたとおりに行動しなさい。運命は人の意思が作るべきもの。」
    「うん…………。」

    パチュリーの去った部屋でレミリアは一人呟く。
    「まったく、なんで私が恋愛相談なんかに……。」
    「嫉妬ですか?」
    咲夜の声が答える。
    「貴女、何時からそこに居たのよ。」
    「最初から控えておりました。」
    「まぁいいわ。それにしても私なんて500年も生きているのに、
    パチェはまだ100年かそこらのひよっ子じゃない。なんか悔しいわね。」
    「あら、この場合年は関係ないかと思います。それに……。」
    「それに何よ。」
    苛立った声でレミリアは問いただす。
    「レミリア様には私が居ますわ。永遠に。そういう運命ですもの。」
    「咲夜、運命という言葉を軽々しく使うのは」
    「人の意思の作るもの、そうでございましょう?」
    「ふん」
    馬鹿にしたように、しかし何処か嬉しそうにレミリアは笑った。



    翌日、昨日借りた本を結局持ってきてしまったことに気付く。
    気は進まないが、返さないわけには行かないだろう……。

    義務感から紅魔館を訪れるが、門番の姿はおろか妖精メイド一人すら見かけない。
    多少不気味ではあるが、しかし誰にも顔をあわせずに済むなら寧ろその方が好都合か。
    そっと図書館に本を返し、帰ろうとしたその時、
    「○○っ。」
    パチェの声がしたように思った。おそらく幻聴だろう。
    まったく未練がましい自分が嫌になる。
    振り返るのも癪なのでそのまま帰ろうとしたら、今度は袖を掴まれた。
    「待って、○○。」
    必死の形相で引き止めるパチェを胡乱げに見つめる。
    「あの……私○○に酷い事を。あの時私、嬉しくて、恥ずかしくて、どんなキモチで
    ○○が言ってくれたのか解ってたのに、私……卑怯だ。もう、○○はこんな私のこと
    嫌いかもしれないけど、それでもこれだけは言わせて。私、○○の事が好きだった。
    ずっと前から好きだったの。」
    そう言うパチェの肩に手を置いて、答える。
    「―――――――――――」
    一羽の蝙蝠が、音も無くその場を離れていった。

9スレ目 >>442-443

───────────────────────────────────────────────────────────


「・・・」
「・・・」
2人きりの空間に2人がページをめくる音だけが響く。
「・・・」
「○○。 本取って来て頂戴。 ××の棚の△△っていうタイトルの」
「分かった。 ちょっと待ってろ」
奥に本を取りに行く。
「これで良いんだよな?」
「ありがとう」
再び2人、それぞれの本のページをめくる。

「失礼します」
咲夜さんが入ってくる。
「パチュリー様、お茶を御持ちしました」
「悪いわね」
「咲夜さん、お疲れ様です」
咲夜さんが退室した後、お茶を飲みながら、再び静かに時が過ぎて行く。

紅茶に落とした角砂糖が溶けるように、ゆっくり、ゆっくりとした、
それでいて甘い時を過ごす。
2人に言葉は必要ない。
お互いにそこにいるだけで良い。
今日も紅魔館の一室に、甘く静かな時が流れる。

9スレ目 >>490

───────────────────────────────────────────────────────────

最近心が不安定になっている
本を読んでも内容が入ってこないし
魔導書を書こうと思っても思うように書けない

理由は分かってる
彼と……○○と出会ってから私は不安定になってきている

最初に会ったのは魔理沙が何時もの様に
本を借りると言う名の強奪をしに来た時だ

なんでも外の世界から来た魔法使いだそうで
魔理沙の話を聞いてここに興味を持ったらしい
まるで子供のような顔をしてきょろきょろと図書館を見るその姿を見て
呆れるよりも何故か微笑ましく思った
思えば一目ぼれだったのかもしれない

だから今は言えないけど近い将来私は必ず貴方に伝えるわ
「○○、私は貴方のことを愛している」って


9スレ目 >>561

───────────────────────────────────────────────────────────

最近、○○が他の女と一緒にいる時の事ばかりが頭に浮かんでは消えていく。
「お嬢様はいつも御綺麗ですね」
何故?
「咲夜さん、今日もお疲れ様です」
そんな事を言うの?
「よお中国。 頑張ってるな。 差し入れ持ってきたけど食うか?」
どうして?
「小悪魔も少し休憩したらどうだ? 仕事は俺が代わりにやっとくから」
私以外の女を気にかけるの?
優しくするの?
褒めるの?
小さな嫉妬がやがて、大きな強迫観念となって私に襲い掛かってくる。
○○とほんの少しでも関わった女達が私の頭の中で融合し、1人の女になって私から○○を奪おうとする。
彼の心を私から離れさせようとする。
だから……
私は……


「どうして他の女を褒めたり、他の女に優しくしたりするの?」
パチュリーが無表情、冷たい視線で訊ねてくる。
まるで研ぎ澄ませた刃物のように、鋭い口調で俺の心に切りかかってくる。
「俺は別に……普通にしてるつもりだが」
「○○はいつもそうよね。 今までに私を褒めてくれた事があった? 私に優しくしてくれた事があった?」
当然褒めてもいるし優しくもしている。
でも、今は何を言っても無駄な気がした。
冷静に問い詰めているようでも、パチュリーは正気を失っている。
直感的にそう思った。
「この前魔理沙とアリスが来た時だって……2人と凄く楽しそうに話してた。 私と一緒にいてあんなに楽しそうにしてる事なんて無かったわ」
その言葉に、さすがに我慢できずに反論する。
「そんなこと無――」
だが、反論は言い切る前に遮られた。
「どうして私だけを見てくれないの!?」
パチュリーが珍しく声を荒げる。
「どうしたんだよいったい? 少し落ち着け。 今日のパチュリー変だぞ?」
「変?…そうよ!! ○○のせいで私は変わった!! 全部○○のせいよ!!」
声を荒げているというより、それはもう怒声だった。
喘息持ちで辛いだろうに、かすれた声で休みなく続ける。
「もうここで1人だけで本を読み続けるのは嫌なの!! ○○がいつも傍にいてくれなきゃ駄目なのよ!!」
溜め込んだ感情を吐露するパチュリーに、俺は罪悪感のようなものを感じ始めていた。
自分がもっと彼女を理解できていれば……。
彼女がどう思っているのか考えていれば……。
ズキリと胸が痛んだ。
「私はもう○○の物なのに……どうして○○は私の物になってくれないの……」
怒りは既に無くなり、怒声が嗚咽と懇願に変わっていた。
今、目の前にいるのは膨大な知識を持った魔女なんかじゃなくて、嫉妬と強迫観念に駆られ、ただ泣く事しかできない1人の女の子だった。
俯いて涙を流す彼女に、俺も自分の思いを言葉にする。
「俺は……お前を愛してる。 俺は好きだとか愛してるとか、そういうことはパチュリーにしか言わない。 解るよな?」
彼女は泣きながら俺の言葉に耳を傾けた。
「俺ももうパチュリーの物なんだから、下らない事で嫉妬なんかするなよ。 ずっと傍にいるから」
次の瞬間、突然パチュリーが抱きついてくる。
その体は驚くほど細くて、軽くて、俺は優しく抱き返した。
「もっと強く」
「?」
「もっと、壊れそうなぐらい強く抱いて頂戴」
「でも――」
「良いから、○○になら壊されても良いから。 お願い」
絶対に離さないという意思を示すように、彼女の華奢な体を強く抱きしめる。
パチュリーもそれに答えるように俺を抱き返してきた。
「○○……」


「ごめんなさい」
「へ?」
何を言ってるんだろう?
「やっぱり私、これだけじゃ満足できない。 だから……」
パチュリーが流麗に、俺が今まで聞いた事も無い言語で何かを唱える。
どんな詩よりも叙情的に、どんな歌よりも美しく詠みあげていく。
同時に、俺の体を紋様が走った。
それは苦痛と快楽が綯い交ぜになったようで、酷く嫌な感覚だった。
肉体から自分の意思が、力が抜けていくような……眠りにつく寸前のような心地良い感覚。
それでいて頭だけ起きているような、不気味な感覚に支配されていく。
どれだけ抗おうとしても眠りについた肉体は俺の意思を受け付けない。
腕の中にいるパチュリーの匂いも、感触も、徐々に遠ざかって行く。
「ごめんなさい」
そう聞こえたのを最後に、俺の世界が閉ざされていった。
そこはパチュリーしかいない世界。
でも、姿は見えるし声も聞こえるのに、自分から触れる事は出来ない世界。
2人だけの歪んだ楽園……。


一週間後の魔法図書館。

はて?
あの青年は何処へ行ったのだろう?
「パチュリー様、○○さんはどうしたんですか? 最近見ませんけど」
「○○には別の仕事を任せてあるから当分は帰ってこないと思うわ」
「えっと……そうなんですか」
別の仕事とは何だろう?
ここでの仕事といったら本の整理ぐらいしかない筈だが……。
まあ2人は恋人同士だし色々あるのだろう。
訝りながらも私は主を信じて仕事に戻った。


同日。
魔法図書館、隠し部屋。

「ごめんなさい。 ちょっと読書に夢中になって今日は来るのが遅れちゃったわ」
うなだれて椅子に腰掛けていた青年が顔を上げて微笑みかける。
彼は私の声だけ聞いてくれる。
彼は私だけのために笑ってくれる。
彼は私だけを見てくれる。
そう、私だけ……。
一見するとただの洗脳のようでも、ちゃんと自我は残っている。
心も、体も、私のものになっただけ。
「今日は何をしましょうか?」
訊ねても、微笑むだけで彼は何も答えない。
仕方がないので隣に座り本を開く。
解っている。
○○は壊れていくのだろう。
いずれ自我も崩壊して、本当に壊れてしまうのだろう。
でも、それでも良い。
何故なら、これで○○は私だけのものになったのだから。
そう考えると、彼が壊れていくのも嬉しい。
私はそっと、○○にキスをした。


