地力とは
五〜七段の方向けに書いた記事です。
今まで(六段合格辺りまで)は色々な曲をプレイして、鍵盤の位置を覚えたり、指を動かすことを覚えたり、皿の回し方を覚えたりして上手くなって来た方が多いのではないでしょうか。
しかしここからは、その実力を細かく分析して考えながら、実力を上げていくことになります。
ここで、音ゲーで使われている地力という言葉を導入します。地力は実力とはちょっと違った意味を帯びていて、地力とは曲の前情報無しに一般的な譜面(一般的でない譜面の例:皿曲)をクリアする力のことです。
何のことだか分からないと思うので、もう少し話を進めます。
地力は3つの要素で成り立っています。すなわち、
- 乱打
- 16分で1つから2つのノーツが延々と降ってくる譜面のこと。もちろん、「延々と」といっても間がちょくちょく空いていても良いです。
- 同時押し
- 8分で2つから4つのノーツが同時押しで降ってくる譜面のこと。
- 皿複合
の3つです。
そして、
乱打・同時押し・皿複合がしっかり叩ければ、大半の曲は対処できるのです。これら3つのタイプの譜面への習熟度をまとめて地力と呼んでいます。
実際にクリアやスコアに繋がる
実力は、
地力に加えて
トリルやらCNやら
ソフランやら連皿やら精度やら個別曲知識やら、色々な要素を混ぜた結果です。しかし、その
実力の中でも大きな部分を占めているのは
地力です。理由は先の通り、
地力で対処する譜面が大半だからです。
地力を伸ばす練習を
六段取得周辺からは、この地力というものを意識しながら上達を目指して練習していきます。もちろん、階段やトリルといった特殊な譜面も練習していって良いのですが、練習の多くは地力の向上を目指した練習であるべきと考えます。
その理由を説明します。
地力の3要素は、それで対処できる譜面が大半であることから分かるように、どれも欠けてはならない物です。言い換えれば、
3つの内に苦手なものがあれば、それは実力の足を引っ張ることになるでしょう。よって、
地力の3要素の中で苦手なものは特にしっかり練習しつつ、他の得意だったりそうでもない要素についても、練習曲を設けて
意識して練習することが、上達への着実で真っ直ぐな道です。
例えば、乱打が得意、同時押しは普通で
皿複合が苦手な人がいたとします。その人におすすめしたいメニューは、自分の実力より少し下のレベルの
皿複合曲、同じくらいのレベルの
皿複合曲と同時押し曲と乱打曲(乱打は場合によっては無し)、更に、実力より少し上の挑戦レベルの曲にランプを点けるために特攻することです。
このように自分の地力を分析して、それに適った練習をし、挑戦レベルの曲を頑張る感じでやっていくと、地力は伸びていくと思います。
この時、ある要素のこれくらいのレベルの曲、というものを探すには、短期スレや口コミなどにアンテナを張らなくてはなりません。良いと思った練習曲はしっかり覚えておいて(私は紙に書いて持っていました)なるべく毎回練習するようにしましょう。このwikiにもそのような曲のレベルのデータベースができたらいいなとは思っていますが、大変なことなのでできるかわからないです。
それと、さっき階段やトリルといった特殊な譜面の話が出ました。これを練習する際には注意が必要です。それは、
同様の密度の地力が着くまでは根を詰めて練習をしないべきということです。
どういうことかというと、例として16分の速さで降ってくる一重トリルを想定してみます。このようなトリルをしっかり叩くことを習得するためには、それと
同様の密度の地力、つまり、ノーツ1個の乱打(具体的にはquasar(H)など)がしっかり叩く事ができていることが前提になります。
これを考えずに、地力が足りない状態で根を詰めた
トリルの練習をすると、
トリルが上手くなるのも遅くなってしまいますし、
トリルに変な癖がついてしまいます(
トリルが見えたら「
トリルだーーー(ドコドコドコドコ)」とリズム無視で押してしまう症状など)。これが後に、地力が上がっても
トリルに癖がつき続けて、
トリルが苦手になり、この癖を抜くのに苦労することになってしまいます。
なので、地力が足りないうちの癖譜面の過度な練習はなるべくやめておきましょう。
地力の練習だけでいいの?⇒NO!
ここまで、地力を伸ばすことの大切さを述べてきましたが、ではそれだけでいいの?と訊かれればもちろん答えはNOです。なぜなら、このゲームの目標として段位取得やランプ埋めやアリーナで勝つことが挙げられますでしょうが、これらの目標を達成するためには、地力で対応できない残り10%の譜面にも対応できるようにならなくてはならないからです。
具体例を挙げれば、ランプ埋めは言わずもがな、皆伝取得のためには冥の加速地帯を突破しなくてはならず、近年では皆伝以外の段位認定でも皿曲やCN曲が(恐らく意識的に)積極的に取り入れられています。また聞いた話ではありますが、アリーナでは DAY DREAM が投げられることがあり、あの激しい
ソフランに対応しなくてはならないようです。
これらの必要性に駆られて、地力で対応できない譜面への対応を習得するわけですが、この習得に関して当wikiで示す指針を挙げましょう。
- まずは用語です。地力で対応できない譜面のことを以下では、癖譜面と呼ぶことにします。対応する力の度合いを癖譜面力と呼ぶことにします。
- 本来の癖譜面という単語はもう少し広い意味があるようで、例えばラス殺しやGAMBOL判定やズレ譜面を含むようです。
- 先に述べたように、癖譜面の練習の際には地力を越えた密度の譜面を用いないようにしましょう。
- 癖譜面をなるべく単体で練習できる譜面を用いて練習を行い、譜面のレベルも数字に囚われず、自分の癖譜面力に合わせた譜面を使いましょう
- 例えば、皿曲の練習をしたい方が十段であっても、Watch out!! (N) なんかも、譜面のレベルは4と設定されているものの、その低BPMや皿以外の余計な要素の少なさなどから、十分に練習曲になります。
癖譜面って具体的に何のことかというと、このwikiの左のメニューで譜面傾向として挙げられているものたちです。そのうち
トリル、軸、
繰り返しについては、多重乱打に対応するために
横認識を習得する段階になれば、
横認識で解決可能です。
問題はその他の
- 縦連、および縦連複合
- CN、およびCN複合とカーテン
- ソフラン、および低速
- 連皿
これらの習得は、地力の成長の完全に外側にありますため、段位認定挑戦やランプ埋めなどで必要性を感じたタイミングで、しっかり練習をしてみましょう。それぞれの考え方や対策は左のメニューからどうぞ。
最終更新:2022年05月29日 08:31