動きたくても体は自由に動かない。
言いたい事は山ほどあるのに口も開かない。
見ている事しかできない。
パチュリーが俺のせいでどんどん壊れていく。
それがとても悲しかった。
だが、同時にそれが嬉しくもあった。
自分がそれほどまでに彼女に愛されているのだと実感できたから。
そう考えると、彼女が壊れていくのが嬉しかった。
いつか渡そう。
そう思って、肌身離さずシャツの胸ポケットに入れて持ち歩いていた安物の指環の軽い感触も、とっくに消えていた。



間違っているのは解っている。
けれど、もうどうでも良いような気がする。
愛し合っていることに変わりは無いのだから。

○○が

パチュリーが

壊れていく。
それは見ていて、愉快だった。

だけど、楽園の終わりはすぐそこまできていると、この館の主が紅茶を飲み干して笑っていたことを、

俺は

私は

まだ知らない。

10スレ目>>96

───────────────────────────────────────────────────────────

紅魔館の大図書館に住む魔女、パチュリー・ノーレッジ
彼女の仕事に最近、幻想郷の出版物の検閲が追加された。
何故かって?
本人が言うには蔵書に閻魔帳が欲しかったから、だそうな。

そんなわけで紅魔館には一足早く新聞が届く。
「そうか、明日は快晴なのか……。」
隣で楽しそうに閻魔帳をめくるパチェに話を振る。
「せっかくいい天気なんだし、たまには外に出かけてみないか?」
「…………?」
そんなに変な物でも見るようなジト目で見なくてもいいじゃないか。
「晴天は外出の誘引にはならないわ。レミィやフランのような特殊体質なら
 雨の日は外に出たくないという意味で曇りを避けるかも知れないけれど、
 寧ろ私は肌や髪が荒れるから曇天の方が外出日和ね。」
そういえば前にそんな事言ってた気もするな。
「そうか……解った。図書館だと何時も小悪魔が居るしたまには二人で、と思ったんだが。」
そう言って新聞を戻そうと立ち上がったら、
「あ……。」
袖を掴まれた。
「やっぱり行く。晴れの日はハレの日だから外出日和だ、って本に書いてあったし。」
あっさり前言を翻すとは魔女失格じゃないのか?
「肌や髪が荒れるんじゃなかったのか?」
「いい、魔法で何とかする。」
まあ、本人がそう言っているんだから大丈夫なのだろう。
何はともあれ明日が楽しみだ。

翌朝、予報通り突き抜けるような快晴。
「パチュリー様、無理をなさっては……」
「くどいわ。使い魔なら使い魔らしく主に従いなさい。」
珍しく二人が口論をしている?
「おはよう。」
「あ……おはよう、○○。」
この様子は……昨晩全く寝てないのか?
「○○さんからも言って下さい。こんな状態で外出なんて無茶です。」
小悪魔の言ってる事は正しい気もするが。
「規定値以上の陽光を遮る魔法もかけたし、大丈夫よ。さあ、早く…………」
「パチュリー様! 」
相当無理してたんだろうな……さて、どうしたものか。
「パチュリー様は夜を徹して魔道書の執筆をなさっていて…」
「ん、どんな内容? 」
「耐火、耐水、耐衝撃、耐魔法、耐巫術、耐人形操術……の結界を張る魔法です。」
そりゃまた豪勢な。
「せっかくだし、行くか。」
「パチュリー様はどうするんですか。」
「背負っていく。後、その魔道書も……」
「これをもって行かれるのですか? 」
怪訝そうな顔で小悪魔が取り出した本は優に10000ページはありそうな……
「圧縮してる時間が無いからと一気に書き上げられてました。」
これを持って行くのはちょっと、辛いかもな。
「私が持って行きます。大丈夫、お邪魔はしませんから。」

そんなわけで、今パチェを背負って山登り(丘登り?)をしている。
規則的な寝息を立てて丸くなってるパチェは以外にも暖かいし、柔らかい。
空は今も変わらず快晴。天高く馬肥ゆる秋、だね。
ふっ、と息を吐いて丘の頂を仰ぎ見る。
小悪魔の話では丘の上に魔道書と飲み物、そしてお弁当が置いてあるそうだ。
道中にも飲み物を置いてもらうべきだったかと少し考えるが、
やはり楽しみは頂上まで取っておくべきだろう。

「ん……」
背中のパチェから小声が漏れる。どうやら目を覚ましたらしい。
「あ……」
降ろしてくれと言うように体を捩る。
そっと降ろして、そして振り返る。
「○○……大変だったでしょ、ごめんね。」
「せっかく誘っいに応じてくれたんだからな……。これくらい大したこと無い。」
「そう……」
呟いて空を仰ぐ。
「……空凄いね。」
「そうだな。」
「風、気持ちいいね。」
「そうだな。」
「二人っきりだね。」
「ああ。」
はにかみながら目を閉じるパチェ。
そっと、その肩を抱いて唇を寄せて……


10スレ目>>107

───────────────────────────────────────────────────────────

「おいパチュリー、この本借りるぞ」
「ええ・・・」
紅魔館の図書館、俺は主に魔法関連の本をあさっていた
パチュリーは紅茶をちびちびと飲みながら本を読んでいる
俺の分の紅茶はとうに冷めていた、冷めても飲めればいいしな
「ねぇ○○・・・」
「ん?どうした?」
本を読みながら目を合わせずに、パチュリーが話しかけてきた
図書館でパチュリーから話しかけてくるのは非常に、珍しい
「明日なんだけど・・・何か予定はあるかしら?」
「明日?・・・・・・悪い、アリスと実験する約束が・・・」
「そ、そう・・・アリスによろしく伝えといてね」
「ああ・・・何かあったか?」
彼女がなぜか、悲しそうに見えたから
「いいえ、気にしないで」
それから会話はなく、俺は借りた本をもって家路を歩いた


~翌日~
「・・・ちょっと!」
「うぇ!?あ、ああ悪い」
俺は約束通りアリスと実験をしている
「全然集中できてないじゃない!怪我するわよ!」
そうなのだ、前々集中できていない、なぜか寂しそうな彼女の顔が、頭をよぎるのだ
「・・・今日は終わりにしましょう」
「え?いや・・・まだ昼前だぜ?」
「実験は後回しに出来るけどね、ヒトの心は後回しには出来ないのよ」
「え?あ、ああ?」
「何か大切な事があるんじゃないの?今しなきゃいけない事があるんじゃないの?」
「アリス・・・ありがとな!」
それじゃあ、と手を振って彼は走っていってしまった
彼が持って来た実験道具やら本やら、いろんな物を忘れていった
「・・・はぁ、何でいつもこうなんだろう・・・ねぇ上海?」


「パァァァチュゥゥゥウリィィィィィイ!!!げふげふ」
むせながら図書館へ、重いドアを開け放ち、彼女のもとへ
「○○!?え?え?」
「ようパチュリー、待たせたな」
驚き戸惑っているパチュリー、そりゃあそうだ
「え?今日はアリスの」
「今日は切り上げてきた、パチュリーが・・・気になったから」
「あ・・・」
赤くなって俯くパチュリー、まるで少女のように、初心な感じで・・・少女パチュリー略してパチュ子
「それで・・・なんか用が有ったんだろ?ほれほれ、遠慮せずに言ってみろ」
すこし、間をおいて、彼女は言った
「あ、貴方と一緒にいたいな、と思っただけだから・・・きにしない「パチュリー!」
俺はか細い両肩を掴んで、彼女をこちらに振り向かせた
「な、なに?」
「・・・そういうことを言うと・・・勘違いしちまうぜ?・・・勘違いしていいなら、目閉じて」
半分冗談ぐらいで言ったつもりなんだが、パチュリーはゆっくりと目を閉じた、ちょっと上向いて、唇を・・・
「あー・・・うん、えっと・・・」
とりあえずキスはまだ早い、キスは結婚してからだ、うん
とりあえず優しく抱きしめた、やっぱりすごく、細い
「・・・でも抱き心地いいな」
癖になりそうだ
「・・・き、キス、は?」
「んーまた今度な、まぁゆっくり、な?」
ゆっくりゆっくり歩いていけばいい、走る必要は無いのだから
そーして最後にキッスでしめるのさー
そうだな、帰り際にキスしようか、驚く彼女が目に浮かぶようだ
何かワクワクしてきたぞ!
~終~

10スレ目>>204

───────────────────────────────────────────────────────────

パ「この本を読んでほしいのよ」
俺「え?俺にですか?」
パ「そう」
渡されたのは一冊の絵本。

俺「…では後で読んでおきます」
パ「違うわ、いま私に読んでほしいのよ」
俺「え?」
パ「いやなの?」
俺「と、とんでもないです!」
パ「お願いね」
パチュリー様の顔からはなにも窺えない、とりあえず椅子に座り本を開く。

俺「では…」
パ「それでは見えないわ」
そう言うとパチュリー様は俺の身体と本のあいだに割り込むように
ももの上にちょこんと腰を掛けた。

俺「ち、近いです…」
パ「読んで」
俺「…はい。むかしむかし、あるところのオーロラの先にたくさんの雪だるまが」
逆らえない雰囲気に押され、絵本を読み進める。

俺「さようならなの…だッ!?」
突然パチュリー様が背中に腕を回し、服をきゅっと掴んだ。
そして俺の胸に顔をうずめるようにゆっくりと抱きついた。
俺「あああ、あの…」
パ「…」
俺「…」
パ「…どきどきしているのね」
俺「…はい」
パ「…そう」
下目に少しだけ嬉しそうな顔が見えた。

そのとき遠くから足音が近づいて来るのが聞こえ凍りつく。
俺「パチュリー様!だ、誰か来ましたよ!?離れてください!」
パ「…」
小「パチュリー様ぁ~、なにかお飲みモノッ…!?」
俺「…は、はは」
小「…」
パ「…」
微動だにしないパチュリー様、しがみついたまま…
小悪魔さんは無言でふらふらと立ち去って行く、完全に目が死んでいた。

俺「見られましたね…」
パ「それより」
俺「はい?」
パ「『様』はやめてほしいわ」
俺「そういうわけには」
パ「パチェと」
俺「レミリア様に怒られてしまいます…」
パ「早く」
俺「…パ、パチェ」
パ「聞こえないわ」
俺「パチェ」
パ「そう」
俺「…」
パ「…」
また力強くきゅっと抱きつかれる。

俺「…あ、本の続き読みますね」
パ「いいわ」
俺「そ、そうですか?」
パ「まだ、どきどきしているのね」
俺「うっ、ひきょうですよ…」
パ「そうね」
俺「…」
パ「…なら、あなたも確かめてみて」
俺「え!?」
パ「早く」
俺「…」
パ「早く」
俺「は、はい」


          ':,    ',   !                     \
   \      ':,      _,,.. -‐''"´ ̄`"'' ト、.,_.       ,,--,┐  \    ヽ /
 \  \\     r-、 ァ'´      _ト、.,__ノ ノ `ヽ,ヘ,   //: /::::!   <    ∠______
           ノヾ、rァ'  __,ゝ‐i"`y'__]`''ー、'    / `>t,// :/:::::::!  /     /
    \\    `'(__!r-‐i__」-‐'"´,i  `''ー、」ー-ヘ、イ'"´.!:|||||:::::::/   \     (___
       \   r‐ァ'´]-‐' '/  !  ハ /!ィ' i `''ー'、/ゝ  |:|||||:::;t'、  ミ  >  _______
 `' 、        ヽ7´ !   !/!メ、!」 レ-rァ''iT7   iヽ」`i´!:!!!」:ノ ! i   /     '´
     i´ヽ.      | .! !   !-rァ'T    '、,_,ノ !__トr┘i>'r'、`'´   ;'    \   、,_____
   (`ヽ;、 `ヽr、. └‐'`ゞ、ハ. '、_ノ     ⊂⊃ ! ';./ ;'ゝ.,二二7i   <
   ,.-`ヽ  >  i_,!`ヽ、 /|   !⊃   r‐-、    /! ! ヽ._」 /      !  /    ー┼-
   `ー‐ァ (´__,ノ! |   `7!  .i'>,、.,__'--‐',..イ!   i ̄´ノ!       | /      ー┼-
     'ーri´ヽ_/7   〈    V7「ヽ7i ̄´'ノ ! '.、  ':、 '、       ;' \      r-iー、
 --─  ! |::::://   r-、,ゝ、!__j ';  トー'i i  ',    `ヽ.、'     /     \    `ー' '
      '、ゝ'ン___,,...->ア`ー-'、 ,' i | i i |   ヽ.   ヽソ`''ー--‐'      /   --─ァ ヽヽ
        ̄      く ./___」_';/ ! | ! ! ! i   ,ゝ-‐''ンヽ.       く       /
          rソ´`ヽ、`'ァー-‐' ,.イ/ ,' ,' ! ', く_」`7´ハ  〉        >     '、___
         _r'ー--‐''"´   / ;'  i i ,ハ ヽ !_/ヽ!__L/       く      i
        //      -イ  /! ;'/ ム       \          \.    ├‐
       rン_,,.. -      /  / ;' !レ'´ i         `ヽ.        <    r-iー、
       `ト、        !  〈 i ;' / ,ハ      ヽ.     'r、      /   `ー' '
        ノ.ノ __     ノ   i V / / /!       '.,    _r'ヘ    /       l 7 l 7
       i_|  V   /    ハ./ ;' i i '、 }><{  ン´/!/     \     |/ .|/
       ヽヽ ∧      / ;'  i  ', ヽ、 i     r'"ン:::::/     /    o  o

パ「ひとつ約束してほしいわ」
俺「はい」
パ「毎日わたしに会いに来なさい」
俺「はい」
パ「それとずっと私のそばにいなさい」
俺「はい」
パ「毎日好きだと言いなさい」
俺「はい」
パ「それと絶対に私に逆らってはダメよ」
俺「…はい」
パ「あとは…えーと」
俺「あの、全然一つじゃないんですけど…」
パ「ふふ、そうね」
彼女はとても満足そうに笑った。

11スレ目>>463

───────────────────────────────────────────────────────────

「パチュリー様?大丈夫ですか?」
ひゅうひゅうという音、顔色も悪い
「・・・発作が出ておられるようですね・・・白湯をお持ちします」
「だい、じょうぶ・・・すぐ治まるから」
とても大丈夫そうには見えない
とりあえず埃の多い図書館よりも部屋の方がよかろう
そう判断した俺はとりあえずパチュリー様を移動させる事に
「・・・失礼しますよ」
「えっ!?ちょ、ちょっと」
「大人しくしていてください、発作が悪化します」
「・・・」
俺はパチュリー様を抱えて(そこはもちろんお姫様抱っこで)パチュリー様の部屋へ向かった


「ベットに横になって・・・膝を立てて腹式呼吸を・・・そうです、すぐに白湯をお持ちしますので」
「あり、がと・・・永琳から貰った薬があ、るからすぐにおちつくか、ら」
棚から小瓶を取り出し小さな薄いオレンジ色の錠剤を取り出す
しょうがないので白湯を取りに厨房まで行くことにした

「・・・まぁこれぐらいでいいだろ、あんまり熱くてもかなわんからな」
熱いポットとカップをお盆に載せて・・・後は何もなかったかな?
「また発作?」
「あ、メイド長」
はろーと軽く手を振られる、もう夜なんだが・・・
「この季節になるとどうしても辛いみたいね・・・まぁ辛さはわかりようがないけど」
「・・・とても辛いと思いますよ、あのパチュリー様が弱気になるほどですから」
「へぇ・・・引き止めて悪かったわね、それじゃあ」
コツコツと足音が遠ざかっていった
メイド長も心配してるんだな、わざわざこんなところまで

「パチュリー様?」
「○○、ありがと・・・だいぶ良いわ」
「そのようですね・・・今日は早めにお休みください、ここで油断すると悪化しますよ」
顔色もさっきと比べればまぁ良い、呼吸も今は落ち着いている
「・・・ねぇ○○、一緒に寝ましょう?」
「なななな、何をおっしゃてるんですか!?わ、私も一応男ですので・・・」
「○○は喘息の発作で苦しんでいる私相手に欲情できるような人じゃ無いでしょ?それぐらいは知ってるわ」
「いや、しかし・・・」
「夜中に発作が出たらどうするの?アナタの部屋までとてもじゃ無いけど行けないわ、大声も出せないでしょね」
「・・・」
「お願い、あなたがいると安心できるの・・・お願い○○」
「わ、わかりました・・・喜んで」
「ふふ・・・ありがと」
辛そうだが、とてもいい笑顔に見えた
結局ベット脇に毛布に包まって寝た、同じベットで寝るというパチュリー様の提案を却下して
そしてその夜、発作が悪化したパチュリー様を抱えて永遠亭まで走ったのだが・・・それはまた別の話
end

10スレ目>>400

───────────────────────────────────────────────────────────

(軽く三日ほど、日の光を浴びてない…)○○はぅぅぅと微かな呻り声を上げながら内心で愚痴ってみるが、同じ図書館内にいる己の上司は取り合ってくれなかった。
いつも通り本を読んでいる。彼女の考えていることは分かりづらい、間抜けな呻り声を上げる自分を馬鹿にしているんだろうかなどと彼は考える。
考えて、上司の顔をじーっと睨んではみるのだけれど、やはり反応が返ることは 無い。

「どう考えても仕事、多過ぎじゃないですか?パチュリー様。」
今度は内心ではなく口にして○○は訴えてみる。
「…あなたにこなせる程度の量だけれど、具体的には小悪魔の半分ほど。」
言いたいことは先程の呻り声で十分伝わっている、と言わんばかりに一蹴された。

自分の前にある本の山とパチュリーの机とを見比べて、お互いの顔が辛うじて見える山がいくつも並んでいることにまた○○は呻る。
こうなっては、ここ最近顔を見れない程度に離れたところで仕事をしている小悪魔の控えめな気遣いが恋しくなって来る気がした。(最初のころは悪魔って聞いてとにかく怖かった、けど!)


一向に減らない整理しなければならない本、本、本。(仮眠する時だって、図書館を出てない!)
目を離すとまた増えている気がするパチュリーの机の本の山と戻さなければいけない読み終わった本。(気のせい?ホントに気のせい?!)

(ずっと本とパチュリーしか見てない。ずっとパチュリーとしか会ってない。ずっとパチュリーの声しか聞いてない!)


悲鳴の様な心の叫びを上げて○○は図書館の入り口を見やる。
ここ一週間ほど役目を果たす機会のない扉に憂鬱な溜息をついてみたけれど、やはりというか案の定パチュリーは取り合わず、ページを滑らせる音だけが 響く。

(…寝よう。目が覚めたらせめて小悪魔と同じ仕事にかかれますように)


・
・
・
・


「そう、それじゃあその仕事も彼にまわすわ。 
……彼の仕事が多過ぎだって?良いのよ。少しくらい働きすぎでも、私が彼の顔をいつでも見れるのだから。」

11スレ目>>670

───────────────────────────────────────────────────────────

本を読んでいたパチュリーが唐突に口を開いた。
「何かくれなきゃ悪戯するぞー」
「……」
「……」
唖然、とはこういう事を言うのだろう。
俺と小悪魔はかける言葉が見付からない。
黙り込む俺達に、パチュリーは真っ赤な顔で抗議する。
「何か言う事は無いの? 恥ずかしいじゃない」
なんか可愛い……。
パチュリーってこんな事もするんだ。
しかし、いくら今日がハロウィンで素で魔女だからってこれはどうなんだろう?
「可愛いな」
「可愛いですね」
「むしろ悪戯されたいな」
「されたいですね」
言ってにやつく俺と小悪魔に、パチュリーは更に顔を赤くして
「馬鹿! ○○と小悪魔なんてもう知らない!」
そう言って再び本に視線を戻した。
今日も図書館は平和だ。

10スレ目>>438

───────────────────────────────────────────────────────────


あなたとみる世界はとてもうつくしくて、あたたかくて、しろくて、とうといのだ。(そう、それはまるで、あなたのように。)










「おっしゃっ出来たぞー!パチェ、ちょ、来い!!」
「・・・はーい(声おおきいわねぇ)」
「遅せぇーぞ!早く来い!パチェ、はやく!」


「わかってるわよ、今行くからっ!」


きゃんきゃんと子犬のように(あんなに大きいのに、子犬。雪にはしゃいでいる、可愛らしい犬ね)大声を上げ続けている○○に叫び返したら、彼の動きが一瞬止まった。
が、すぐまたぶんぶんと腕を振り回しだす。
・・・こんな寒いのに、元気なこと。
久しぶりの外は冬景色で、私はただ歩くだけで凍て付くような冷たい風に変わる外気に震えながら、首までずり落ちていたマフラーを引っ張って鼻先まで上げた。
まだ少し距離が遠くてきちんと表情は見えないけど、たぶん彼はにこにこ笑ってるんだろうと思う。


真っ黒のロングコートには、ところどころ雪がくっついている。
キラキラと光を放ちながら、さらさらと溶け出すそれは、私が前に○○にあげたマフラーくらいに真っ白だった。
編み物なんて知識はあってもした事はなかったから全然上手に出来なくて、自分で見ても歪だったから、つけなくてもいいと言ったのに。
つけないどころか、洗濯しないの?って聞いても絶対にマフラーを手放さない彼の姿をふと思い出して、少し苦笑した。
苦笑と言っても苦しいから笑ったわけじゃなくて、幸福だから漏れた笑い。
私は自分の笑った顔がそんなに気に入ってなかったけれど、この時の顔だけはなかなかいいんじゃないかと自惚れている。
だって、○○もこんな顔でよく笑っているのだ。
(幸福そうな、幸福そうな。私よりも、もっと綺麗で、純粋で、あたたかいけれど)


「なに、どうしたの」
「見せたいものがある」
「見せたいもの?」
「おう!」


ぜってぇ驚くぞ!!○○がけたけたと大声で笑う。
色白の頬は赤く染まっていて、真っ白な景色に柔らかく色をつける。
夏の激しさが嘘だったように、優しく降りそそぐ太陽の光を浴びた黒髪は、輝きを失うことなく揺れていた。
伸ばされた手は厚い手袋に包まれていて私の一番好きな手のひらとは少し違う様子だったけど、握ってしまえばいつもと変わりが無い。
大きくて、心地の良い温度。
絡めた指先は○○の手袋と私の手袋とに阻まれてごわごわしていたけど、いつもより強い力が加わっていたので悪くない、と思った。


葉を落とした茶色い木の枝に乗っかる冷たそうな塊。
歩くたびに響く、かき氷にスプーンを突っ込んだときみたいな、ざくざくという音を聞きながら、ふたり並んで歩く。
○○は上機嫌に鼻歌を歌っていて、私はそれを黙って聞いた。
聞いたことないから、たぶん外の世界の歌だと思う。
今真面目に聞いて、覚えて。後で歌って驚かせてやろう。
そう思って内心ほくそ笑んでいたら、○○が唐突に「あ」と言った。


「どうかしたの?」
「あのな、・・・パチェ」
「何、○ま


る、って最後まで言い切る前に、抱きしめられて押し倒された。(ええええええええ!?)











ぼふんって音がして、雪が私たちの周りをもう一度舞った。
空を見上げたら青くて眩しくて、視界の端に貴方が見えた。
髪の毛を通り越して頭皮とか首周りとか、きちんと皮膚の部分に触れた雪は、私の体温で少しずつ溶けて水になる。
長いスカートから出ていた足の下の雪は直接当たって、冷たかった。
まだ熱を持っているのは、○○に握られたままの指先だけ。
倒れる前に微かに見えた、雪上に引かれた下手なラインは、確かに相合傘のかたちで。
(見せたかったものは、これか)(ああどうしよう、なんて、なんて。)


「なにするのよ○○」
「相合傘、作ったんだ。線引いて」
「だから?」
「俺とパチェがその上に乗ったら、完成するだろ。これ」


ぎゅうと手を握る力がもっと強くなる。
上半身だけ起こしてみたら、相合傘の形の上の私と○○。
どこの漫画よ、と思わず笑ってしまいそうな光景だけど、とろけそうな顔で微笑んでいる、○○の優しい視線に笑うことも出来なくなる。
うそ、こんなに嬉しいなんて。
どきどきと早く動きだす私の心臓は、私と同じくらい愚かだ。そして恋をしている。
頭にハートの形のついた、同じ傘の下にいる彼に。
服はじわりと水を吸ってきていたけど、もう気にならなかった。


「すげーだろ」
「うん すごい」
「驚いた?」
「ええ とっても」
「・・・ほんとにそう思ってんの?」


思ってるわよ。本当かよ。思ってるって。いやでもパチェ、
まだ何か言おうとする○○のマフラーを掴んで引っ張って、そのまま頬にキスをしたら、彼の頬は私の唇が冷たかったせいでない(と思うのは自惚れじゃない?)赤に染まる。
もうコートにくっついているどころか、乗っかってしまっている雪を掃ってやりながら、私は笑った。
そうそれは貴方と同じ幸福そうなあの笑顔。
赤い頬のまま笑いあう私たちは、つめたくてあたたかい雪の中で、本当に相合傘の一部になってしまったよう。


「パチェ」
「なに、○○」
「俺たちもうこれで永遠だと思わない?」
「相合傘に守られてるから?」



「・・・パチェがこんなに傍にいるから」



どこの漫画よ、笑う前に騒ぎ出す私の心臓をさらに騒がせるのは、頬だけにじゃない貴方のくちづけ。


12スレ目>>356 うpろだ818

───────────────────────────────────────────────────────────

 ――それじゃ、また。
 そう言って彼は帰っていった。あとに残されたのは静けさが支配する本の寝所。
 気のせいか彼がいなくなったことで温度が少しだけ下がったような気がする。
 だから、だろうか。
 私は読んでいた本から顔をあげ、席を立った。そして、さっきまで彼が使っていた椅子に意味もなく座ってみる。
 ……あったかい。
 あ、やっぱりダメだ。頬がにやけてしまうのが押さえられない。こんなところ誰かに見られでもしたら余裕で死ねる。死因はきっと喘息の発作。
 ほんとうに、私はいつからこんなになってしまったのだろう。魔女である私が、たかだか人間ひとりの事でこんなにも心を揺さぶられるなんて。
 



 
 
 彼こと○○との出会いに特筆すべきことは何も無い。
 命を救われたとか、殺されかかったとか。そんなことは一切無い、ごくごくありふれた出会いだった。
 ……まああれを“ありふれた”で片付けてしまう自分の思考にすこしばかり危機感を覚えるのだけれど。
 ○○は魔理沙に連れられてやってきた。例によって例のごとく魔道書を強奪しにこの図書館に来たときに。
 魔理沙は「私はここらで一番大きい図書館を紹介しにきただけだぜ」と言っていたが結局何冊か持って帰ったのだから同じことだ。
 もってかないでって言ってるのに、もう。
 と、それで○○のことだけど。
 魔理沙曰く、○○は“外”の人間らしい。服装からしてなんとなくそんな気はしていたのでさほど驚くことではなかったが、自分の目で外の人間を見たのはこれが初めてだったので少しだけ興味は湧いた。
 彼は幻想郷に迷い込んだものの、こちらの世界が気に入ったらしくこっちで永住することに決めてしまったらしい。
 ○○自身のことは魔理沙も詳しくは知らないそうだが、その事で話をしにいった先の霊夢も「まあ、それならそれでいいんじゃない」とあっさりOKを出してしまい、今では神社近くの里で暮らしているらしい。
 こうしてめでたく幻想郷の住人と化した○○だが、しばらくして魔理沙に「どっか図書館とかないのか? 最近暇なんだ」と漏らしたらしい。
 ……あとはもう想像に難くない。
 実験の手伝いとその期間の食事の世話という対価を要求した魔理沙が、○○をこのヴワル魔法図書館につれてきたというわけだ。
 
 本を折らない曲げない汚さない破らないもとの場所にちゃんと戻す貸し出し禁止。
 以上のことを守るならば好きに読んで構わないと私は許可を出した。その時○○は「それは普通じゃないのか?」と言っていた。
 ……○○、それを守れない輩が約一名いるのよ。具体的にはあなたをここに連れてきた張本人が。
 それを言うと彼は苦笑していた。
 
 それから○○はここに通うようになった。
 とはいえ里での仕事もあるのだろう、毎日という訳ではなかったがそれなりによく通ってきていたと思う。
 門番とレミィには話を通しておいたので問題ないのはわかっていたが、紅魔館まではどうやってきていたのだろうと思って以前気まぐれに聞いてみると魔理沙がいるときは魔理沙に頼んでつれてきてもらっていたらしい。
 もちろん対価は要求されたそうで。魔理沙がどうしても都合が付かない時は霊夢に護符もらって走って駆け抜けているとのことだった。
 ともあれ。
 ○○はここにいる間は無駄に話かけてもこなかったし、ほとんど無言のまま本をひたすら読み漁っていたので悪い印象は抱かなかった。
 本の扱いも丁寧だし、彼がここに来るようになってから最初は小悪魔以外の誰かがいるというのは違和感があったけどそれもすぐに消えて言った。
 
 ――だから、私の中での○○の在り方が大きく変わったのはそんなある日のこと。

 その日は何故か○○は魔道書とにらめっこしていた。
 いつもとは違い、隣にいた小悪魔に何度も質問しつつ眉間に皺をよせながら少しずつ読み進めていた。
 そんな○○と小悪魔の様子がたまたま目端に入って、少しだけ私も興味をそそられて覗いてみたんだった。
 本そのものはなんのことはない、初心者向けの魔道書だった。理論も簡単なものしかのっていない。
 きっとそれすら読めないのだから○○は魔道の才能はないのだろうなあと思い、けどそれでも必死になんとか理解しようとしている○○を見て興が乗ってその本に載っている指先に小さな灯りを燈す魔法を目の前でやってみせた。
 
 ……その時浮かべた○○の表情を私はいまでも忘れられない。

 ○○はそれを、まるで子供のように目を輝かせてみていた。
 人間からすればどうということのない事なのかもしれない。些事なのだろう。でも、それでも。
 永き時を生きてきた者からして見れば彼の浮かべた表情は胸をつくような、締め付けつけるようなものだったのだ。
 少なくとも私はそう感じていた。
 その後、彼は当然のように私に教えを請い、私もそれを承諾した。そういえば小悪魔がやけに驚いていたっけ。
 普段の私をよく知っているのだからその反応も当然といえた。……だって他ならない私自身が承諾してしまったことに驚いていたんだから。

 そして私は○○に魔法を、とりあえずあの指先に灯りを燈す魔法を教えることになったのだが。
 なんというか。教え子として○○はどうみても落第だった。
 はっきり言うと才能の「さ」の字もなければ、資質の「し」の字も無い有様だった。
 それでも引き受けたからにはこのままでは魔女の名が廃る。
 様々な手を尽くして、もうこれ以上どうしようも無いというところまでやって、二年という歳月を消費してようやく――彼は灯りを燈す程度の魔法を使えるようになったのだった。
 あの時の妙な達成感は思わず小悪魔と手を取り合うぐらいに大きいものだった。
 そんな私の側に○○が寄ってきた。まだ魔法を使えたという興奮が冷め遣らないのだろう目にはあの時の輝きが宿っていた。
 そして私と目をあわせるなり、本当に嬉しそうな声で○○は言った。


『ありがとう。パチュリー』


 ……――ああ、私のバカ。
 ○○に魔法の才能がないなんてどうして思ったんだろう。
 そんなわけないじゃない。だって彼はずっと前から魔法を使っていたんだから。
 私がそれに気付かなかっただけ。そして気付かぬまま彼の魔法にかかってしまっていただけなのに。
 この胸に宿る熱が、鼓動が、ふとしたときに○○を追うようになっていた視線が、その証。
 自覚してしまえばもう止められない。人間と妖怪という避けて通れない壁もあるけれど、今はとりあえず保留にしよう。
 
 だって。私、パチュリー・ノーレッジは
 
 間違いなく、○○に恋してるのだから。








「はあ……」

 ○○の遺した熱を感じながら私はまた彼のことを考えてしまっていたようだ。
 最近はいつもこうだ。おかげで○○がいるときも、いないときも読書に身が入らない。
 ○○のことを考えるだけで胸が熱くなる。
 ○○のことを思うだけで胸が痛む。
 ○○のことを見つめるだけで胸が張り裂けそうになる。
 ほんとうに、重症だ。でも、それが別にいやじゃないと感じてるのだから困ったものだと思う。
 ふと視線をやると、その先にあった暦はもうすぐ如月を指そうとしていた。
 ……そういえば。○○が毎年外の世界では如月の月になると――。

「小悪魔、いる?」

「はい? どうかなさいましたかパチュリー様」

「探してほしい本があるの。外の行事について詳しく載っている本を持ってきてちょうだい」

「はい。その行事について名前とかわかりますか? わかればそれだけみつけやすくなりますけど」

「そうね……確か『バレンタインデー』だったかしら?」


 私がこんな風に、貴方無しではいられなくなってしまったのは全部○○の所為。
 
 だからちゃんと責任をとって?
 
 
 



 ――貴方がかけた、恋の魔法の。

12スレ目>>643 うpろだ863

───────────────────────────────────────────────────────────


1月5日
 新しい研究テーマを立ち上げることにした。
 基礎理論は既に構築しているので、そう苦労せずに結実を見ることが可能だろう。
 今日は朝から妙にメイドたちが浮き足立っていた。
 もともと騒がしい連中なのに、更に落ち着きがないとなったら、大変な目障りだ。
 小悪魔によると、昨晩保護した行き倒れの人間の男が、中々の男前だとの事。
 実にどうでもいい理由だった。
 小悪魔がニヤニヤしながら「気になりますか? 気になりますか?」とやかましかったので、アグニシャインで燃やしておいた。

1月7日
 小悪魔に伴われて、人間の男が図書館にやってきた。
 先日助けた行き倒れだとの事。
 メイドたちが騒ぐほどの美形ではないように思う。
 何か挨拶をしてきたが、面倒なので適当に目礼を返しておいた。
 そのまま放っておいたらおもむろに禁書を開こうとしだしたので、慌てて止めに入った。
 普通の図書館と魔法図書館の区別がついていないらしい。
 結局そのまま図書館を案内することになってしまった。
 別に面白くもおかしくもなく済んだが、終始おとなしくしていてくれたのはありがたかった。あまり喋るほうではないらしい。
 ただ、魔法についての話をするたびに、一々驚いていたのが印象的だった。
 彼が帰った後、小悪魔がニヤニヤしながら「いやあお疲れ様でした」などと言い出したので、あんたの仕事でしょうとエメラルドメガリスで潰しておいた。

1月8日
 昨日の男がまたやってきた。
 帰らなくていいのかと思ったが、小悪魔によると外界からの迷い人であるとの事。
 魔法についての知識がない理由に納得する。
 帰る方法が見つかるまでここにいることにしたらしい。
 紅魔館は普通の人間が生きていくには少々厳しい環境であるように思うが、一体何が気に入ったのか。
 まあ別に私には関係のないことだ。
 図書館の使用許可を求められたので、騒がないこと、私の邪魔をしないこと、勝手に本を持っていかないことなどを条件に許可した。
 それはわざわざ言うほどのことなんですかと不思議そうな顔をされた。悲しい。
 彼は本を持ってきて、読んで、帰っていった。
 去り際にまた来ますね、と言ってきたので、そう、と適当に返しておいた。
 私としては、私の邪魔にさえならなければ、いてもいなくてもどうでもいい。
 小悪魔がニヤニヤしながら、「恋の予感ですか?」とよくわからないことを言ってきたので、プリンセスウンディネで頭を冷やしておいた。

2月13日
 今日は特筆すべきことはなかった。研究も引き続き順調に推移している。
 無理をして一点挙げるとするなら、○○の姿を今日は見なかったことだろうか。
 このところは毎日来ていたように思うが、あまり注意していなかったので本当にそうだったかはよく分からない。
 聞いてもいないのに小悪魔が、彼が風邪を引いたらしいということをしつこく言ってきた。私にどうしろと言うのか。
 それを問うと、ニヤニヤしながら「またまたあ。わかってるくせに」と意味不明なことを言ってきたので、マーキュリポイズンで沈没してもらった。

2月14日
 今日は朝から妙なことを言われ通しだった。
 まず起き抜けに顔を合わせるなり小悪魔が「部屋は二階の掃除用具入れの隣ですよ」と言い出した。誰の部屋だ。
 朝食の席に行こうとすると廊下で門番と出くわし「酷い風邪だそうで。このたびは大変でしたねえ」と慰められた。なぜ私が大変なのか。
 席に着いたら着いたでレミィが「そういえば、あいつの容態はどうだ?」と聞いてきた。私が知るわけがない。
 挙句の果てに咲夜が「薬膳を作ったのですが。持っていっていただけますか?」などと言って怪しげなスープを押し付けてきた。自分で持って行けと思った。
 妙な臭いに辟易しながら持っていくと、○○はベッドで眠っていた。確かに風邪のようで、高潮した頬や湿っぽい吐息がその症状を伝えていた。
 ベッド脇に土鍋を置くと、その音に反応して、一瞬だけ薄目を開けたように見えたが、消耗しているのか、すぐにまた眠りに落ちていった。
 看病など柄でもないのですぐに立ち去ろうと思ったが、せめて床に散乱しているシャツくらいは椅子にでも掛けておいてやろうかと手に取ると、
「おう、風邪引いたんだって? 調子はどうだ?」と言いながら扉を蹴破るようにして魔理沙が入ってきた。
 しかし魔理沙はシャツを持つ私を見ると急に頬を赤らめ「あー、すまん。これを渡しに来ただけだから。義理だから全然心配しなくていいぜ」と
早口で言いながら、私に小さい箱を押し付けるやいなや「じゃあお前から渡しておいてくれよ。まあなんだ、邪魔したな」と、
困惑する私を尻目に去っていった。
 意味が分からないので箱を開けると、「義理 Marisa.K」と白文字で大書されたチョコレートが入っていた。
 そういえば、これまでは女所帯なので大して気に留めることもなかったが、今日は確かそういう風習がある日だった。
もっとも、男がいたとしても気には留めなかったと思うが。
 それも土鍋の横において部屋を出る。なんだかよく分からないが、まだ朝だというのに異様に疲れた。
 図書館に戻ると、小悪魔がニヤニヤしながら「看病イベントですね! これでフラグが立ちましたよ」とこれまた意味不明なことを言ってきたので、
ジンジャガストで薙ぎ倒しておいた。

2月16日
 驚愕の事実が判明した。
 どうも周囲からは、私と○○が両想いの仲だと思われているらしい。
 通りで先日は皆から妙なことを言われると思った。
 実際には、私と○○は会話することすらあまり無いのだが、確かに図書館の外から見ると、私に会いに足しげく通いつめているように見えるかもしれない。
 良い悪いという以前に困惑せざるを得ない事態だ。実験にも身が入らない。
 考えていると、間の悪いことに当の本人がやってきた。もう大丈夫なんですか、という小悪魔の質問に、ええおかげさまで、などと呑気に答えている。
 こちらの身にもなってほしいものだ。
 ○○がこちらを向いて、パチュリーさん一昨日の朝に来てくれましたよね、と言ってきた。あいまいにうなずくと、きっとあのスープが効いたんです、
ありがとうございますと頭を下げた。
 あれは私じゃなくて咲夜が作ったものだと言おうと思ったが、小悪魔がさえぎるように「いやーそうなんですよー、パチュリー様ったら慣れない料理を
一生懸命、○○さんのためにですね」とよどみなく嘘を並べ立てた。○○はそれを聞き、よりいっそう感謝の念を深めたようだった。非常に困る。
 彼はまた帰り際に改めて礼を言い、お返しには期待しておいてくださいね、と笑顔を残して去っていった。
 小悪魔に目線で非難を送ると、悪びれずにニヤニヤしながら「だって本当に両想いになったほうが面白いじゃないですか」とうそぶくので、
セントエルモピラーで爆破しておいた。

2月28日
 どうにも先日以来、○○が来ると調子がおかしくなって困る。
 それもこれも、あの両想いだとか何とかいう噂のせいだろう。
 何度か否定してみても、誰もが「またまた照れちゃって」という顔をする。まったく信じてくれないのはどういうことだろうか。
 小悪魔によると、○○と私は「静かで本好き」という共通点があるため、きわめて「お似合い」であるのだそうだ。意味が分からない。
 その○○は今日もテーブルの隅でページをめくっていたが、こんな状況ではその様子が気になって何度も目を向けてしまう。
一度は○○がそれに気づいて目が合ってしまい、慌てて視線をそらしたほどだ。まるでこれでは本当に恋仲のようではないかと、我ながら呆れてしまう。
 そういえば○○はこの噂を知っているのだろうか。知っているのだとしたら、それについてどう思っているのだろうか。以前なら気にも留めなかっただろう
些細なことが、なぜか今はとても気になった。
 あと小悪魔がニヤニヤしながら「いやあ青春っていいですねえ」と言ってきたので、エレメンタルハーベスターで削っておいた。

3月13日
 本を読んでいる○○の元に狐の式神が訪れた。
 そろそろ春、隙間妖怪が目覚める時期なので、それにあわせて外界に帰る算段をつけたいとの由。
 ようやくと言うべきか、これで私の精神にも平穏が訪れるというわけだ。
 しかしあろうことか、○○は狐に、帰るつもりはありませんと言った。
 私の心臓はなぜか跳ね上がり、狐も当然驚いたが、私を見ると急ににやつきだし、何かを納得した様子で帰っていった。
 そしてまた図書館は静かな状態に戻ったが、私はどうしても気になったので、なぜ帰らないのかと尋ねた。
 ○○は驚いたように顔を上げたが、すぐに満面の笑みを浮かべると、僕がここに通うようになって初めてじゃないですか、パチュリーさんのほうから
話しかけてくれたの、などと言い出した。
 私はそれを聞くと急に○○を見ていられなくなって、馬鹿じゃないの、と小声で言い、本に視線を落とした。
 そのページに何が書かれていたのかは、あまり覚えていない。
 後で小悪魔がニヤニヤしながら「あーあパチュリー様ばっかりいいですねー。私もときめきたいですー」と言い出したので、ノエキアンデリュージュで
押し流しておいた。

3月14日
 そういえば結局昨日はなぜ帰らないのか聞いていなかったということに気づき、改めて今日聞いてみた。
 ○○は悩んでいるようなそぶりを見せたあと、もともと帰るところなんてなかったんです、と少し寂しそうに笑った。
 それを聞いて初めて、そういえば私は○○のことを何も知らないということに気づいた。知っていることといえばせいぜい名前くらいだった。
 それに気づくと、私は急に○○へ質問がしたくなった。
 外界では何をしていたのか。どんな本を読むのか。好きな食べ物は。そのような、まったくどうでもいい疑問は尽きることなく湧き続け、その答えを
得るたびに、私のどこかにある空白が埋まっていくように感じられた。
 今日は随分と喋った気がする。今まで○○と喋った分、その数倍を今日一日で喋っただろう。
 その間、本は脇に置かれたままだったが、ありえないことに、それはあまり気にならなかった。
 最後に、○○は「先月のお礼です」と言って袋包みのクッキーを置いて帰っていった。
 おそらく手作りだろうそれを前に私がぼんやりしていると、小悪魔がニヤニヤしながら「いらないんですかー。私が食べちゃいますよー」と
言ってきたので、ラーヴァクロムレクで撃ち抜いておいた。

3月25日
 いつになく真剣な目つきの○○がやってきて、何かと思ったら愛の告白をされた。
 正直○○本人よりも、「ついにやった!」という顔の小悪魔のほうが強く印象に残っている。
 返事は少し待ってほしい旨を告げると、○○は分かりましたと言って、本は読まずに帰っていった。
 ○○のいないテーブルは、少し広く感じた。
 なんで即断即決じゃないんですかー、と不満そうな小悪魔は無視し、私は考えた。
 ○○とは誰か――紅魔館の前で行き倒れていた外の人間。毎日のように図書館へ来る。
 私はそれが嫌か――嫌ではない。
 では、それは好ましいことか――今はそのように思える。
 愛の告白を受けて、どのように感じたか――嬉しかった。
 つまり……おそらく、私は○○のことが好きだ。
 本当は、こんな問答を行うまでもなく、自分の答えはわかっていた。
 ただ、それを認めてしまうのは、少し怖かったのだろう。
 何しろ、知識以外の物事に自らをゆだねたことは、いまだかつて全くなかったのだから。
 きっと、私には自分から踏み出す一歩が必要なのだと思う。
 そう決心して腰を上げると、小悪魔がニヤニヤしながら「行きますか? 行っちゃいますか?」とやたら楽しげに言うので、サイレントセレナで
少し黙らせておいた。

3月26日
 小悪魔がニヤニヤしながら「ゆうべはおたのしみでしたね」と言ってきたので、ロイヤルフレアで蒸発させておいた。

6月30日
 6月の花嫁は幸せになるという俗説がある。それになぞらえたのかどうかは知らないが、とにかく今日、私と○○の結婚式が執り行われた。
 わずか半年前、過去に戻って「お前は来年の6月に結婚する」と言ったら信じるだろうか。とても信じまい。実に隔世の感があった。
 ただ隣にいる、慣れない礼服に辟易した様子の○○の存在が、これは夢ではないということを告げていた。
 控え室で○○が、言ってなかったけど、ここにお世話になることに決めた理由は、パチュリーに一目ぼれしたからなんだよね、とぽつりと言った。
 私はそれに、今更そんなことを言われても困ると思った。これから本番だというのに、恥ずかしくて新婦が新郎の顔を見れないというのでは式にならないから。
 結婚式の様子については、多く語ることもない。館のメイドたちやそれなりに多くの人妖が私たちを祝福し、私たちはその祝福を受けた。
 式は西洋の作法にのっとって行われた。もちろん神父などというものを呼ぶはずもないが、代わりに紅魔館のエントランスに設けられた高台にレミィが立ち
「おいお前、パチュリー・ノーレッジを妻とし、病める時も健やかなる時も、生涯愛することをこの私に誓え」とものすごく偉そうなことを言っていた。
 ○○は私の目を見て笑みを浮かべると、レミィに向かい、誓います、と言った。
 その言葉だけで、私は幸せになれた。
 ことはそう単純ではない。そもそも寿命も異なるし、今後どうしていくのかということも不透明だ。
 ただそれでも、その言葉を聴けただけで、今の私は、これはきっと間違いではなかった、と思えた。
 次いでレミィが私にも問いかけた。私もまた、レミィに誓った。
 ありきたりな言葉だけれど、きっとその誓いが、二人で生きていくということなのだろうと思う。
 そのあと、小悪魔が泣きながら米粒を投げてきたので、花束を叩きつけておいた。





9月30日
 今日で結婚から3ヶ月経ったことに気づいたが、生活が何か変わったかというと、実のところそれほど変わったようには思えない。
 私は相変わらず図書館で本を読んでいるし、○○もまた、館の仕事をこなしては図書館へとやってくる。
 今日、唯一つ違ったのは、○○と二人本を読んでいると、小悪魔が知らない男を連れてきたことだった。
 聞けば、彼もまた、○○と同じように外界から来た行き倒れだという。
 彼は○○と違ってよく喋り、また屈託なく笑ったが、馬が合ったのか三人で歓談していた。
 やがて部屋を案内すると言って男二人は出て行ったが、小悪魔がなんとなく落ち着かない様子で、そわそわと立ったり座ったり、ちらちらと
扉に目線を送ったりしていた。
 私はピンと来るところがあり、ニヤニヤと笑みを浮かべながら小悪魔に言った。「恋の予感かしら?」
 反撃はなく、ただ小悪魔は酷く赤面した。

12スレ目>>853 うpろだ896

───────────────────────────────────────────────────────────
退行したぱっちぇさん。

「ねぇねぇ○○」
「どうしたのパチュリー」
「あのね、お本読んで~」
「あ・・ぁ良いよ、ささ、ベッドに行こうね」
「○○~」
「なあに?」
「お本てね、食べられるの?」
「美味しくないよ」
「じゃあ食べない」
「うん」


「・・・でした、おしまい」
「ありがと~○○~」
「今日のお話は面白かった?」
「ん・・・わかんない、でも」
「でも?」
「○○が読んでくれたから、面白かった気がする~」
「そうかい、それはよかった・・・
 ところでパチュリー」
「?」
「ぎゅってしたいのは良いが腰に抱き着くとポジション的に」
「そ、そ、そ、そそそそそこまでですぅ!」

12スレ目>>887

───────────────────────────────────────────────────────────

「うう……」
 
 口から言葉が漏れると同時に無意識で本を開く手が止まった。
 集中して読んでたはずなのに、思わず呻いてしまうようなこの匂い。
 いや、匂いそのものはまったくもって問題ない。
 甘くていい匂いだ。
 ……だから問題なのはその量。甘い匂いがこれはありえんだろうというくらいに充満している。それも紅魔館中に。
 そもそもこのヴワル図書館にまで届くような匂いってどういうことだ。
 しかし本来このことにお怒りになられるはずであろうパチュリーはというと、今回はこの匂いを生産する側。
 お嬢様、妹様、中gもとい美鈴さん、咲夜さんも同様だ。
 加えて紅魔館で働くメイドの数を考えれば……いややっぱありえない。どう考えてもおかしい。
 一体どれだけの数の『チョコレート』がこの紅魔館にあるというのだろう。 
 想像することすらもはや不可能っていうか想像したくない。
 流石は悪魔の館というべきなのか。なにか間違ってる気がするけど。






 ――今日の日付は2月14日。つまるところ完全無欠にバレンタインデーだった。






「つってもなあ」
 
 一体なんで幻想郷に外の世界の行事なバレンタインデーがあるのかとかはこの際おいとく。
 しかしこっちであるからといっても俺にはさほど関係が無い。
 確かにこっちに来て女の子の友人がやたら増えたが、まあ義理チョコ一個くらいもらえれば御の字と思ってるし。
 本命?
 ははは、ばかだなあ。そんなの天地がひっくり返ってチルノが⑨じゃなくなるくらいありえない。
 もう期待すらできなくなった俺の外での経験に涙がでそうだ。
 く、くやしくなんかない!
 ……でもパチュリーが生産する側ときいたからちょっとだけ期待もしてたりもする。
 どっか矛盾してるけどしょうがないよね、だって男の子だもん。


 本を片手にニヤニヤしながらそんな事を考えていると、扉を開ける音が俺の意識を妄想から引き上げた。
 目を向ければそこにはパチュリーと小悪魔の姿。
 ……と同時に、館に充満していたであろう甘いをとおりこして甘ったるいチョコレートの匂いが襲ってきた。

「あががががが」

「○○? どうしたの」

「あ、いやなんでもない」

「? ……そう。じゃあ小悪魔、準備して」

「はいー」

 平素状態そのままに、そう言って奥に飛んでいく小悪魔。
 つかなぜこの強烈な匂いに気付かないんだ皆。感覚が一時的に麻痺してんじゃと思わざるを得ない。
 救いといえば、パチュリーが後ろ手に持っているものからの匂いはここまで強烈ではないこと。
 
「…………」

「…………」

 そして小悪魔が準備している間。
 その間ずっと身体をソワソワしさせているパチュリーから断続的に俺に視線が飛んできていた。
 視線が合うとそらされ、だけど恐る恐る戻して、しかしまた合うとそらす。
 普段では絶対にお目にかかれないパチュリーの姿に俺はもう狂喜乱舞しそうです。キャッフー。
 これはいいんですよね、期待してもいいんですよね!?
 少なくとも義理はもらえるはず!
 しかしそんなことはおくびにも出さず平静を装う俺。
 そして気付いたときにはすでにお茶会セットは準備完了しており、俺とパチュリーは向かい合うように席についていた。
 とりあえず、目の前の適温に温められた紅茶を手に取り一口飲む。
 ……嗅覚の影響をうけたのか、なんだか甘い。

「あの、これ……」
 
 お互いに紅茶を飲んでいたがやがてパチュリーの方がカップをおいた。
 陶器がかち合う音と同時に、すっと俺の方に小さな包装された箱が差し出される。
 
「あ、これチョコ?」

「ええ。……今日は、そういう日なんでしょ? 貴方は整理とか手伝ってもらってるし、本の扱いも丁寧だし、もってかないし……」

 言葉を探しながら色々と理由付けしようとするあたり、らしいといえばらしい。
 可愛いなあと思ったがどこぞのギャルゲー主人公のように口にだしたりはしないぜ。

「食べてみても?」

「……うん」

 顔がニヤケるのを必死で抑え込みながら、包装を丁寧に剥がしていく。
 この包装もところどころ曲がってたりしていたが手作り感がまた非常にグッドです。
 箱を開けてみると中に入っていたのは一個のチョコレート。
 ……しかしですねパチュリーさん。ハート型ってのは、こう、気恥ずかしいです。はい。
 向こうもそうなのか俺が箱を開けた瞬間に俯いてしまった。耳まで真っ赤にして。
 とりあえずこのハートのチョコを真っ二つに割ってしまうというバッドエンドフラグを回避すべく、端っこを少しだけ割る。
 そして口の中に放り込んだ。
 ……。
 …………。
 ………………。

「どう……?」
 
 無言でいた俺に不安を抱いたのだろう。
 恐る恐るといった感じで聞いてきたパチュリーに、俺は新たに割ったチョコの欠片をパチュリーの口の中に突っ込むことでその返答とした。

「んむ!?」

 最初は一体なにを! と眉がつりあがっていたが咀嚼するにつれてだんだん眉がさがっていく。
 俺の言わんとしていたことがわかったのだと思う。
 そうして、こくりと喉を小さく鳴らした後

「ニガイ」

 言ってから紅茶に手をつけた。
 それを確認してから、俺もまた紅茶に手をつける。
 
 チョコそのものの出来は全然問題ない。むしろかなり良いと言っていい。
 しかし如何せん、苦すぎた。ビターというよりはド・ビター。つまり凄く苦い。
 まあ、この甘ったるい空気の中なので俺には普通のビターより少し苦いくらいにしか感じなかったのだが。
 同じものを食べたパチュリーの感想は違っていたようで。

「ごめんなさい……」

 ひどく申し訳なさそうに言ってきた。
 ついでにちょっと涙目。
 俺の冷静な部分は「涙目のパチュリー。なんてレア……!」とか思ってたりもするが大部分では大慌てだ。
 
 どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!?
 その時。
 8割がたパニックになりかけな俺の目に飛び込んできたのはティーセット一式。
 
 ――これだっ!
 
 そのひらめきのままに、新たに注ぎなおされた紅茶に多めの砂糖とミルクを入れる。
 パチュリーの紅茶にもおなじことをして例のチョコを割り、二欠片つくって片方をパチュリーのソーサーに置く。
 そして俺の奇行に向けられるじと目はとりあえず無視してチョコを再び口に放り込んだ。

「あ……」
 
 小さな声が聞こえたような気もしたけどそれも無視。
 口の中で砕かれたチョコが熱でゆっくりと溶け、苦味が広がっていくところにさっき作った甘めのミルクティーを含む。
 すると二つの味がちょうどいいかんじに混ざり合っていって――

「ん。うまい」

 素直な感想が口から出た。
 俺がそう言うと、確かめるようにパチュリーもおなじようにしてチョコを食べる。
 するとこちらも少しだけ驚いた顔で

「……おいしい」
 
 と言った。
 まあやった事といえば、苦ければ甘いので打ち消せいいというそれだけの事なのだけれど。
 今回の場合はそこにミルクが加わったことで、砂糖の尖った甘さがマイルドになったのだ。
 チョコの出来はいいんだし。口当たりの良さは抜群だった。
 ともあれ、僅かな変化ではあるがパチュリーも笑顔を浮かべてくれているみたいだしよかったよかった。
 涙目なパチュリーも可愛かったけれど。
 やっぱり……その、好きな人には笑っていて欲しいし、そっちの方が断然イイ。
 改めてそう思いながら俺は手に持っていたカップを静かに置いた。


「チョコ、ありがとな」

「どういたしまして」


 はにかみながらも笑顔を向けてくれたパチュリーに、思わず赤面しながらそれを誤魔化すためにまたチョコを一欠片口に入れる。
 口の中に広がる苦味を感じながら思った。
 ――まあ、こんなバレンタインも悪くないかな。





















 ……後日、図書館中に染み付いたチョコの匂いにパチュリーが遅れて激怒した。

12スレ目>>970 うpろだ925

───────────────────────────────────────────────────────────

「―ゴホッ、ゴホッ」
「……やれやれ、またか」

 ここ何日か、パチュリーが俺をつけ回してる。
 いわゆるストーカー、なのだが……

「また発作だな?ほら、背中さすってやるから」
「ゴホッ……あ、ありがとう……」
「なあ、もうやめたら?俺は絶対浮気なんかしないし、
 何よりパチュリーにはストーカー向いてないって」
「……だって、貴方を他の誰かに取られたらと思うと、私……」

 体力がなく、動き回るのになれていないのに
 外をついてくるもんだから、
 発作を起こしたり日射病で倒れたり。
 何度介抱したことか。

「せめて、小悪魔に代わってもらうとか……」
「……あの子が一番心配なのよ、ゲホッ、ゴホッ……」

 こりゃ図書館に住み込むしかないかな、などという俺の思いをよそに、
 今日もパチュリーはついて来るのだった。

13スレ目>>216

───────────────────────────────────────────────────────────

「……エヘヘ……○○とこんな感じでこう」
「なあ、パチュリー、なに読んでるんだ?」
「ちょ、見ちゃ駄目!……ハァハァ」
「寂しいなあ……。?……鼻血!おい、マジでなに読んでたんだよ!」
「証拠を……隠滅しなきゃ……」
「そんなことより早く安静に!ただでさ「大丈夫。ちょっとくらっと来ただけ……あれ?」
「どうした」
「本がない……」
「大事なものだったのか?よし、探してきてやる!」
「あ、ちょっ」

「ここにありますよー!!!!!」(小悪魔)
『放課後の淫魔な図書館』

「え?なにそ「そ、そこまでよッ!!!」

13スレ目>>221

───────────────────────────────────────────────────────────

じー……
パチェ「…………(読書中)」

むにっ
パチェ「……………何?」

いやなんでも
パチェ「…そう……(読書再開)」

むにむに
パチェ「…………」

愛してるぞ
「……そう」


パチェ可愛いよパチェ

13スレ目>>239

───────────────────────────────────────────────────────────

ふと思った
身長180オーバーの俺からしたら、幻想郷の女の子はみんなちっちゃいのだ
勿論想像だが、イメージ的に長身なのは師匠やこまっちゃんぐらいなものだと思う

そこでその体格差を最大限に活かし、パチュリーを膝の上に座らせたい
椅子の上に座った俺の膝の上に、パチュリーが腰掛けるのだ

「これ1冊しかないから・・・」とかわざわざ言って俺の上に腰掛けてくるパチュリー
座ったはいいものの慣れない据わり心地にもぞもぞするお尻から伝わるバイブレーション
視線を下げればすぐそこにある絹糸のような紫の髪とそこから漂うフレグランス
じっと見ている視線に気づいて「何よぅ」と見上げてくる不機嫌そうな瞳
それを塞ぐようにぎゅっと抱き締めて、半ば強引にその唇を・・・

・・・どうしてパチュリーは現実にはいないんだ
ヤらしいこととかしなくていいから、一日中腕に抱いて過ごしていたいよぅ

13スレ目>>255

───────────────────────────────────────────────────────────

図書館にて――
パ「また来てたの?」
○「ああ、ここには面白い本がたくさんあるからね。ほとんど読めないけど」
パ「そう。はい、コーヒー」
○「お、ありがと」
パ「…………ぼそっ(日符『ロイヤルフレア』)」
 ゴボゴボゴボッ
○「うあっちぃ!?」
 コトッ
パ「えー?」
○「ふーっふーっ、あー熱かった。てかなんで急に熱くなったんだ?」
パ「なんでこぼさなかったの?」
○「本のある場所で飲物をこぼすようなことはしないって。それよりいたずらしたのパチュリーだろ」
パ「ここにある本は飲物くらいかけられても問題ないしズボンにこぼしたコーヒーを拭きながら
  だんだんとアレな雰囲気になって○○とそこまでよ! なことしたかったのに」
○「それが目的か」
パ「えーと、積極的に○○とアバンチュールする方法は……」
○「おーい、そこは消極的にだろー」

13スレ目>>335

───────────────────────────────────────────────────────────

ものすごい轟音と共に現れた普通の魔法使い
「パチェ~。今日も借りに来たぜ~っと。○○じゃないか」
パチェはやれやれ。といった目つきで魔理沙を眺める。
が、特に動く気は無いらしい。いつもの事。といった感じで。
「魔理沙。パチュリーの…というか紅魔館の苦労も考えような」
「いやいや○○。これは私の道だ。邪魔はさせん」
そう言って魔理沙は俺の頭を撫でる
「邪魔をする気は無いがなぁ。パチェの苦労を考えたら、一声掛けといたほうがいいな、と」
「○○。魔理沙は基本的には何を言っても無駄よ。何かを言って帰るようなら苦労はしない」
その言葉に魔理沙が食いつく
「また私を馬鹿みたいに言いやがって」
「違うの?」
「私は馬鹿じゃないぜ。図書館に寄って本を借りる勤勉な魔法使いだ。なぁ○○?」
あながち間違えでは無いが、借りるってとこがどうもパチェには気に食わないらしい。
「借りる借りるって、いつ返すのよ。そろそろ取り立てに行くわよ?」
「別にいいぜ?返却する義務はいつも課せられてないからな。お前が捕まるだけだ」
「何よそれ。勝手に取って行ってる貴女が言えるセリフなの?」
ピリピリした空気が流れる。そして俺空気。
「な…なぁパチェ。少し落ち着け。魔理沙も。な?」
「それもそうだな。○○に落ち着けと言われて、落ち着かなかったら良いことが起きない」
「いつも落ち着かないで事を悪いほうに進めてるのは貴女だけどね」
「なんだと」
更にピリピリとした空気が流れる。なんだ?今日はパチェの機嫌が悪いのか?
「パチェ。落ち着けって。なんか今日変だぞ?」
「…○○。魔理沙の事を追い返しておいて。私はちょっと自分の部屋に行くから」
「俺に任されても…」
「いいから」
「…はいはい」
これはさっさと魔理沙を帰してパチェと話す必要がありそうだな…
「なぁ魔理沙。今日は勉強もいいが休む日にしないか?いつも勉強詰めじゃあ疲れるだろ」
なんとなく変な空気と分かった魔理沙は今日は食い下がる
「…あぁ。分かった。今日は勉強と趣味を慎む日にするぜ。じゃあな」
そう言って素直に帰る魔理沙。小悪魔はドアの修理に早速取り掛かっている
「小悪魔?」
「なんでしょうか」
そう言ってこっちを見る
「パチェ、今日機嫌悪かったみたいだけど…なんか知ってる?」
「いいえ。なんででしょう?魔理沙さんが来るまでは、いつもどおりの用に見えましたが」
「だよなー。まぁちょっとパチェのところに行ってくるわ。いつもすまないが修理頼んだ」
「はいはい。パチュリー様の部屋に行ってもお話だけにしてくださいよ」
「なんだそのジョークは」
俺は苦笑いし、ドアの修理を小悪魔に任せてパチェの部屋に向かう。
「どうしたんだろう…」
本当に何なのか分からないままパチェの部屋の前に止まる。
そして一呼吸置いてノックする。
「誰?」
「○○だけど」
「…いいわよ」
そう言われ俺は部屋に入る。
パチェはベットに寝転がっている。その横に腰を掛ける
「で、何よ?」
「いや、今日どうしたのかな。って」
「別に何でも無いわ」
「そういうときに限って絶対なんかあるんだよな」
そう俺が言うとパチェが黙る
「どうしたんだよ。言ってくれなきゃわかんないぞ?」
「あんまり言いたくない…というか、ちょっと考えれば分かるわよ…」
そう言われ、俺はパチェの機嫌が悪くなったと思われる行動が、何かあったか考える
今日は図書館に来て、そろそろ図書館を仕舞おうかなー。
って思ってるときに魔理沙が来て、俺が注意して、魔理沙がさり気なく反論しながら俺の頭を撫でて
俺が微妙に突っ込みを入れた後パチェが怒って…

…そういうことか、パチェ。可愛いやつめ
俺はパチェの頭を撫でる
「あぁもう可愛いなぁパチェは。俺が魔理沙に撫でられたくらいで怒って」
パチェは顔を赤くして枕に頭を埋める。やはり図星か。
「だって…私の大好きな○○が魔理沙に撫でられたら…」
「ちょっとしたことでヤキモチを焼くのが、お前のまた可愛いところなんだなぁ。パチェ。好きだぜ」
そう言うとパチェはのっそりと起き上がり、俺に抱きいて、ベットに一緒に倒れる
「今日はなんか凄い積極的だな」
俺は笑いながら言う
「だって久しぶりに○○が好きって言ってくれたんだもん。私も大好きよ。○○」
パチェも笑顔で返す
そんな甘甘ムードの中ベットで二人が寝転がっている
俺がパチェの顔を見つめると目を横に反らす
そこで顔を徐々に近づけて…


コンコン
二人ともビクリと体が動く

ガチャリ
「小悪魔です。パチュリー様。ドアの修理が終わりました…っと」
俺が小悪魔の顔を反射的に見ると、この世のものと思えないほどニヤニヤしている
「へぇー…へぇー。お取り込み中でしたか。へぇー。」
いやらしく笑いながら小悪魔は言う。
「では、失礼致します。パチュリー様」
パチェは口をパクパクさせ、目は泳いでいる。
小悪魔が帰ろうとするが、後ろからでもニヤニヤオーラが出てるのが分かる。
そりゃ、あんなシーンを見せたらな。
ガチャリ。とドアを閉め、小悪魔が出て行った
「…はぁ。見つかっちゃったな」
小悪魔にばれたらちょっかいを掛けられる。と常々言わていたが、まさかこんな所を見られるとは。
「でも、まぁ見つかっちゃったんだから、これからは堂々と図書館でもイチャイチャできるわね。しないけど」
「ま、そうだな。見つかったんだからしょうがないな」
俺とパチェは楽しげに笑う。
「○○。さっきやろうとしてたことは、結局無しになったの?」
パチェは目を閉じて言う
「いやいや。そんな分けないだろ」
そう言ってキスを交わす
「もうせっかくだしこのまま寝ちゃう?」
「う~ん。まぁそうだな。時間も時間だし」
魔理沙が趣味を働く時間は大抵真夜中だ。
「じゃあ髪縛ってるのはずしてくるからちょっと待ってて」
「あ、俺はずすよ」
そう言ってパチェを後ろに向かせてそれをはずす
「はい。とれたよ」
「有難う」
「相変わらず、髪。凄い綺麗だな」
「○○に撫でてもらえるように髪を綺麗にしてるから…」
「そんなことをしなくても、パチェは可愛いさ。俺もお前にもっと好かれるように、格好良くならなきゃな」
「大丈夫よ。○○は、世界で一番私の好きな人だし、世界で一番格好良いから」
二人とも、ウフフ。と遠慮がちに笑う

俺はパチェの髪を撫でながら眠りに付く。
朝起きて、腕が痺れててもまぁ良いか。それは幸せな痺れだと分かっているから。

うpろだ1304

───────────────────────────────────────────────────────────
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー